Fate/Crossing Order   作:傘沙羅

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連投が少しずつペースダウンしてる傘沙羅です!
今回と次回で特異点Fは終いになります!

ヘラクレスを倒してしまったから、アーサー王が少し軽めの戦闘になってしまった感が凄まじいです………


そんなこんなでどうぞ!




特異点F 六幕目

 

 

 

 

 

 

 

 冬木の大聖杯、その外縁の崖を背にして黒い聖騎士ーーセイバーが佇んでいた。

 セイバーは聖杯から伸びていたパスが切れたことから、アーチャーとバーサーカーが消滅したことを察知した。

 そして、この大聖杯へと進んでくる一行の姿を己の中から響いてくる怨嗟の声を捩じ伏せながら悠然と待った。

 

 

「…………来たか、異邦からの旅人よ」

 

 

 ⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛

 

 

 

 

 

 アーチャーとヘラクレス……バーサーカーとの戦闘の後に休養をとっていると所長が私の元に歩み寄ってきた。

 それもかなりの形相で。

 

 

「あ~な~た~は!

 一体何度私の中の常識に喧嘩を売ってくるのよ!」

「常識の範疇ではこの業界では生きていけませんよ(キリッ)」

「あ、冗談です説明しますからカンドは本当にやめてください」

 

 

 冗談で返したら、とても据わった目で青筋を浮かべながら呪いの弾丸を指先に構えて、鼻先に突きつけてきた。

 流石にゼロ距離射撃はこたえます、ハイ。

 

 

「私の魔術が性質の付与ってことは知ってますよね?」

「えぇ、貴方のパーソナルデータには目を通してあるわ。

 貴方の起源が『衣』なんて言う位置のわからないだってこともね」

「なら話は早いです、私のあの魔術は付与と投影の複合魔術なんです。

 いくら付与魔術でも完全に性質を丸写しすることはできません。

 なんで、投影魔術で造り出した衣に解析した対象の性質を限界まで付与させて、それからその衣自体の性質を付与させてるんです。

 私の魔術は対象に直接触れ続ける方が出力が高くなるんで、この方が本来の性質を限り無く原物に近いまま使用できるんですよ」

 

 

 その説明を聞いていた所長は唖然としていたが、そんな事は全く気にせずにマシュやキャスターのいる方に駆け寄った。

 マシュはキャスターの治癒のルーンにより、治療を受けている。

『もう体力は回復したのでこれからも防御は任せてください!』と、元気そうに笑いかけてくる。

 マリアさんにも労いの言葉をかけて、私は大空洞の隅で小さくなっているめぐみんの元に近づいた。

 

 

「め~ぐみん、何してるの?」

「っ!マ、マスターさんでしたか。

 いきなり話しかけないでください、ビックリするじゃ無いですか………」

「………無力な自分を戒めるなんて随分とらしくないことしてるね」

「………やっぱり、バレましたか」

 

 

 めぐみんはどうやらさっきの戦闘で何もできずにいたことが、悔しくて仕方ない……いや情けなくて仕方ないようだ。

 サーヴァントとしてマスターを命を変えても守らなければならないと、頭では思っていても身体が動かない。

 死んでも大丈夫と言われても、嬉々として死んでいく人など限られている。

 めぐみんはそんなとてもプライドが高くて真面目で純粋な子だ。

 ……だからこそ私はめぐみんの肩を掴み、此方を向かせる。

 

 

「マ、マスターさん。ごめんなさい、わt

『バッチィィィンン!!!!!』

 イッタァァァア!?!?!?!?」

 

 

 私の腕が煌めき、めぐみんの眼帯を一瞬にして10

 ㎝ほど引っ張って離す。

 全くの不意打ちにめぐみんは絶叫を上げたが、めぐみんの額に私の額をつける。

 めぐみんの目は……痛みとそれ以外の何かによって生まれた涙が浮かんでいた。

 

 

「めぐみん、適材適所は突き詰めれば環境によっては足手まといがいるってこと。

 今回はめぐみんの力がこの環境に合わなかっただけ。

 実際に地上での戦闘の時に宝具による奇襲がなければ、今頃私は此処にいないの」

「で、でも」

「だからめぐみん、そんな顔しないでよね。

 めぐみんの明るさは私にはない眩しさだから、曇らさないでね」

 

 

 めぐみんは潤んだ目を顔ごと伏せて、私の胸に額を当てて肩を震わせた。

 そんな小さな背中を私は優しく、優しく………

 

 

「コチョコチョコチョ!!」

「ブフォア!!??マスターさん、何を!?」

「え~い!真面目すぎる子はこうだ~!」

「ま、ちょ、ちょっ、や、ヤメロ~!!!!!」

 

