うっかり投稿場所間違えちゃったテヘペロ
本日のアーカラ島は大賑わい。数多くのトレーナーたちが集まっている。サトシたち一行も、ククイ博士に連れられ、賑わいの中心地にやって来ている。よく見ると、今日集まっているトレーナーたちには奇妙な共通点がある。
「なんだか、今日はほのおタイプのポケモンを連れてる人が多いな」
「ガーディにアチャモ、マグマラシ。チャオブーにヒトカゲ。いろんな地方のポケモンたちがいますね」
「そういえば、今日なんかお祭りがあるって」
「どんなお祭り?」
「見てればわかるさ」
と、広場から伸びる階段の入り口に、ライチが現れる。ガヤガヤしていた周囲も静まり、ライチに注目が集まる。
「みなさん、今日はヴェラの火祭りの日。アーカラ島に恵みをもたらす、ヴェラの火山に感謝し、熱く盛り上がりましょう」
「ライチさん、いないと思ったら、島クイーンの仕事してたんだ」
「やっぱりかっこいいなぁ」
「この火祭りは、100年以上続いている伝統行事だ。今日の授業は祭りを楽しみながら、その伝統に触れることだから、しっかりな」
「「「「「「はい!」」」」」」
ライチの挨拶を聞き、また賑やかになり出す広場。と、階段に1人また1人とトレーナーが並び始める。共にいるのはほのおタイプのポケモンたちばかり。
「カキ、この行列はなんのために並んでるんだ?」
「あそこにいるライチさんが見えるか?」
カキが指差す先、階段を登りきったところで、ライチが何かをポケモンの頭に乗せているのが見える。
「あれはヴェラの冠って言ってな、ヴェラ火山の溶岩でできているんだ。それをポケモン、特にほのおタイプのポケモンにかぶせると、ヴェラ火山のように雄々しく、強くなれると言われている」
「へぇ〜。なら、俺も並ぼうかな」
二つのボールを取り出し、ポケモンを出すサトシ。ニャビーとロコンの二体がボールから出て一鳴きする。二体を抱き上げるサトシ
「せっかくだから、ニャビーとロコンもかぶせてもらおうぜ」
「ニャブ」
「コォン」
みんなでその様子を見ることにし、サトシたちは全員で行列に並んだ。島クイーンとして働いているライチさんを見て、ふとサトシが思い出す。
「そういえば、カキのお祖父さんって、島キングだったんだよな。じゃあ、冠をかぶせる役目も?」
「ああ。小さい頃は、俺の相棒の頭に、じいちゃんから冠をかぶせてもらうことを夢見てた。まぁ、バクガメスは一応去年かぶせてもらったことがあるけどな」
祖父のように島キングになりたいと言うカキ。当時の祖父のことを思い出しているのか、ライチの方を見ているようで、見ていない。
「お祖父さんも、今のカキの成長っぷりを見て、喜んでくれてるさ」
「はい」
ククイ博士の言葉に笑顔で返すカキ。その後も列は進んでいき、ようやくサトシの番になった。
「来たね、サトシ」
「よろしくお願いします、ライチさん」
前に出るニャビーとロコン。ヴェラ火山の恵みがあるようにと、ライチが冠をかぶせようとする、が、突如現れた謎の影が冠をその手から奪い取ってしまう。
着地し、サトシたちの方を睨むポケモン。白い頭に黒い体。手には骨を持ち、額には黒い模様が描かれている。骨の先に、奪われた冠が引っ掛けられている。
「なんだ、あのポケモン?」
『任せるロト。ガラガラ、アローラの姿。ほのお・ゴーストタイプ。手にした骨は大事なもので、最大の武器にもなる』
「ほのお・ゴーストタイプ?俺の知ってるのと全然違う」
「おい、その冠を返せ!」
飛びかかるカキの腕をするりとかわし、ガラガラは冠を持ったまま逃げ出した。階段の下の方から慌てたような声が聞こえてくる。人もポケモンも驚かされ、ややパニックになり掛けているようだ。
「冠が!でも、島の人たちの安全を考えると、」
「俺が取り返します!」
「ちょっと、カキ!」
ライチの制止の声も聞かずに、カキはガラガラを追って走り出した。慌てて追いかけるサトシ。博士たちはライチさんと他の人たちの安全を確保するために動き出す。
