ちょこっとだけ、オリジナルパート?あります
その日、サトシとリーリエが登校途中に見かけたマーマネの様子は、明らかにおかしかった。背中を丸めトボトボ歩くマーマネ。(そこ、もともと丸いじゃんとか言わない!)口を開くとため息ひとつ。何やら落ち込んでいるような、悩んでいるような、そんな印象を受ける。
「アローラ、マーマネ」
「わわっ!?さ、サトシにリーリエ……あ、アローラ」
「?先程から落ち込んでいるみたいでしたけど、どうかしたのですか?」
「へっ!?い、いやっ、べ、別に」
明らかにおかしい。何よりもおかしいのが、ピカチュウに挨拶されたトゲデマルの反応だ。いつもなら笑顔で返すか、問答無用で飛びつくかのどちらかだというのに、今日のトゲデマルはピカチュウに挨拶されたにも関わらず、そっぽを向いたのだ。疑問符を浮かべるピカチュウ。
「トゲデマル、どうかしたのか?」
「いやっ、なんでもないと思うよ!じゃあ僕先に教室向かうからっ!」
言うが早いか駆け足でスクールへと向かうマーマネ。何が何だかわからないサトシたちは顔を見合わせ、首をかしげた。
その日はマーマネが好きなはずの授業でボーッとしていたり、トゲデマルが急に泣き出したかと思うとピカチュウにいつになくべったりだったりと、何かと様子が変だったため、サトシたちの疑問がさらに深まった。
「やっぱり変」
「だよねー。なーんか、隠してるというかなんというか」
突然おすすめのスイーツ店の情報をみんなと共有したマーマネ。いつもであれば秘密にしているだろう情報を突然教えてくれたことに対し、サトシたちは違和感を感じていた。
「何か悩んでることでもあるんじゃないのかな?」
「あのトゲデマルの様子から見ても、マーマネ個人の問題ではないのかもしれないな。家庭の事情とか?」
「そういえば朝も、元気がなかったように見えました。トゲデマルもです」
あれやこれやとクラスメートたちが話し合う中、サトシはふと何かを思いついたのか、深く考え込んでいた。
「サトシ、どうかしたの?」
「なんだか難しい顔してるが、何かわかったのか?」
「いや、分かったというか……なんか、マーマネのは普段通りに振る舞おうとしていたっぽいなぁ、って」
「?それが、どうしたの?」
「普段通りにしたいって思うのは、何か大きな変化があるってことだと思うんだ。それこそ今まで通りにはいかない何かが……それを隠そうとしているんじゃないかなって」
「何かって、なんだ?」
「流石にそれは……わかんないや」
うーん
5人揃って首を傾げて唸る。と、ここでマオが立ち上がる。
「よしっ、マーマネにちゃんと話しを聞いてみよう!変に考え込むよりも、本人にちゃんと話してもらえた方が、あたしは嬉しいし」
「うん。私も」
「だな」
「そうですね」
「オッケー、じゃあマーマネを追いかけるぞ!」
一足先に帰っていったマーマネを追って、5人は教室を飛び出した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「み、みんな……あれっ、いつの間に」
トボトボと下を向いて歩いていたマーマネは、目をあげるとクラスメートたちが立っているのを見て、驚きを隠せなかった。
「マーマネ、何か悩みがあるの?」
「へっ!?べ、別に……」
「話して見てください。わたくしたちも、できれば力になりたいんです」
「同感。マーマネ、水臭い」
「仲間だろ?俺たちにも、お前を助けさせてくれよ」
「み、みんな……でも、あの、その……」
真剣な表情のクラスメートたちに、マーマネも戸惑ってしまう。言わずにいようと思っていたのに、みんなは力になりたいと、話してほしいと言ってくれる。でも話したらみんながよそよそしくなってしまうのではないか、そう思うと切り出せない。悩み、頭を抱えそうなマーマネに、サトシが質問した。
