今回の内容一回納得がいかなくて書き直した結果遅くなってしまいました(建前)。…というのもありますが、本音はスマブラをしまくってました。
スマブラ楽しい
「まさか二宮さんも出て来るとは…。どうやら低い確率を引いちゃったみたいだな」
突然天谷隊の後方から出現した部隊は、B級1位にして個人総合ランク2位の実力者、二宮匡貴率いる二宮隊であった。彼らがここへやってくるということはら未来視の出来る迅ですら驚いている様子であることから、この可能性は低かったのであろうと天谷は考えた。普段は余裕綽々で涼しい顔をしている迅の顔から余裕が消え、普段では決して見ることのできない真剣な表情を浮かべている。その表情がこの状況の悪さを物語っていた。
「迅!敵の数が増えたがどうする?Aプランをこのまま実行するのか?」
嵐山たち嵐山隊のメンバー(どこにいるかは分からない佐鳥を除く)は即座に各々の銃を構えて臨戦態勢に入りつつ迅の判断を仰ぐ。ここですぐに臨戦態勢に入って冷静な判断を出来るのがA級としての強さだろう、そう天谷は思った。
そんな嵐山隊に遅れながらも、剣持はスコーピオンを、宇野もレイガストをホルダーから抜き、シルードモードにして相手を見据える。俺は今回孤月を装備して来ていないので、トリオンキューブを展開した。いつでも攻撃が出来るということを見せるためにいつものように手の周りを分割したトリオンキューブを周回させる。
そしてその態勢をしながら、嵐山隊と同じく迅さんの判断を仰ぐ。
「正直なところ、Aプランで通して行きたかったけど、二宮隊が参戦した以上、Aプランを成功させるのはかなりの至難だな。だから…」
迅はこれからの作戦内容を話しながら風刃をホルダーから抜き、風刃を起動する。すると風刃の鍔の部分から光の帯が数本溢れ、ゆらゆらと揺れているのが夜の闇の中でははっきりと目視することが出来た。
そしてその光の帯が見えるようになった瞬間、迅はその場で風刃を薙ぎ払った。
それはあまりに突然のことだった。この攻撃に咄嗟に反応出来たのは太刀川、二宮、風間の3人だけだった。3人は即座に各々の武器やシールドで首を守るようにガードの体勢を取った。
しかしながら、その3人を除く城戸司令派はその攻撃に反応をすることすらできなかった。全員がそこで起きた出来事なら気付くことはなく、それによって起きてしまった出来事を理解するしかできなかった。
迅の突然のその場での薙ぎ払いによって得られた結果、それは菊地原士郎のベイルアウトであった。
「…えっ………?」
やられた本人ですら何が起きたのか理解できないといった表情を浮かべていた。そして次の瞬間には機械の音声が閑静な住宅街に鳴り響き、菊地原は光となって空へと舞い上がった。光は一直線にボーダー本部北に向かって進んでいく。
多くの隊員はその光を呆然と見つめることとなってしまった。
「菊地原!」
隣にいた歌川が叫ぶが、すでに菊地原はベイルアウトをしてしまい城戸司令派は戦闘員を一人失うことになってしまった。
「相変わらず厄介な能力だ」
太刀川が迅に向かって呟く。かつてライバルとしてしのぎを削った故か、この状況でも冷静に、そしてとても楽しそうにこちらを見据えている。
「風刃…視野の届く範囲ならどこにでも遠隔斬撃を放てる…。やはり要注意な黒トリガーだ」
風間が城戸司令派のメンバーに黒トリガー『風刃』の説明をする。
『風刃』は簡単に言えば所有者の眼に映る範囲が攻撃の射程範囲だ。この見えるというのがミソで、見えてさえいればどんな場所ですらそれは射程範囲内となる。そんな超遠隔斬撃を放てるというのが『風刃』の恐ろしい力であった。
そんな破格の性能を持っている『風刃』だが、もちろん弱点はある。それは、一定数の弾数を使い切ると一度再装填をしなければならない。もちろんその再装填に時間はあまりかからないが、上級者同士の対決だとその一瞬が命取りになる。
そして、もう一つ大きな弱点があった。それは…
ガキンッ!
