今回はワートリの始まる季節を考えるとこのイベントがあったんじゃないかなーって思って書きました。後半は那須さんとの話がメインですのであしからず。
今回の作品にて最初に把握してもらいたいこと
理系 天谷、冷見、辻、熊谷、米屋
文系 奈良坂、那須、三輪、剣持
この設定はオリジナルなので皆さんの考えとは違うかもしれませんが、今回はこれでやらせてもらいますので理解した上で読んでください。
それでは本編をどうぞ!
コンコン…。
部屋の戸を叩く音がその部屋へと響き渡る。
「入ってくれ。」
天谷がその部屋へと入る。目の前には腕組みをした忍田本部長が座っていた。そしてその隣には沢村本部長補佐が控えている。そして天谷が部屋に入ると、忍田は話し始める。
「そろそろあの時期だが、今回も頼むぞ。」
「はい、もちろんです。これは必ずなんとかしなければならないことですから。」
「では今回もよろしく頼む。そのためのシフトの変更は受け付けるから遠慮なくいってくれ。」
「分かりました。では追って連絡させてもらいます。では、失礼します。」
そう言い残して天谷は部屋を出た。そして、自分の携帯を取り出し連絡を取った…
*
米屋「横暴だ!なぜこんなことをするんだ!」
剣持「そうだそうだ!善良な市民を拘束することなんてでしょう!」
目の前には体を縄で縛られて文句を言っている米屋と剣持がいた。彼らはこれまで何度も逃げようとしてきたため三輪が鉛弾を打ち込み拘束をされている。
こうまでして彼らを拘束した理由、それは…
三輪「なぜ?そりゃお前たちのバカげた成績をどうにかするために決まってるだろう。」
天谷「お前たち前々回一緒に勉強した時にはそこそこな成績とったのに、前回俺たちがしなかったらお前たち赤点とったよな?」
確かに前回米屋、剣持は赤点をとった。彼らは基本的に勉強をせず、ランク戦に没頭する人種のため、悲惨なテスト結果となったのだ。同じようにレポートを全くせず後輩たちにやらせ、自分はランク戦をするといった行為を行う者がボーダーにはいるため、そのような者を作らないように忍田本部長は天谷たちに命令したのだった。
三輪「とりあえずお前たちは天谷の家に連れて行く。行くぞ天谷。」
天谷「分かった、他のやつらも呼ぶけどいいよな?」
三輪「いいだろ、このバカたちに教えられるやつらならむしろ来て欲しいくらいだ。」
天谷「それじゃ連行するか。」
米屋「そんな…」
剣持「横暴だぁぁぁぁぁ…」
こうして米屋、剣持は無理やり天谷の家に連れていかれた。
*
それから少し経ち天谷の家に天谷たちが着いた。二人は雑に放り込まれるとしゃべりだす。
米屋「言っとけど、俺たちは勉強なんてしないからな。」
剣持「そうだそうだ!絶対しないからね。」
三輪「お前たちは子供か。」
三輪が冷静に突っ込んでいると、天谷がしゃべる。
天谷「ほう、そんなこと言えるんだな。んなこと言ってていいと思ってんのか?」
天谷がいつになく威圧感を出してしゃべるため同じチームメートである剣持さえも驚く。しかし、勉強をしたくない二人はあくまで抵抗する。
そこで天谷は言い放つ。
天谷「そうか、そんなにしたくないなら帰ればいい。」
突然の帰ればいいという発言に三輪すらも驚く。言わずもがな米屋、剣持も驚いている。あれだけ勉強しろと言っていた天谷が帰ってもいいという。それは3人の意表をつくには十分過ぎた。その言葉を聞いた二人は帰ろうとする。しかし、天谷がしゃべる。
天谷「ただし、帰った場合お前たちに今日の夜に作る飯は作らないし、後々お前たちには料理を作らないことになってもいいというのならばな。」
その言葉を聞いて二人は立ち止まる。天谷の料理というのはとても絶品だ。ギャンブル料理であるA級6位加古望の成功チャーハンや玉狛第一の木崎レイジが作る料理に匹敵する美味しさで有名で頻繁に料理をしているが、ありつけることは少ないためとても希少価値がある。
そのためこれから先彼らが天谷の料理を食べられないというのはとても辛いことであった。特に同じチームメートである剣持は他の人より食べている回数が多いためここで勉強をせずに帰るという選択肢がいかに自分に辛いこととなるか分かっていた。
そのため二人は180度進行方向を変えテーブルに座り自ら勉強を始めた。
三輪「お前の料理はこんなに効果があるのか?とてつもないな。」
天谷「まあな、こいつら割と食ってる方だからな。さて、そろそろみんなも来るかな。」
