ラブライブ・メモリアル ~海未編~ 作:PikachuMT07
μ'sがニューヨークから帰って来た頃から、俺のスマフォにはなんだか奇妙な現象が起こっていた。
まずLinerにμ's9名をモチーフにしたスタンプが追加された。
誰が作ったのか、何故勝手に追加されたのか不明だが、非常に出来が良く、海未の焦った表情など吹き出してしまうほど可愛らしくて楽しい。
またLinerのチャットグループにも「3D現実世界」という謎の人物が追加され、ぽつぽつと発言があった(リアルさんと呼ぶことにした)。
意味不明な発言もあれば、会話の内容を聞いているのかと疑いたくなるほど的を得た発言もあり、ブロックしてやろうともしてみたが、その設定が出てこないのである。
更にラブライブ運営を名乗る団体からメールが入り、アキバドームでの3月31日と4月1日のμ'sファイナルライブの詳細が書いてあった。
念の為に海未のスケジュールもアキバドームのイベント日程も確認したが、そんな予定は入っていなかった。
手の込んだいたずらと思えたので削除して、そのまま忘れてしまった。
■□■
秋葉原での路上スクールアイドル大集合ライブの打ち上げ後、翠音と海未を自宅に送り帰宅した際にも、リアルさんから発言があった。
曰く「父親に面白いゲームが無いか聞け」とある。
何の事かさっぱり判らないし、そもそも親父はゲームをしない。
まあ聞くだけは無料だし、意味が通じなければ今後リアルさんの発言は無視すれば良いだけの事と思い、親父に聞いてみた。
答えはなんと「ソミーが次世代ゲーム機に組み込む予定のVRシュミレータの全機能を盛り込んだプロトタイプ版がちょうど我が家に有る」というのだ。
まだ商品化前の研究段階のマシンで、今後半導体価格の下落とCPUやグラボの性能向上とのバランスによって、このマシンが本来持っている性能の何割かを市販品に組み込むとの事だった。
数年先に発売予定のソミー「プレイロケーション4」辺りで少しずつ、この技術が一般に広がって行くらしい。
親父が持って来た市販品はプロトタイプでゲーム機ではなく、パソコンだった。
VRヘッドギアは取引企業へのプレゼンの為に15セットもあった。
一つ被って体験してみた。
入っていたデータは初音mikuライブで・・・すぐそこのステージ上をmikuがいつものミニスカートで歌い踊り回る様は、現実を忘れるほどの出来だった。
プロトタイプは開発機能付きで、実際のライブ映像を動画ファイル形式で良いので取り込むと、解析時間を要するものの、mikuがそのライブをキャプチャする機能があった。
これはやってみないわけにはいかない。
俺は紅音の部屋のパソコンにあったμ'sのこれまでのライブ映像を取り込み解析させてみた。
食事している間に1本分の解析が終了し、俺は嬉々としてヘッドギアを被った。
すげえ。
顔はmikuではあるが、衣装はなんとなく色合いが反映されているし、9人のmikuがフォーメーションを組んでμ'sの曲で踊っているのにはびっくりした。
これは皆に見せてやりたい・・・何しろ自分達がステージ上に全員で上がっている所を見るのは撮影された映像以外では不可能なのだから。
そう思った時、Linerにリアルさんから発言があった。
曰く「明日、VRプロトを持っていけ」である。
言われるまでもない。
多少重いが、明日はラストだ。
しかし親父にVRプロトの持ち出し許可を得ようとすると「企業秘密と大学の研究成果の塊」「息子に触らせるのだってばれたら危険」との事だった。
デスヨネ~。
仕方ない、この家にμ'sを呼んでみるか。
翌日、3月31日。
3年生が建前としてでも女子高生でいられる最後の日である。
μ'sはラブライブ主催者が依頼したアキバドームのイメージPV撮影のために、朝からアキバドーム前に集合した。
俺と妹チームを合わせた「愉快な仲間達」は見学である。
アキバドームの前のテラスには、開いた花を模した円形のステージが設置されていた。
最後の曲はニューヨークから帰った真姫ちゃんがすぐに仕上げた「僕たちはひとつの光」で、衣装はことりちゃんのラフスケッチを元に主催者側で花の妖精のようなアレンジで作成したものだ。
μ'sがその衣装を着てスタンバイした所を正面から見ると、背後にアキバドームを背負い青空に向かって咲く花の中で、妖精が舞い踊るような構図で撮影出来るようになっていた。
最終的には空の部分をCGで加工し、よりイメージをプロデューサーの意向に沿ったものにするようだが、下から見る分には今でも十分、妖精が花から空に向かって飛び立つように見えた。
(スクフェス「僕たちはひとつの光」プレイをおすすめ!)