そんな最中、太刀川は手にした二刀の弧月でいきなり迅に斬りかかった。
「いかに強力な遠隔斬撃でも距離を詰めてしまえばただのブレードトリガー。それならなんら弧月を持っているのと変わらない。」
「よく対策を練ってるじゃないの…太刀川さん!」
そして『風刃』のもう一つの大きな弱点、それは近距離に持ち込まれると遠隔斬撃を活かしきることができないという点だった。それを知っていて、対策をしている太刀川は遠隔斬撃を撃たせまいとガンガン詰め寄る。
迅は風刃で太刀川の孤月を弾き返し、後方へ下がる。太刀川ははじき返された勢いを利用して着地をし、さらに攻撃態勢を整える。そんな睨み合いをしながら二人は互いの味方に指示を飛ばした。
「嵐山隊は三輪隊を受け持ってくれたら助かる。三輪の鉛弾とかを相手するのは応えるから頼みたい。天谷隊は二宮隊の相手を頼む。俺は太刀川さん、風間隊、当真を受け持つから頼んだぞ」
「三輪隊と出水は嵐山隊の足止めだ。二宮隊は天谷隊の足止めをしろ。俺、風間隊、当真、奈良坂で確実に迅を仕留めるぞ」
指示を飛ばし終えるとすぐに太刀川は距離を詰め、再び近距離戦を仕掛ける。そんな太刀川を引き気味に捌きながら、迅は自分の敵を引きつけて行った。
「分かった!俺たちは三輪隊をやる。そっちも頼んだぞ!」
「…了解。行くぞ」
奈良坂を除いた三輪隊と出水、嵐山隊は即座に銃撃戦を展開しながらこの辺りでは比較的大きめなマンションの方向に向かっていった。恐らく嵐山隊のスナイパーがそちらの方向に潜んでいるのだろう。
「俺たちも行くぞ。二宮隊だけはなんとしてでも足止めを成し遂げるぞ」
「おっけー!」
「分かりました」
「犬飼、お前は剣持と宇野の足止めをメインに行え。辻は太刀川たちのフォローだ」
「犬飼了解!」
「…辻、了解」
二宮と犬飼はこちらに対して早速アステロイドを放ってくる。俺たちは俺のシールドと比奈のレイガストでその弾幕を凌ぐがその間に辻に離脱されてしまった。
「歌川、お前は辻に変わって犬飼の援護だ」
「了解しました!」
辻の代わりに歌川がやってきて、スコーピオンを構える。こちらも同じくスコーピオンを両手に構えるが、その瞬間に歌川は素早く切り込んだ。突然の切り込みに態勢を崩されながらも、剣持は歌川の攻撃を全て回避する。
全て回避した剣持は後方に下がろうとグラスホッパーにトリガーを切り替える。そして、グラスホッパーを展開して踏もうとするが、それを黙って見ている歌川ではなかった。
「逃がしません」
グラスホッパーの方向から判断して後方に下がると思った歌川はアステロイドに切り替えて攻撃態勢に入った。そして、踏んだ瞬間にその方向へと放とうとした。しかしながら、攻撃は不発に終わってしまった。踏み込もうとした場所に強烈な天谷からのメテオラが叩き込まれたからだった。
咄嗟にシールドを展開し、なんとかメテオラの爆風から要所を守ったが、続けて天谷のバイパーが歌川に襲いかかる。シールドを前方に展開し側面などは完全にがら空きの歌川に対して、側方、後方、上空と多角的な攻撃が仕掛けられた。
歌川もなんとか必死に避けようとシールド局所防御に入るが、到底防げるようなものではなかった。障害物が近くには少ないため撃破されてしまうかもしれないと思ったその時、不意に歌川は腕を引っ張られたのだった。
腕を引っ張られたことによって歌川は難を逃れた。歌川のいた場所には無数のバイパーが襲いかかった。引っ張られなかったやられていたと思うと
「すみません、ありがとうございます」
「いやいや、今は仲間なんだから気にする必要はないよ。それよりも出過ぎないようにね?」
「分かりました」
犬飼に諭された歌川は自分の勇み足を控えるように犬飼の少し前方に構える。その様子を見て剣持は仕留められなかったことを悔やむ。
「ほぼ完璧に釣れたと思ったんだけどなあ。犬飼先輩に上手いことカバーされちゃった」
「仕留められなかったのは仕方ない。次で決めるよ」
「オッケー!」
「分かりました」
そうした時だった。
「アステロイド」
天谷のバイパーをも上回る凄まじい数のアステロイドを二宮は天谷隊に向けて放った。それをガードして受けるにはきついと判断した天谷隊は、全員が回避を選択した。しかしそれによって道を分けて左側に剣持と宇野。右側に天谷と分断されてしまったのだった。