天谷がそういうと玄関が開き、数人が入って来る。
奈良坂「邪魔するぞ。」
冷見「お邪魔しまーす。」
辻「久しぶりに来たな。」
熊谷「私は始めて来たよ。今日は私も教えてもらうよ。よろしくね。」
各々そう言い、天谷の家へと入って行く。しかし熊谷だけが入ってこない。天谷が不思議に思って玄関へと見に行くと、熊谷と那須がいた。
天谷「おう、那須じゃん。お前も来たんだな。そんなとこいないで、早く上がりなよ。」
天谷がそういうと那須は少し気恥ずかしいそうに天谷の後に続いて入る。
那須「お、お邪魔します…」
その様子を見ていた熊谷は少しにやけながら天谷の家へと入っていった。
那須たちが部屋へ入るとそこには広めのリビングとそこにあるテーブルで必死に勉強している米屋、剣持の姿があった。
奈良坂「陽介がこんなに意欲的に勉強をしてるのか?」
冷見「まさかふたりがこんなことになってるなんて…」
辻「お前たち頭でも打ったのか?」
米屋「俺たちは勉強に目覚めたのさ。」
剣持「何が何でもしなければならないのよ。」
後から来た人たちもその異常な光景に驚いている。なぜこうなったのか、天谷と三輪が説明すると皆がその理由に納得する。そして皆すぐに勉強の準備を始めた。
いかに三門市を守っているボーダー隊員といっても彼らは一介の高校生。もちろん彼らの本分は勉強だ。そのためいかにボーダーの活動が忙しくとも勉強を疎かにするわけにはいけないのだ。
みんなが得意教科がばらけているため、お互いにカバーをしあう。
辻「この数学の積分が分からないんだけどどうすればいい?」
奈良坂「ああ、この問題はさっきやったやつだ。ここについてまずは見てだな…」
冷見「玲ちゃん、この英語を訳すの全然分からないのだけど、分かるかしら?」
那須「そうね、この文を訳すのならまずはこの部分から見た方がいいんじゃないかしら?」
米屋「わかんねー。意味わかんねぇよ。何だよまずこの記号、意味わからん。」
剣持「そうだよ、これを解いて私たちに何の徳があるの?」
熊谷「私もここわからないんだよね。天谷、ここ分かる?」
天谷「ああ、過冷却の計算問題か。まずこのグラフの理解からしようか。まずこのグラフを見て…」
天谷がひとしきり鉛蓄電池について話し終わると、なぜかすごく視線を感じることに気づいた。その正体が気になったが明後日提出の課題が天谷にはあるため課題をし始めた。
天谷が課題をし始めてからも1人天谷の方を見ている人物がいた。その人物は那須だった。那須は話しかけたいけどなかなか話しかけるきっかけを見いだせず、天谷も自身の課題をし始めてしまったため余計にタイミングを見失っていた。
(どうしようかしら、天谷くん課題をし始めちゃったし、話しかけづらくなっちゃったわ…。どうしても分からないわけではないから別に絶対聞かないといけないわけではないのだけど…。天谷くんの隣に座って一緒に勉強していたいからなんて口が裂けても言えないし…。)
そうして少し困っていると、親友である熊谷が助け舟を出す。
熊谷「天谷ー?玲が化学基礎が分からなくて困ってるらしいから手伝ってあげて?」
天谷「ん?何だよ、困ってたなら早く言ってくれたら早く教えたのに。何が分からないの?」
那須「えっ、あ、そうそう、この酸と塩基について分からないから教えてもらいたいの。時間大丈夫かしら?」
天谷「大丈夫だよ。それで問題見せてくれるか?」
天谷に問題を見せようとする那須だが、突如鋭い視線を浴びたため、隣を見ると熊谷が目で『早く隣に行け』と指示しているようだった。
那須は恥ずかしく感じたが、天谷の隣へと移動をし、天谷の隣に座って勉強を教えてもらう。
(恥ずかしくて天谷くんが言ってることが入ってこないよ…。熊ちゃんも笑いながらこっちの方見てるし、亜季ちゃんも暖かい目で見てくるしで余計に恥ずかしいよ…)
天谷「どうした那須?ちゃんと話を聞いてくれないと困るからちゃんとこっち向いて話を聞いて。」
そういうと天谷は那須の顔がこっちに向くようにするために那須の肩をツンと触った。
那須「ひゃっ!」
突然の那須の言葉にみんなが勉強を一度止めて那須の方を見る。みんなその様子を見るとニヤァと笑いながら自分の勉強に戻る。さの行動が那須を恥ずかしくさせた。
(う、突然触られちゃったから変な声出しちゃったわ…。ちゃんと話を聞かないと。でもいきなり肩をツンとするなんてずるいよ、天谷くん…)