「サトシ、無茶はしないように!」
「わかってます!」
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「ガラガラもカキも、どこに行ったんだ?」
辺りを見渡すサトシとピカチュウ。出遅れた上に、初めての場所ではどっちに向かうかなんてわかるわけがない。ぐるりと周囲を見ると、何やら3人のそっくりな人たちが岩場からこちらに向かって来ているのが見えた。
もしかしたらガラガラかカキを見ていたかもしれない。そう思ったサトシは、声をかけることにした。
「すいませーん!あの、この辺りで、」
「やぁ!君もガラガラを追って来たのかい?」
「!見たんですか?ならどっちに、」
「やぁ!君もガラガラを追って来たのかい?」
「えっ、いやだから、」
「やぁ!君もガラガラを追って、」
「だぁぁぁぁあ!」
3人の山男による謎の連携プレーに、サトシが声を張り上げる。何だが頭が痛くなるのを感じながら、何とか情報を聞きだす。
どうやら3人とも、ガラガラとカキの両方を見たらしい。彼らの指し示した方向へと走っていくサトシたち。そこで彼らが見たのは、
「ダイナミックフルフレイム!」
カキとバクガメスが、丁度Z技を発動した瞬間だった。巨大な炎の塊が迫る中、野生のガラガラは全く恐れる気配がない。それどころか、その機動力を活かし、ダイナミックフルフレイムをかわしてみせた。
「何だと!?」
頭に力を込めるガラガラ。強烈な頭突きがバクガメスの脳天に直撃する。あれ程の体格差のある相手、にも関わらず、ガラガラの頭突きにより、バクガメスの巨体が崩れ落ちた。
「バクガメス!」
慌ててパートナーに駆け寄るカキ。勝利を収めたガラガラは、ヴェラの冠を持ったまま何処かへ行こうとする。
「待て!」
ピカチュウが追いかけようとするが、岩場を自在に飛び回り遠ざかるガラガラには追いつくことができなかった。
「逃げられちゃったか……そうだ、カキ!」
ガラガラの消えた方向を見つめてたサトシ。ハッとしてカキとバクガメスの元へ駆け寄る。
「カキ、早くポケモンセンターへ」
「サトシ……奴は?」
首を横に振るサトシ。歯を食いしばり、拳を握るカキ。モンスターボールにバクガメスを戻し、カキとサトシは町のポケモンセンターを目指した。
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「まさか、バクガメスが負けちゃうなんて……」
慌ててポケモンセンターに駆け込んで来たカキを見て、マオたちの誰もが驚いた。カキとバクガメスの実力は高い。それは博士やライチも認めるところだった。けれども、そのカキとバクガメスが負けてしまい、ヴェラの冠を取り戻すことができなかったのだ。
バクガメスの回復を待つカキ。その拳は固く握られている。
夜、みんなが眠りにつき始める頃、カキとバクガメスはポケモンセンターに備え付けのバトルフィールドに出ていた。静かに俯くカキを見つめるバクガメス。二人に、サトシとピカチュウが近づく。
「カキ」
「サトシか……」
「バクガメス、しっかり回復したみたいだな」
「ああ」
「ピカピィーカ!」
「バッス」
笑顔で挨拶するポケモンたちを、眺めるカキの表情は浮かない。深く考え事をしているように見える。
「今日のバトル、負けたのは俺の責任だ」
「えっ?」
「冠を取り返さなければならないって焦って……Z技さえ使えば勝てるって、そう考えていた。けど、甘かった。トレーナーの俺が、もっとしっかりしていれば、勝てたはずなのに!」
心情を吐露するカキの姿。それにサトシは既視感を覚える。それはこのアローラ地方の前の旅で、同じように何かに焦り、何かに頼り、結果敗北し、自分を責めた。自分がとてもよく知っている、とあるトレーナーに。
「カキの気持ち……俺にはよくわかる」
「やめてくれ……同情のつもりなのか知らないが、お前にわかるわけがない。ポケモンとまるで一つになっているようにバトルするお前に、今の俺の何がわかる!」
