知力戦を何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も書いたのですが、自分が書くとチープで滑稽な形にしかならなかったので、恒例の飛ばす形で武術戦に入りました。
平日は忙しく、土日ぐらいし書けないので亀の歩みですが頑張っていきたいと思います。
朝の八時から開催された川神学園クラス対抗交流戦の初戦である、知力戦は現在時刻、十二時半をもって終了した。
「シード枠はやっぱり無理があったか」
そう自嘲気味に呟いたのは直江大和だ。
彼が見つめる視線の先には今しがた一位抜けしたSクラス、そのまとめ役である葵冬馬を捉えている。
「仕方ないっちゃしかたねーぜ、Sの奴らに負けるのは癪だがオレサマ達にはこの戦い不利だったんだしよ」
「そんな戦いでもクイズの内容はかなり偏った専門的なものから有名大学の入試問題まであったんだ、正直言ってもっと勉強会を開くべきだったと思ってるよ」
島津岳人が大和の言葉に答えるが、専門的なクイズも多く、知力戦においては学校側もちゃんと勝ち筋を残していてくれていたのだ。
軍師として名乗りを上げて、クラスのまとめ役になったからには勝つつもりでいたが、まだまだ己の未熟さを実感する羽目になってしまったのだ。
「それでも2位にはなれたんだしよかったじゃない」
「大丈夫よ大和! シード枠なんて必要ないわ! アタシ達が勝てばいいんだもの、ね? 京」
「ここで大和のフォローが出来れば好感度大幅にアップとみた、そしてそのまま………結婚しよ」
「そうだよな、こんなところで落ち込んでられないよな。次は武力戦、俺が知力戦に参加しなかった代わりにきっと勝って見せる。そして京はお友達でよろしく」
仲間たちはもちろん、Fクラスの面々も大和を責めることは無く、この大会の目的の一つであるクラスの結束を高める事は達成していた。
2位ならばまだ武力戦でSクラスより高い順位になれば総合順位で並ぶ事が出来るのでまだ諦めるには早い。
(今日の知力戦で出場した人間は武力戦に出てこない。とすれば出場したメンバーよりも成績順位が高い奴は武力戦に出場する可能性が高いのか………忍足あずみ、不死川心、本多奉はほぼ確定だろうな)
今日、知力戦に参加していたのは学年1位2位である九鬼英雄と葵冬馬、3位の本多奉を飛ばして4位と5位まで並んで出場し、6位の忍足あずみを飛ばして7位の斎藤が出場していたので、穴あきである忍足あずみと本多奉が出てくるだろうと予想する。
不死川家は名家であると同時に不死川流古武術なるものを受け継いでいると義姉である川神百代から情報を仕入れてきたので間違いないだろう。
(後の二人は分からないけど警戒すべきはこの三人のはずだ、不死川はともかく九鬼の従者部隊が参加するは確証はないけど姉さんをぶつけるならあずみさんかな)
軍師は対戦相手を見据え戦略を練る。
「よし、明日の武力戦について話しておきたい。明日参加するメンバーはこの後教室の残ってくれ」
――――――――――――
武力戦の開会式を終えFクラスのメンバーを集め、最終会議を開く。
メンバーは先鋒、川神一子。次鋒、島津岳人。中堅、椎名京。副将、直江大和。大将、風間翔一。
「見事に風間ファミリーで固められちまったな」
「Fクラスは個人個人が尖り過ぎてるから乱戦ならともかく個人戦は苦手なんだよね」
ガクトとモロが面々を眺めながら呟く。
「というかキャップやっと戻って来たのか」
「いやー、やっぱ春は七草粥にパパイヤだろ! 他にも旬なもの回ってきたら遅くなったけどな」
キャップと呼ばれたのは風間翔一、この武力戦メンバーとモロに川神百代を足せば小学校からの仲良しグループ風間ファミリーに早変わりなのだ。実際、上級生入れ替えルールには結局何の制限も来なかった百代に頼んでいるので完全に風間ファミリーである。
「キャップが連絡取れるところに居てホントよかったよ、いつも電波の届かないところにいるから」
「せめて四月中は連絡取れるトコいに居ろって大和がうるさかったからなー」
「これは、俺のそばから離れるな発言ッ!? 美味しいです………じゅるり」
大和と翔一の会話にBL的成分を感知したのか京がどこからともなく10点と書かれた採点棒を取り出す。
