なかなかうまくいく描写が書けなくて苦労してました。色々研究してますけど、難しいものですね
もっと頑張ります
「比奈ちゃん!」
宇野を心配する声が住宅地に響く。
「あっ…」
狙撃をされてしまった宇野はその衝撃で身体にヒビが入っていきながら、倒れていく。
そんな宇野を心配する剣持だが、宇野のことを心配する余裕はなかった。
「まずい!」
剣持は慌てた様子でその場から飛び退く。そしてその場所に寸分狂わず狙撃が飛んでくるのであった。飛び退かなければヘッドショットをされていたと思うと剣持は背筋が凍った。
しかしここで動きを止めているわけではない。すぐにグラスホッパーを使ってこの挟み撃ちの状況を打破しようとする。
「ははっ!逃すと思った?」
「逃がしません!」
回避しようとする剣持だが、それを予測して犬飼や歌川が攻撃をして逃げ道を防ぐ。
それをグラスホッパーの機動力で器用に避ける剣持だが、それでも3人から狙い撃ちされてる状況で、少しづつかすり傷を受けていく。
(これは避けられない…!)
ついに塞がれた逃げ道によって、剣持は動くことができなくなってしまった。グラスホッパーで飛ぼうとするのも、後方に下がるのも出来ない。まさに八方塞がりと言ったところであった。
「これでトドメだ!」
逃げられなくなった剣持に対して犬飼と歌川は一気に畳み掛けてきた。歌川はすでに剣持との戦いでボロボロのため、トリオン量が限界に近い感じではあったがここが勝負所と惜しまずアステロイドを放っていた。
「テレポーター!」
そんな攻撃を剣持は最後の切り札であるテレポーターでギリギリで瞬間移動をして避ける。瞬間的に移動をした剣持は一気に歌川の目の前に移動して歌川に斬りかかる。
「逆にトドメだよ!」
「ぐっ…!!」
突然のテレポーターによるカウンターによって油断していた歌川は肩から大きな一撃を受けた。ピシピシと身体にヒビがどんどんと入っていく歌川を気にすることなく、グラスホッパーで上空に逃げようとする剣持だが柳本から警告される。
『ダメ!舞ちゃん!間に合わない!』
飛んで逃げようとするよりも早く弾がすでに間近に迫っていた。とてもではないが、逃げ切れるとは思えない。
(やられる…!)
間違いなく自分がグラスホッパーを踏むよりも早く弾が自分を撃ち抜く。そう思い目を瞑ってしまう。だが、その時だった。
ガキンッッ!!!
弾が剣持の目の前でシールドに阻まれる音が辺りに響き渡った。何かと思い目を開けて見ると、剣持の目の前に確かにシールドが出されていた。
自分は出していないのになぜ目の前にシールドが目の前にあるのか不思議に思っていると、不意に体が上に向かって弾かれるように飛び出した。
「わわっ!!」
自分で作り出したグラスホッパーだったが、突然のシールドに意識を取られていたため、グラスホッパーのことを忘れてしまっていた剣持は空中で大きく体を崩す。
その隙を狙ってさらに狙撃をされるが、先ほどとは違い多少の余裕があったため、軽くグラスホッパーで飛んで回避をする。
そんな回避をした瞬間に耳に通信が入って来る。
『すみません…先に落ちさせてもらいます…』
ドンッ!!!