朝早くから振り付けを確認しつつ撮影し、何テイクかのリハーサル、2回ほどの休暇を挟み、本番の指示が出てから3回ほどのフルコーラスで撮影終了となった。
このテラスのレンタル時間もあるのだろうが、9人がほとんどミスをしない事が大きかっただろう。
午前中で撮影が終わった為、午後は丸々、フリーとなった。
しかも今日は月曜で、俺のバイトも休みだった。
カラオケに行こうと盛り上がる13人の女の子に、俺は待ったをかけた。
30分で良いので俺の家に寄って欲しいとお願いしたのである。
穂乃果「仕方ないなあ!じゃあしょーくん、私ピザ食べたいから奢ってよ!」
リーダーの命令は絶対である。
各人はコンビニでパンやおにぎりを買い、俺は母さんにも半額出して貰ってピザを注文した。
瑠璃音「まあ!こんなにかわいい女の子が11人も!さあ座って!」
母さんはそう言ったが実際俺達兄妹を入れると14人であり、全員が座る場所は居間にはなかった。
そこで中学生チームは翠音の部屋、高一チームは紅音の部屋、三年生はソファー、俺を入れた二年生4名はダイニングテーブルについた。
大騒ぎしながら食事している間、俺はVRプロトに今貰ってきた「僕たちはひとつの光」のPVを読み込ませておいた。
食事後、俺は全員に「μ'sライブを読み込ませた映像」で「姿はmikuに変わっているがライブが見れる」と説明し、ヘッドギアを被って貰った。
ヘッドギアは無線接続なので、部屋が分かれていても同じ画像を映す事ができる。
その時ちょうどリアルさんから発言があり、曰く「スマフォの充電を忘れるな」とある。
確かにスマフォの充電は50%を切っていたが、今日の夜までは十分もつと思われた。
ただちょうど、VRプロトの前に親父のスマフォの充電ケーブルが有ったので、俺はなんとなく自分のスマフォを繋いだのだった。
この後俺のスマフォは莫大な量のパケット通信を行うのであるが、契約しているキャリアからの回線ではなかった為、この世界線の俺がそれに気づく事はなかった。
紫音「それじゃ皆さん、行きますよー」
俺はVRプロトのライブシュミレーションのスタートボタンをクリックした。
■□■
にこ「紫音、紫音、起きなさい!あんた自分の家だからってなんで床に寝てるのよ?ほら、あんた達も起きるのよ!真姫!凛!花陽!紅音さんと中学生も!」
にこ先輩に体を揺すられたが・・・実際には俺は寝ているつもりはなかった。
放心していたのである。
ライブ全編に渡り耳を圧倒する大歓声、アキバドームを埋め尽くすペンライト、あれだけの広いステージを所狭しと駆け巡るμ'sメンバー。
全てに圧倒されてしまった。
思うだけで会場のどこからでも応援出来た俺は、観客席最前列も、会場を俯瞰できる2階席中段も、移動ステージ下も体験した。
とにかく全てが映像とは思えない現実感で溢れていたため、寝ればスカートの中が全部見えるかも、と思い最後の「僕たちはひとつの光」の時にステージ際に寝てみたのだ。
円形ステージの外側に付いた花びらのせいでスカートの中は全く見えなかったのだが、それさえ無ければ見えたという確信があり、あまりのシュミレート力に放心してしまっていたのだ。
ヘッドギアを外して皆を見た。
妹達の部屋に居た娘もにこ先輩に促され、居間に集まって来た。
確かに皆、起きぬけのような顔をしている。
にこ「紫音、これ気に入ったわ。にこは少し大人になっちゃってたけど、すらっと長い手足!かわいい声!何よりすぐに泣こうとするこの子達をこのにこが、フォローしていたのが素晴らしいわ」
