世界の引き金を引く者   作:曇天もよう

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どうもお久しぶりです。なんとか、第一志望大学に合格出来ました。しかし、大学の模試で追われていたためなかなか投稿できませんでした。これからも大学までの移動時間で書き続けるため2週間に1つくらいが早くて出来そうなくらいです。なるべく早く書き上げるつもりですが、亀更新は変われそうに無いのですみません。

今回から今その状況を見ている人や、その周りにいる人が話す言葉は「」で、通信で話している人は『』、その状況を見ている人の考えは()で表現するようにしています。

それでは本編をどうぞ!


天谷翔②

二宮『古寺、お前がここだ、と思うタイミングで宇野を狙撃しろ。』

古寺「う、宇野先輩をですか…?」

二宮『賢いお前なら分かっているだろう。一人戦力として劣っている宇野を狙うのは当然だ。分かったか?』

古寺「分かりました。」

 

そう言って二宮は通信を切る。古寺はイーグレットのスコープを覗き込み宇野を見る。二宮が、宇野を攻撃し、それに合わせて宇野や犬飼が撃ち返している光景がスコープの中から見える。二宮が自分のタイミングで撃てと言っていたため、古寺は宇野のガードが一番弱くなるタイミングを静かにうかがう。

 

それから少ししてこう着状態を嫌った出水が両攻撃をする。すると宇野がレイガストを手放して攻撃に入った。

 

(今だ!)

古寺は今こそが絶好のチャンスと考えて、構えているイーグレットのトリガーを思い切って引く。

 

弾丸は宇野へと一直線に向かっていった。そのまま弾丸は宇野を貫きヒットしたと古寺は確信した。

狙撃をしたため移動をしようとしていると、二宮から通信がかかってくる。

 

二宮『早くその場から離脱しろ!宇野に釣られた」

 

ここで古寺は動揺し、スコープで宇野を見ようとする。その目に映ったのは確かに当たったと確信していたにもかかわらず、一切の怪我もなく攻撃をしている宇野だった。

 

(嘘でしょ…?なんで?)

 

急いで逃げようとした古寺であったが、逃げることは叶わなかった。

古寺は右方向へから飛来した狙撃をくらいベイルアウトしていったのだった。

 

 

 

 

奈良坂『わざと狙撃を受けて古寺の位置をあぶり出すなんて無茶苦茶をしてくれるな。一歩間違えれば宇野がベイルアウトしてたぞ。』

宇野「これくらいしないときつかったんで…」

 

宇野は再び自分へと飛んでくるアステロイドをかわしながら奈良坂と通信をしていた。確かに今の会話の通り宇野は狙撃を自ら受けて古寺を見つけ出した。

狙撃を受けるというのは大きなリスクを伴う。受けることが出来なければ、一撃で戦闘が続行出来なくなる。確かに生身であれば狙撃を見切るのは不可能だろう。しかし、身体機能を大きく強化するトリオン体をもってすれば回避することは出来る。

狙撃が視界の範囲内から飛んできたならば……だが。宇野は今回の狙撃を真後ろから受けた。いくら警戒しているとはいえ、完璧に狙撃を防御しきることはボーダートップクラスの太刀川や二宮をもってしても厳しい。それにもかかわらず宇野が防御出来たのはなぜなのか?それはチームメイトである天谷のサイドエフェクトに理由がある。

 

天谷のサイドエフェクトは立体空間認識。平たく言えば、自分を中心とする一定の範囲に存在するものを見えていなくとも認識出来る能力だ。さらに言えばその範囲内で動くものに対してはより一層敏感に反応する。これは風間隊の菊地原が持っている強化聴覚と同じ部類に属する。このサイドエフェクトの効果により、死角からの狙撃を防いだのだ。

 

宇野「でも長時間のサイドエフェクトは気持ちが悪いですね…」

奈良坂『仕方ない。それが副作用なんだからな。こっちも移動するから通信を切るぞ。』

宇野「分かりました。あとは天谷先輩の援護をお願いします。」

奈良坂『分かった。』

 

そう言ってお互いに通信を切って自分の戦いへと意識を戻す。宇野は目の前にいる敵へ拳銃を再び撃ち始めた。

 

 

 

 