その声が聞こえなくなると、先ほどまで宇野がいたところが緊急脱出の光が空へと立ち上って、ボーダー基地へと伸びて行く。
その間剣持は一気にグラスホッパーで加速して狙撃をして来た本人がいるであろうアパートに向かって猛進する。
女性である上に身長が小さく体重も軽い剣持はグラスホッパーを空中で使うことで移動できる速さが他のグラスホッパーの使い手に比べて早い。
ぐんぐんと目標のアパートが目の前に迫って来る。どこから反撃をされても防げるようにサブトリガーにはシールドを選択して、すぐに出せるようにしておく。
グラスホッパーを踏みながら辺りを見渡すが、誰か動いているような様子は見えない。
「ええい!眼周りを探すのめんどくさい!」
剣持はグラスホッパーで加速した勢いそのままにアパートの一室の窓を蹴り飛ばし、ダイナミックに部屋へと入った。
剣持が蹴り飛ばしたガラスの破片が勢いよく散乱して来る中、部屋の奥にイーグレットを構える当真の姿を見つけることができた。
「おいおい、無茶苦茶してくれるじゃないか…」
あまりに突拍子もない入り方をして来た剣持に呆れた様子を当真はしていた。
「俺は屋上から狙撃したんだが、この部屋に俺がいるって分かったんだ?普通なら狙撃手は一度場所を知られたらその場から遠くに逃げるだろう?」
どうして隠れている場所がバレたのか不思議に思っている当真はやられる前に剣持に質問する。
狙撃手としてNo.1に位置するものとしてあっさりと潜伏場所がバレたというのはこれからのこと先に戦うことのことも含めて気になるものだ。
剣持はゆっくりと近づきながらその答えを口にしようとする。
移動する様子を見られたのか、それとも天谷のサイドエフェクトの恩恵を受けたのか。どんな答えが返って来るのか息を呑んで回答を待つ。
そんか当真に帰って来たのはあまりに単純で拍子抜けな回答であった。
「え?勘です。なんかいそうな予感したんで」
あっけらかんとした様子でさも当然のように剣持は答える。その様子からとても嘘をついてるとは当真は思えなかった。
「そりゃどうしようもないか…」
呟き終わると剣持は即座に当真の胸を一瞬で刺し切った。
『トリオン体供給機関破損。緊急脱出』
機械の音声が響き渡ると同時に当真の意識はこの場から離脱をしていったのであった。
***
「またベイルアウトか…それも近いけど誰がベイルアウトしたんだ…?」
二宮の猛追を振り切り、細い路地の奥へと入り込んだ天谷は二宮から追撃を受けないように奥へと逃げ込んでいた。その移動の間に連続して複数のベイルアウトの光が上空を通り過ぎていったのだ。
『比奈ちゃんと、辻くん、それと当真くんがベイルアウトしたみたいね。舞ちゃんが当真くんの撃破に成功したの』
天谷の呟きに対して柳本から連絡が入る。状況は膠着状態から一転、少しづつ進み始めているようだ。
(宇野がやられたか…でも話しぶりからして舞はあまりダメージはなさそうなのが幸いと言ったところか…)
『すみません、満足な活躍もできずに離脱してしまいました…』
通信で宇野から謝罪の言葉が聞こえて来る。話し方からかなり落ち込んでいるように思えるように聞き取れた。
「仕方ない。今は失敗でも次に生かせばいいよ。それと、反省会はこの戦いが終わってからだ。わかった?」
『…分かりました。先輩の援護に入ります』
しばらく間を置いてから宇野から返事が帰って来る。その口ぶりは先ほどまでの沈んだ声ではなく、いつもの宇野の話し方に戻っていた。
「よし、その調子だ。それでこっちの話だけど…」
こうしている間にも二宮は移動をしようとしている素ぶりが見受けられる。こちらは二宮の足止めをしなければならない。二宮がここから移動するようなら必然とこちらは動いて止めに行かなければならないのだ。
(しかし無策に釣られて飛び出したら、確実にカウンターしてくるはずだ。というか二宮さんなら絶対にしてくる。相手の位置を予測して攻撃を予め仕込みながら近くまで行かないければ…)
「柳本さん、ここら辺一帯の立体マップ図送ってもらえないですか?」
とりあえず天谷は柳本に周辺一帯のマップの情報を確認する。天谷はしっかりと考えて戦う理論派のため、そういった情報を多く戦闘中に求めるのだ。
『そう言うと思ったからもう準備しておいたわ。すぐに送るわね』
言い終えるよりも前に情報が送られてくる。この仕事の速さは、長くチームを組んでいるからこそできる事だろう。
「流石柳本さん!いつも早いお仕事で感謝しかないです!」
『他にも欲しい情報があったら気軽に教えてね。なるべく早く伝達するから!頑張って!』
柳本に感謝の言葉を伝えてすぐに情報の確認する。柳本からも激励の言葉をもらって、天谷は情報を読んでどこで仕掛けるかなどを脳みそをフル回転させて考える。
戦闘の地形、今までに戦ってきた経験、二宮の癖、それらを踏まえて様々なパターンを考え込むんだ。
(よし、ある程度の考えは思いついた…。あとは…二宮さんを誘導して仕掛けるだけだ…。チャンスは一度。確実に仕留める…!)
これからの攻撃手段を思いついた天谷は早速トリオンキューブを発生させ、早速仕掛けの準備に取り掛かり始めたのだった。
***
(ここでいつまでも天谷と鬼ごっこをしてるのは無策だな。このまま睨み合いが続くようならば剣持を先に落としに行く方が得策か?)
