狗頭王の憂鬱≪オーバーロード×ソードアートオンライン≫ 作:curse two hole
SIDEダイゼン
緩む頬を抑えきれず、刃を磨く。やはり刃は振るわれてこそだな、先日久しぶりに血を吸った我が愛刀は自分と同じように喜んでいるように見える。
そうしていると配下の者より準備が整いましたと報告が来た。さて先日よりの下郎な客人に最期のもてなしをするとしよう。
まあ、下郎とはいえ役には立ったな、これからの段取りを組み立てながら、その客人を招いた時のことを思い出していった。
配下の者を引き連れ第9階層へ急ぐ。まったく、私の主となる方々は何故自ら先頭に立とうとなされるのか?アインクラッドの主もそうであった。自ら先頭に立たれる利点を知らぬわけではないが御身お一人というのは勘弁してほしい。
つい5分前のセバス殿よりの指示、遠見の術で見つけた村にモモンガ様が御一人で行かれたのでそれを擁護するため我が配下の者で隠密に長けたものをその村に派遣せよとのことだった。
御屋形様の警護はどうなってるのかと聞くとアルベド様が準備をして向かわれるところだと返事が来た。それを聞くと組頭の一人にセバス殿の指示に従えと言い、その場にいた配下のエイトエッジアサシン5名を引き連れて第9階層に急ぎ赴いた。
間に合った。第9階層に行くとアルベド様が完全武装を整え転移しようとしているところだった。
「おまちくだされ、我らもお供いたしまする」
完全武装をされてるためお美しい顔が隠れている。女性の支度は時間がかかるとのことだが、此度はそれに助けられた。
「なぜ、私ではモモンガ様を守れないなどと言うつもりかしら」
その敵意に配下の者が縮こまる。モモンガ様が御一人で行かれたということに加え護衛も一人ということで思わず来てしまった訳だが、ここは長年生きた口のつかいどころであろう。
「さにあらず、我らはアルベド様のために参ったのでござる」
「私の?」
「さよう、アルベド様であれば確実にモモンガ様をお守りできましょう。しかしながら万が一敵が強大で退却する場合、モモンガ様と共にアルベド様にも逃げてもらわねばなりませぬ。
御屋形様は慈悲深きお方、アルベド様を見捨てられぬでしょう。お二方揃ってご無事に帰参していただくために我らは行くのです」
「二人そろって・・・」
何か意識が別の方向にいってそうな感じだが
「さあ、議論している時間はございませぬぞ」
「そ、そうね」
転移先には御屋形様と2匹の人間種の娘がいた。
御屋形様とアルベド様の話を聞くに騎士の恰好をしたものを片付け、村を救われる御積もりのようだ。こんな小物にまで救いの手を差し伸べるとは!やはり慈悲深き方だ。
娘に守りの加護を与え、その御名前を告げられた”アインズ・ウール・ゴウン”最も偉大で栄光に満ちた方々の名。
その名についてアルベド様に思うところを尋ねられていたが、彼女はモモンガ様こそ、その名にふさわしいとお考えのようだ。拙者もアルベド様と意を同じにする。
我が主バレル2世様も旅立たれた、モモンガ様が至高の41人の最後の御一人なのだ。その名を名乗ることに何の不都合もあるまい。
そして、どうやって御二方を擁護するかということだが、アルベド様のお気持ちを察して姿を消して行動しようと意見した。しかし、我だけは御屋形様の影に潜んで行動することなった。無礼にあたると思ったのだが、御屋形様は情報が不足している今はあくまで慎重に事を進めるようだ。
その後、村に行き騎士を名乗る者どもを適度に間引いた後、御屋形様は生き残りの4人の騎士を解放した。「この辺りで騒ぎを起こすな」との伝言を上司に伝えるよう指図されたのだ。
配下の一人に気づかれず騎士どもを尾行するよう命じる。これも情報収集の一つ、何せ地理が全く分かってないのだ。奴らが向かう方向に奴らのねぐらがあるはず、方角や道だけでも今の時点では役に立つ。
御屋形様はその後、村の長よりこの世界のことについて情報収集をなされ、その内容は拙者も影の中より聞くことができた。
村長の話ではこの世界には仲の悪い複数の国があり、この土地は国境線に近いということが分かった。
「・・・・失態だ」御屋形様がつぶやかれた。
あの逃がした騎士たちのことであろうか、確かに偽装された騎士ということもあるかもしれない。拙者もアインクラッドで使った手口だからよく分かる。
確かに事情のよく分からぬまま争いに巻き込まれるのはまずかろう。御屋形様も同じ推測を立てておられるようだ。
念話でお伺いを立てる。
(御屋形様、先ほどの者たち始末しますか?念のために尾行させておりますので、今なら間に合うかと?)
