待てど暮らせど来ないえっちゃん…………
ひたすらコインと禁頁を集めまくる日々を送る傘沙羅で~す
戦闘シーンは好きですが、上手くはなく
日常シーンは苦手なので、上手くはない
まぁ、そんなこんなでいよいよこの特異点の紅一点(用途誤り)が登場デェス!
それではどうぞ!!
燃え盛る冬木に通る未遠川、そこに架かる冬木大橋の袂にある海浜公園で二つの影がぶつかる、暗い空に火花を散らす。
「シャァ!!!」
「フッ!」
アサシンの放った三本のダークをマリアが左腕のガントレットで弾き、お返しとばかりに短剣をアサシンに向けて投擲する。
しかし、その短剣はアサシンに当たる手前でまるで自ら避けるかのように明後日の方向へと飛んでいく。
「……厄介ね、遠くからの攻撃が当たらない。
何らかの力が働いてるのかしら」
「ハッ!温イワ、温イワ!ソンナ攻撃ハ通ジンゾ!!」
「確かに厄介だけど、対処の方法がない訳じゃない」
マリアは武器を納めて胸に手を当てた。
当然アサシンもその隙を見逃さず一度に七本のダークをマリアに向けて放つ。
「~Granzizel bilfen gungnir zizzl~」
黒い旋風と共に七本のダーク全てが空高く弾き飛ばされる。
続いてアサシンに向けて暴風が迸る。
アサシンはその風にわざと巻かれるようにして距離をとった。
アサシンが目を向けるとそこには黒い鎧を身に纏ったマリアの姿があった。
「ホウ、面白イコトヲスルナ。ソレガ貴様ノ宝具カ?」
「そうとも言えるかもしれないわね。
でも私にとってこれは罪の証、そんなに誇れたものじゃないわ」
マリアは新たに手にした大型の槍を片手で構え、突撃した。
さっきとは打って変わってマリアが攻防の主導権を握っていた。
マリアの身に纏う物はFG式回天特機装束、この世界線とは別の世界線でとある天才学者により提唱された特殊装備である。
またの名を、シンフォギア
世界を三度救った歌姫達の魂の結晶である。
「さぁ、派手に踊りなさい!」
⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛
「ーッ!!」
「っ!……めぐみんさん、援護をしてください!」
ビルの合間を燕のように舞いながらライダーが倒れたままのめぐみんに襲いかかる。
それをマシュが防ぎ、オルガ・マリーがめぐみんを抱き抱える。
「ちょっと貴方、しっかりしなさい!マシュ援護をしなさい」
「いや~それは無理ですね、私は爆裂魔法しか……あの宝具しか使えません」
「なぁ!?貴方それでもキャスターなの!?」
「失敬な!私は紅魔族随一の魔法の使い手にしてアークウィザード、上級職の魔術使いですよ!」
「所長、めぐみんさんに構わずに作戦を続行してください!」
マシュが大盾を薙ぐとライダーが鎖を使ってまた間近のビルの中の入っていった。
藍華はどうにかなるかと考えていたが、想定以上にめぐみんが使えn………役に立たn………特殊すぎて、まともに戦闘ができていない。
彼女の出身である紅魔族は本来、非常に高い魔力適正と高度な魔術構築を得意とする一族である。
しかし、彼女は最強の攻撃魔法『爆裂魔法』に魅せられた結果、膨大な魔力を消費する魔法を極めたアークウィザードとなってしまった。
ちなみに彼女の宝具『我が人生の爆裂道』は対城宝具だけたって威力は折り紙つきだが、放てば魔力が供給されるまで動くことすらできなくなってしまう。
「分かったわよ、やればいいのでしょ!」
オルガ・マリーが魔術で強化した小石をライダーの入っていったビルに向けて投げ込んだ。
小石に刻まれた魔術が発動し、それが引き金となってビル全体に張り巡らされた術式が起動した。
ビルの下層部の柱がひとりでに瓦解し、文字通り崩れ落ちるかのようにしてビルが倒壊した。
いくらサーヴァントと言えどもビルの倒壊に巻き込まれては無事では済まされない。
なおかつ先ほどのビルには下層部に対象の重さの増加、中層部には軽減、上層部には増加という術式を組んでいたので、下層が真っ先に落ち、中層と上層が一体となってサーヴァントを押し潰した。
「ーーーー!!!!!!!」
しかし、相手もサーヴァントである以上ただではやられない。
