ラブライブ・メモリアル ~海未編~   作:PikachuMT07

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第11話 ケアルメイドカフェ

日焼け止めを差し入れし、弓道の練習と筋トレを終えて実家に帰ってきた俺を待ち受けていたのは、目を輝かせた妹二人であった。

紅音「お帰り!お兄ちゃん!!ねえねえ、今日の午後はヒマでしょ!」

翠音「お帰りお兄さま~!あのね、翠音たち今日はメイドカフェに行きたいのぉ」

紫音「な、なんだいきなり・・・」

妹達の話を総合すると(総合するほど大した話ではなかったが)、中学校でメイドカフェに行ってみたい、という話題で盛り上がった事を紅音に話したところ、ちょうど紅音が買った雑誌にメイドカフェ特集が組まれており、それを二人して読んだらどうしても行きたくなってしまった、という事のようだ。

しかし二人だけで行くには少々勇気が足りなかったらしい。

俺の高校でもメイドカフェの話題が出ない事はないが、他の趣味を犠牲にしてそこにお金を投入するのは余裕のあるヤツ、という位置づけである。

だが確かに秋葉原に住んでいて一度も行った事が無いのも淋しいものがある・・・ここは一つ乗っておく事にした。

さすがに三人ともランチを食べるのはいささかお小遣い的に厳しいという事となり、俺はオムライス、妹たちはケーキセットを食べるという計画を練り、昼食を軽く摂ってから出かける事にした。

 

ゴールデンウィークの中央通りは歩行者天国として開放されている。

多くの人が行きかう中にチラホラとメイドさんがおり、通行人に呼び込みを行っている。

もうこの街に住み始めて2ヶ月以上になる俺達には、馴染み深いとまでは言わないがいつもの光景だ。

秋葉原駅から中央通りとその一つ裏通りくらいまでにいるメイドさんは、ミニスカート+ニーソの萌えアレンジや学生服アレンジ、和風など様々なタイプのメイド服をまとい、それぞれの特徴をアピールしている。

色もピンクや水色といったパステルカラーから、茶色、赤、デニム系など様々だ。

絶対領域がある服が多く、ネコ耳や刀といったアイテムを装備しているメイドさんもいる。

俺は絶対領域が大好きなので、ミニスカートタイプのメイドカフェに行きたいのだが、妹二人の見解は異なっており「やはりクラシックタイプがメイドの基本であり本物」なのでそこへ行きたいとの事だった。