立ち上がり声を荒げるカキ。こんなところまでそっくりだ。今ならわかる。きっと彼女も、ちゃんとわかっていてくれたんだと。また会うことがあれば、しっかりとあの時のことを謝らないと、なんて思う。
「俺とゲッコウガ、絆の力で強くなるの、カキも知ってるよな」
「……それがどうした?」
「実はあの力、ちゃんと使いこなせるようになるまでに、色々とあったんだ。俺が焦ってたせいで、ゲッコウガが全力で戦うことができなくて、負けちゃったことがあってさ。俺、自分がもっとしっかりしてなかったからだって、凄く自分を責めた」
ハッとするカキ。そのサトシの話が、何処か自分と強く重なるような気がしたのだ。そんなカキを見ながら、サトシは話を続ける。
「でも、そうじゃなかったんだ。俺とゲッコウガ、二人で一緒に強くならないといけなかったんだ。そうわかった時、二人でもう一度ゼロからスタートしようって。また一緒に強くなろうって。そうしたら、俺たちは本当の意味で、あの力を使いこなせるようになったんだ」
「ゼロから……二人で一緒に」
「カキだって言ってただろ?Z技は、神聖なものだって。初めてZ技を使えるようになった時の気持ちを、思い出して見たらどうだ?」
「初めての、気持ち……」
何か思い出したように呟くカキ。もうあと一息で、ちゃんと立ち直ることができそうだ。そう思ったサトシは、
「カキ、特訓しようぜ!」
「はぁ?」
「その時の気持ちを胸に、バクガメスと一緒にバトルするんだ。そうしたらきっと、何か見つけられるかもしれないだろ?」
笑顔で手招きするサトシ。最初の気持ちを胸に。バクガメスの方を見ると、こちらを見ている。その瞳の奥に、炎が燃え上がっているように、カキには思えた。
「……よし。やってみるか!」
「そうこなくちゃ」
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フィールドで対峙するカキとサトシ、バクガメスとピカチュウ。ガラガラと同じくらいの体格で、素早さの高いピカチュウと特訓することで、対策を練ろうというわけだ。
「行くぞ、カキ!」
「おう!」
「ピカチュウ、でんこうせっか!」
走り出し、素早くバクガメス目掛けて進むピカチュウ。近くまで来ると、バクガメスの腹めがけて飛び上がる。
「甲羅で防げ!」
正面から来るピカチュウに向けて背を向けるバクガメス。これで甲羅の棘に触れさせ、カウンター攻撃をしようという考えだ。勢いよく飛び込んで来るピカチュウに、それをかわす方法はない。そう思っていた。
「棘を避けて、アイアンテール!」
両前足を正確に棘と棘の間につけ、そのまま体を捻るピカチュウ。尾に力を込め、バクガメスの頭に叩きつける。
「なっ!?」
「続けて10まんボルト!」
「ピィ〜カ、チュウ〜!」
ピカチュウの強力な電撃が、バクガメスを襲う。片膝をつくバクガメス。余程ダメージがあったのか、既に肩で息をしている。
「かえんほうしゃ!」
「エレキボール!」
口を開き、炎を吐き出すバクガメスに対し、ピカチュウはエレキボールで応戦する。二つの技がぶつかり合い、爆発が起きる。カキが次の指示を出そうとした時、既にバクガメスの前にはピカチュウが迫っていた。
「アイアンテール!」
再び叩きつけられる尻尾。今度はバクガメスの胴体に直撃する。膝を折るバクガメス。ガラガラとのバトルと同じだ。素早く、トリッキーな動きをするピカチュウに、バクガメスが追いつけていない。
(速さでは勝てない……これじゃ、あの時のバトルと何も変わらない。だが、どうすれば)
「カキ、考え込むだけじゃ勝てないぜ!バトルしてるのは、お前だけじゃない」
カキを叱咤するサトシの声。見ると、サトシもピカチュウも、バクガメスの方を見ている。カキも改めて自分のパートナーを見る。
ピカチュウを見据えるその眼は、先程と変わらず、いやむしろさらに強く、まるで熱く燃える炎のように見える。バクガメスの中で、炎が火山のように燃え上がっているのだ。
