クラフィ/Aliceの夢の物語り 作:クラフィ好きのサイヤ人
飛びながらコマのように回転して追いかけてくる3つの円盤から、俺達は森の中を宛もなく走り逃げていた。
「くそッ、これじゃあキリがねぇ!」
俺が円盤の方へ振り返ったその時、大きな網が空から降ってきて円盤を捕らえた。
そして2人の少年が、ゆっくりと上から降りてくる。
その2人の少年とは、先程逃げられたピーターパンとピノキオだったのだ。
「ピ、ピーターパン、ピノキオ……」
「……これでかりは返しましたよ」
「一応言っとくけど改心したわけじゃねぇからな」
「はは……とりあえず、ありがとな」
俺は爽やかな顔で、ピーターパン達に礼を言ったが、ピーターパン達はそっぽを向いてしまった。
一瞬無愛想に見えたが、照れ隠しでそっぽを向いたんだとすぐに分かった。
「あ、助手クン! そこにさっきの池があるわ!」
「走ってる内にここまで来たのか……お前らも暗くなる前に円盤に気をつけて帰れよー」
式部の指差す方向には霧が立ち込めていて、蓮が浮かんでいる大きな池がある。
俺はグレーテル達に背中を見せながら片手を軽くあげ、木の葉を踏みしめながら池の方へと向かった。
「あ、噂をすれば……」
「ふぅ、やっと帰ってこれた……」
「ん? ドロシーさん、そこの人は……?」
池の前に立つドロシーの隣には、赤や紺色の服を着て、青髪の上に赤いリボンを付けた銃を持つ女性がいた。
「この娘はユキちゃんこと白雪姫よ」
「も〜、その呼び方やめてって言ってるでしょ〜!」
「えっと、私達は……」
「あなた達のことはドロシーちゃんから聞いてるわ。で、あのピーターパン達を説得出来たのかしら?」
「ま、多少はな」
と、少し自慢げに俺は返答する。
「ねぇ、ドロシーさん、機械のような円盤が子供達を攫おうとしていたのだけれど、あれは何なの?」
「それは多分、円盤じゃなくて大輪よ。オズが操っているの」
「なんで子供達を……」
「その真相を知りたいんだったら、乗り込めばいいじゃないの。私の小人達とドロシーちゃんのトトがいればヤツらのぬいぐるみ共は倒せるし、二手に別れればオズとグリムを倒せるわ」
白雪姫の近くの木には、7人の小人達とトトが休んでいる。
その小人はいろんな種類の武器や銃をそれぞれ持っていて、とんがった角がついているような形の多色の帽子を被っていた。
「だが、どうやって元の世界に戻るんだ? オズぐらいしか俺達を異世界移動できないだろうし……」
一同、うーん……と唸りながら考え込む。
が、その沈黙を、何かを閃いた式部が破る。
「そうだ! ジーナさんに頼めばいいじゃない!」
「ジーナ?」
「ジーナはアラジンと魔法のランプで登場する魔人で、三つの願いを叶える能力があるのよ」
俺が式部にした質問を白雪姫が答えた。
そしてドロシーがこう言う。
「なるほどね、ジーナに『この世界の人々を元の場所に戻して』という願いを言えばいいっていうわけね」
「そういうこと!」
「けど、ジーナはどこに……?」
「多分砂漠なんだろうけど……」
と、2つ目の俺の疑問を問うと、再び沈黙が訪れた。
だがその時、周りの木々がざわめき、東の方向へと突風が吹き荒れた。
「!? なに、このビリビリした感覚……」
式部が両腕を抑えながら風が向かう方向を見る。
「ものすごい量のデータがあっちの方向へ流れ出ているわ……」
白雪姫がそう言って、皆同様に同じ方向を向いた。
「まさか……ジーナが!?」
俺は何となくだが、ジーナがランプから出てきたのだという勘が働いた。
「他の人が先に別の願いを3つ叶えたら……大変!」
「急いで行くわよ!」
俺達は嵐が吹く森の中をデータの流れている方向へ向かって走り出した。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
どこまでも続く広い砂漠のド真ん中。
青肌で紺色の髪の20mほどの大きな女性と、手に金ピカのランプを持っている男性がいた。
「こ、これがジーナ……」
「願いごとはなんですか〜?」
「まずは……俺だけの兵器をくれ!」
「あなたの1つ目の願いはそれね〜? 分かったわ、叶えてあげる!」
願いを聞いたジーナはその大きな両腕を左右に広げ、手のひらをクイッとあげると地面が大きく揺れだした。
そして砂の中からたくさんの光が漏れだし、とても強そうな青い鎧のメカが召喚される。
そんな中、ジーナはだんだんと大きくなっているように見えた。
「やっぱりジーナの力は本物だ……」
「2つ目の願いはなんですか〜?」
「2つ目の願い、俺の住む街に富をくれ!」
「了解です〜♪」
同じように、ジーナは両腕を広げる。
するとアラジンの住む村に、金銀財宝が空から降ってきて、街の人々は大喜びした。
「さぁ、最後の願い、聞かせてね〜!」
ジーナの大きな声が、砂漠全体に響き渡る。
「最後の願い……それは……」
「させるか!」
「なに!? ぐはッ」
願いを言おうとしたアラジンの右腕に、あの円盤……いや、大輪が後ろから突撃し、アラジンは地面にうずくまった。
「その願い、私のものだ!」
「お前は……オズ!」
「もう残り1つしかないが……まぁいいだろう。ジーナよ、私の願いは……」
「こいつがすぐに役に立つとはな……いけ! 我が兵器『LAMP』よ!」
アラジンは立ち上がって大きく右腕を振り上げ、LAMPに命令する。
するとLAMPが起動して目が光りだし、身体中に光の線が行き渡る。
「そんなガラクタごとき、私の大輪で十分だ!」
3つの大輪がLAMPの攻撃に対抗しようと飛んでいく。
大輪は水色の光のビームを放ちLAMPに攻撃し、LAMPの方はオズへパンチを繰り出す。
しかし、オズは悠々とかわしてしまう。
「もらった!」
「しまっ……」
LAMPの方へと気を集中していたオズの背後に、いつの間にかアラジンが回り込んで手にビリビリとした電気を溜め、攻撃をしかけようとする。が、その時アラジンに何者かが銃で攻撃した。
「ぐ……ッ!」
「手出しするな」
「ふん、どの口が……ま、これで邪魔者は消えた。願いを言うぞ」
森を走り続けて数分たった後、ジーナのいる砂漠まで着いた。
「あれがジーナ!? でけぇ……」
「あ、ジーナの前にオズ達がいるわ!」
ジーナの巨大化はまだ続いており、身長が100mほどにも大きくなっていた。
「願いごとまだですか〜?」
「さぁジーナよ……僕の最後の願いを……」
「待ちなさい!」
「また邪魔者が……!」
「貴様はドロシーと白雪姫……そしてさっきのやつらか」
「さっきはよくもやってくれたわね! お返ししてあげるわ!」
式部は両手を前に突き出し、特大サイズの氷塊を作り出したのち、オズへと放つ。
が、緑髪の男が素早く2丁の長い銃を取り出してその氷塊に乱射し、氷塊を壊す。
「僕達の計画の邪魔をするな」
「お前がグリムか……」
全体的には黄緑色で、前髪だけ赤色が混じった髪色。
緑と赤のジャンパーと真っ赤なブーツ。
そう、彼こそがこの事件の暗躍者、グリムだ。