XYサトシinアローラ物語   作:トマト嫌い8マン

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こっちも復活だぜ!

まぁ、といってもまだ短い内容しか書き上がってないわけですが

待ってた人もそうでない人も、載せてきますよん!


たまにはこんなお休みも

カプ・コケコとの一戦から数日後、学校も休みで晴れたある日のこと。サトシたち六人は、メレメレ島のショッピングモールへ来ていた。初めて見る商品などに目を輝かせるサトシ。楽しそうなその姿を見て、カキたちは少し安心した。

 

カプ・コケコとのバトル以来、サトシは考え事をする時間が増えていた。ポケモンたちとのトレーニングでも、前よりも気合が入っており、イワンコたちアローラでの仲間たちはついていくのも大変そうな時もあった。

 

でも、

 

「このいろんな色のあるやつ、何だ?」

「それはポケマメですね。アローラ地方ではポケモンたちのお菓子の定番なのですよ」

「色毎に違う味があるから、ポケモンたちの好みに合わせたものをあげるといいんだ。あたしはこの花柄。アママイコが好きなんだよね〜」

「トゲデマルはこの黄色のだね。でんきタイプのポケモンが好む味付けだから、ピカチュウも気にいると思うよ」

「そうなのか?」

 

こうして楽しんでいる姿はいつものサトシらしく見える。自分たちが気にしすぎなのかもしれないが、やっぱり心配だったのだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

暫く買い物をした後、サトシ、カキ、マーマネの三人は店の外で女子を待っていた。

 

「まだ買い物終わらないのかな?」

「まぁ、女子の買い物は長いってよく言うしな」

『統計によると、87%以上の女性はショッピングが好き、或いは嫌いじゃないらしいロト』

「そ、そんなに?」

 

呆れ顔のカキに疲れた顔のマーマネ。ロトムのデータを聞いて、なんだか更に疲れてしまったみたいだ。一方サトシはと言うと、

 

「まぁたまにはいいじゃないか。三人とも楽しそうだし」

 

女子のショッピングに付き合うことは、カロス地方では何度か経験したことでもあるため、特に気にしていなかった。それにいつもは自分が色々と連れ回している気がしなくもない。なら、偶には連れ回される側もいいか、なんてことも思っていた。

 

 

 

「お待たせ〜!」

 

更に待つこと数分、マオたちが店から出てきた。両手いっぱいに買い物袋を提げた三人は、とても満足そうな表情をしていた。

 

「やっと終わったか」

「それじゃあ、帰ろう」

 

帰り支度を始めるカキとマーマネ。そんな二人をマオの一言が止めた。

 

「え?まだ終わりじゃないけど?」

 

「「え?」」

 

「この後、みんなでアローラサンライズへ、ゴー!」

「アローラサンライズ、ってなんだ?」

「アローラサンライズは、ここメレメレ島で一番人気のアクセサリーショップなんです」

「自然の素材とか、いっぱい使ってるの」

「ハートのうろことか、浜辺に流れ着いたサニーゴの枝とか」

「大人の女性に向けた真珠を使ったものもありましたね」

 

何やら盛り上がる女子組。完全に置いてけぼりになっている男性陣だったが、サトシは本当に人気のある店なんだな~と感心していた。一方カキとマーマネはまだ買い物が続くのかと、やや疲れた顔をしていた。これもまた、今までの旅の経験の差なのだろうか……

 

「それじゃあ、行こっか」

 

「わ、悪いけど俺は帰るぞ。早くこのフーズを牧場に届けないといけないしな」

「あっ、ぼ、僕も庭の花に水をあげないといけないの忘れてたよ~。それじゃあね!」

 

話が終わったマオが三人に声をかけると、慌てた様子でカキとマーマネの二人はそれぞれ用事を口実に帰っていった。

 

「マーマネが、水やり?」

『サトシ、どうしたロト?』

「いや、なんだかマーマネが花に水を上げているところが、あんまし想像できなくて」

『確かに……って、ああ~!?』

「どうした、ロトム?」

『もうすぐアローラ探偵ラキの一挙放送が始まるロト!』

「お前確か録画予約してなかったか?」

『リアルタイムで見て、後から見直すのが真の通ロト!そういうわけで、先に帰ってるロト~!』

 