ヴィクトリアンメイドというスタイルで、萌えばかりでなく質実と礼節ををわきまえている店が今日の目的なのだそうだ。

間違いなく男だけならミニゴスロリのメイドさんがいる店に行ってしまうだろうから、今回は貴重な体験となるかも知れない。

ちなみに妹達二人は休日の久しぶりのお出かけ、という事でとても気合が入ったおしゃれをしている。

お気に入りのミニワンピで紅音は薄い緑、翠音は純白と色は異なっているがデザインは同じ、スカート部分は3段の段付きになっている。

これに二人とも白いフリルが付いた黒のニーソを組み合わせ、胸には紫色の細いリボン、頭にも同色の太いリボンを紅音は右、翠音は左に付けている。

こんな近所に行くのになんでそんなにドレスアップする必要があるのだろうか・・・。

それを聞くと30分は説教されるので、ここは褒めるの一択である。

紫音「お前ら・・・いつもかわいいとは思ってるけど、今日は特別かわいいな・・・そんなにおしゃれするほど期待してるのか?」

この「いつもかわいい」という部分は、入れておかないとせっかく褒めているのに反撃されてしまうという必須重要ポイントである。

紅音「そうでしょ、かわいいでしょ?でも店のために着たんじゃないわよ。お兄ちゃんと一緒に行くのに恥かかせられないから着たの!」

翠音「お兄さまが喜ぶミニスカートだよ~。今日はね、お姉さまと相談したらすぐ決まったの。お兄さまの趣味が分かってるから」

紫音「そりゃありがとう。嬉しいよ。その靴も・・・ずいぶん背が高くなるんだな・・・二人とも脚が超長く見える」

紅音「もともと長いのよ!でもありがと!ヒールはそれでも3cmくらいなのよ」

翠音「翠音もね、これ履くとちょうど160cmになるんだよ~お兄さまにもつりあうよ~」

ちなみに俺の身長はちょうど180cmである。

バスケをやっていたのがそれなりに効いて高くなったかな?と自分では思っているが、アメリカではむしろ平均より若干低めのサイズだ。

紅音は159cmほどなので、日本人としては平均的だがアメリカでは小柄という扱いであった。

紅音「で、お兄ちゃんのその服装はなんなの?私達の友達に街で会ったら、何て言うつもりなの?」

紫音「え、おかしい?確かに俺、最近服買ってなかったけどさ」

俺の今日の服装はネックにボタンが付いたカーキ色のTシャツにリーパイス501のジーパン、青色のバッシュ(バスケットシューズ)である。

弓道場に行くときは学校の制服(ブレザー)でバイトもそのまま行ってしまうため、最近この格好もしていなかった。

紅音「変じゃないけど・・・普通すぎ。次はもっとかっこよくしてよね!」

紫音「・・・がんばります」

そんな事を話しているうちに俺達は中央通りからペルサール秋葉原を曲がって路地に入り、裏通りを上野方面に歩いた。

ほどなくガチャガチャ会館があり、このビルが今日の目的地「ケアルメイドカフェ」のある場所である。

 

時間が外れている事もあり、ガチャガチャを見てしばらく時間を潰したところで入店できた。

声の高い娘「お帰りなさいませ、ご主人様、お嬢様・・・」

う~ん、ホントに言われた、感動だ。

しかし感慨に耽る間もなく、俺は気がついた・・・あれ?聞いた事のある声だぞおい。

俺はメイドさんをじっと見た。

ことり「はわっ!!」

紅音「・・・ことり先輩?」

翠音「・・・ことりさん?」

俺が言葉を発する前に、妹達はしっかり反応していた。

ことりちゃんは3秒くらいフリーズしていた。

紫音「・・・ことりちゃん、今朝はどうも・・・ここでバイトしてるの?」

ことり「え~・・・あの・・・その、ご主人様、お嬢様、私はミナリンスキーです!はじめまして!!」

若干反応は遅れたが、ことりちゃん・・・ではなくミナリンスキーさんは挨拶した。

どうもメイドになり切らねばならないようだ・・・ここは空気を読んで話を合わせる事にしよう。

ミナリンスキー「それではお席にご案内致します~」

俺達は指定された席について、改めてミナリンスキーさんを見た。

ミナリンスキー「お待たせ致しました、ご主人様、お嬢様。冷たいお絞りでございます。こちらは本日ご用意できるお食事でございます。どちらにするかお決まりになりましたらお申し付け下さいませ」

紅音「うっわ~!ミナリンスキーさん、かわいい!!」

翠音「メイド服、エプロンもすっごく似合ってる~かわいいですぅ」

やっぱりこれよね~とかなんとか言いつつ、妹二人はミナリンスキーさんのメイド服を触りまくっている。

むむむ・・・俺も触りたいが俺が触ったら犯罪なのだ・・・誰かこの差を理論的に説明してもらいたい。

ミナリンスキーさんも服の話題になるとそれまでの緊張はどこへやら、エプロンのフリルの柄やリボン風の結び目と言った俺には難解な萌えポイントを挙げ、盛り上がっている。

さらに「お嬢様方もかわいらしいです!」と言ったもんだから、妹二人はマシンガンのように今日のおしゃれポイントを一通り連射で説明した。

そして、それだけ褒めるポイントがあるにも関わらず、兄である俺が一切指摘しないでただ「かわいい」とだけしか言わなかった事について、戦犯級の重罪人であるかのように報告した。

うう酷い・・・とにかくこれからは色が違うところを見たら褒めるようにしよう。

 

予定通りオムライスとケーキセット2つを頼み、店内を見回す。

ミナリンスキーさん以外にもメイドさんがたくさんいるが、とにかく一番目立っているのはミナリンスキーさんである。

今まで制服やジャージばかりで、ファーストライブの衣装はたかだか3分ほどしか見ていなくて気付かなかったのだが・・・ミナリンスキーさんは胸が大きい。

ウェストは細くメリハリがあってセクシー体型なのである。

特に腰のラインは溢れるような色気があり、目のやり場に困ってしまう。

しかも表情も明るくてかわいいとなれば当然目立つわけだ。

これだけの娘がそうそういるはずはないので、男の視線が集まってしまうのは仕方のない事だろう。

 

