タイトルはサトシリセットに定評のあるあのシーズンの最初の曲の歌詞からとりました。
とりあえず続きが思いつく、もしくは思いのほか受けが良かったら続けます。
ちなみに言いますと、作者はいまだにサトセレ好きです笑
↑はpixivにも書いてあるものです
年末のこの時期になってなぜ急にこっちにも載せようと思ったのだろう・・・
わからない・・・
初めての場所、初めてじゃないこのドキドキ
カロス地方での旅を終え、マサラタウンに帰ってきたサトシ。いつもであればすぐにでも新しい旅へ向かおうとした彼であったが、さすがにカロスリーグ、フレア団の襲撃、カロスの危機、ミアレシティの復興、そしてカントー地方へ帰宅と目まぐるしい数日間を過ごしてきたため、しばらくはマサラタウンにとどまることにしていた。研究所へは毎日のように通ったため、彼のポケモンたちも大喜び、遊びつくして満足そうにしていた。
そのまましばらくたっていたが、サトシは次に旅をする場所かまだ決められずにいた。旅には出たい、けど今まで旅してきた場所をめぐるのは何かが違う気がする。かと言って新しい地方の話も聞かなかったから、どこに行こうかさえ思いつかない。そんな気持ちのまま1週間過ぎ、2週間過ぎ、なんと気づけば1月ほども旅に出ずにいた。ママに心配されてしまうくらいだった。なんでもいい、きっかけさえあれば・・・
数日後・・・
「ひゃっほー!気持ちいいぜ!な、ピカチュウ?」
「ピッカチュウ!」
青い空、青い海、青い海パンに、青いサメハダー。サトシは海でポケモンに乗る、ポケモンジェットスキーを満喫していた。海とはいっても、ここは既にカントーではない。常夏の島のある、アローラ地方。サトシのママ、ハナコとバリヤードが、商店街での福引で、このアローラ地方・メレメレ島への旅行を引き当てたため、サトシ、ハナコ、ピカチュウとバリヤードの四人で、絶賛バカンス中なのだ。
「頼むぜ、サメハダー!」
「サメッ!」
サトシの言葉にこたえるかのように声を上げたサメハダーは、一気に水中へ潜った。そこには数多くの水ポケモンがいた。サニーゴやラブカス、さらにはミロカロスまで。ふと、サトシの目に見たことないポケモンが止まった。黒くてピンクの棘の生えたポケモン。気になって触ってみると、突然口から手のようなものが飛び出してきた。
このポケモンの名はナマコブシ。口からこぶしのような形の内臓を飛び出させ、それで相手を殴りつけることがある。が、このナマコブシ、サトシに対してはグーではなく、チョキを出してきた。いわゆるピースサインだ。本能的にサトシは大丈夫だと悟ったのだろうか。サトシも笑顔でピースを返した。
しかしいくらサトシといえども、水中にいられる時間には限界がある。相棒も苦しそうにしていたため、サメハダーに浮上するように促した。
水面へ出て大きく息を吸うサトシとピカチュウ。と、正面を見てみると、ラプラスに乗った女の子が釣りをしていた。となりにはこれまたサトシが見たことないポケモンが。突然現れたサトシたちにびっくりしたようで、呆然としながら彼らを見ていた。さっきまで何かが連れていたのだろうか、釣り糸は上がっていた、が針の先にいるはずのポケモンがいなくなっていた。
「あ~、ごめんごめん。脅かすつもりはなかったんだ。もしかして、俺たちのせいで逃がしちゃった?」
「うぅん。大丈夫」
「本当にごめん!ラプラスも、その子、わぁ!初めて見るポケモンだ!」
「この子はアシマリ。水タイプのポケモン」
「そうなんだ!かわいいなぁ!アシマリもごめんな。じゃあ俺もう行くから!」
「えっ?あの・・・」
「大物、釣れるといいな!じゃあな!」
大きく手を振ると、サメハダーは勢いよく泳ぎだした。もう一度声をかけようとして延ばされた手をとどまらせたまま、突然現れ、突然去った少年の姿を少女は眺めていた。
「面白い人だったね、アシマリ」
「アウッ」
隣にいるポケモン、アシマリと顔を見合わせてくすくすと笑う。歳は自分たちとそう変わらないだろうか。おそらくはアローラ地方の外から来た少年。肩に乗っているピカチュウも、ライドポケモンのサメハダーも彼のことを気に入っているのがわかる。自分だけでなく、自分のポケモンたちにもちゃんと声をかけてくれた。それだけで彼がどれだけポケモンが好きで、大切にしているのかがわかる。初めて見たらしいアシマリをほめてくれた少年。
「名前、聞いておけばよかったかな?」
「アウッ!」
「どうだった?アローラ地方の海は?」
「すごかったよ!サメハダーに乗って海に潜ったら、見たことないポケモンもいっぱいいたんだ!」
「そう、楽しそうで何よりだわ。それじゃ、着替えて出発しましょうか」
「出発?」
「オーキド博士のいとこさんのところ」
「あっ、そういえば!」
サトシたちのこの旅行、確かにバカンスのためにきていたが、そのついででオーキド博士から頼まれたものがあったのだ。ポケモンの卵をオーキド博士のいとこのもとへ届けてほしいというものだった。いつもお世話になっているオーキド博士の頼み事とあっては断るわけにはいかない!そう思ったハナコとサトシは二つ返事で引き受けることにしたのだ。
ケンタロスのタクシーに揺られながら、四人はオーキド博士のいとこのいる、ポケモンスクールへ向かっていた。途中、お土産として果物をもっていこうとハナコが考え、新鮮なフルーツを取り扱っているというお店に立ち寄った。
「ん?わぁ!」
そんなサトシの前に地面からポケモンが顔をのぞかせた。アゴジムシというそのポケモンはやはりサトシは初めて見たため、顔を近づけてみる。
「お前かっこいいな!なんていうポケモンなんだろう」
そういいながら頭を撫でてみようと手を伸ばしてみる、が。
「っいだだだだっ!痛い痛い!」
アゴジムシのもつ丈夫なあごに指を挟まれてしまうこととなった。何とか振り払ってみると穴に潜り、森のほうへ逃げていくのが見えた。新しいポケモンに心が高ぶり、久しぶりに感じるわくわくにサトシはもう我慢ができなかった。
「よ~し、ピカチュウ!ゲットしようぜ!」
「ピカ!」
ハナコのことも、お使いのことも、すっかりと頭から抜けてしまったサトシ。見知らぬ土地でもおかまいなしに、彼はアゴジムシを追いかけて行った。
その後ろから、彼を眺める視線には気づかずに・・・
XY&Zが終わってしまって寂しかったけど、サン&ムーンも悪くないですね~
サトシも結構生き生きとしてますし笑
定期的にこっちにも挙げていきますので