「マーマネ……もしかして、いなくなるのか?」
「えっ?」
「サトシ?」
「なななななんでそのこと、じゃなくてそんなこと?」
「いや、なんとなくなんだけどさ。何故か、一緒に旅をした仲間とお別れした時のこと、思い出して……それでもしかしてと思ってさ」
「そう、なんだ……うん。そういうことになるのかな。みんな、あのね……」
「「「「引っ越し!?」」」」
「……うん」
「いつ?」
「……来週」
「どこに行くんだ?」
「えっと、パパに聞いたとき、すっごく遠いとこって言ってた……」
思わず言葉を失うクラスメートを見て、マーマネは寂しげな笑みを浮かべた。
「ほらね。こんな感じになっちゃうと思ったから、言わないでおこうと思ったんだ。こういうしんみりしたの、僕あんまり好きじゃないし」
「そっか……なら、いつも通りだな」
「えっ?」
一人だけ、笑顔でいるサトシの言葉に、マーマネも疑問符を浮かべた。
「こういうお別れが悲しい、ってなるのが嫌なんだよな?」
「う、うん」
頷くマーマネを見て、サトシはいつもと変わらない笑顔で続ける。
「なら、俺は今まで通りにするよ。最後まで、いつもと同じ。たくさん笑って、たくさん遊んで。な?」
「サトシ……」
「それに、離れることになっても、俺たちは友達だ。今までも、これからも。変わらずにな」
サトシがみんなにそう話す横では、ピカチュウがトゲデマルたちを宥めている。悲しげだったポケモンたちも、少し明るさが戻っている。そして、そのトレーナーたちも。
「そうだね。サトシの言う通りだよね!よーし、じゃあ土曜日はみんなでうちに来てよ。盛大にマーマネの旅立ちをお祝いしよ!」
「いいですね」
「うん」
「悪くないな」
「よーし、決まりだな!」
ハイタッチするサトシとマオ。そしてサトシはマーマネにも手を差し出した。
「一緒に楽しもうぜ、マーマネ」
差し出された手を見て、サトシの顔を見て。泣き出しそうになるのをこらえ、マーマネはサトシの掌に、自身のを合わせた。
「うんっ!」
その後、マーマネに見せたいものがあると言ったカキに連れられ、マーマネはアーカラ島へと向かい、サトシたちはそれぞれの家に帰って行った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
翌朝、再び何やら悩んでいるようなマーマネ。やはり、いつも通りにすると言っても、引っ越しのことはショックなのだろう。元気付けようと話しかけるサトシたちに対し、マーマネは苦笑いで対応していた。明るくいこうと決めたものの、やはり寂しいのだろう。
今日はスイレンの番、ということで二人は先に帰り、残ったメンバーで土曜日に向けての準備を考えることにした。
「カキ、昨日はどうだった?」
「あぁ、俺のとっておきの場所に連れて行ったんだ。あいつにも喜んでもらえたよ」
「そっか、良かったね。うーん、それじゃあ土曜日のことなんだけど、私は料理を準備するけど、他に何用意する?」
「やはり、パーティといえば飾りですよね。わたくし、色々と準備しておきますね」
「じゃあ俺もそれ手伝うよ」
「二人共、よろしくね。カキはどうする?」
「会場のセッティングとかならできるが、正直他には思いつかないな」
「あ、デザート!カキの牧場のアイス、マーマネも好きだって言ってたし、どうかな?」
「なるほどな。それならなんとかなりそうだ」
ポケモンたちにも手伝ってもらうことにし、マーマネの送別パーティに向けての準備も始まった。飾りを作りながらも、サトシは一人、考え事をしている。
「サトシ、どうかしましたか?」
「ん?あぁ、いや。折角だから、マーマネに何かプレゼントしたいと思ったんだけど、何がいいかなって」
「実は、わたくしも同じことを考えてました」
