Fate/Crossing Order   作:傘沙羅

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特異点F最終回イェェェエイイイイ!!!!!
終わりました、疲れました、ぐだりました!!
もう、夜中のテンションってヤバイですね(;゜∇゜)

という訳でどうぞ!


特異点F 七幕目

 

 

 

 

 

 

 

『レ、レフだって!?彼がそこにいるのか!?』

「レフ教授!?生きていらっしゃったんですか!?」

「レフ……レフなの!?あぁ、良かった!いきていたのね!」

「っ!所長、なにやってんですかぁ!!」

 

 

 久々に通じた回線からドクターの声が聞こえてくる。

 明らかにあの時の爆発の中で、無傷でいられるはずがない。

 それだけでレフ・ライノールへの不信感は強くなる。

 だが、彼女にはそんな事を考える余裕は無かったのだろう。

 いきなり駆け出そうとした所長の腕をつかんだが、彼女はそれを振り払ってレフ・ライノールの元へ行ってしまった。

 その背中をに追い付いて止めることはできたかもしれない。けども、レフから滲み出るどす黒いナニカのせいで迂闊に動くことが出来なかった。

 マリアとめぐみんにもなるべく動かないように、指示を送っておく。

 視線の先ではレフと所長が言い争っている。

 そしてレフが顔前に聖杯を掲げると大聖杯のちょうど真上に歪みが生じ、そこにカルデアの管制室が映し出された。

 いや、このカルデアスからの存在圧から見て恐らく本物で空間を繋げたのだろう。

 しかし、その後の現象に私は凍り付いた。

 所長がゆっくりと空中に浮かび上がり、カルデアスの方に少しずつ近づいていった。

 反射的に走りかけたが斬り抉る戦神の剣(フラガ・ラック)はこの状況では役立たずで、それにもう間に合わない。

 所長の身体がカルデアスの中に溶け込むようにして消えていった。

 

 

「っっ!!!!!!」

「先輩、抑えてください!

 今行ったら先輩も同じように殺されます!」

「ほう、流石はデミ・サーヴァントだ。

 私が根本的から違う生き物だど感じ取っているな。

 では、君達に改めて自己紹介をしよう。

 私はレフ・ライノール・フラウロス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 貴様たち人類を処理するために遣わされた2015年の担当者だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛

 

 

 

 

 ………数時間前に起きたことが私の頭の中をかき乱す。

 吐き気と頭痛が際限なく襲い掛かってくる。

 整理されていたマイルームの壁には幾つもの血の線が走り、それが自分の指先から滲み出ていることを遅まきに理解した。

 所長を止められなかったのは私、所長を見殺しにしたのも私、だから全て私が悪い。

 

 

「はぁ、はぁはぁ、は、はぁ、はぁ………」

 

 

 喉が削られたかのように疼く。

 声はすでに渇れて、浅い呼吸を繰り返すだけで痛みがする。

 そんな姿をマシュ達に見させるわけにはいかないだろう。

 ここまで取り乱したのは『アノ日』以来になるだろうか。

 苦しくて、苦しくて、でも死ぬことはできない。

 死にそうになったことなんて、幾らでもあった。

 けれど、肝心な時になって自分は死ねないなんて、できすぎた喜劇だ。

 レイシフトから戻り、マシュと再会し、マリアとめぐみんにカルデアを案内して直ぐにこの部屋に戻ってきた。

 そこからはよく覚えていない。

 気付けば服や壁には血が付き、シーツと枕は引き裂かれ、ベッドは足が砕けて、観葉植物もバッサリ斬られている。

 無意識に魔術が暴走でもしたのだろうか、身体中の魔術回路が傷付いているし、魔力も若干だが減っている。

 果ての無い無力感と虚脱感が身体を蝕む。

 ジ~ジとバ~バに言ったことをこの特異点で思い出してしまったことも反動を大きくした原因だろう。

 

 

「………私の意味…価値…意義…そんなもの無いよ」

 

 

 人を殺した人に価値があるなら、それは人の悪性の手本というレッテルだろう。

 

 