剣持「今のベイルアウトって誰だろ?」

国近『今のは古寺くんだね〜奈良坂くんのカウンタースナイプを受けたみたいだよ〜」

剣持「てことはこっちにはスナイパーはいないってことですね。すると動きやすくて楽ですね」

国近『楽なのはいいけど早くよねやんの元へ行ってね〜結構きついみたいだから〜』

剣持「分かりました。急ぎます!」

 

そう言って通信を切ってパックワームを起動して、目の前に表示される情報に従って移動していく。

 

しばらく移動をしていくと示されたポイントより少し奥側で金属音がするのが聞こえてくる。そこで剣持は建物に急いで二階へと登る。

 

剣持「よねやん、奇襲するからこっちへ来れる?」

米屋『剣持か、遅いな全く…。きついけどなんとかするぜ』

剣持「気をつけて!」

 

するとすぐにこっちへと風間さんと米屋が向かってくる。タイミングをはかって勢いよく窓を突き破り剣持は突撃する。二つのスコーピオンを接合して作った鎌を風間がいたところへ思いっきり払う。しかし風間はすんでのところでかわしお返しにとスコーピオンを切り返す。それを米屋がシールドで守り、お互いに距離をとる。

 

剣持「面白そうなんで私も混ぜてくださいよ!」

米屋「遅いぞ剣持!きつかったんだからな!」

剣持「ごめんてば。さっさと倒して暴れにいくよ!」

風間「さっさとやられるわけにはいかないな。」

 

剣持をさらに交えて3人の斬り合いはさらに激しくなっていく。剣持がスコーピオンを腕と手のひらから出して攻撃する。風間は体をひねってかわしカウンターをしてくる。それを剣持はグラスホッパーを使ってかわす。そしてかわしたところから米屋が槍を構えて一気に突き出す。咄嗟のことで風間は少し判断が遅れてかわす。

しかしかわしたはずの風間の左足から少しトリオンが漏れ出す。

 

米屋「惜しいなぁ。最近は足を狙うのがトレンドなんだよな。」

風間「やはりお前の幻踊は少しの判断の遅れが致命傷になるな。」

米屋「そりゃあ、そうですよ。それを狙ってるんですからね!」

 

再び米屋は槍を払って攻撃する。それと同時に反対側に着陸した剣持もスコーピオンを変形させて攻撃する。それを両手に作ったスコーピオンで器用にさばいて風間は避け、少しづつ後退していく。

 

米屋「風間さん、このまま後退していっても俺らは突破はできないですよ!」

剣持「そうですよ!」

 

二人は相手に一切の隙を与えない連携攻撃を繰り出す。並みの相手ならばすぐにベイルアウトすることとなっていただろう。しかしこの二人を相手取っているのはボーダー総合ランキング3位の風間だ。二人の厳しい攻撃を顔色ひとつ変えることなくさばいていく。もっとも顔色を変えないというのは、風間自信がもともと顔色をあまり変えるようなことがあまり無いというのもあるだろうが。

 

暫くこうした攻撃を続けていると剣持は疑問に思い始めた。

 

(何かがおかしいわ…。いくらこっちの攻撃が激しいからといってここまで反撃してこないなんて風間さんならばありえない。何か風間さんが仕込んでいる…?まさか…)

 

剣持「よねやん!下がって!」

米屋「ん?今が攻め時だろう!」

 

米屋はそのまま攻め続けようとした。しかしその米屋の攻撃は風間には届かなかった。突如として現れたブレードによって米屋の右肩を切断されたのだ。

 

米屋「やべっ…」

風間「これで終わりだ。」

 

風間は一気に米屋との距離をつめる。米屋も必死で左手に槍を持ち替えて攻撃をするがらすでに槍の間合いの内側に入り込んだ風間が首を刈り取った。

 

米屋「…やちまったな…」

 

「伝達系切断ベイルアウト」

機械音が周りは響き渡り米屋はベイルアウトをしていった。

 

剣持「今のは風間さんお得意のモールクローですね…」

 

モールクローとは壁などにスコーピオンを通し、視覚の外側から攻撃する技術だ。一般的には奇襲に適しており一方的に攻撃できるため強いと言われている技術ではあるが、実際に使うボーダー隊員はほとんどいない。強いと言われているにもかかわらずだ。それはなぜなのか?その答えは単純だ。スコーピオンを生やしている部分を攻撃中は一切移動させることができないからだ。

