原作通り、全サブタイトルを人物名にしてみました
やっぱりこの方がいいかなと思ったのでそうさせてもらいました
天谷隊が派閥間争いの仲裁に決めてから6日後、戦いが発生すると迅に言われた日がやってきた。
天谷たちは予め立てた作戦、迅から聞いた話とプランについて確認してから出撃した。3人はすっかり夜の闇に包まれて、明かりがなければ見渡せないような暗闇の中、迅が指定したポイントに向かって走っていた。
「ねえ、あとどれくらいでそのポイントにつく?」
特に喋る事もなく目的の場所へと走っていたが、久しぶりにボーダー上位の実力者たちと戦えることにワクワクが止まらない様子の剣持は、そわそわした感じでまだかなとつぶやき始めた。
このまま無視していてもいいかと思っていたが、あまりにそわそわとしていい続けるので、天谷は目印でつけられたポイントを確認してどれくらいか推測して答える。
「あと2分程度だと思う。そわそわし過ぎて動きが硬くなるなよ?」
「はーい。というか、私が緊張で固まるタイプじゃないって知ってるでしょ?」
「それもそうだな」
相変わらず軽い感じで話す剣持であったが、顔は真剣な表情をしていたため、本気で集中を高めているようであった。
「…柳本先輩、周りに誰か反応はありますか?」
剣持が集中している表情の一方、どこか気になることがあるのか呆けているような表情をしていた宇野がレーダーに写っている人を確認する。
『そうね、宇野ちゃんたち以外には一人…多分これは迅くんかな?だけが映ってるだけね。それ以外には確認できないからバックワームを使ってるのかも』
「……」
「宇野ちゃん?大丈夫?」
「…あっ、すみません。教えてくださってありがとうございます」
やはり最近の戦いが上手くいってないのが気になっているのか、どこか浮ついた様子を比奈はしていた。
迅さんいわく、この戦いが宇野にとって大きな転換点になるらしいが、実際はどうなるか…。これ以上悪くならないのならいいのだが…。
『もうじき指定のポイントに着くわ。しっかり警戒してい来ましょう』
インカムからハッパをかける柳本さんの声が聞こえてくる。とりあえず不安に思っていることは一度忘れて、集中を高める。ここでの戦いが今後のボーダーの行方を左右すると行っても過言ではない。
意識を余計な考えから離し、集中力を高めて、その目的に向かって地面を蹴って進んで行った。
「実力派エリートとして、可愛い後輩を守んなきゃいけないな」
迅はその腰に身につけた黒トリガー、『風刃』に手を掛けながら対峙する集団、城戸司令派の刺客、太刀川隊、冬島隊、風間隊、三輪隊に威嚇をする。
思わぬ迅との遭遇、更に黒トリガーを使っての戦闘の構えに全員が警戒態勢をとる。
「模擬戦を除くボーダー隊員同士の戦闘を固く禁ずる。隊務規定違反で厳罰を受ける覚悟はあるんだろうな?迅」
迅に対して、ボーダーに所属するものが従わなくてはならない規定を持ち出して、戦闘を抑えようとする風間であったが、迅はそんな警告にも顔色一つ変えることなく余裕な表情を浮かべながら返す。
「それを言うなら、うちの後輩…空閑 遊真だって立派なボーダー隊員だよ。あんたらがやろうとしていることもルール違反だろう、風間さん?」
空閑遊真は隊務規定に則り、ボーダーへと入隊した。風間が持ち出した規定によれば、そんな空閑を強襲し、黒トリガーを奪い取るのは、正に隊務規定違反だ。そんなことを突きつけられ、驚きの表情を浮かべたが、そんな迅の返しに対して三輪が噛み付く。
「立派なボーダー隊員だと……!?ふざけるな!近界民を匿っているだけだろうが!!」
近界民根絶という意識の強い城戸司令派の中でも特にその意識が強い三輪は到底受け入れられないと叫ぶ。目を三角にした様子で、まるでそこに姉を殺したトリオン兵がそこにいるかのように睨みつけている。
「近界民を入隊させちゃいけないなんてルールはない。正式な手続きで入隊した正真正銘のボーダー隊員だ。誰にも文句は言わせないよ」
流石の三輪もここまで言われると形勢悪く、苦虫を噛み潰した表情を浮かべて反論できないことを悔しそうにしていたが、そこに待ったをかけたのは、A級一位部隊隊長にして、迅の最大のライバルとされた太刀川だった。