凛「凛も!背がぐーんと大きくなって胸がどーんとおっきくなって、すっごいセクシーお姉さんになってたにゃ!歌もすごくうまく歌えたにゃ!」
絵里「私も、少し背は小さくなっていたけれど、歌に対する気持ちや声の通りがすごく強くなってて、素敵なお姉さんだった」
花陽「私は・・・あまりにも可愛くなりすぎてて・・・スーパーモデルみたいになってて、恥ずかしかったけど、すごく軽やかに踊れましたっ」
海未「私も少し大人になっていて・・・ステージに立つ気持ちが今と全然違っていました。大勢の前で歌うのも好きになってはきましたが、あの世界では、お客様も自分も楽しむ事を強く考えていました」
希「ウチも外見はちょっと痩せて綺麗になってた!嬉しかった。大阪弁がちょっと少なめになってたかな?」
真姫「私は・・・やっぱり歌ね。あの世界の私は歌に特化していたわね。歌を強化しながら大人になった感じ、かしら。あとなんだかおしゃれが得意になってたわ」
ことり「ことりも少し大人になってたけど、終わっちゃうのがすごく悲しくて、ステージの上で何度も泣きそうになってた」
にこ「紫音、あんたさっき映像内の姿は初音mikuになるって言ってたけど、全然そんな事ないわ。少し設定年齢が上がっただけで、だいたいにこ達になってたじゃない。花陽はちょっと美人過ぎたけど」
花陽「ううっ、に、にこちゃん酷いですうっ!」
凛「でも、凛達は実際には一回もアキバドームの中でライブした事ないのに・・・ドームの中の映像はどうなってたのかにゃ?今までのライブを読み込んだだけなのに」
真姫「それに、あの世界の私達、まだ私が完成させていない歌を歌ってたわ」
希「そう、ウチも驚いた。あの世界のウチ達は6年間、μ'sをやったって言ってたん」
凛「そうっ!言ってたにゃ!」
ことり「穂乃果ちゃん、あの世界でもことりの事、ずっと仲良くしてくれてたんだね。穂乃果ちゃん?」
それまで発言がなかった穂乃果ちゃんに、全員の視線が集まった。
穂乃果「・・・ねえみんな、みんなはあの世界に居たの?」
にこ「穂乃果、あんた今の話、聞いてなかったの?少し年齢が上がってたけど、にこ達全員があのステージに立ってたじゃない。まだこの体に、ダンスが残っているくらい良く出来てたわ」
絵里「穂乃果、どうしたの?あなたも居たわ、私達のセンターに。ちゃんと見えなかったの?」
穂乃果ちゃんはすぐには答えず、考えているようだった。
穂乃果「確かに、にこちゃんが言うように、私の体が今踊ったダンスを覚えていて、自分が歌った感覚がある。でも・・・」
穂乃果ちゃんは皆を見渡して言った。
穂乃果「バックモニターに映ったセンターの女の子は、私じゃなかった。あのお姉さんだった」
海未「・・・穂乃果、あのお姉さんとは、どなたですか?」
穂乃果「あのお姉さんは、ニューヨークで迷子になった私をホテルまで送ってくれて、穂むらまで会いに来てくれた、お姉さんだよ」
その話は俺も聞いていた。
実際にまだその人から預かったままの荷物が、穂乃果ちゃんの部屋に有るらしい。
絵里「・・・ショーン、このゲーム、シュミレータと言ったかしら?一人一人、違う映像が見られるの?」
俺は首を横に振りながら答える。
紫音「えっと、計算してやってるんで、例えば上を向けばドームの天井が見えますが、バックモニターだとか踊り手の位置、振り付けとかは全員同じですよ。それで・・・」
俺はまさかと思いつつ、聞いた。
紫音「それで皆さん、俺は観客席にいたんですが、皆さんはステージ上に居たんです?」
にこ「居たわよ。だってμ'sファイナルライブって書いてあったじゃない。にこ達以外誰があそこに立つのよ?」