(火山のように……?俺が、バクガメスと強くないたいと思ったのは……)
試練に臨むバクガメス。冠を被るバクガメス。様々なことを思い出し、記憶を辿るカキ。そして最後に思い浮かべたのは、あの日、祖父とともに見上げたヴェラ火山の景色。
「そうだ。俺はじいちゃんみたいな、ポケモンと心を通わせ、共に戦い、島を守れる人になりたかった。あのヴェラ火山のように、熱く燃える存在に!」
瞳に力がこもるカキ。その奥には、バクガメスのように燃え上がる炎が写っているかのようだ。
「行くぞ、バクガメス。俺たちの中のヴェラ火山を、見せてやろうぜ!」
「ガメース!」
「気合い入ってきたな。やるぞ、ピカチュウ」
「ピッカァ!」
特訓を再開するカキたち。熱くなる彼らは時間を忘れて特訓を続けた。そして……
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翌朝。ポケモンセンターにまた新たなポケモンが連れて来られる。山男三兄弟のブーバーだ。これで昨日と合わせ、既に7体目。マオたちが見つめる中、ジョーイさんが奥へと連れて行く。真剣な表情のライチ。
「またガラガラに返り討ちにされたみたい」
「どうして冠を持って行ったんだろう」
「何か事情があるとは思うけど、ヴェラの冠はこの島の宝。ほって置くわけにもいかないわね」
「じゃあ、ライチさんが?」
「私は、アーカラ島の島クイーン。これが私の仕事」
博士たちを置いて、ライチがポケモンセンターを出ようとする。それを一人の声が止める。
「待ってください、ライチさん。冠を取り戻す役目、俺に任せて下さい」
バクガメスを連れたカキが、ライチの前に立つ。昨日のどこか焦りを含んだものとは違い、どこか落ち着きのある表情をしている。ライチもそんなカキの様子に、何かを感じ取ったらしい。
「できる?」
「必ず」
「……よしっ。お願いね」
「なんだかカキの雰囲気が変わったね」
「うん。いい顔」
「昨日、特訓したからな」
「特訓、ですか?」
「ああ」
何やら訳知り顔のサトシ。カキの変化に、サトシがなんらかの形で関わっているのだろう。しかし何があったのか聞いても、見てればわかるって、としか答えないので、マオたちはカキとガラガラのバトルをしっかりと見届けることにした。
この前と同じ場所で、ガラガラは手に持つヴェラの冠を眺めていた。カキたちが近づくのに気づき、こちらを見る。
「ガラガラ、もう一度バトルだ」
「バッスゥ!」
「……ガラッ」
冠を被り直し、骨を構えるガラガラ。どうやらやる気満々のようだ。ゴクリと息を呑んだのは誰だったのだろうか。カキとバクガメスの視線が鋭くなる。
「やるぞ、バクガメス」
「ガメース!」
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走り出したガラガラ。ホネブーメランで、先制攻撃を仕掛けてくる。
「ドラゴンテール!」
尾でその攻撃を跳ね返すバクガメス。しかしそれに動じることなく、ガラガラは飛んでくる骨をキャッチする。頭の硬度を高め、バクガメスの胴体に、強力な頭突きが決まる。一瞬痛みに顔を歪めるバクガメス。腕をガラガラめがけて振り下ろすが、あっさりとかわされる。
頭に骨を擦り付け、炎を発生させるガラガラ。その炎を身に纏い、ガラガラがバクガメスめがけて突っ込む。
「かえんほうしゃ!」
炎に炎をぶつけるバクガメス。爆発が起こり、熱風がサトシたちにも吹き付ける。
「これは、文字通り熱い戦いだね」
「でもあのガラガラ、やっぱり強いです」
爆発の反動で後ろに飛ばされるガラガラ。岩場をうまく使い、素早い動きでバクガメスの背後を取り、飛びかかる。
「後ろだ、バクガメス!」
「うまい!トラップシェルで受け止める気だ!」
バクガメスの背中めがけて落ちてくるガラガラ。もうあと少しのところで、ガラガラが骨を甲羅に突き立てる。棘と棘の間、絶妙な場所に骨が当たる。それによって、棘にぶつかることを、ガラガラは回避した。
