真剣でこの歳で学園生   作:たいそん

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原作では風間ファミリーは2年生で初めて同じクラスになるのですがそれぞれ別クラスにすると面倒臭いので1年生時点で全員Fクラスです。



川神学園はイベント盛りだくさん

「してヒューム話とはなんじゃ?」

「本多奉についてだ」

川神院の客間で話をしているのは川神院総代であり川神学園学長である川神鉄心と九鬼従者部隊最高戦力であるヒューム・ヘルシングだ。

 

「彼なら上手く馴染んどるよ、入学のタイミングがズレておったが年の功じゃろうな、三週間で皆の相談役になっておる」

「フン、奴は断るのが苦手なだけだ。そもそもこの俺が聞きたいのはそんな事じゃない」

「決闘を受けたかどうかか? じゃったら一度も受けておらんよ、一子なんかはよく決闘を申し込んでいるが一切の脈なしだそうじゃ」

「そうか………鉄心。お前は奉を見てどう感じた」

 

ヒュームのはっきりしない発言に旧知の仲として怪訝に思うも、鉄心は感じたことを正直に述べた。

 

「正直に言ってお主の蹴りを2発に相当な実力者からの総攻撃を受けて立っていたとは思えんな」

「更に言えば最後の一撃もマルギッテが俺を守らなければ危なかっただろうな」

「どういうことじゃ?」

「どうということもないさ、奴が最後に握った拳には相応の力が込められていただけという話だ」

 

ここで鉄心はこの一ヶ月見てきた本多奉を思い出す。

 

一子の決闘を断るも長物を使う者として的確にアドバイスを与え、学園では悩みや問題を抱えている生徒にあくまでアドバイスの範疇で手を貸し、クラスの隔たり無く接している好青年。

教師の仕事を半ば奪いつつあるが彼のおかげでクラスの結束や他クラスへの印象が和らいでいるのは事実だが………

 

「ここは一つ揺さぶってみるかの」

「何か考えがあるのか?」

「もともと考えていた事じゃよ。お主の言葉で予定が少し早まっただけでそう手間でもないわ」

 

鉄心は柔和な笑みからほんの少し悪戯をする子供の笑みに変わる。

その顔に心配になるヒュームだが詳しく話を聞けば大いに賛同するだろうと鉄心は計画を聞かせ始めた。

 

――――――――――――

 

 

クラスの人間ともそれなりに打ち解け各所からチラホラ喋り声が聞こえてくる。

四月も終わり新しい月が始まるということで今日は朝から集会があるのだ。

全校生徒が一堂に会すると改めてこの川神学園の規模の大きさに驚かされる。

S~F、合わせて7クラス。クラスの平均人数は40人前後とかなり多い。

 

そんな大人数で朝礼を行っていたが一通りの連絡が終わりそろそろ解散かと思っていた時だった。

壇上に川神鉄心が上がったのだ。

普段は朝礼の最初に話をするだけで下がるこの人が最後に再び顔を出すとは嫌な予感しかしない。

 

「そして最後に皆に、というか新一年生諸君にお知らせじゃ」

 

その言葉に一年生はざわめき、上の学年の人たちはニヤついている。

 

「ここに、クラス対抗交流戦を行うことを宣言するッ!」

 

空気の震える様な大きな声で鉄心はそう宣言した。

 

「運がいいですね、学長の気まぐれで行われる行事らしいですよ」

 

葵冬馬がいつの間にか隣に立ち先の宣言の説明をしてくれる。

 

「前回は二年前に行われたらしいですね、今年に行う事になった理由はSとFクラスの仲の悪さからでしょうか?」

「クラス対抗ねぇ、サッカーとか体ぶつける系だと体がデカくて人に怪我させること多いから気が乗らねーな」

 

この発言に驚いたようで葵は目を丸くすると微笑んだ。

 

「その心配は必要ないかと。ほら、学長の話を聞きましょう」

 

学長の発言で大きくざわついていた生徒一同だが学長の次の言葉を話す雰囲気に自然と静かになってく。

 

「交流戦には二つの競技を行う。片方は知力を試す、もう一つは武を試す。それぞれ5人の代表者をだし、知力戦はクイズ形式の勝ち抜き制じゃ」

「つまりテレビで見る様な先に5人が正解して抜ければ勝ちってやつか、若がいれば何とかなりそうだな」

 

井上準が立ってるのに飽きてしゃがみ込んでしまった榊原小雪を引っ張り上げながら葵の隣に寄ってきた。

 