「………これじゃ、めぐみんに言えた義理じゃないなぁ」

「あぁ、全くだね。

 人の価値を一人で決めきるなんて、ただの無駄骨だよぉ?」

 

 

 プシュ、という音と一緒にマイルームの扉が開き、美術書等で見たことのあるモナ・リザにそっくりの人物が入ってきた。

 彼女はかの有名なレオナルド・ダヴィンチその人らしい。

 よくモナ・リザはレオナルド・ダヴィンチの自画像だったなど言われていることは、あながち間違ってはいなかったらしい。

 

 

「ほら、コーヒーでも飲んで落ち着きなよ。

 そんなんじゃ、せっかくの美人が台無しだ」

「………ダ・ヴィンチさんの方が美人ですけどね」

「お褒めに頂きありがとう、素直になるのも必要だよ君」

 

 

 ダヴィンチさんの淹れてくれたコーヒーは、今まで飲んだ中で一番美味しかった。

 しばらくダヴィンチさんは私がコーヒーを飲みのを傍らで見ていた。

 そんなに面白いだろうか?私は。

 

 

「君は、自分が可愛いとか思ったこととか無いのかい?」

「そこまで美人でも美少女でも無いですし、

 美少女はマシュやめぐみんのことを

 美人はマリアさんやダヴィンチさんのことを言うんですよ」

「ふ~ん、でもこの部屋で歌い踊っていた君も中々のものだったよぉ?」

「ブッフォォ!!!???」

 

 

 み、見られてたの!?何時!?何処から!?

 

 

「各マスターのメディカルチェックは医務室のモニターからするから、ロマンが作業傍らでちょっぴりモニターで君の部屋を覗いてたんだよ」

「…………………」

「お~い、聞いてるのかい?」

「………因みに見たのはダヴィンチさんだけですよね?」

「いや、動画を焼き増しして職員に配り終えたとこだけど」

「何しとんですかアンタはぁ!!!!!!!」

 

 

 てことは、私が歌いに歌った約十曲がカルデア内で聴かれていると!?

 あまりの恥ずかしさに悶死してしまいそうだよぉ!!!

 

 

「ハハッ!やっと明るい顔になったね、君!」

「え…………あ、」

「君、帰ってきてからずーっと塞ぎ込んでてみんな心配してたんだよ?」

「……流石に立ち直り憎いですよ。

 自分のせいで………所長が死んだんですから」

 

 

 今でも瞼の裏に所長の顔が、カルデアスに呑み込まれる時の所長の顔が明確に浮かんでくる。

 あの時、別の行動を起こしていれば所長が死ぬこともなかったのかもしれない。

 そう思うと、自分のしたことに自分自身が潰されそうになる。

 

 

「ん~、あの状況ではアレが最善だって私は評価してるし、どうせあの状況からオルガマリーを救うことはできなかったよ」

「でも、もしもの解決策が他にあったら」

「あの子はね、生まれながらに才能は人一倍持っていた。

 けれども、どうしてかレイシフトの適正だけは持っていなかった。

 そこで私はモニター越しでロマンが格闘する最中に管制室に行ってみたんだ。

 ………そこで私はオルガマリーの身体を見つけた」

「……………え?」

 

 

 それはおかしい。

 何故ならあの時、所長は私達と共に冬木にいた。

 なら、所長の肉体は管制室内には存在しないはずだ。

 

 

「正確にはオルガマリーの欠片を見つけたんだ。

 あの爆発、どうやら彼女の真下が爆心地のようでね。

 …………指一本しか残っていなかったよ」

「……………」

「だから私は確信した。

 トリスメギストスが彼女の残念粒子を検知し、それをレイシフトによって冬木に送ったんだ。

 レイシフトは霊子化した魔術師、サーヴァントを過去に送る装置だ。

 故に肉体のなくなったオルガ・マリーはそこで初めて、念願のレイシフトの適正を手にいれたんだ」

「…………………」

「結論から言うと彼女と初めて冬木であった瞬間、いや、彼女が冬木の地を踏んだときからこの結末は定められていたんだ」

「…………そうだったんですか………」

 

 

 何だか自分の悩みが全部吐露だったと一瞬感じたがすぐに打ち消した。

 所長のことは忘れるわけにはいかないだろう。

 所長のためにもこの私に課せられた使命を果たさなければならない。

 