太刀川は身につけていたバックワームを解除しながら話す。
「玉狛での入隊手続きが済んでいても正式入隊日を迎えるまでは本部ではボーダー隊員と認めていない。俺たちにとっておまえの後輩は1月8日を迎えるまではただの野良近界民だ。仕留めるのになんの問題もないな」
「邪魔をするな迅。おまえと争っても仕方がない。俺たちは任務を続行する。本部と支部のパワーバランスが崩れることは別としても、黒トリガー持ちの近界民を野放しにしておく状況をボーダーとして許すわけにはいかない。城戸司令派どんな手を使ってでも管理下に置こうとするだろう」
太刀川の反乱に続いて風間も抵抗をしないように伝える。迅も城戸司令が絶対にそうしてくるとは思っていた。それでも、僅かにでも戦闘を回避することができるのなら…そう思い、追い返そうとしていたが、それは無駄に終わってしまったと諦めて戦闘開始の構えをする。
「あくまでも抵抗するつもりか。おまえも知ってるだろうが、遠征部隊に選ばれるのは黒トリガーに対抗できると判断された部隊だけだ。他の部隊ならいざ知らず、俺たち四部隊を相手にして勝つつもりか?」
「おれはそこまで自惚れてないよ。遠征部隊の強さに三輪隊を加味して、いいとこ五分だろ」
その言葉を言っている最中も城戸司令派は狙撃手を除くメンバーがバックワームを解除しながら迅を取り囲むように展開する。各々の武器を生成し、戦闘態勢を整える。全員が整えたところで迅は再び不敵な笑みを浮かべて呟く。
「ただ…俺だけだったら…の話だけど」
その言葉とともに、二つの部隊が到着し、声を上げる、
「嵐山隊、現着した!忍田本部長の命により玉狛支部に加勢する!」
「天谷隊、到着。目標も確認!」
嵐山隊は城戸司令派から見て左方に、天谷隊は右方の家の屋根から姿を現し、狙える位置を保っている。
「…!嵐山隊ということは忍田本部長派と手を組んだのか…」
太刀川が警戒をしながら少し後方へと下がる。同じように他のメンバーも後退を少しするが、それを見て、嵐山隊は迅のそばに降りて、話をする。
「天谷!お前も裏切り者の玉狛に回るのか!」
対して天谷隊に対して三輪が強く叫ぶ。先日の一件もあったため、かなり強く睨みつけ、声を荒げる。
「…裏切り者…?聞いたぞ。城戸司令派は議会での話を無視し、強奪を強行しようとしていると。俺たちはあくまでも中立の立場だ。もしも三輪たちがここに来なければ何もしなかった。けど、強行をし、ボーダー内部での内戦を起こそうとしている。俺たちはそんなことを見逃さない」
「だとしてもだ!黒トリガーを野放しにしてもいいって言うのか!近界民の排除が我々ボーダーの責務だ!」
「責務だとしても、強行は許されないかな。別に私たちは派閥間争いなんてどうでもいいけど、身内を不当な目的で退けようとするのは行かないと思う」
剣持も三輪に対して意見する。だが理解をしてもらえるはずもなく、決裂し、辺りを先程まで口論していたとは思えないほどの静寂が支配する。
互いに距離を取りながら、相手の先制攻撃を警戒する。そんな中、天谷はサイドエフェクトが発動し、3人ほどの人物がこちらへ急接近していることに、天谷は気がついた。
「舞!比奈!後ろだ!シールド張れ!」
天谷が叫んだ瞬間、剣持と宇野は後ろにシールドを展開し、かわすように動く。すると、その場所へと大量のアステロイドが天谷隊のメンバーへと襲いかかった。
天谷が間一髪気がついたため、シールドにヒビを入れられた程度で済んだが、もし天谷にサイドエフェクト、『立体空間把握』がなければ、全員が蜂の巣にされていた可能性もなきにしもあらずであった。
弾丸の嵐が止み終わった後、天谷たちが構えていた家の屋上に天谷たちの見知った人たちがやってきたのだった。
「ちっ…天谷が気づいたか」
「お待たせー、援護に来たよ?」
「到着しました。皆さんの援護します」
三者三様の反応を示しながらその人物たちはやって来た。
「ここで二宮さんかよ…厄介すぎる…」
嵐山隊、天谷隊の合流で流れが傾きかけていたこの場の雰囲気は二宮隊の到着によって一転、どちらに転ぶとも分からない予想のつかない展開へと進んでくのであった。
原作と比べて二宮隊参戦