 

 私はいつでもマイペースじゃあ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 ⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛

 

 

 

 

 

「………ほう、面白いサーヴァントがいるな」

「なっ!テメェ喋れたのか!」

 

 

 休憩を終えて、いよいよ大聖杯のある大きな空間に辿り着くと、そこには黒く染まった剣を地面に突き立ててこちらを待ち構えているセイバーの姿があった。

 キャスターとセイバーがいくつかの言葉を交わすが、不意にセイバーが剣を天蓋に向けて真っ直ぐに掲げ上げた。

 キャスターから聞き、アーチャーの言葉からアレが聖剣、あのバーサーカーすら葬った一撃が私達に向けられる。

 空間が軋み、セイバーからは黒い魔力が螺旋を描いて剣へと注がれていく。

 

 

「マシュ!私達の全てを、その盾に懸けてるよ!」

「マシュ、決して下は見ずに前だけを見なさい!」

「マシュ・キリエライト、自身の使命を果たしなさい!」

「嬢ちゃん、来るぞ!!」

 

 

 マシュが私の前に盾を顔前に構え、セイバーを見据える。

 そしてセイバーはその手に摂る聖剣の穢れし真名を宣う。

 

 

卑王鉄槌(ひおうてっつい)極光(きょっこう)反転(はんてん)する……(ひかり)()め……

 

 

 

 

 

 

  『約束された勝利の剣(エクスかリバー・モルガン)』!!!!!」

 

 

 黒く染まった聖剣の一撃がマシュごと私達を呑み込まんとばかりに襲いかかる。

 だが、マシュは、私の後輩は決して震えてはいない。

 彼女の目に写るものは黒き極光ではない、それは自分を抱きしめ守ってくれたマスターの横顔と燃え盛るあの管制室で自分に力をくれたあの英霊の姿だった。

 

 

「私はここで、倒れるわけにはいかないんです!」

 

 

 マシュの構えた盾から蒼く光る障壁がマシュの前に展開され、その障壁と黒き極光がぶつかった。

 マシュな盾が裂いた極光が私達の左右を通り過ぎる。

 怯えてはいけない、マシュの力を信じ抜くことが今の最善。

 はたして、

 

 

「ぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!!!!!!」

 

 

 聖剣からの極光が止むとそこには、傷を負いながらも盾を構え続けたマシュの姿があった。

 マシュの身体がグラリ揺らぐ、すかさずマシュを後ろから抱き込み笑いかける。

 

 

「ありがとう、マシュ。本当に私の後輩は最高だよ」

「先輩……私、やりましたよ……」

「うん、ゆっくり休んでてね」

 

 マシュを所長とめぐみんに預けてマリアとキャスターに向けて叫ぶ。

 

 

「第ニ波は防げないから、今のうちに倒すよ!」

「分かったわ、マスター少し本気を出すから。

 指示は頼んだわよ!」

 

 

 マリアがそう口にすると、何処からともなく歌が戦場に流れ始めた。

 皆が………セイバーすら唖然とする中、マリアか口を開く。

 

 

 

「♪真の強さとは何か?探し彷徨う

 ♪誇ること?契ること?まだ見えず」

「おいおい、何急に歌い出してんの?おたく」

 

 

 キャスターの言葉にマリアは歌いながら『仕方ないじゃない』とでも言いたげな視線を投げかける。

 しかし、すぐに視線を外しセイバーへと翔んだ。

 だがその速度は………今までとは比べ物にならないほどの速度だった。

 

 

「っ!なに!?」

 

 

 セイバーの直感による未来視に追随するほどの速度でマリアの短剣が襲いかかる。

 マリアの纏うギア、シンフォギアは聖遺物という旧世代の異端技術を応用して作られた特殊な戦闘衣装である。

 本来の世界線では歌を歌わなければギアを纏うことができない、しかし英霊となった今は歌を歌うことはステータスの大幅な上昇を生み出している。

 故にステータスのほぼ全てが限定的にBランクに達しているマリアはステータスにおいてセイバーを……アーサー王を僅かに凌駕する。

 

 

「♪惑い迷い苦しむことで

 ♪罪を抉り隠し逃げずに」

「っ!全く、あの少女とは違った意味で面白いサーヴァントだ、な!!」

 

 

 アーサー王はステータスでの差を武器の差で弾き返す。

 マリアもブースターを吹かして、キャスターの横に並ぶび、続いてキャスターによる攻撃が始まる。

 

 

「後は頼んだわよ、キャスター!」

「おうよ、出番だぜ!『灼き尽くす炎の檻(ウィッカーマン)』!!」

 