「リーリエも?何贈るか決めてるの?」
「ええ。わたくしの好きな花を使って、首飾りを作っています。アローラ特有の花らしいので、きっといい思い出になるかと」
「なるほどな〜。あー、何にしようかなぁ」
『フッフッフッ。お困りロトね、サトシ』
「ロトム?」
『マーマネに送るのにピッタリなものがあるロト』
「ほんとか?教えてくれ!」
『それは……』
「それじゃあ、5時にあたしの家に集合ね!」
「任せろ」
「うん!」
「はい」
「俺、ちょっと行くところがあるからさ、遅れたらごめんな」
「えっ、ちょっとサトシ?」
「マオ、後でわたくしが説明しますから」
「ほんとごめん!」
いよいよやって来た土曜日。マーマネの送別パーティ当日だ。仲間の旅立ちを祝うために、各人それぞれが動き出した。みんなが会場の飾り付けに取り掛かる中、サトシはピカチュウたちを連れて、森へとやって来た。
「ここなら、きっといるはずだ。みんな、絶対にタイムリミットまでに見つけようぜ!」
「ピッカァ!」
「クロ!」
「アン!」
「ニャブ」
「コォン」
「コウガ」
『地面の下に隠れていることが多いから、イワンコやロコンの鼻が頼りロト!』
「よーし、捜索開始だ!」
二手に分かれて行動するサトシたち。サトシ、ロトム、ピカチュウ、ロコンチームと、ゲッコウガ、ニャビー、イワンコ、モクローチーム。鼻のきくイワンコとロコンをそれぞれ先頭に、森の中を進み始めた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
数時間後、既に空は紅くなり始め、タイムリミットはだんだん近づいていた。
「ロトム、近くに反応は?」
『ヒットなしロト。この辺りにはいないかもしれないロト』
「ロコン、何か見つかったか?」
「コォン」
「そっか。なかなか見つからないなぁ」
「!ピカッ!」
森の中を進んでいたサトシたち。ふとピカチュウが何かに気づき、注意するように鳴いた。とっさにその場を飛び退くサトシたち。さっきまでいた場所に、攻撃が飛んで来た。
「な、なんだ?」
「な、なんだと聞かれたら」
「聞かせてあげよう、我らの名を」
「花顔柳腰羞月閉花。儚きこの世に咲く一輪の悪の花!ムサシ」
「飛竜乗雲英姿颯爽。切なきこの世に一矢報いる悪の使徒!コジロウ」
「一蓮托生連帯責任。親しき仲にも小判輝く悪の星!ニャースで、ニャース」
「「ロケット団、参上!」」
「なのニャ!」
「ソーナンス!」
「こんな時にか、ロケット団!」
高笑いをしながら現れたのは、いつものトラブルメーカー組、ロケット団だった。
「今日こそは、そのピカチュウをゲットしちゃうわよ、って、あれ?」
「あーもう。時間がないっていうのに〜」
「ん?なんだ?なんか焦ってるみたいだけど」
「何かあったのかニャ?」
ビシッとサトシを指差し宣言したムサシ。しかし当の本人は何やら頭をガジガジかきながら、何やらブツブツ言っている。いつもと様子が違うことに、ロケット団も戸惑ってしまう。
「おーい、ジャリボーイ。なんかあったのか?」
「今お前たちに構ってる場合じゃないんだよ!早く見つけないと、間に合わなくなっちゃうんだ」
「見つけるって……何を?」
「マーマネへのプレゼントだよ!」
実は、かくかくメブキジカ、というわけなのだ
「は〜、その丸ジャリボーイが引っ越すから送別会を」
「それでプレゼントを探しに来たのか」
とりあえず事情を説明してもらったロケット団。いつもならピカチュウゲットでさいならーしたいところだが、
「ねぇ、どうする?」
「流石に今日は邪魔しちゃまずいんじゃないか?お別れとか、結構大事なことだし」
「ニャーもそう思うのニャ。それにこういうことは後に引きずると面倒なことになるのニャ」
「ソーナンス」