「そして武力戦は星取り戦形式のリーグマッチとする。更に武力戦において一度だけ代表者一人と入れ替えて上級生を組み込むことを許可する」

 

団体戦で行われるそれぞれの形式を採用し、上級生を巻き込む。

武士の末裔が多く在籍するこの学園では両方とも観るだけで相当楽しめるだろう。

 

「開催日は5月1日から一週間を見積もっておる。リーグに関しては知力戦でもっとも早く勝ち抜いたクラスをシード枠とする」

 

詳細は帰りのHRでプリントが配られる事を告げると学長は満足そうに下がっていった。

 

「クラス対抗()()()で武術試合って暴力的すぎるだろこの学園」

 

ここにきて葵冬馬のいっていた事を理解し、更にこの川神学園の特徴も再認識するのであった。

 

――――――――――――

 

(プリントを見た感じでは肝になるルールは、上級生を巻き込む部分とリーグ戦中で一回だけ行える選手の順番入れ替えだな)

 

巻き込む上級生に制限が設けられておらず、更に他クラスが呼んだ生徒に声をかけても構わない。更にブッキングしたときは上級生の側が好きな方を選ぶ。

逆に言えば上級生を説得さえすればブッキングしたとして自分たち側に引き込むことも出来る。

 

(武術系の部活に所属している実力者を呼ぶのが順当、Fクラスは直江連中がいるせいで川神百代を助っ人に呼ぶ可能性大だな)

 

百代が断るかは知らないがリーグ戦で実力があると判断されれば武神が相手にくる可能性が高いのは事実だ。

 

(だからこそ順番入れ替えで上手く武神をいなせれば逆にチャンスになる)

 

「では対抗戦の代表を選出したいと思います」

 

配られたプリントを見て物思いにふけっていると、クラスに響く通った声に意識を引っ張られる。

音頭を取ったのは葵冬馬だ。

帰りのHRも終わり帰ろうとしたところで葵に捕まりクラス会議に出席している。

 

「まずは知力戦。いわゆる早抜けクイズ対決ですがコレはクラス内の成績順位でいいと思います」

「本当に大丈夫なのか? 専門的な出題があるかもしれない状況で成績順なんて安易な方法で決めてしまって」

 

葵の提案に異を唱えたのは成績12位の男子だ。

その言葉に呼応するように数十人から不満の声が上がり始める。

 

「ええ、私も最初はそう思ったのですが。代表人数が5人しか居ないのであれば専門的な知識を持った人間がいつまでも正解できない可能性より、他のクラスより先に答えられる確率の高い方に賭ける方が無難だと思いまして」

 

問題の傾向も分からないこのクイズ戦で最も重要なのは全員が正解する事であり、4人が正解しても残り一人が正解しなければ勝てない。

葵はまだクラスの人間についての情報が少ないこの状態では成績順が最も勝率の高い作戦だと言いたいようだ。

 

「ぐ………確かにその通りだ」

「いいんですよ岸本君。貴方がFとの決闘で煮え湯を飲まされたのは知っています。だからこそ私は絶対に勝ちたいのです」

 

ウインクを慣れた様に最初に声を上げた男子へ向け、流れる動作で手を取り真摯な視線を向けている。というか顔がかなり近い。

 

「若は男女両方いけるんだ」

「射程範囲もすごいんだぞー」

 

隣の席と前の席に座る井上と榊原が補足説明をしてくれたのであの行動に納得がいった。というか顔赤くしてる岸本は危ないんじゃないか。

 

「――――では、来週の月曜の夜に連絡しますね………さて、知力戦の話がまとまったので次は武力戦について話しましょうか」

 

前半の小声を聞こえた人間はこのクラスに何人いるのだろうか。

本気で帰りたくなるが九鬼英雄と忍足あずみが文句も言わずに待っているのでここで輪を乱せば面倒事だろう。

 

「まず星取り戦形式についてご存じない方もいらっしゃる様なのでその説明をしましょうか。

 星取り戦とは、今回は5人制なので。先鋒、次鋒、中堅、副将、大将、とそれぞれの方に担ってもらいます。

 お互いのチームの先鋒同士、次鋒同士、中堅、副将、大将もそれぞれ戦ってもらい先に三本取ったほうが勝ちになります」

 

剣道や柔道でも見られるものだ。このクラスにいる人間はいいとこの坊ちゃん嬢ちゃんが多いが武術を嗜んでない人間には縁遠い話だろう。

 

「でもうちのクラスは他のクラスに比べて武力は心もとないんじゃい?」

 