天谷が作戦を練る少し前、天谷を取り逃がした直後、二宮はここからの行動をどうするか考えていた。
「氷見、周辺のマップと犬飼、辻の戦況を教えろ」
少々苛立っているようにオペレーターの氷見に指示をするが、これが普段のトーンなので氷見も特に気にもとめず淡々と二宮に言われた仕事をこなす。
『マップは少々待ってください。その間に犬飼、辻両名の戦況を伝えます。まず辻の方ですが、現状は戦況優位に進めている模様。しかし黒トリガーの爆発力を考えると予断を許さない状況といったところです』
辻の状況を聞いて二宮も大方その通りだろうと思った。いくら黒トリガーとはいえ、自分よりも強いただ一人の人物、太刀川がいるのだ。早々負けることはないだろう、そう思っていた。
そんな状況を聞いて、ライバルが活躍してる様子に少しだけ鼻高々としながら犬飼の状況も続けて聞く。
『犬飼は宇野との睨み合いによる膠着状態に入りつつある模様。歌川の方は剣持に押され気味となってます。以上が経過となります。それとお待たせしました。マップ情報を送ります』
淡々と氷見から戦況が伝えられる。概ねこちらが優位に立っているのに内心で安心する。そんな様子を氷見には気づかせないように、いつも通り冷静にマップを確認しながら氷見に伝えておかなければならないことを伝えておく。
「分かった。しばらくしたら天谷が攻撃を仕掛けてくる。可能な限りバイパーの弾道予測をしろ。そう攻撃してくるはずだ」
『了解しました。弾道予測の準備を整えておきます』
「それと、犬飼に余力あれば剣持の合流に警戒させておけ。分断したつもりでも、あいつは瞬時に追いついてくる。合流させないように注意を払うようにしておくんだ」
『並行して伝えます。……弾道予測の準備完了しました。いつでも起動可能です』
「了解だ。すぐに天谷は現れる。警戒をしておけ」
『氷見、了解』
すでに二宮は犬飼たちの方向に向かって移動を始めていた。天谷の性格上、与えられて仕事は必ずこなす。自分が多方面に向かえば戦況が大きく変わるだろう。それをさせまいと必ず突っ込んでくるはずだ。
こちらの優位は戦況を変化させることができることだ。常に警戒して、こちらの優位を保てばいい。
『警戒!』
氷見から警戒の声と、警告のアラート聞こえてくる。同時に弾道予測機能が発動する。
「来たか…」
氷見からの警告と、弾道予測、天谷との戦闘の経験からまずは後方にシールドを張る。
ガキンッ!
大きな音を立ててシールドに天谷が放った弾がシールドに被弾する。次々と飛来する攻撃はそれを読みきった二宮のシールドによって塞がれているが、続けて広範囲に展開された攻撃が二宮を襲う。
「ちっ…!」
先ほどのように一極集中された軌道ではなく、拡散された攻撃は貼られたシールドを躱して二宮に迫る。
そんなバイパーを二宮は付近の物で弾道を少しでも減らしながら走って回避しようとする。普段との天谷との勝負で天谷がバイパーを使っているときにシールドを張ってもあまり意味をなさないからだ。無理にシールドでかわそうとするよりも走って弾道から外れる方が早いのだ。
「ハウンド」
攻撃の合間を縫って二宮はハウンドを放って反撃を試みる。しかし視覚上に天谷の姿は見えていないので、ここはトリオン探知でのハウンドによる索敵をメインとして射程を長くチューニングして放つ。
ドドドッ!!!
ハウンドが地面を抉る音があたり一帯に響き渡る。けれども天谷にヒットした感触はないため、不発になったことを確信する。
二宮は攻撃をしながら天谷がどこから攻撃を仕掛けて来てるのかを考えながら後退していく。
(最初の一撃は間違いなくアステロイドによるものだ。あのシールドを削る音からして高威力でないはずはないから、バイパーではない。だから後方に仕掛けたが…合成弾か…?)
「氷見、弾道予測から逆算して天谷の位置を予測して目印をつけろ」
『分かりました。すぐに取り掛かります』
二宮はすぐに氷見に天谷の位置を予測するように命令し、周りの音に注意を払う。こちらは視界が切られているが、天谷はサイドエフェクトでこちらのことを常に捉えているだろうと考えられる。
すると必然的にサイドエフェクトの効果範囲内に潜んでいるとは思うのだが、どこから飛んでくるのか予測をできないこの状況では不利な状況に変わりない。
「まずは炙り出すか。…メテオラ」
二宮はメテオラのトリオンキューブを非常に細かく分けて全方位に向けて放つ。細かく分解されたメテオラたちは次々と周りの家屋や塀たちに直撃していく。
ドドドンッ!!!
メテオラの爆発の衝撃で辺りの民家たちは文字通り音を立てて崩れていく。それは塀なども関係なく等しく破壊していく。
もくもくと建物が倒壊する粉塵が舞い上がる中、辺りに天谷の人影はないかと目を凝らして周囲を見渡すが天谷の姿はいまだに見えない。
(周囲を結構崩したつもりだがいないとは思わなかったな…。どこに隠れている…?)