 

「ダヴィンチさん、ありがとう。

 私、少し立ち直れた気がします」

「い~よい~よ、それにさん付けじゃなくてちゃん付けでい~よ♪

 マシュやロマンは医務室にいるから行ってきなよ」

「アリガト!ダヴィンチちゃん!」

 

 

 ダ・ヴィンチちゃんにお礼を言って、私はマイルームから駆け出して医務室へと走って行った。

 廊下で職員とすれ違う度に声をかけられる。

『頑張れ、歌姫!』『青春を謳歌しなさいよ!』『歌姫、よくやった!』『歌姫!』『新曲待ってるぞ、歌姫~』

 ………やっぱりダ・ヴィンチちゃんを一発ぶん殴りたくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………やれやれ、凡人のカウンセリングは天才の仕事じゃないんだけどねぇ」

 

 

 ダヴィンチは肩をすくめて、腰掛けていたベッドから立ち上がった。

 そして、改めて彼女の部屋の惨状を見渡した。

 

 

「ん~~、結構汚れちゃってるけど、まだまだ綺麗にできる範囲内だね。

 天才が隅から隅まで綺麗にしてあげるのだありがたく思いなよ、人類最後のマスター!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛

 

 

 

 

 

 

 医務室ではマシュがロマンに簡易的な検査を受けていた。

 生まれた経緯から少し病弱なマシュだったが、今回のデミ・サーヴァント化により体力、筋力が上がり健康的な水準まで検査結果が上がっていたのだ。

 ロマンとマシュが談笑し合っていると医務室の扉が開かれ、藍華がマシュの背に向けて飛び込んできた。

 

 

「マ~シュ~~~!!!!!!」

「うひゃあ!せ、先輩驚かさないでくださいよ……」

「ゴメンゴメン、でもマシュが元気になってくれて良かったよぉ…」

「その点で言えば、今のマシュは以前よりも健康的な身体になってるよ。

 デミ・サーヴァント化による影響だけど、これは良い弊害だったね」

「あ~、戦闘前の事前警告が遅いドクターじゃないですかぁ……

 私決めましたよ、人理修復、してやろうじゃないですか」

 

 

 その言葉にロマンは目を見張ったが、すぐにいつもの柔らかい目に戻った。

 マシュも肩越しに私の方を見てくる。

 その目には私に対する『信頼』と『羨望』が込められていた。

 

 

「人理を、人類の未来を取り戻す大仕事、やらせてもらいます。

 私にできることがそれなら、私は全力で頑張ります!」

「そうか、分かったよ………衣碕 藍華君」

「ハイ!」

 

 

 ロマンが居住まいを正したので、私もマシュの背中から離れて踵を揃えて真っ直ぐに立つ。

 

 

「これよりカルデアは前所長オルガマリー・アニムスフィアか予定していた通り、人理継続の尊命を全うする。

 目的は人類史の保護、及び奪還。探索対象は各年代と、原因と思われる聖遺物・聖杯。

 我々が戦うべき相手は歴史そのものだ。君の前に立ちはだかるのは多くの英霊、伝説となる。

 それは挑戦であると同時に、過去に弓を引く冒涜だ。

 我々は人類を守るために人類史に立ち向かうのだから。

 けれど生き残るにはそれしかない。いや、未来を取り戻すためにはこれしかない。

 ……たとえ、どのような結末が待っていようとも、だ。

 以上の決意を持って、作戦名はファーストオーダーから改める。

 これはカルデア最後にして原初の使命。

 

 人理守護指定・G(グランド).O。(オーダー)

 

 

 ロマンはそこで一度言葉を切って、力強く続けた。

 

 

「魔術世界における最高位の使命を以て、我々は未来を取り戻す!!」

 

 






書き切りました、第一部完!(違います)
次のオルレアンに入るのは少し先になると思います。
少し妄s……想像力を膨らませないといけないので(竜種対策等)

こんな駄文を見てくださってる皆様、本当にありがとうございます!

これからもFate/Crossing Orderをよろしくお願いします!!!!!
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