俺はかなり困惑しながら説明した。
紫音「えっとにこ先輩、それは有り得ないです。これ初音mikuライブ『応援』シュミレータゲームなので、自分がアイドルになって踊れる機能は無いです。まあ計算なんで、ステージ上もシュミレートは出来るはずですが・・・」
俺の発言を聞いて場が一瞬シンとなった。
俺は慌てて付け加える。
紫音「えっと、ステージ上か観客席かはともかく、解析したライブデータは一曲につき一つで、ヘッドギアは装着者が仮装空間のどこでどちらを見ているかを計算して映してるだけなんで、見る角度は違っても、違うものを見る事は無いですよ」
俺がそう言うと雪穂ちゃんがはっきりと言った。
雪穂「私は観客席から見たよ。ちょっと大人だったけど、あれはお姉ちゃんだよ。知らないお姉さんじゃない」
亜里沙「うん、亜里沙も見ました。穂乃果さんでした。ちょっと眠ってたみたいなので、映像なのか夢なのかはっきりしないですけど・・・」
真姫「確かに目を開けて寝ていたって言うか・・・変な言い方だけど映像で白昼夢を見せられてその中でライブしたって言うか・・・」
希「さては映像で魂が刺激されて、ウチら全員幽体離脱してゲームの中に行ってたんやない?」
にこ「ちょっと希!シャレにならない冗談はやめなさい!気味が悪くなるじゃない」
その時玄関のドアが開き、母さんが帰って来た。
瑠璃音「あら、皆おはよう。良く寝てたわよ。その大きなの頭に付けたら、皆一斉に寝てたわね」
母さんが一言現在時刻を言うと、俺達は驚愕した。
春分を越え外が明るく気付かなかったが・・・俺達はたっぷり約5時間、全員で寝ていたようだった。
帰り支度を始めようとする皆を止め、花陽ちゃんが恐る恐る切り出した。
花陽「あの、私、なんだか変な事を言うんですけど、ゲームを通じて私達、別の世界のμ'sと一緒にライブをしたんじゃないのかなって思います」
凛「別の世界?」
花陽「ゲームの中の世界でも平行世界でも良いんですけど、私達みたいな9人の女の子が偶然その世界でも出会って、μ'sを作ってアキバドームまで行ったんじゃないかなって、そう思うんです」
ことり「ことりもあの世界の9人から、すごくことり達のμ'sに感謝の気持ちが伝わってきたの。二つのμ'sの18人でライブ出来たって。だからことり達みたいな別の女の子達が居るんだって思う」
絵里先輩も考えながら言う。
絵里「そうすると、私達が少しだけ大人になってアキバドームでライブしたわけじゃなくて、ゲームの中の子に乗り移ってライブしたの?そしたら穂乃果が言うように、違う人もありえる・・・のかしら」
そう言われても誰も確証は持てないようで、皆がお互いの目を見交わし、次の発言を待っていた。
穂乃果「私、判った」
その時、穂乃果ちゃんが毅然とした、はっきりとした口調で言った。
穂乃果「ステージに居たのは、私達。別の世界の、音ノ木坂じゃない所で出会った私達。でも衣装も髪型も振り付けも曲も歌詞も声も全部一緒なの」
全員が穂乃果ちゃんの言葉に耳を傾ける。
穂乃果「向こうは6年やったって言ってたから年齢とか持ち歌の数とか、違う所もあるけど、もう一つ、魂が共通なんだよ」
希先輩が一緒にいたずらをする子供のように、目を輝かせる。
穂乃果「体が分かれていても普通には会えないから問題ないし、魂は共通だから乗り移る事も気持ちが伝わる事も出来る。今回は私達の体をこっちに置いてって向こうの体でライブしたって事で、良いんじゃないかな!」
その言葉に全員が、優しい笑顔になった。