「っと、話が脱線しすぎたな。皆、初戦はCクラスだ。このクラスは部活動に属してるやつが多い。調べた限りだと剣道部の期待の新星、小松田と空手歴16年の河野が出てくると思う。初戦だから相手がどの順番で出てくるかは分からないが、そもそもこっちはワン子から京までの三人で勝つつもりしかない」
後ろ二人に関しては風間はそこそこ、大和は毎回武神に追われるせいで回避力は高いが結局相手を倒すには無理がある。大和まで回ってきてしまったら回避一択で風間翔一に任せるしかないのだ。
「ああ、それは俺様達も承知してるぜ」
「やるからには全力に決まってるでしょ!」
「お任せ」
『CクラスとFクラスは所定の位置についてください。これよりクラス対抗交流戦、第一試合を行います』
アナウンスに全員の顔が引き締まる。
まずは位置に着いたのは先鋒の一子だ。
対するCクラスの先鋒は木刀を持ったやや小柄の男、目は細目で温和な気配がするがその奥には隠しきれていない闘志を一子は感じ取っていた。
「川神一子さんですね。よろしくお願いします」
「よろしく! そういう貴方は小松田君ね」
両者は位置に着くと軽い挨拶をかわす。これから武を競い合う二人にとって会話はそれだけで十分だった。
『両者、位置に着いたネ。では、始メッ!』
審判をしているのはルー先生だ。
ルー先生の掛け声とともに一子が駆け出す。
対して小松田は刀を正眼に構えて受けの構えを取る。
「やあっ!」
まずは小手調べと薙刀を大きく振り、遠心力を乗せた一撃を見舞うが、小松田は刀で受けつつ薙刀をかいくぐるようにしゃがみながら前進してきた。
『ふむ、小松田は剣道の中学生の部で日本2位にまで登り詰めたやつだからな。一子でも一筋縄じゃ行かないぞ』
そうマイク片手にこの試合を解説するのは一子の姉である川神百代だ。
その解説を聞き流しながら一子は懐に入ってきた小松田を迎撃するべく手を考える。
こういった場合を想定した川神流の技は複数あるが、次の一撃で決定打とするか、体力を削るだけにとどめるかの二択だ。
そして、川神一子の性格を考えれば選ぶ道はただ一つ。
何事にも全力で臨むという彼女の在り方には決定打しか考えられなかった。
「シッ!」
先に懐に飛び込んだ小松田に先手は取られるのは必然の事だ。
小松田も刀を薙刀を受け流すのに使ったのでまだ刀を引き戻しきれておらず、威力が乗らないと判断したが、拳を振るう鍛錬はそこまでしてこなかった事もありそのまま無理矢理に刀を横に振り抜く。
十全ではないその一閃でも流石は剣道界期待の新星、空気を巻き込み鋭い音と共に一子を襲う。
一子もこの一撃は己を倒すほどでは無いにせよ受けきれるものでもないと判断し、回避からのカウンターを狙うために、しゃがんで突貫してきている小松田よりもさらに低く、四つん這いの姿勢になって一閃を回避する。
小松田の目に浮かぶのは驚愕、剣道一筋だった彼にとって
この学園には剣道以外の戦い方をする人間も多く、そのうちの何人かとは打ち合い、勝ってきた彼だが、一子ほどの相手との戦いはまだなかった事が一種の油断にもつながっていたのだ。
四つん這いの体制で小松田の刀を回避したことで小松田の懐に文字通り潜り込んだ一子は、四肢の全ての筋肉を総動員し、一気に跳ね上がる。
「川神流奥義、鳥落としッ!!」
本来その技は名前のごとく空中に居る相手に、しゃがんで力を溜めてサマーソルトキックを叩き込むものだが、一子はその場でアレンジを加え後転に近い形で、しかしその速さはバク転以上の速さで小松田の顎と胴体に両足を使って蹴りを放った。
「そこまマデッ!」
ルー先生が宣言するのと同時に小松田がグランドに背中から倒れこむ。
「勝者、川神一子!」
一子の勝利が確定した瞬間に観戦者達からの歓声が響き渡る。
「やるじゃねーか、ワン子!」
「最後のはその場に合わせた感じだったね、すごくよかった」
岳人と京が着地に失敗して尻餅をついていた一子の手を引っ張りながら声を掛ける。
「えへへ、アタシも自分でびっくりしたわ。けどすっごく楽しかった!」
小松田が医療班に保健室に運ばれていくがルー先生の振る舞いを見るに特に大きな怪我はしていないらしい。
そのことに一子は息をつき、試合会場に一礼をしてFクラスの方へ戻っていく。
「まずは一勝、ワン子がこんなに景気よく勝ってくれたんだ。負けられないぞガクト?」
