狗頭王の憂鬱≪オーバーロード×ソードアートオンライン≫ 作:curse two hole
SIDE イルファング
御屋形様よりの呼び出しを受けたのは配下の者より報告を受けてすぐだった。御屋形様のおられる第九階層に向かいつつ報告すべきことを整理するためこれまでのことを思い出す。
数日前に起こった異変、今まで幾度か経験した”あっぷでーと”とは似て非なる世界の変遷に違和感を感じ、どう行動すべきか思案していたところ、我らの里がある第六階層「大密林」を管理する守護者アウラ、マーレのご姉弟から説明と指示が下った。
なんとナザリックがどこか知らぬ土地に転移してしまったというのだ、そのためナザリックがいかなる状態か、またこれからどんな異変が生じるか不明のため非常事態を想定しそれに備えよ、とのことであった。
わが里は我を含め影に潜んだり、姿を消すなど隠密や情報収集に長けたものが所属している、未知の土地となれば我らの仕事も増えるであろう。それに備えねばならぬな。
配下の者に里の状態と各自の能力の確認を命じ、自らもまた能力の確認に努めることとした。我が誇りと言える剣技の冴えと技能の発動を確認をし、配下の者からの異常なしの報告を聞いてるときに執事であるセバス殿より御屋形様のお言葉を伝えられた。
第九階層、至高の御方のおわす場所、絢爛豪華にして荘厳な雰囲気を醸し出す至高の41人様がたの人柄をうかがい知れる場所である。ふと、アインクラッドでの主を思い出した、かつての主がおられた場所は首座であった紅玉宮にしても仮宿であったグランザムの城にしても無骨一辺倒なものであった、やはりあの方は戦士であられたのであろう。至高の41人の方々は数多の職業に就かれておられた、それ故この場は色々な趣があるの場ともなっているのやもしれん。
セバス殿と共に部屋に入る、御屋形様がおられた。モモンガ様、至高の41人の盟主にして最後の御一人、主バレル2世様と共に我らをこの地の復活させてくださった偉大なる死霊魔術師であるオーバーロード!そのオーラはマーレ殿が言っておられたとおり増しているようだ。その御方より声がかかった。
「よく来た、お前に聞くことがある」
「ハ、何なりとお申し付けください。拙者の刃は御屋形様のためならば如何なる困難も切り伏せましょう。」
うなずかれた後、言葉を続けられた
「先ずはお前の能力についてだ、ソードスキルなどの技能に問題はないか?」
やはりそうか、我が剣技はアインクラッドで培われたもの、未知の転移による影響を受けてもおかしくない。
しかし、胸を張って答える
「はい、我が剣技に陰りはなく、音を操る空蝉、影と同化する影身、変化といった技能も問題なく使えることを確認しております。」
「うむ、数多の戦歴と経験を持つだけあって怠りがないようだな。」
胸が熱くなる、御屋形様に声をかけられ褒めていただくことがこうもこの身を高揚させるものか、アインクラッドで果たせなんだ忠義を此処でなら果せよう!御言葉が続く
「お前はこのナザリックで1番長く生きてるともいえる、その経験を基にした意見に期待している。」
なるほど、守護者の方々は能力は申し分ないとはいえ、若い方も多い、それを補えということであろう。この指示は御屋形様の深慮遠謀ということだな。そう組織にはある程度の連携をとるための経験が必要なのだ。アインクラッドでのかつての主が率いた騎士団、最初はまとまりがなく個人プレーに偏りがちだったが、連携がとれ集団ではなく組織としての力を発揮し始めるとその勢いは倍増した。
ん、何故この強大とも言えるナザリックにさらなる強化を考える?御屋形様は何か事を起こすおつもりなのか?
それからこの身に備わった能力やもう一つの姿、アインクラッドのことなど御屋形様はいくつかの質問をなされた。
そして最後にこの身に備わったもう一つの姿と名前のことについて言及された。間違いない御屋形様は何か大きなことを計画されている!あの姿は此処ではほとんど役に立たぬ、それなのに言われた。つまりはナザリックの外での事を起こすということだ。
フフフ、さすがは御屋形様よ、この未知なる転移にも恐れず新たな行動を起こそうとしておられる!わが刃が振るわれるのは近そうだな。
そして、この数日後、全員が集められ御屋形様が決意を示された。勿論、我が準備は万端、御屋形様のため、ナザリックのためこの刃を振るう時が来たようだ。