周囲をキョロキョロと探す二宮に今度は地面にすれすれの軌道から攻撃が仕掛けられる。
(今度はこっちが巻き上げた粉塵に紛れての奇襲か。戦況を握られているな。どこかでこちらのペースに引き込まなければ一方的に殴り倒される。今は機会伺いながら反撃をして探すしかないか)
二宮は体の重要な部分である頭と胸にシールドを張りながらいまだ立ち込める煙の中回避を続ける。
流石は個人総合2位といったところか、一発たりとも被弾をすることなく攻撃をいなしていく。しばらく回避を続け、カウンターを繰り返す。
ガコンッ!.
「!?」
そんな中、二宮は突然体勢を崩される。不意に足元からエスクードが出現していたのだ。右足方向だけを高く生やされ、斜めに出現したことで崩された態勢をどうにか整えようとジャンプを二宮はする。高くではなく少しだけ飛ぶことで隙をなくすように気をつけていた二宮だが、そんな二宮の行動を予想していたかのように全方位から攻撃が襲いかかる。
(態勢を崩してジャンプするのを予測して弾を張っていたか。それにこの弾幕だと流石に被弾する…!)
二宮は身体を折りたたみ、少しでも被弾をしないようにする。しかし二宮はその後の弾の動きに困惑されることになった。
(全弾俺のことをスルー…?いやこれは…)
何故か逸れていった弾のおかげで無傷まで済んだ二宮は手をついて地面に受け身をとる。腕の力で地面を押し返して着地をした二宮だが、目の前に更に追撃がやってくる。
「くっ…シールド!」
なんとかシールドが間に合ったため、攻撃をシールドが受け止める。しかしその顔はいつもの余裕のあるポーカーフェイスな表情ではなく、余裕のない必死な表情になっていた。
つづけて同じ軌道から弾が襲いかかる。
アステロイドによってヒビの入ったシールドの後ろに新たにシールドを展開して攻撃に迎え撃つ二宮。しかし、それはこの攻撃には悪手だった。
ドドドドッ!
シールドに当たった瞬間、その弾は弾けた。爆発による爆風が二宮を襲う。爆発による攻撃はシールドによって防ぐことができた二宮だが、至近距離で弾けた爆風をモロに受ける。
爆風は凄まじく、高身長な二宮すら簡単に吹き飛ばす。後方にあった塀に叩きつけられて、その痛みが少しながら伝わった二宮は苦悶の表情を浮かべる。
「トドメだ!ギムレット!」
塀に爆風で叩きつけられて動けない。そう判断した天谷はここで姿を見せて一気に畳にかかる。
両手にアステロイドを構え、その二つを合成し、二宮に向けて一気に放つ。
これにも二宮もなんとかシールドを張って凌ごうとする。
削り倒す先か、攻撃のトリオンが切れるのが先か。なんとかギムレットの猛攻を凌ぎ切った二宮はすぐに体勢を整えて回避にしようとする。
天谷はもう一発ギムレットを放ちその後は合成する時間を嫌ってアステロイドを無数に展開して多角的に攻撃する。
二宮はメインサブ両トリガーをシールドに切り替え、なんとか攻撃を受けようとする。
ギムレットやアステロイドによる攻撃はシールドに炸裂し弾け飛ぶ。そんな攻防の中、ついに二宮のシールドにヒビが入っていく。
ピシピシッ!
そしてそんな攻防についに終止符が打たれた。ついに耐久の限界を迎えたシールドは粉々に砕け散った。シールドを粉砕した攻撃は尚も二宮に向けて迫っていく。
「かはっ…」
そしてついに二宮の身体にアステロイドがヒットした。腕、肩、足…防御の薄かったポイントから二宮にアステロイドは当たり、部位を抉る。
用意周到に仕掛けた罠が成功し、二宮に攻撃を集中させて行く天谷はどんどんと接近していく。アステロイドをより多角的に放っていく。
「!!?」
しかしここで攻撃を受けたのは二宮ではなかった。背中から突然弾が放たれたのだ。
完全に油断していた天谷は攻撃をモロに受けて大ダメージを受けてしまった。ダメージを受けた箇所からどんどんとトリオンが漏れていく。
「以前にも言ったはずだ。最後の詰めや熱くなった時、お前は意識が完全に油断する。そしてそれによってサイドエフェクトの効果範囲内の把握すら出来なくなる。そこが悪いところだと。今回もそれだ」
「くそっ…最後の詰めを誤ったか…」
ピシピシと天谷の身体にヒビが入っていく。
『戦闘体、活動限界。緊急脱出』
そして、ついに身体は爆散して緊急脱出をしてしまったのであった。
ひゃみさんは普段の生活では犬飼先輩、辻くんって呼んでそうだけど、戦闘中の二宮さんへの連絡時のみ呼び捨てで呼んでそうですよね
そして、もう少しで黒トリガー争奪戦が終わりの予定です。次は早く出せるように頑張りますね