「すごい。トラップシェルが防がれた」
「いや、まだだぜ」
「えっ?」
「バクガメス、そのまま動かせ!」
骨で甲羅へ着地することを避けたガラガラ。その動きは、昨夜のピカチュウもやってみせたものだった。棘に当たらなければ意味がない。なら、当てればいい。そう結論づけた。
バクガメスが体の向きを変えるように動く。骨で支えていたバランスが崩れ、ガラガラが落ちる。そのガラガラに、バクガメスの背中の棘が触れる。
大きな爆発が起こり、ガラガラが弾き飛ばされる。しかしまだまだ勝負が決まりそうにない。
「行くぞ、バクガメス。お前の新しい技の出番だ。からをやぶる!」
バクガメスの体が白く輝き、周囲に光が弾ける。防御力を下げる代わりに、素早さと攻撃力を高める捨て身の技。昨夜のサトシとの特訓の中で、バクガメスが会得したものだ。
走り出すバクガメス。その素早さは先程までの比ではなく、ガラガラが気がつくと、既に背後に回られていた。背中に衝撃を感じるガラガラ。バクガメスのドラゴンテールが炸裂している。
「速いっ!」
「これなら、ガラガラにも追いつけます!」
「行くぞ、バクガメス!」
「ガメース!」
腕を正面で交差させるカキ。まばゆい光がバクガメスを包み込む。
「俺の全身!全霊!全力!」
「全てのZよ!アーカラの山のごとく、暑き炎となって燃えよ!」
昨日再確認した二人の想い。もっと熱く、もっと強く。島を見守るあの火山のように。
「喰らえ!ダイナミックフルフレイム!」
放たれた火球は、昨日のものよりも大きく、また、強力なものだった。なんとか立ち上がったガラガラだったが、既に避けられない位置にまで炎が迫っていた。炎がガラガラを包み込み、爆発を起こす。
煙が晴れると、目を回し、倒れているガラガラの姿が、そこにはあった。
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ヴェラの冠を差し出すガラガラ。負けたあと、潔くこの冠を差し出しているあたり、ガラガラ自身が悪いポケモンではないのだろう。冠を受け取るカキ。
「お前、この冠を被って、もっと強くなりたかったんだろ?」
前回は焦っていたため気づくことができなかったが、バトルを通じ、ガラガラから自分たちと同じような、熱い気持ちを、カキは感じ取っていた。
「ガラッ」
ガラガラが骨で自分を指し、次にカキを指す。
「お前、もしかして……」
カキを見つめ、頷くガラガラ。モンスターボールを取り出すカキ。
「よぉし。俺と一緒に強くなろうぜ!ガラガラ!」
カキの投げたボールがガラガラに当たる。ボールの中に吸い込まれるガラガラ。しばらく揺れてから、ポンッという音とともにランプが消える。カキが再びボールを投げると、踊りながらガラガラが現れる。
「これからよろしくな、ガラガラ」
カキと握手を交わすガラガラだったが、バクガメスが挨拶のために近づくと、その体に頭突きをかました。どうやら負けたことが相当悔しかったらしく、次は勝つと宣言しているようだ。
ヴェラの冠が戻ってきたことで、火祭りが再開することになった。改めて列に並ぶサトシたち。ロコンとニャビーも冠を被せてもらう。そして次はガラガラの番。
「ヴェラ火山の力が、貴方にも与えられるように……いいトレーナーを見つけたわね、ガラガラ」
「ガラッ!」
ライチの言葉に頷くガラガラ。その頭の上に冠が載せられる。自分で被っていた時よりも、力が湧いてくるような気がして、踊り出すガラガラ。その様子を、サトシたちが笑顔で見守っている。
自分を見つめ直すことができ、また一段と強くなったカキとバクガメス。新たに頼れる仲間、ガラガラも加わり、課外授業ももっと賑やかになりそうだ。
最後に祭りで記念写真を撮るサトシたち。また一つ、いい思い出ができた……しかし、なぜ全ての写真に山男三兄弟が写っているのかは、永遠の謎である。
…………… To be continued
今日はマオメイン回でしたっけね
どんなことになるのやら