そう言い残し、ロトム図鑑も大急ぎで家に向かって飛んでいく。カキたちだけではなく、どうやらロトムも買い物に付き合うことに疲れてしまったようだ。まぁ、実際にアローラ探偵ラキが大好きなロトムのことからすると、口実でもないのかもしれないが。

 

「サトシはどうする?」

「えっ、俺?うーん、特訓でもしようかと思ってたけど、」

「サトシも一緒に行きましょう。たまにはこうした息抜きもいいと思いますよ」

「ピカチュウも一緒、ね?」

「ピィカ?」

「んー、まぁいっか。行ってみるか、ピカチュウ?」

「ピッカァ!」

 

スイレンとマオに腕を引かれながら、サトシは三人と一緒に買い物に行くことにした。トレーニングもしたいけど、確かに、息抜きも必要だと感じたのだ。そしてそのおかげで、彼はまた奇妙な出会いをすることになるとは、この時誰も思っていなかった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

大人気のアクセサリーショップだけあって、アローラサンライズには多くの女性客が来ていた。中には彼氏連れもいたわけなのだが、そんな客の中で、ある組が注目を浴びていた。

 

「じゃーん!前髪をあげて見たんだけど、サトシ、どう思う?」

「いいんじゃないか?普段のマオと雰囲気変わって、なんか新鮮だな」

「そ、そうかな?」

 

「アシマリはどんなのが好き?」

「アウ?」

「俺はこっちの星型もいいと思うな。アシマリの色とも合うし」

「ホントだ。どう、アシマリ?」

「アウッ!」

 

「これ、シロンに似合うと思うのですが、どうでしょう?」

「コォン?」

「確かにシロンの色に合いそうだなぁ。あっ、だったらリーリエにも合うんじゃないか?二人とも白っぽくて似てるし」

「そうでしょうか?せっかくですし、お揃いにしてみるのもいいですね」

 

 

ここだけ抜き取れば、三組のカップルがいるだけにも思える。実際は女子三人に男子一人という、両手に花どころかもう一つあるのだが。しかし、それだけではない。店内の視線が集中している理由は。

 

 

 

「ねぇ、二人とも」

「はい?」

「何?」

「なんか、さっきからいろんな人に見られているような」

「確かにそうですね。一体何が、」

「あ、」

 

視線を感じ取っていた三人はふと気づく。先程からの視線、ほぼ全てが女性客だけだということに。そして、正確には自分たちを見ているのではないということに。

 

 

「へぇ。これってハートのウロコを塗ってるのか?綺麗な模様だな。な、ピカチュウ?」

「ピッカァ!」

 

光を反射し、虹色にキラキラするハートのウロコを使った髪留めを手に取るサトシ。ピカチュウに向ける表情は、楽しげで、だけどどこか落ち着いてもいて。そんなサトシだったが、自分が見られていることは気づいていなかった。

 

 

「ねぇ、あれってサトシじゃない?」

「あぁ、この前島のラッタ問題を解決した子だよね?確か、感謝状も貰ってた」

「パンケーキレースでも活躍してたよね。初めてなのにピカチュウもすごかったよね〜」

 

「あれ、見て。Zリング着けてる!」

「じゃあ、ハラさんの試練もクリアしたってこと?凄いじゃない」

「そう言えば、この前弟が言ってたんだけど、カプ・コケコにバトルを挑まれてたんだって!」

「カプ・コケコって、守り神の?本当に?」

「うん。ククイ博士も見てたみたい」

 

「確か13歳って聞いたけど、そうは見えないね」

「うん。なんだか落ち着いてる」

「パンケーキレースの時は明るい子供って感じだったけど、今は大人っぽいね」

 

「ねぇ、声かけてみる?」

「え?」

「よく見たらイケメンだし、ポケモンにも優しそうだし」

「でも、女の子達と一緒だったでしょ?」

「三人ってことは付き合ってるわけじゃなさそうだし、いいんじゃない?」

 

 

ちらほらとサトシについての話し声が聞こえる。幸か不幸か、サトシの耳には入っていないみたいだが。

 

なんだか危機感を感じた三人が、サトシのそばでがっちりガードを固めたのは言うまでもない。

 




島に行ってもらう前に一区切り入れます、すんません。

ようやく撮り溜めしてた分を消費でき始めました。

こっから頑張ってこー

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