その後なんとか問題を解き終わり皆がやらなければならないことをやり遂げたため、みんなでご飯を食べることになった。
剣持「私はこの時を待ってたのよ!さあ、早く料理を作りなさい。」
米屋「俺も腹減ってきたから早めでよろしく。その間に俺たちはゲームしてるから。」
三輪「お前たちは待ってる間も勉強だ。さっさと積分を終わらせるから早くしろ。」
剣持「えー?もうしたくないのに…」
米屋「まじかよ、でも天谷の飯にありつけなくなるから頑張るわ。」
珍しく二人が勉強意欲を出していると冷見が俺の料理のサポートをすると言ってきた。冷見は天谷に料理を習っている。その目的は単に料理技術を向上させたいというのもあるが、実際は冷見の思っている烏丸の胃袋を掴むためだった。そのため意欲的に習いにきている。
冷見が天谷の料理の手伝いをすると聞いた那須は慌てる。
(亜季ちゃんが天谷くんと一緒に料理をするですって…?一緒にダイニングに立って料理をして…。な、なんてこと考えてたのかしら…。そ、そんなことより私も手伝うって言わないと…)
那須「私も手伝うよ?何か出来ることあるかしら?」
那須が手伝うと聞いて天谷も驚く。
天谷「那須って料理出来るのか?出来るんだったら料理も手伝って欲しいのだけど、那須って病気あるから大変だろ?無理はしなくていいよ。」
那須「少しくらいなら料理できるから手伝うよ。気を使ってくれてありがとうね。じゃあ、料理をしましょう。」
三人で料理をしたためテキパキと進み、料理は出来た。剣持と米屋はちゃんと勉強をしていたためなんとかご飯にありつくことができ、喜んでいた。その後少しみんなで話をした後、8時を回る時間が来たためここでお開きとなった。
奈良坂「夜で暗いから女性陣を送っていかないとな。冷見、熊谷、剣持はどっちの方向なんだ?」
冷見「私は三門第三中学の近くよ。」
熊谷「私は鈴鳴の方角だね。」
剣持「私は熊ちゃんとだいたい同じ場所だよ!」
奈良坂「三輪が三門第三中学の近くに住んでたよな?」
三輪「ああ、そうだ。俺が送っていく。」
奈良坂「辻と俺で熊谷と剣持を送っていく。」
米屋「じゃあ、俺が那須を送ればいいのか?」
奈良坂「いや、お前は三輪と帰ればいい。玲は天谷が送る。」
天谷「俺?いいけど、他に近い人いなかったっけ?」
天谷がそういうと奈良坂から哀れな目で見られた。
天谷「どうして俺のことをそんな哀れんだ目で見るんだよ。」
奈良坂「はあ、お前分からないのか?」
天谷「何のことだ?」
「「「朴念仁」」」
天谷は皆に言われたことを疑問に思いながらも那須を送っていくことになった。
那須「わざわざごめんね。」
天谷「いや、いいよ。それよりもさっきのみんなが見てきた哀れみの目って何だったの?」
那須「そうね、まだ今の天谷くんだとまだ分からないでしょうね。」
天谷「えー?那須は教えてくれないのか?」
那須「そうね、今はまだ教えれないけどいつかまた今度教えてあげるわ。」
天谷「じゃあそのまた今度教えてくれるのを期待してるよ。」
那須「そうね。」
那須はすごく楽しそうに笑っている。天谷もその様子を見て笑いながら話をし、那須の家までやってきた。
那須「ありがとうね、天谷くん。」
天谷くん「いや、大丈夫だよ。それよりも体調大丈夫か?結構歩いていた気もするけど。」
確かに那須の家と天谷の家は少し距離がある。那須は体が弱いため、生身であまり出歩くことはないので、息がかなりあがっていた。
那須「大丈夫よ…。天谷くんとおしゃべりしながら帰ってこれて嬉しかったわ。」
天谷「それなら嬉しんだが、ちゃんと体調に気をつけないとダメだぞ。これで那須が倒れちゃったら俺は悲しいからな。」
那須「そうね、これからは気をつけるからまた今度お買い物に行きたいのだけど一緒に来てくれないかしら?」
天谷「那須の体調が大丈夫ならばいいよ。いつ行きたいかまたLINEしてきてくれ。」
那須「ありがとうね。それじゃあ、またね。」
天谷「ああ、またな。しっかり休むんだぞ。」
那須「うん。気をつけて帰ってね。」
那須はがそのまま家に入って行くのを天谷は見届け、家に帰ったのだった。
見てくださりありがとうございました。那須さんとのデートは黒トリ争奪戦終了後に書く予定なのでまたしばらくお待ちください。
ちょっと那須さんがキャラ崩れしてるかもしれませんがご愛嬌ということでお願いします。
次回はついにワートリ本編スタートです。次回も2週間後くらいですのでまた気長にお待ちください。