「そうね〜。じゃ、今日のところは帰りますか。でもジャリボーイ、次は容赦しないからね」
「しっかり別れ言って、スッキリさせてこい」
「今日はこのまま、バイニャラー」
「ソーナンス!」
現れた時と同じくらいの唐突さで帰って行くロケット団。しばらく首を傾げていたサトシたち。すると、森の別の場所から、空に向けて水の塊か打ち上げられたのが見えた。
「ゲッコウガだ!きっと見つかったんだな。よし、行くぞ!」
「ピカ!」
サトシたちが向かった先では、イワンコとニャビーが必死に土を掘っていた。その穴の中を覗き込んだサトシは、満面の笑みを浮かべた。
「いた!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
アイナ食堂にサトシが着いた時には、既にパーティが始まっていた。アローラガールズによる様々な料理と、綺麗な飾りがあちこちにある。
「もぉ、サトシ。遅いよ」
「ごめんごめん!なかなか見つからなくってさ、ってホシちゃん?」
「サトシ、アローラ!」
「こいつも参加したいって言ってたからな、せっかくだし連れて来たんだ」
「そっか……マーマネ」
「えっ、何?」
「俺からのプレゼント、ちょっと外に出てくれ」
疑問符を浮かべるマーマネ。訳知り顔のクラスメートたちに背中を押され、外へ出ると、サトシがカゴを1つ地面に置いていた。
「これが、俺からのプレゼントだ」
カゴの入り口を開けると、中から一体のポケモンが出て来た。緑の体色に鋭い顎。目の部分はゴーグルの様になっている。
「わぁっ、デンヂムシだ!僕ずっと欲しかったんだよ!」
『デンヂムシ、バッテリーポケモン。むし・でんきタイプ。アゴジムシの進化形。地中でほとんどの時間を過ごし、体に電力を蓄え、仲間に力を与えることができる。まさに、マーマネにぴったりなポケモンロト!』
「マーマネ、ゲットしたらどうだ?」
「うん!行くよ、トゲデマル!」
クラスメートが見守る中、マーマネとトゲデマル、デンヂムシのバトルが始まった。デンヂムシの放電をうまく吸収したトゲデマル。威力をあげたびりびりちくちくを受けて、デンヂムシが大きく後ろに飛ばされる。
「よーし、モンスターボールだ!」
デンヂムシの頭にぶつかったボールへと、体が入る。しばらく揺れるボール。と、ポーン、という音とともに、スイッチのランプが消えた。
「や、やった!デンヂムシ、ゲットだよ!」
「やったな、マーマネ」
「良かったね」
「サトシ……ありがとう」
喜びの表情から、マーマネはなんだか複雑そうな表情に変わる。いよいよ別れが近い。リーリエがマーマネの首に手作りの飾りをかける。
「これは、わたくしから。どこに行っても、明るいマーマネのままでいてくださいね」
「リーリエ……」
「青空を見たら、アローラ地方のこと、スクールのこと、思い出してね」
「私も、忘れない」
「マオ……スイレン」
「しっかりな」
「元気でね〜!」
「カキ……ホシちゃん」
一人一人の言葉を受けながら、マーマネの目に涙がたまっていく。最後に、サトシの番になる。
「マーマネ、きっとまた会えるからさ、だから頑張れよ。お前がポケモンと一緒にいて、一緒に夢を追いかけていけば、またどこかで道がつながるさ。だから、さよならじゃない。またな、マーマネ」
「サトシ……ぅぅ……うわぁぁぁん!」
堪え切れなくなったのか、マーマネは声を上げて泣き出してしまう。マオとリーリエも涙が浮かんでいる。それでも、明るく見送ると決めたから。みんなは笑顔でマーマネを見ていた。
「泣くなって。笑顔で行くんだろ?」
「ち、違うんだ〜!」
「「「「「えっ?」」」」」
「ぼ、僕のっ、勘違いだったんだよ!引っ越すっていっても、ほんとはすぐ近くでっ!そ、それもっ、一週間だけだったんだ!ごめん、ごめんなさ〜い!!」