少々の待ち時間を経て、俺達のオーダーがミナリンスキーさんによって運ばれてきた。

オムライスにはハートが描いてあり、ミナリンスキーさんに愛を注入して頂いた・・・嬉しい。

近くに立つミナリンスキーさんの顔を見上げ、彼女がその場を去った後も後ろ姿を追いかけていると、紅音に足を踏まれた。

紫音「痛てっ」

見ると紅音は俺を睨みつけている。

翠音「お兄さま~顔がにやけてるょ~お姉さま、すっごく怒っちゃうかも」

翠音の言葉は明らかに遅く・・・もう相当怒ってる気がする。

だが運ばれてきたオムライス、ショートケーキ、ミルフィーユ、紅茶を口に入れた瞬間、妹達は即機嫌を回復した。

俺達は3人でそれぞれの食事を少しずつ回して食べあった・・・どれも素晴らしく美味しい。

ケーキも甘いだけでない上品さがあり、紅茶とも良く合ってまさに午後の優雅なティータイムと言ってふさわしい内容であった。

 

食事も一段落し、妹達は他のメイドさんを捕まえて話し始めた。

ミナリンスキーさんを探すと・・・ちょうど高いところにある備品を、イスの上に立って降ろそうとしているようである。

メイド服の靴はヒールが少しあるものだった気がする。

危なっかしく感じた俺はトイレに行くような風で立ち上がり、ミナリンスキーさんが取ろうとしていた備品を降ろしてあげる事にした。

声をかけてから備品を手に取ると、イスから降りたミナリンスキーさんは少し恥ずかしそうな顔をした。

ミナリンスキー「やだ、ご主人様に手伝ってもらうなんて・・・」

紫音「いいんだよ。ほら、靴が危なそうだったから」

俺はそう言って備品を渡した。

ことりちゃん(今はミナリンスキーさんだけど)とここまで接近するのは初めてである。

いつもは一番近くてもミニストッパのカウンター越しだから、ことりちゃんの長い睫毛と小さな唇をここまで近くで見る事はできなかった。

そしてこの位置で見下ろした時のことりちゃんの胸は・・・決して巨乳ではないのだが、その華奢な肩からのラインが、とても魅力的に見えるのである。

もちろんウエストが締められたメイド服のデザインも多少は影響しているとは思うが・・・素晴らしい。

短い時間で嬉しい思い出を作り、俺はほくほくした気分で席に戻った。

落ち着いて今の思い出を脳内でゆっくりと反芻しようとする・・・と、そこで視界に入った紅音は、かなりお怒りモードに突入していた。

翠音もジト目になっている・・・うう、何を考えているか判るのだろうか・・・そんなに顔はニヤけていないと思うのだが。

ミナリンスキー「ご主人様、お嬢様、お冷のお代わりはいかがでしょうか?」

そこで折り良くまたミナリンスキーさんがやってきたので、俺はチャンスとばかり話題を変えるべく、話を切り出した。

紫音「あ、そういえばミナリンスキーさんも知っているかもだけど、俺達最近ネットに上がった、紅音が通っている高校のスクールアイドルのμ'sっていうチームの動画を見たんですよ」

この話題への妹達の食いつきは良かった。

紅音「そうそう!ミナリンスキーさんじゃないとは思うんだけど、そのアイドルがミナリンスキーさんに似ててすっごくかわいいんです!私達そのライブを生で見た事あるんですけど、斜めからだったんで、やっぱり正面から撮ったものはすごく良かったです!」