女子の何人かは参加する気が無いのだろう周りにいるモヤシ男子を見て葵に問いかける。

その言葉にムッとする者もいれば、下を見る者もいる。仲がいいクラスとは言えないがこれでもマシになったほうなのだ。何回この空気を俺が治めただろうか。

 

「そして勝ち抜き制ではないところが面白いところでして。極論を言ってしまえばやりようによっては武神にすら勝てます」

 

その言葉に察しのいいSクラスの面々はもう気が付いたらいい。

 

「上級生を一度だけ引っ張れる変則ルールですが基本は変わりません。この対抗戦はSクラスにはかなり有利でしょう」

 

最悪、大将以外が引き分けて最後の最後で大将が勝てば試合には勝てるのだ。

モヤシ率はそこそこだがいいとこの坊ちゃん嬢ちゃんの中には逆に武術を嗜む者もいるということだ。

他クラスは柔道部やボクシング部、弓道、剣道を本職としている生徒が多いので、嗜む程度の連中より武力は高い。

だが、その中にも何人かはその連中を超える者もいる。

 

「にょほほほ。つまり此方の様な高貴な者を要所でキチンと扱えれば足手まといがいても問題ないということじゃな!」

 

着物を着た体も顔も幼げな少女が扇子で口元を隠して特徴的な笑い声をあげた。

彼女は初日で九鬼英雄に自己紹介を潰された不死川心だ。

日本三大名家に数えられる不死川家の人間で、この一月で一緒に過ごしただけで分かるほどの典型的なお嬢様だ。

 

「足手纏いなんていませんよ。適材適所です不死川さん」

「葵君がそういうならばそういうことにしておこうかの」

 

自分より劣っている部分がある人間には大きく出て見下す。

Sクラスではまだ可愛い方で他クラスに対する対応は少しやり過ぎなところがある。

 

「説明も終えた所で5人の代表者を選出したいのですが、自薦はやめておきましょう。簡単には実力が判断できないので第三者の目から他薦で選出しましょうか」

 

まだ一月しか過ごしていない人間の実力は分かりかねるので、その実力を保証してくれる人間に推薦させることで自薦によるハズレを引く確率を下げているのだろう。本当に15歳なんだろうか。

 

「ならば我はあずみを推そう。実力は折り紙付きだ。」

「じゃあ僕はハゲを推すのだー」

「私はユキを推します」

「じゃあ、俺は心を推すぜ」

「下の名前で呼ぶな、ハゲなうえに気色悪い」

 

各々が信頼できる実力者の名を上げていく、決まったメンバーは、井上準、榊原小雪、不死川心、忍足あずみだ。

正直、元傭兵を組み込むのはどうなんだろうと考えるがプリントに書かれた制限には何も書いてないので問題ないのだろう。

最後の一人で揉めているようだが話がまとまったようで、俺も帰りの準備を「では私は本多君を推します~☆彡」

 

「あずみの推薦とは悩み相談以外にも武術に秀でておるとは、なかなか出来る男だな!」

 

まず説明としては九鬼の前で猫かぶってキャピキャピしているあずみが本多奉を推したのだ。

 

「いや、俺は遠慮して「クラス対抗戦ですから個人の意思は通りにくいですよ?」

 

葵冬馬がかぶせるようにそう言葉を吐く。

俺以外に出たい人間もいたが忍足あずみに推薦とあっては口を出す人間はおらず。勝率の高いほうに乗っただけだろう。

暴力が嫌いな理由の一つに、加減が上手くないということがあるので拒否したかったが、Sクラス全体からぶつけられる無言の圧力に頷くほかなかった。

 

「………あんまり期待すんなよ」

「ありがとうございます。ではこれで一応は解散です。選ばれた代表の方は開催日までの間にお話ししたいことがあるので残って下さい。お時間は取りませんから」

 

最後にニコリと笑ってそう締めくくりクラスの人間は代表者を残して帰っていった。

 

「知力戦に関しては前回行われたのがクイズでは無くペーパーテストだったため、傾向も何も分からないので各々で勉強ですね。そして武術戦の方たちは………そうですね今週の休みに実力を測っておきましょうか」

「そういうことならば九鬼の鍛錬場を使うといい。我はその日は日本におらぬがあずみを置いていこう。いいな、あずみ」

「了解しました! このあずみ、全身全霊で望みます!」

 

実力を見てから選手の順番を決めるつもりなのだろう。

今日は4月27日の木曜日だ。4日後には対抗戦が始まる。

 




無印まじこいをプレイしなおしてたら少し遅れてしまった。
案外、忘れる設定やストーリーが多くてこれからもボチボチお話を書いていきますのでご容赦を
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