 

 マリアの歌が止まったのと同時にセイバーに左右に巨大な魔方陣が出現し、巨大な腕が現れた。

『灼き尽くす炎の檻』の腕がセイバーを左右から挟み込もうと迫る。

 セイバーは魔力を剣から噴射し上空へと回避する。

 それを追うかのように藁人形の腕が迫る。

 

 

「ハァァァァ!!!!!!!」

 

 

 アーサー王は上空で『風王結界(インビンジブル・エア)』を繰り出し、『灼き尽くす炎の檻』の片腕を根元から吹き飛ばす。

 しかし、もう一本の腕がセイバーの身体を握り込む。

 

 

「今だ!出番だぜ、チビッ子!!!」

「チビッ子じゃありませんけど、感謝しますキャスター!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『黒より黒く、闇より深き漆黒に

 

 

 我が深紅の混交を望む給もう』

 

 

『覚醒の時来たれり、無謬(むびゅう)の境界に堕ちし理、

 

 

 無行(むぎょう)の歪みとなりて現出せよ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  『我が人生の爆裂道(エクスプロージョン)』!!!!!!!!!」

 

 

 キャスターの『灼き尽くす炎の檻』を残った腕を吹き飛ばすほどの爆発が、その拳の中から解き放たれた。

 爆炎は『灼き尽くす炎の檻』を焼却し、天蓋を吹き飛ばすほどの火柱が立ち上った。

 めぐみんの汚名返上に十分すぎる一撃をモロに受けたセイバーは、真っ逆さまに地面に叩きつけられるようにして落ちてきた。

 鎧はほとんどが砕け散り、聖剣は担い手から少し離れたところに真っ直ぐに突き立っている。

 

 

「………ハァ、私としたことが最後の最後で手が緩んでしまったか。

 まぁいい、私一人では運命など、どうにもできなかったからな」

「おい、セイバー。テメェ、何を知ってやがる」

「いずれ貴様も分かるだろう、アイルランドの光の御子。

 ーーーーグランドオーダー、聖杯を巡る戦いはまだ始まったばかりなのだとな……」

 

 

 そういってセイバーのサーヴァントは消滅した。

 それに続くようにして、置き台詞を残してキャスターも消滅していった。

 セイバーのいた場所には金色に光る杯ーー聖杯が漂っている。

 

 

「……ふぅ、みんなお疲れ様!」

「やりましたね、先輩!」

「若干歌い足りなかった気がするけど、まぁいいわ」

「めぐみん!よかったね、トドメ刺せて」

「フッフッフ、私の力もざっとこんなもんですよ!」

「よ~しよし、いい子いい子……」

 

 

 倒れたままのめぐみんの頭を撫でてから、さっきから一言も喋らない所長へと視線を向けると所長は一人ブツブツと呟いている。

 

 

「……冠位指定……、

 あのサーヴァントが何故その呼称を……」

「どしたんですか、所長?浮かない顔して」

「あ、あぁ、気にしないでちょうだい。

 それよりも、衣碕藍華及びマシュ、よくやりました

 これにて、ファーストオーダーは終了よ。

 不明な点も多いけれども、あの水晶体を回収してカルデアに帰還しましょう」

 

 

 所長の指示に従って聖杯を回収……しようとしたが、突然聖杯が独りでに大聖杯の外縁へと浮かび上がっていった。

 慌ててマシュと所長の元へと戻り、聖杯の行方に目を凝らすと、そこには独りの人影が見えた。

 それは、私がカルデアの内部で顔を合わせたことのある人物だった。

 

 

「………レフ・ライノール教授、随分と久々の再会ですね?

 この状況を読んでたとしか思えない劇的な登場ですね」

「フン、相変わらず減らず口が多いな衣碕君。

 一度、気品や上品さを身に付けてはどうかな?」

 

 

 そこには私がカルデアにいた頃に一目で嫌いになった人物、

 近未来観測レンズ『シバ』の提供者、レフ・ライノールが物凄い人の悪い顔を浮かべてながら佇んでいた。

 

 

 

 

 

 

 








サーセン!所長の処遇まで書けませんでした!
字数をなるべく揃えたい主義なんで、途中で切れてしまいます!
(どうでもいい主義だな………)


イベントについては配信時系列と大体合わせていきます
あ、ネロ祭はちょっと無しですので
団子かハロウィン、本能寺が先に来ます。

因みに本能寺では多作キャラ連発になるでしょうねぇ……

感想欄に前話で上げた内容があればどしどしお書きください!
褒められると伸びるタイプなんだよねぇ(白猫感)

えっちゃんの件はまだ諦めてませんよ!!!!









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