翠音「動画の事はねぇ、翠音が雪穂ちゃんから教えてもらったの~。お兄さまなんて何回も見てたんだょ」

・・・あれは園田師匠を見てたのだが・・・恥ずかしい。

だが下心なしで見ても、全体的に素晴らしい出来であった。

紅音「私も凛ちゃんとかにμ'sに入るように誘われたんだけど、ママが反対して・・・でも私達、3人でファンになりました!これからすっごく応援する予定なんです!」

翠音「雪穂ちゃんのお姉さまの穂乃果ちゃんもとってもかわいいんですけど、翠音はことりちゃんて人が大好きぃ。あとお兄さまは~」

紫音「お~~っと翠音ちゃん、俺は3人とも大好きで超応援するぞ!!」

園田師匠を見ていた事は隠したい・・・俺は必死で翠音を止め、曲と衣装を褒めた。

すると妹達もアクセサリーやダンスについて褒め、とにかくファンとしてついて行く事を宣言した。

ミナリンスキー「あ、ありがとう・・・じゃなくて、へ~そんな動画があるんですか!私も見てみます~」

そう言ってはにかむように笑ってくれたミナリンスキーさんに、俺達兄妹の気持ちはしっかり伝わったと思う。

 

会計が終わり、俺達はミナリンスキーさんに出口まで見送ってもらった。

ミナリンスキー「ご主人様、お嬢様、それではお気をつけて行ってらっしゃいませ。またのご帰宅をお待ちしております」

その言葉を背に、俺達はケアルメイドカフェのドアの外からばいば~いと手を振った。

するとミナリンスキーさんはスカートのすそを持ち上げながら、俺達に走りよってきた。

ことり「紫音くん紅音ちゃん翠音ちゃん・・・あのね、ことりがここでバイトしてるの、絶対誰にも言わないで・・・お願い!!」

一瞬にしてメイドからことりちゃんに戻って出た言葉に驚きながら、聞き返す。

紫音「誰にもって・・・μ'sのみんなにも?」

紅音「・・・クラスの子にも?」

翠音「・・・雪穂ちゃんにも?」

ことりちゃんは大きな目をいっぱいに見開いてウルウルしながら手を合わせ、ウンウンと首を縦に振って懇願した。

そこまで頼まれたら仕方ない・・・俺達は絶対に言わないと約束した。

ことり「ありがとう!!お願いします!!そしたら3人は私が居るとき、また来てね!」

紅音「来ます!今度はお兄ちゃん抜きで翠音と二人で来ます。ことり先輩、お兄ちゃんは知ってる女の子みんなに優しいから気をつけてね!」

ことり「あはは・・・はい、気をつけます!じゃあね!ばいば~い」

手を振ってくれたことりちゃんに俺達も手を振り返しながら、ケアルメイドカフェを後にした。

なかなか収穫の多い日だったと思う。

「ことりちゃんのバイトを秘密にする」という約束は、彼女と一歩近づけた気がして、とても嬉しく感じた。

日本に帰ってからすぐ男子高に通ったため女の子の友人が現在まったくいない俺にとって、気分が舞い上がるような出来事だ。

妹二人から「備品降ろしてあげるとかやりすぎだから!」とさんざん責められた事も、苦にならなかった。

 

     ■□■

 

その夜、俺がアパートでテレビを見ながら正座の練習をしていると、紅音がやってきた。

Tシャツとミニスカート、薄手のパーカーという服装である。

紫音「あれ、紅音、どうしたんだ?」

俺は足を崩しベッドに腰掛けながら聞いた。

紅音はもじもじしている。

紫音「なんだよ宿題でも見て欲しいのか?俺も日本史とか古文はさっぱり分からないぞ?それよりお前、こんな夜遅い時間にそんなミニスカートで外を歩いたらダメだぞ。いくら秋葉原はその手の娘が多く歩いていてもだな・・・」