穂乃果「だから歌ったのも踊ったのも私達!もしかしたら向こうがこっちに魂を吹き込んでくれてるのかもだけど、どこで出会っても、どの世界でもμ'sは9人になれるんだよ!」
海未「・・・穂乃果、あなたらしい、素敵な解釈です。ゲームと現実に分かれていても魂は一つ。だからあの方の想いが、私に届いたのですね」
穂乃果「なはは、まあしょーくんはゲーム機の性能がどうのとか言いそうだけど・・・あと、あのお姉さんがモニターに映ったのはやっぱり夢だったのかな」
穂乃果ちゃんは照れながら言った。
穂乃果「それなら私、ニューヨークで一人で迷子から帰れたって事かな?それはないか。そっちは現実で、今日の夢に反映しちゃっただけなのかな~」
真姫「そうね。時間から考えて全員寝てたのは間違いないから、成長してライブした子も、もう一人の自分に会った子も、楽しい夢で良かったって事よね」
夢・・・確かにそう解釈しないと、議論は終わりそうになかった。
凛「でも・・・夢だったら一緒にお酒飲みたいとか遊びたいとか、言われるかにゃ?」
凛ちゃんの一言は全員が共通の夢を見た証拠で、確かに同じ映像を見ても同じ夢を見れる保証は無いのだから、夢で片付けるのも無理があるとは思った。
感想と疑問をぶつけながらも帰り支度は整い、絵里先輩の「本当に最後に全員でドームライブ出来たと思う。ありがとう」という言葉を最後にμ'sは解散し、雪穂ちゃんと亜里沙ちゃんも一緒に帰って行った。
■□■
その夜、兄妹3人だけで再度、VRプロトを起動してみた。
半ば予想はしていたが、やはり踊り手は9人ともmikuで、アキバドームの中での映像は無かった。
すると昼間のライブはやはり夢なのか・・・確かに経過時間は明らかに寝ていたとしか思えず、寝ていたとすれば夢を見ていたと考えるほうが自然だ。
このマシンがなぜ、あの時だけアキバドームの中をシュミレート出来て、そのデータをどこにやったのか、そういう疑問にも夢であれば簡単に答えられる。
しかし・・・目的はともかく色々なアングルでライブを見るべく体勢を工夫することに腐心していた俺が、あの集中力を発揮中、眠るだろうか?とも思う。
そして全員同じ夢なんて見られるものなのだろうか?・・・しかしVRの力が圧倒的過ぎて、妹達から言わせれば同じ夢を見ない方がおかしい、と言うのだ。
確かに穂乃果ちゃんは細部が違う映像を見たようだし、感情が伝わったと海未も言っていたし、夢と解釈しないと解決しない問題は多過ぎた。
理系の俺としてはあまり納得は行かないが、研究する時間はもう無い。
昼間の現象(寝て見る夢と叶った夢がぐるぐる回るという意味を込め「ドリーム・ゴー・ラウンド」と名付けた)の解析は俺の将来の課題としよう。
VRを研究する大学に入り、その手の研究機関か企業に就職、μ'sのドームライブを仮想空間に完全再現してやるまで、研究するのだ。
そうすればいつでも、μ'sは復活できる。
穂乃果ちゃんもこれなら文句を言わないだろう。
音ノ木坂学院のアイドル研究部の部室にはもう何も残っていないようだが、μ'sを目指す後輩達にも、そういう道具は必要だと思う。
ドリーム・ゴー・ラウンドを制御できれば、ドームライブならぬドリームライブを実現し、18人のμ'sの想いすら、伝える事が可能だ。
俺の夢は膨らみ、頑張る意欲を育んでいく。
今が最高なんて言うなよ・・・俺がもっと最高にしてやるぜ。
「アイドル」とは夢を見せ、夢を見た人が力をもらい頑張る事で幸せになり、多数の人の幸せが、更なる幸せを作りたいと願う次のアイドルを生む、最幸(最高)の永久機関なのだから。
了