ライダーは持ち前の機動力を発揮し、崩れ行く瓦礫の上を跳躍し倒壊に巻き込まれる前にビルから飛び出した。
しかし、ライダーが外に飛び出た瞬間目の前に広がっていたのは燃え盛る町並みではなく硬質な輝きを放つ盾のエッジだった。
「せいやぁぁぁあ!!!!」
「グ、ガァ!?」
ライダーはそのまま崩れて行くビルの中にまた叩き込まれた。
ビルが完全に倒壊し、辺りには燃え立つ炎の音だけが響く。
「………戦闘終了のようです、お疲れさまでした。
所長、めぐみんさん!先輩の元へ急ぎましょう!!」
⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛
「ガァアァァァァアアア!!!!」
ランサーの横凪ぎを避け、懐に入って鳩尾にフラガ・ラックの硬度を帯びた拳を叩き込む。
もちろん体には強化魔術をかけているが、それでも鉛を殴ったような感触と共に腕の関節が軋む。
戦闘が始まってもう何分経ったかなんて分からない。
ただ避けて、避けて、時間をより多く稼ぐために避け続ける。
攻撃は単調になってはいけない、弱者が強者と対峙する時の鉄則は常に相手の裏の裏をかき続けること。
正攻法は論外、どんな卑怯なことでも良いから一分一秒の命を延命し続ける。
「っ!おっと!」
「ヴォァァァ!?!?」
ランサーの攻撃を利用して街路樹を倒し、視界から外れる。
その隙に手近なビルの中に飛び込んで、ビルを駆け上がり、扉の空いた一室に飛び込んで扉を静かに閉めてから魔術を一度解く。
「っ!……はぁ、は、はぁ………かなりキツいなぁ」
全力での魔術行使により磨耗した魔術回路が悲鳴を上げ、それに追随するように肉体的な痛みも上がってくる。
窓から下を覗くと、薙刀を乱暴に振り回しながらランサーが吠えている。
どうやらいったんはまけたようだ。
「……魔術回路の状態と魔力の残量から見て、これは少し厳しいかなぁ。
マシュ達の方からの揺れからして、ビル爆破でもしたのかなぁ……
エグいことするなぁ我が後輩は……」
場違いな考えを巡らしながら、再度ランサーの様子を窺おうと、窓の方に寄った。
下にいるランサーは街路樹を手当たり次第に薙ぎ倒しながら、私のことを依然として探している。
「ふぅ~、もう少しは休憩できそうだなぁ。
何か緊張が溶けて喉が乾いてきた、水があるかなぁ?
てか、水道通ってるの?これ」
部屋の中を物色するが冷蔵庫の中は全て腐っていて、製氷機も止まっている。
電気や水道といったインフラ設備はまるごと止まっているようだ。
「ん~、ホントに何もない……流石に水ぐらいはあってもいいんだけどなぁ」
「おぅ、嬢ちゃん、水ぐらいなら持ってるがいるか?」
顔の前に差し出されたのは200㎜ペットボトルに入った天然水だった。
「あ、あぁ!ありがとう!いや~助かったよ、流石に乾燥しすぎて喉がカラカラでさぁ……」
「そうだろうな、ずっと上から見てたが……
良くもまぁサーヴァント相手にあそこまで食い下がれるもんだなぁ」
「いくらサーヴァントでも人が相手なら、急所に攻撃を入れつつ死角から出ないように立ち回れば時間稼ぎぐらいは…………」
………私、今誰と喋ってるの!?
そう思って背後に振り向くと、そこには青いドルイドが立っていた。
顔はフードで隠れているが、その暗闇から赤い目が此方を値踏みするかのように見てくる。
おそらく、サーヴァントで間違いないだろう、だがいつから、そしてどこから入ってきたのか。
扉は閉めた、あの立て付けの悪い扉が開けば音が鳴るはず………
「まぁ、そんな怖い顔すんなよ。因みに俺が元からいた部屋に嬢ちゃんが飛び込んできただけで、俺は初めからこの部屋にいたぜ?」
「………何で私の考えてることが分かったんですか?」
「ん?嬢ちゃんの顔にそう書いてあったんだか……
嬢ちゃん、考えが顔に出やすいって言われねぇか?」
このサーヴァント、良くもまぁズケズケと……
『ドコダァァァァァァアアア!!!!!!!!』
今までの届いてこなかったランサーの怒号と共にビルが大きく震える。
どうやら虱潰しに私を探しているランサーがこのビルに目をつけたようだ。
よりによってこんな時に!