そう話している間に紅音はとことこと俺に近づいてきて、ベッドに腰掛けている俺の膝の上に、ちょこんと腰掛けた。

紫音「おおい、紅音ちゃん?いったいなんのつもり?」

紅音「お兄ちゃん・・・わ、私の胸を揉んで欲しいの・・・」

紫音「・・・は??」

聞いた事のないセリフに、俺は思わず紅音の後頭部に向かって間抜けな声で聞き返した。

紅音「もう!!何度も言わせないでよ!!私の胸を・・・す、少しでいいから揉んで欲しいって言ったの!!」

紫音「な、何言っちゃってんのお前?熱でもあるのか?」

俺は紅音を振り向かせ、おでこに手を当てた。

熱は無いようであるが、顔は朱い。

紅音「ちっ、違うわよ!今日お兄ちゃんがことり先輩の胸ばっかり見てるから!その・・・私も大きくなりたいと思ったの!!」

紫音「・・・み、見てないよ、ことりちゃんの胸なんて見てない!」

紅音「うそ!見てた!絶対大きい胸の女の子が好きなんだよお兄ちゃんは!雑誌の表紙だってそういう子ばっかりじゃん!」

それはヤンマガだからだろ・・・しかしさすがにそこまで言われれば、紅音が何を言いたいか俺にも判った。

紫音「・・・判った、落ち着け紅音。確かにお兄ちゃんは胸が大きい女の子が好きだ。それは認める。でも、胸が小さい女の子だって大好きなんだ。これも本当だ」

俺はさらに続けて言った。

紫音「それから揉めば大きくなるって誰に聞いたんだ?それより牛乳飲むほうが絶対効果あると思うぞ?そして何よりも、だ。胸の大きさはほぼ母親の胸の大きさによるのだ。間違いない。母親の胸より少しは大きくなるかも知れないが全然サイズが違うなんて事はありえないのだ。だからいくら揉んだって、母さんと同じくらいにしか成長しないんだぞ」

ちなみに母さんは典型的な日本人の体格で、背は158cm程度、華奢な体格で胸も日本人的だ。

最新の観察データ(目視)によれば真姫ちゃんよりは大きそうだが穂乃果ちゃんよりは小さそうである。

そして紅音もそれを引きついで細い体つきであり、胸は確かに園田師匠よりは大きそうだが真姫ちゃんよりは小さそうである。

あくまで見た目判断だが確かにことりちゃんのレベルまで育てるのは難しそうだ。

花陽ちゃんのレベルには絶対に到達できないだろう。

紅音「う~~!もう!超恥ずかしいの我慢して来たのに!そんなに嫌なの!?」

紫音「いやいや、嫌だから言ってんじゃないぞ!さっきも言ったけど、揉んだから大きくなるって事はないってのが第一点。次に将来的にお前に彼氏が出来たとき、その人に悪いというのが第二点。最後に・・・お兄ちゃんだってお前の胸を揉みたいけど、兄妹でそういう事しちゃダメだし、お前がかわいいから俺も冷静じゃいられなくなるの」

紅音「・・・・・」

紫音「・・・・・」

紅音は睫毛にいっぱい涙を溜めて俺を見た。

紅音「・・・判った。胸の小さい女の子も好きってホントだね?」

紫音「ホント、ホント。絶対ホント。てか俺に好きな人できて、その人がお前より胸が小さくても、バカにしたり邪魔したりすんなよ」

紅音「・・・判ったけど・・・そしたらお兄ちゃん、園田先輩の事好きじゃないよね?」

胸をハンマーで殴られたようにドキっとした・・・なんつー鋭い妹だ。

紫音「ななな、何を言ってるんだお前、園田師匠には弓道を教わってるだけ。しかも最初のほうだけ。最近μ'sが忙しくて道場に来ないの、あの人」

神田明神やバイト先に来ている事はもちろん言わない。

紅音「・・・なんか怪しいなあ。でもお兄ちゃんが胸の大きい人が好きなら、絶対園田先輩よりことり先輩だよね」

紫音「いやだから、俺は胸の小さい娘も好きだから。っていうかホントに好きになったら、胸の大きさなんてどうでもいいと思うけど」

紅音「・・・怪しいけど判った。じゃあ帰る」

紫音「ま、待て待て。俺も行く。お前こっちに来るのはいいけどさ、そんなにかわいい格好で来るな。もっとダサい格好で来い。もしくは俺が実家まで行くから呼べ。一人で来るな」

紅音「やだ。だっていつお兄ちゃんが女の子を連れ込んでるか分からないじゃない」

連れ込みたいね、女の子・・・でもこのアパート6畳一間だしね・・・俺は紅音の言葉に卑屈な気持ちになった。

男子校に通うと、女の子に対し絶望感と言うか有り得ない感がハンパないんだよなあ~。

連れ込むのは夢のまた夢くらいに思っている俺なのであった。

その後俺はまだ減らず口を叩き続ける紅音を実家まで送った。

紅音は女子高じゃないほうが良かったかも知れない。

 

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