クラフィ/Aliceの夢の物語り 作:クラフィ好きのサイヤ人
「久しぶりね。試練の間以来かしら」
「あ、ああ。あの時は……その、ありがと」
俺は初めて面と向かって喋る初恋の相手に、慎重に言葉を選んで話した。
「あなたには話したいことがたくさんあるのだけれど……グリムの言っていた最終兵器が起動すれば大変だわ。すぐにこの世界から脱出するわよ」
と、彼女は言った。が、もう既にその最終兵器は起動を始めていた。
7つの小さなクロスの形のオレンジ色の光と、大きなクロスの形と目の形のピンクの光が輝いている。
「脱出!? どうやって?」
「私がこの世界の時空の割れ目を作り出すわ。そこにあなたが……ヤバイわ、もう起動してる! はッ!」
起動していることを察した彼女は、慌てて片手を突き出し、時空の割れ目を作り出す。
「さぁ、この割れ目に入って!」
俺は言われるがままに、その割れ目に入ろうとする。が、目の前に赤い光線が飛んできたのだ。
俺は光線が飛んできた方向を見ると、口だけある、のっぺらぼうの子供のような姿のアバターが7人と、大きな口を持ち、ドラゴンのような翼の生えた黒い巨大なユニットがいた。
「こ、これがグリムの言っていた最終兵器か……?」
「ええ、見た目で侮ってはダメよ。とてつもない力を持っているのだから……」
「僕達はGスターチルドレン! とってもとっても強いんだぞー!!」
「お前が遊び相手になってくれるのか?」
「ああ、お兄ちゃんが相手だ!!」
「私も……相手をしてあげるわ」
気がつくと彼女の目は深緑色に、服は黄緑色へと変わっていた。
「やったー! じゃあ、行っくぞ〜!!」
チルドレン達は二手に別れ、俺の相手はでっかいヤツと子供3人、彼女の相手は子供4人という形になった。
「こいつらと相手か……」
「このドラゴンはとっても強いんだぞ!」
「行っけ〜!!」
その声と同時に、そのドラゴンは俺へ飛びかかる。
俺は気弾をドラゴンへ放ち、素早く後ろへ避けた。
しかし、ドラゴンに乗っている3人のチルドレンがおもちゃのような銃で、俺へ光線を撃つ。
俺は紙一重のところでかわしていく。が、いつの間にかドラゴンはその大きな口を開き、ビームを溜めていた。
「くらえ! 必殺マグナム砲!!」
「くッ!」
ドラゴンは俺へ向かって、特大のビームを放つ。
その攻撃を真正面から食らってしまい、俺は思わず前に倒れてしまった。
一方、彼女の方は……
「お姉さん、手加減はしないよ〜!」
「ええ……」
先程とは違い、彼女はおっとりとした喋り方でチルドレンと会話する。
チルドレンはスケートボードのような乗り物に2人乗りしているのと、キックボードのような乗り物に2人乗りしているのがいた。
「くらえ! ウルトラビームッ!」
後ろの方に乗る2人のチルドレンがおもちゃのような見た目の銃を取り出し、彼女にビームを放つ。
だが、彼女の方は両手を軽く広げ、強力なバリアを張って防いだ。
「えー! バリアは反則だよ〜!」
「だったら! スーパーウルトラエクストリームビームッ!!」
「ぅ……ッ」
チルドレンは両手で銃を構えて光を溜め、彼女へ放った。
するとそのビームはバリアを突き破り、辺りを眩い光で包み込んでとても大きな衝撃を起こした。
「へっへーん! 僕達の勝ちだね!」
「あれ? まだ勝ってないよ!」
砂煙の中から、無傷の彼女が姿を表せる。
「……もう遊びは終わらせましょうか…」
と言い、彼女は両手に緑の気弾を作り出す。
「え? もう終わり〜?」
「……あなた達がね」
彼女はその気弾を莫大に膨らませ上げ、その2つの気弾を1つにくっつけると、砂漠1面を覆い尽くすほどの超巨大な竜巻を起こした。
その竜巻で、彼女が相手をしていたチルドレンも、俺が相手をしていたチルドレンとドラゴンも、丸ごと吹き飛んだ。
そして巻き上がった大量の砂を空中で1つの巨大な砂の塊にまとめた。
その強すぎる力にチルドレン達は一気に消え、俺は思わずこう質問する。
「キミは一体……何者なんだ?」
「……私はアリス。Aliceの世界の全てを司る者よ」
と、また青い目と服に戻って、アリスはそう言った。
「Aliceの世界の……全てを?」
「とりあえず、Gスターチルドレン達も倒したことだし、Aliceの世界へ戻りましょ」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
そして、俺はアリスの作り出した割れ目を通ってAliceの世界へと再び戻った。
式部の家の前にワープしてきたが、もうそこにはアリスの姿は無かった。
「助手クン……まだかしら……?」
と、式部は椅子に座りながら家の時計をジッと見る。
時刻はもう9時。外はもう暗い。
「ただいま〜先生ー!」
俺は明るい声で先生の家のドアを開けた。
「じょ、助手クン! 良かった……無事に戻れたのね」
式部はホッと安心した顔で、椅子から立ち上がる。
「ああ、アリスのお陰でな」
「アリス……? もしかして、初恋の人?」
「え? ま、まあ……な」
と、俺はすこし照れながら返答した。
「へー、アリスっていう名前だったんだ」
「さ、もう寝ましょう……明日1日で26話を書ききるためにも……!」
「そういえばそんなのあったわね……」
その後、俺達はぐっすり寝て疲れを取り、いつも通りの俺達に戻り、いつも通りの日々を再び送り始めた。