ゼロから始める瀟洒な異世界生活   作:チクタク×2

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もう皆さんお気づきかと思いますが、小説の各話のサブタイトル名は適当です。
一話を除き、文章で出てきたキーワードを適当に抜き出してるだけです(笑)


第八話:門番

 咲夜は、盗品蔵にスバルが引きずられて行ったのを見届けた後、暫く盗品蔵の近くで静かに待つ。

 しかし、十数分経っても、スバルが盗品蔵から出てくる様子は無かった。

 

「暇ね。日が随分と暮れてきているから、今日は仕事探しは無理そうね……。どこか寝る場所を見つけられればいいのだけれど。最悪、野宿も考えておいた方がいいわね。もし、スバルが宿をとっているのなら、そこに押しかけるのもありね」

 

 咲夜が今の後、どうしようかと考えていると、盗品蔵に一人の少女が近づいてくる。

 そして盗品蔵に近くまで来た少女は、少し離れた場所から盗品蔵の方を見ている咲夜に気付いて声をかけてくる。

 

「あん、なんだ?盗品蔵の方を見て。あんた、ロム爺とこのお客さんか?」

「あなたは……。いえ、わたしはお客さんではないわよ。わたしの連れがお客さんになるかしらね」

 

 咲夜は現れた少女、フェルトの金髪と赤い色をした瞳を見て、紅魔館にいた同じ色の髪と瞳をした吸血鬼の少女の姿を少し思い出しながらも答えを返す。

 

「ふ~ん。その連れはどこに?」

「もう中に入っているわ」

「中に入れたのか。ロム爺のやつ、今日はあたしの大口のお客がくるから誰も中に入れんなって言っておいたのに……」

 

 フェルトは、既に自分とロム爺以外の人間が盗品蔵に入っていることを知ると、文句を言いながら扉の前に立ち、何かの合図なのか、独特の符丁で扉をノックする。

 

「大ネズミに」

「毒」

「スケルトンに」

「落とし穴」

「我らが貴きドラゴン様に」

「クソったれ」

 

 合言葉だったのだろうか、フェルトと扉の向こうから聞こえる声が交互に言葉を数回交わし、その後、扉が開かれる。

 そしてフェルトは開かれた扉から中に入っていった。

 

 その後も、中で徽章を取り戻すのに手間取っているのか、なかなかスバルは出てこない。

 日もすっかり落ち始め、咲夜が空腹を感じ始めた頃、通りから女が一人こちらに近づいてくる。

 その女は咲夜よりも少し身長が高く、黒い外套を羽織い、そこから覗き出されている顔立ちは美人のもので年齢は若い。

 

「あら、あなたが今回の依頼の請負人かしら。出迎えに来てくれたのかしら?」

「いえ、何のことでしょうか?あなたは、この盗品蔵に用が?」

「ええ、少し待ち合わせをしていてね」

 

 咲夜は、現れた女から感じる雰囲気にどこか親近感を抱かされる。

 女から醸し出される雰囲気が、親しみ慣れた雰囲気に似ているように感じたためだった。

 女は、咲夜は無関係の人物と分かると、咲夜から視線を外し、盗品蔵の扉に近づきノックする。

 すると扉が開き、中からフェルトが出てきて、その女と二言三言言葉を交わすと、盗品蔵へ女と一緒に入っていった。

 

 その後も暫く咲夜は待たされ続け、疲れを感じ、盗品蔵の真正面にある建物の前にあった樽の上に座り、少し休む。

 

(ずっと立っているのは、退屈で疲れるわね。美鈴は、毎日門番をしているけど、退屈でないのかしら?何ごともなく時間をただ過ごしていると眠くなるものね。今後はもう少し優しくしてあげようかしら……)

 

 そんなことを考えていると、咲夜は眠気を感じ始め、いつの間にか目を閉じて寝てしまっていた。

 しかし、突如、盗品蔵の方から大きな音が響き渡り、また怒声が聞こえ、飛び起きるように目が覚める。

 

「抜かせ、小娘。――挽肉にして、大ネズミの餌にしてやるわ!」

 

 先ほどの老人の大声が、盗品蔵の中から聞こえる。

 木材が壊れるような音や衝撃音も響き渡る。

 咲夜は中で何が起きているのか確かめるため、盗品蔵の扉に急いで近づき、扉を開けようとした。

 しかし、扉を引いても鍵が掛かっているようで、開かない。

 

「っく!!鍵か……仕方ない、ぶち破るしかないわね」

 

 咲夜は、鍵で扉が開かないと分かると、強行突入することにした。




少し、スバル君を待っている間に、紅魔館を少し思い出してしんみりしている咲夜さんでした。
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