大和は次鋒である島津岳人にそう声を掛ける。
発破を掛けられた岳人は掌に拳を叩きつけ、パン と音を鳴らし応じるとグランドへと歩いて行った。
――――――――――――
一子と小松田が向かい合う形で立っている。もう少しで交流戦の第一試合が始まるのだ。
そんな様子をSクラスの窓際から眺めているのは本多奉だ。
「小松田君、イイですよね。あの優しい顔つきにグッときます」
「人間なら誰でもいいだけだろうが、暇なら岸本の相手してこいよ」
隣に寄って来たのは葵冬馬だ。井上と榊原はさっき井上を芋虫を掴んだ榊原が追いかけまわしていたので暇つぶしに来たのだろう。
「忍足さんは英雄についていますし、不死川さんはそこまで興味がないようなので優勝候補であるFとCクラスの分析をお願いしたくて話のきっかけに僕の気持ちを呟いただけですよ」
最後の言葉が事実ならそれはそれでヤバいが食いつくのは藪蛇だと、思考を切り替えて解説役を引き受ける。
「まあ、チームなんだそんくらいは余裕で引き受けるさ」
「ありがとうございます。では、小松田君と川神さんについて教えてもらえますか?」
「見た感じ小松田はスピード型ってトコか。体格で優れない分、瞬間的な爆発力でケリを付ける。短期決戦型ともいえるな。後は見てみなきゃ分からん」
小松田の体格や立っている時の振る舞い、刀の握り方から簡単に分析する。
「んで、一子は万能型って言えばいいのか? スタミナはかなりあるから長期戦でも失速しないし、逆に短期戦では爆発力が頭一つ飛び抜けてる。小柄な体格も薙刀でカバーできてるし。流石、川神鉄心って感じだな、薙刀が本人との相性がいいのもあるんだろうが、武術をやるからには勝たせる気満々だ」
分かりやすく説明するために大まかな型に例えて説明したが、葵冬馬は真剣な面持ちで頷くだけだ。
そんな説明を終えたと同時に、ルー先生が試合開始の声を上げる。
先手は一子が遠心力を乗せた一撃を小松田に振るう。
(一子じゃ長物を振るにはああするしかないか)
もし、己が相手をするのであれば薙刀を短く持ち一気に加速して突きを放つだろう。その時に後ろに飛ばれないように短く持った柄を握る手を緩めて薙刀を伸ばすように使えば刀を扱う小松田はかなり対処し辛いからだ。
しかし、実際に薙刀を振るうのは一子であり、ガタイの大きい奉と違い短く持ち柄を長く扱うのは不可能ではないにせよ一子には難しいのだろう。
『遠心力を乗せた薙ぎ、薙刀の基本的な攻撃方法の一つだな、他には突きなんかがあるがワン子には薙ぎの方が合うだろう』
武神の解説の声が聞こえるがどうやら同意見らしい。
そう思った時、小松田が刀で薙刀を受けつつしゃがみながら前進した。
長物使いにとって近接戦はあまりやり易いものではない。柄を短く持つことに向いて無い一子ならなおさらだ。
だが、一子の眼には焦りの色は無く、まして敗北のに文字など浮かんですらいなかった。
小松田の一閃。黛由紀恵が放ったモノよりは劣るが、少し無理な体制で放ったものとは思えないほどの素晴らしい一振りだ。
『流石、剣道界期待の新星だな。刀をきちんと引き戻していない体制からこの一撃を放てるなんてやるじゃないか』
百代が思いのほかキチンと解説をしている所を見るとバイト代でも出ているのだろうか?
(さて、どうする? 引くか攻めるか)
回避に専念し、仕切り直すか。逆にカウンターを狙い攻めるか。
答えは、攻め。
一子は薙刀をぱっと手放すと四つん這いの態勢を取り、小松田の斬撃を回避する。
その後、一拍を置いて十分に筋肉を引き絞り一気に開放する。
その様は相手の喉元に飛びかかる豹を彷彿とさせるほどのしなやかな、そして鋭い動きだった。
低い体勢からの四肢を使ったサマーソルトキックは、右ひざは小松田の顎を打ち抜き、左足は胴体を空中へ蹴り上げた。
ドサリ と数メートル後方へ小松田が落ちた瞬間にルー先生が一子の勝利宣言を告げる。
「「「「うおおおおおおおおおおおおおっ!!」」」」
こんなに質の高い武術試合は早々見れるものではない。観客が上げる歓声も無理からぬことだった。
今回は長引かせようとした一子VS小松田でしたが結局早いですね。
百代の解説とか入れるタイミング無かったです。
戦闘描写についても勉強せねば………
後、なんか一子が原作強い気がするけど気のせいなのか分からない