「……貴方に構ってる暇ないから、また私のことを監視でもしてなよ」
「まぁ、そんなこと言うなって嬢ちゃん。
嬢ちゃんにも利のある話だから、少し聞けや」
「なるべく手短にお願い」
そう来なくっちゃ、とそのドルイドは赤い目を歪めてニヤッと笑った。
⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛
「アァァァァアアア!!!!」
ビルの通路の壁が吹き飛び、黒い靄を纏ったランサーか雄叫びを上げながら突き進む。
すでに一階は穴だらけになり、これ以上の衝撃が加われば倒壊しかねない状況になっている。
理性の欠けているランサーはそんなことを考慮することはないだろう。
たとえ、ビルが倒壊してもランサーのステータスからすれば多少の傷はあっても死ぬことはないだろう。
「………随分と暴れてるなぁ、おい」
ランサーが声のした方向を向くとそこにはこの⬛⬛⬛⬛で対峙することになった青いドルイドーーーキャスターが通路の影からゆっくりと出てきた。
ランサーはその姿を目にした瞬間、もうキャスターを自身の得物で凪ぎ払っていた。
「ハ、ハハ!、ハハハハハハハハハ!!!!!!!」
「いちいち煩いねぇ、もうちっとは静かにできねぇのか?」
「ヌゥ!?」
しかし、ランサーがたった今凪ぎ払ったキャスターは青く光る粒子となって消え、ランサーの背後にキャスターは再び現れた。
「ズァァァァ!!!!!」
「遅ぇよ、アンサズ!」
キャスターの腕が空を切り、その軌跡を辿るようにルーン文字が踊る。
ルーン文字が一際眩しく発光し、数発の火球へと変化しランサーに向けて飛翔する。
屋外ならまだしも屋内、しかも狭い通路では回避はできず、なおかつ背を向けていたことも相まって全弾がランサーの背に着弾する。
ランサーはその衝撃によりビルを突き破りながら外に吹き飛ばされるが、空中で受け身をとり地面を滑りながら着地した。
「おら、余所見はすんなよ!」
ビルの中から飛来する火球を、今度は左右に動きながら避けてキャスターへと接近する。
流石のキャスターもランサーとの接近戦は避けたいものだが、今回は彼にも心強い用心棒がいた。
「そら、出番だぜ嬢ちゃん!!」
「!!!???」
突然、ランサーの胸を鋭い衝撃が襲った。
何もいなかった筈の自身とキャスターの間に先程まで探していた少女が、手に持つルーン文字の刻まれた鉄剣を自身の左胸部に突き立てた姿で現れたのだ。
前もってキャスターのルーンにより視覚的、聴覚的に敵に気付かれないように身を潜め、ランサーの意識が完全にキャスターに向くまで待っていた。
そして、急激に動いたために解けてしまった隠密のルーンの残滓を纏うようにしてランサーの心臓部ーー性格にはそこにある霊格を、これまたキャスターのルーンによって強化された骸骨から奪ったままの用済みの鉄剣で貫いた。
「ガァ、ァァァァァァア!!!!」
「嬢ちゃん離れな、これで終いだ!」
藍華が飛び退くとランサーの足元に魔方陣が浮かび上がり、その内側にいたランサーを飲み込むほどの火柱が立ち上ぼった。
火柱が完全に消えるとそこにはもうすでにランサーの姿はなかった。
「やれやれ、これで依頼達成だな嬢ちゃん」
「それじゃあ、報酬を貰おうか。この街で一体、何が起きたの?」
キャスターは目深にフードを被り直してその答えを口にした。
「…………聖杯戦争だよ」
この小説に出てくるキャラは自分の趣味(100%)なので、かなりの独自解釈(タグ通り)があります、
因みにマリア、めぐみんのステータスは
マリア……筋B敏C魔D耐B幸C宝B
めぐみん…筋E敏C魔A耐E幸D宝A++
………という感じで設定してます。
正直、幸運の基準が分かりません。
という訳で、ご感想ご意見どしどしお願いいたします!
えっちゃんは諦めてえれちゃんに賭けるか………