 

スコーピオンを扱うアタッカーは基本的に機動力を生かしたアタッカーが多い。それはスコーピオンに重さがほぼ無いため軽やかに動けるためだ。その代わりに耐久面には問題がある。そのためスコーピオンを扱う者は基本は回避することで防御をする。同じアタッカーの武器でも孤月はバランス型で受け太刀もできる。言わずもがなレイガストは防御に特化された性能のため、レイガストも受け太刀は簡単にできる。しかし、スコーピオンは出来ない。そこがスコーピオンの問題点だ。

モールクローは発動地点を壁や道路、床などに固定しなければならない。すると回避はできるだろうか?いやできない。この弱点があるため、反撃をくらうときに回避ができなくなり会心の一撃をくらうことになる。そのためモールクローはあまり使用されないのだ。

しかし風間は軽量型アタッカーではあるが、剣さばきにも長けている。風間は動けなくなるという弱点を補えるからこそモールクローを使うのだ。

 

そうしている間にも風間は剣持に攻撃を仕掛ける。その攻撃は先ほどまでと比べて圧倒的に素早くそして鋭くなっていた。それもそのはず、今までは二人をさばいていたのが一人で良くなったからだ。

 

(一人になると風間を倒すのはかなり困難になるな…。どうやって崩すかな…)

 

風間「どうした?戦いの最中に考え事できるほど余裕とでも言うのか?」

剣持「いやー、決してそんなわけじゃないんですけどね…」

 

(やばい…早くなんとかしないと…。今日の私の付けてるトリガーは二つのスコーピオン、グラスホッパー、スパイダー、テレポーター。となるとスパイダーを張る方がやりやすそうかな?)

 

そう考えている間にもどんどんと風間の攻撃は止まらない。考えに徹しすぎたため数カ所トリオン漏れが起こる。これはまずいと思った剣持はすぐに行動に移った。

 

剣持「グラスホッパー!」

 

グラスホッパーを起動して風間から一気に距離を取る。それを風間は追撃しようとするが、グラスホッパーを用いた移動のため、剣持と風間との距離は次第に開いていく。

 

暫く移動した後剣持は迎え撃つのに適した住宅地にたどり着く。

(ここら辺がスパイダーを仕掛けやすそうかな。早く張らないと風間が追いついてくる。急ごう。)

 

剣持は急いでスパイダーを、周りの民家へ張る。8割方のスパイダーを張り終えると風間が追いついてくる。

 

風間「逃げ回るのはここまでか?いくぞ剣持!」

 

風間がそう言い、剣持へ斬りかかる。それをギリギリのところでかわした剣持はスパイダー地帯に入り込み回避に専念する。普通の斬り合いならば風間に軍配が上がっていただろうが、ワイヤーを使った立体機動によりほぼ互角といった戦いになった。

 

剣持は風間の攻撃を避けながら、風間の射程外からスコーピオンを大きく伸ばして攻撃する。それを風間は最低限の動きでかわし、カウンターをしかける。しかし、再び剣持はワイヤーを使って移動する。

 

お互いにこれという決めてもなく斬り合っていると風間が先に動き始める。風間は剣持がいないところのスパイダーを切り落とし始めた。これをまずいと思った剣持は風間との距離をつめて阻止しようとする。

 

しかし突如として風間は肘からスコーピオンを伸ばして剣持へ攻撃する。その不意打ちに驚きバランスを崩した剣持はスパイダーに足を引っ掛けてしまった。その隙を見逃すことなく風間はスコーピオンで首を切り落とした。

 

剣持「…流石ですね…先輩…。」

風間「まだまだ鍛錬が足りないな、また鍛え直してやる。」

剣持「…まだ私の攻撃が終わった訳じゃないですよ…」

 

剣持がベイルアウトをしたことで煙が発生し、風間の視界が瞬間的に奪われる。先ほどの剣持の言葉もあるため警戒し、回避する体勢に入る。

 

すると上空からスコーピオンが二刀降ってくるそれを横に動いて回避する。すると突然風間の右腕が切り落とされた。

 

風間「最後の最後で油断してしまったか…とはいえ上手くやられたな…」

 