「しまった…!」
二宮が何をしようとしてきるのかすぐに理解できた天谷はすぐに反対側に移って全員で迎え撃つようにしようとするが、それを許す二宮ではなかった。
「ぐっ…」
そんな合流を狙う天谷に今度はハウンドが放たれる。先ほどのアステロイドとは打って変わって曲がる軌道によって完全に進行方向を塞がれてしまった。
「お前の相手は俺だ。どれくらい上達したのか、久しぶりにあいてしてやろう」
「ランク戦とは違って負けることはできないんで、必ず勝たせてもらいますから」
道路で分けられた右方、こちらではボーダートップクラスのシューター二人の熾烈な火兵戦が始まったのだった。
「このまま仲良く隊で相手してもいいんだけど、こっちも指示されてるからね。君たちは俺たちが相手だ。少し付き合ってもらおうかな?」
その一方、天谷と分断された剣持、宇野は少しづつ後退しながら追われていた。
「先輩、このまま後退を続けていると天谷先輩と合流できないですし、きつくなる気がします」
このまま押されるだけでは状況が不利なので、なんとか反撃の隙を剣持が狙い、宇野がレイガストで犬飼や歌川から飛んでくるアステロイドを防いでいた。
しかし、先ほどの釣りのことがあってか二人は前がかりには攻めては来ない。どころか剣持のマンティスの射程外ギリギリを保ちながら少しづつ削ってくる。
「流石にきついね…亜美さん!この先に開けた場所あります!?」
あの様子だと崩す前にこちらの防御が削られて押し負けるので、この状況を変化させるために開けた場所がない聞く。しばらく待ってた伝えられてから少し耐えていると、データがおくられてくる。
『ここから左方に進んだ先に小さなアパートと公園が近くにあるよ。ここなら今いる住宅地よりも開けてるから戦いやすいかも。もっと先にも公園があるけど、そちらは嵐山隊の任された方だから邪魔になるかも』
剣持が欲しがった情報にプラスアルファで情報を柳本は教えてくれる。優秀な自分の部隊のオペレーターに感謝をしながらこれからのことを決める。
「正直考えて戦うのは苦手だけど、いつもは考えてる翔がいないからやるしかないよね。引きながらそのアパート付近で戦おう。狭い場所じゃ私がお荷物になっちゃう」
「確かにこのままだときついで先に構えてスパイダーとかで、こっちに有利な陣形整えていきたいところです」
「そうとなれば急ごう!早く向かうよ!」
作戦が決まって柳本からも目指す場所へのルートよ送られてくる。それ見て早速行動を開始しようとする二人だったが、そんな二人の様子を見て犬飼は不敵に笑った。
「なんだか作戦が決まってそこに誘い込もうって魂胆に見えるね。けど…そんなに簡単に逃がしはしないよ?」
犬飼がそう言うやいなや犬飼と歌川は地面を蹴って急激に間合いを詰めた。それまで弾幕を張って攻撃をしていた相手が急に間合いを詰めてきたことに宇野は対処しきれず、完全に不利な間合いまで詰められた。
「二人がやろうとしていることは分かるけど、それを黙ってさせるわけにはいかない」
そう言いながら、犬飼は手に持ったアサルトライフルですぐに撃ち始める。これに合わせてレイガストで防いで守ろうとするが、その反対側から歌川のスコーピオンが伸びてくる。それを剣持が辛うじてカバーし、なんとか防いだがそれでも犬飼の不敵な笑みは消えなかった。
次の瞬間、宇野は大きく吹き飛ばされていた。吹き飛ばされた本人が一番何が起きたのかわからないといった表情を浮かべていた。
「比奈ちゃん!」
「剣持先輩の相手はボクです。援護にはいかせませんよ」
歌川はほぼゼロ距離の近距離戦闘をガンガン仕掛けていく。剣持は近距離アタッカーでありながら、ある程度の射程でも攻撃を仕掛けられるからだ。
歌川が張り付いて足止めをするため、剣持はカバーに向かうことができなくなった。それを見越した上で犬飼は追撃を仕掛ける。
「まだまだ甘いね。そらそら!こんなものじゃないよ?」
吹き飛ばされて塀に体を打ち、倒れてしまった宇野に向けて無数のアステロイドが放たれる。無数のアステロイドが塀にぶつかることで塀が倒壊し、ガラガラと音を立てて崩れていく。
「比奈ちゃん!」
剣持の宇野を心配する声が月明かりが照らす闇の中で響くのであった。
犬飼先輩は飄々としてるけど、めっちゃ考えて動くタイプのように思えて好きです