大声で泣きながらマーマネは謝る。みんな自分がいなくなると思って、色々と考えて、準備してくれて。
でも、それはただの誤解だったのだ。引越しといっても屋根の修復をする一週間だけ。遠いといっても、隣が良かったのに三軒隣になってしまっただけ。まさか自分の勘違いがこんなに大きなことになるとは思ってもいなかった。
嫌われる。そう思いながらも、マーマネは謝る。
「良かった」
「……えっ?」
涙を拭ったマーマネが見たのは、怒りの表情ではなく、とても優しい笑顔をしたクラスメートたちだった。
「良かったよ、マーマネがいなくならなくてよくて」
「えっ?」
「遠くに行かなくていいんでしょ?」
「転校もしなくていいんだよな?」
「うん」
「また今まで通り、一緒にいられますよね?」
「もっと一緒に勉強できる」
「うん」
嬉しそうな笑顔になるクラスメートたち。マーマネも、今度は違う意味で涙が溢れそうになる。
「マリュ?」
状況が読み込めていないトゲデマルに、マーマネが機械を使って説明する。
「僕たち、遠くに行かなくていいんだ!もっと、みんなと一緒にいられる、ピカチュウともお別れじゃないんだ!」
大喜びするトゲデマル。喜びのあまり、思いっきりピカチュウにダイブする。マーマネも、心の底からの笑顔でみんなとともにはしゃぐのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
突然、どこからか網が飛んできて、ピカチュウが連れ去られる。高笑いをしながら姿を現したのは、やはりというべき悪党組。
「「「ロケット団、再び参上!」」なのニャ!」
「あいつら、こんな時に」
「空気読めてない」
「ピカチュウを返しなさい!」
「ちょっと、心外ね〜。ちゃんと送別会みたいなのが終わるまで待ってあげてたんだから、むしろ空気読んでるじゃない」
「まぁ、結局は勘違いみたいだったけど、一応無事に終えたみたいだからな」
「これでニャーたちも心置き無くピカチュウゲットに専念できるニャ」
「ピカチュウを返せ!」
「サトシ、僕たちに任せて!」
「マーマネ?」
ロケット団の前に立ったのは、マーマネ、トゲデマル、そしてさっきゲットしたばかりのデンヂムシだ。
「あんたのちっこいポケモンたちに、何ができるっていうのよ」
「ふふん、見てなよー。デンヂムシ、ほうでん!」
マーマネの指示通りに、デンヂムシが電気を放出する。その電気をトゲデマルがひらいしんで吸収し、得意技、びりびりちくちくでピカチュウを捉えていたネットを破壊した。
「なにぃ!?」
「あ、ちょっと、何逃げられてるのよ!」
「サトシ、ピカチュウにデンヂムシの力を」
「あぁ。ピカチュウ、行くぜ!」
「ピカ!」
デンヂムシから電気エネルギーが溢れ、ピカチュウへと注ぎ込まれていく。特性、バッテリーによって、ピカチュウの技の力が強化されたのだ。
「ピカチュウ、10まんボルト!」
「ピーカ、チュウ〜!」
いつもよりも出力の上がった10まんボルトを受け、ロケット団は森の方へと飛ばされていく。この後、地面に落ちるところをまたキテルグマに助けてもらうのだが、彼らの縁もまだまだ続くようだ。
「やったね、サトシ」
「サンキュー、マーマネにトゲデマル、デンヂムシも」
「うん!」
「じゃあ、みんなでごちそう食べよう!マーマネがどこにも行かなくてもいいことを祝って、ね」
「いいな」
「さんせー!」
「うん」
「はい!」
「行こうぜ、マーマネ!」
自分を囲む仲間たちの笑顔に、マーマネは安心するとともに、高揚した。もっともっと一緒にいて、いっぱい学んで、遊んで。それができることが!とても嬉しかった。
「うん!」
その日は、そこそこ遅くまで、アイナ食堂から笑い声が聞こえてきたそうな。
次回、謎のルガルガン使い現る!
読まないと、滅びゆく世界と一緒に封印だぞ☆