そう言いながら移動していく風間は言葉とは裏腹に表情では笑っていた

 

 

 

 

 

 

太刀川「どうした?お前の本気はこの程度なのか?」

 

太刀川はそういいながら激しい二刀流の攻撃をしてくる。それをなんとか耐えながら天谷なんとか答える

 

天谷「太刀川さんの攻撃が強過ぎるせいで反撃できないんですよ…」

太刀川「お前の全力はこんなもんじゃないだろ?」

天谷「こっちは本気でやってるんですけどねっ」

 

太刀川の二刀を天谷は一刀で防いでいる。単純に考えて不利だ。それに加えて太刀川は個人総合一位。ボーダーにおいて太刀川とランク戦を行なってワンセットで死なない者の方が少ない。それほど太刀川は強い。

そのため天谷はなんとかしのいでこそいたが、少しづつかすり傷を負っていた。かすり傷といってもそこから少しづつトリオンを漏らしているためより不利になっていっているのだ。

 

(そろそろ何か手を打たなければベイルアウトしかねないな。何を打とうか…?)

 

そう天谷が考えていると通信が入る

 

橘高『大丈夫翔?奈良坂くんが狙撃ポイントに着いたから援護出来るわよ。』

 

奈良坂が狙撃を決めた後追撃を逃げ切り再び援護の体勢に入った今、先ほどまでの圧倒的不利から状況は変化した。奈良坂が狙撃ポイントに着くと同時に天谷は立ち回りを変化させる。それは先ほどまでのような引きながらの反撃ではなく、相手を崩しにかかる攻撃だ。

突如として相手の戦い方が変化した太刀川は警戒し、先ほどまでの厳しい攻撃を抑えるようになる。それを見た天谷は一気に動く。

 

天谷『透、お前から見て俺と太刀川さんが重なった瞬間に撃ってくれ。頼む。』

奈良坂『正気か?お前道連れするつもりなのか?』

天谷『こっちに考えがある。こうでもしないと太刀川さんは崩さないんだ!時間もない頼む。』

奈良坂『…分かった。こうでもするんだから絶対に決めろよ?』

天谷『もちろんだ。絶対にやってやる!』

 

天谷はそう言って通信を切ると目の前の相手をゆっくりと見て、深呼吸をする。少しの間お互いに攻撃をせず、待っていると、天谷から攻撃を仕掛ける。天谷は攻撃をしながら奈良坂が狙撃をするのを待つ。

 

(……今だ!)

 

天谷は右方向へ飛び狙撃を回避しようとする。弾は天谷の服をかすりながら太刀川の体へと一直線に向かう。

 

太刀川「やばっ」

 

太刀川は咄嗟の判断で二刀の孤月を弾丸へと向け、叩き切った。太刀川が一瞬冷や汗を流していると先ほどまで目の前にいた天谷が消えていた。太刀川は急いで天谷のいる場所を探す。前、右、左、後ろにもいない天谷を探していると太刀川の上空から声が鳴り響いた。

 

天谷「今だ!旋空孤月!」

 

天谷の放った旋空孤月は太刀川が防御のために作り出した二刀の孤月とぶつかり、激しい音が発生した。

なんとかもちこたえていた二刀もひびが入り、旋空孤月は太刀川の体を貫き太刀川は苦痛の表情を浮かべる。

 

太刀川「……一本取られちまったな…」

 

太刀川の言葉をかき消すようにベイルアウトの爆発音が鳴り響き、太刀川はベイルアウトしていった。




今のところの状況

Aチーム(風間チーム)
風間→川を横断中
犬飼→出水共に戦闘中
出水→犬飼と戦闘中

Bチーム(二宮チーム)
二宮→犬飼、出水、宇野を相手取り戦闘中
古寺→ベイルアウト
緑川→ベイルアウト

Cチーム(天谷チーム)
天谷→太刀川撃破し、移動中
宇野→圧倒的不利な状況で孤軍奮闘中
奈良坂→移動中
Dチーム(太刀川チーム)
太刀川→ベイルアウト
米屋→ベイルアウト
剣持→ベイルアウト

次回でこの戦闘を終わらせ、もう一つ日常を描いた後、本編に突入していくので、次回もよろしくお願いします
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