(お、おう、できるか!できたら生け捕りにし情報を引き出せ)
(では、行ってまいります)
これは急ぎだ。影跳躍を用いて尾行させていた配下に合流する。
SIDE デズン
助かった、馬を全力で走らせ続け、恐怖から逃れ、やっと頭がおちついた。
何なんだ、帝国の騎士の恰好をして村を襲い続ける。それが隊長から下された任務だった。
確かに気分の良くなる任務ではなかったが仕方がないではないか、自分たちのような平民からの成り上がりの騎士はこういった汚れ仕事もこなさないと上には上がれない。
勿論神の教えとは違ってるのではないかという考えもあった。だが、あれは法国の民ではなく異教の民だと心に蓋をして任務についていた。
その結果がこれだ。やはり罰が下ったのだ。死神そのものといったモンスターの襲撃によって次々と仲間は討たれアンデッドとなり仲間は自分を含め4人しか残ってない。
なんで、見逃されたのかよく分からない。スキッドがあの仮面のマジックキャスター何か言われてたようだが、何を言われたんだ?
そこまで考えたとき馬から放り出された。
痛みに顔をしかめながら目を開ける、落馬の衝撃で意識が飛んでいたようだ。何が起きたんだ?
眼前の光景は犬顔のモンスターが仲間を切り殺すところだった。
両腕を切り飛ばされ絶叫を上げて倒れるスキッド。奴の血が顔にかかった。
はは、まだ罰は終ってなかったのか。
モンスターが変わった剣をちらつかせながらこちらに来る。
「さて、とりあえず、そなたたちがどこの国の者か教えてもらおう」
モンスターが人の言葉を喋る?何の冗談だ。
はは、何かおかしい、死んだら神の御許にいくのではなかったのか?
わるいことをしたから、ばけもののくににいかないといけないのかな?
わらいがとまらなかった
SIDE ダイゼン
配下の者と合流し、逃げてる4人の前に出る。
うむ、馬か。そういえば拙者は騎馬の相手をしたことは無かった。生け捕りならば馬から降ろさねばならんな!
とりあえず、影身を解き先頭の馬の首を切り飛ばす!乗っていた騎士は放り出されたようだ。
いかん、足を切った方が良かったか、残りの3頭は足を切ってゆく。
おお、うまくいった、馬がクッションになって騎士は傷ついておらぬ。
「なんだ、コイツ、どっから現れたんだ?」
「またモンスターだ、どうなってるんだ」
さて、御屋形様のデスナイトは簡単に葬っておったが、この地の騎士とはどの位の強さなのだ?
「ウォー」
とりあえず、一人目が切りかかってきたので合わせる感じで剣を交わらせようとした。
失敗した、何だアレは?剣ではないのか?力も込めておらぬのに相手の剣が切れてしまい勢いが止められず騎士を切ってしまった。鎧もなんなのだ?アレでは服と同じではないか。
やり方を変えねば、次はこちらから切りかかる!抵抗できないように両腕を切り飛ばす。
ダメだ、叫び声をあげて騎士は死んだ。今までナザリックやアインクラッドで戦った”ぷれいやー”たちはこれぐらいでは死ななかったんだがな・・・。
しかたがない、配下のエイトエッジアサシンに命じ3人目は糸で拘束する。ふう、最初からこうすればよかったか。
いや、コラ、口まで拘束していかん!・・・またか。
ああ~生きてはいるが気を失ってしまった。
うん?投げ出された騎士がこっちを見ている。
おお~生きていてくれたか!ありがたい!
刀をかざして問いかける。
「さて、とりあえず、そなたたちがどこの国の者か教えてもらおう」
「わるいことをしてすいません、わるいことをしてすいません、わるいことをして・・・」
うん?突然相手は笑い出し、訳の分からないことを言い出した。
駄目だ。この世界の騎士は皆こうなのか?肉体的にも精神的にも脆すぎる!
仕方なく、エイトエッジアサシンに二人を連れてナザリックに帰還するように命じた。
情報を収集出来ず、気が重いが早く御屋形様の元に戻らねば!