XYサトシinアローラ物語   作:トマト嫌い8マン

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状況としては、サトシとセレナがそれぞれ別々に語っているということで

さぁ、大勝負の前に最後の一投稿と行こうか


ちなみに、本当はもっと書きたかったんですけど、このままいくと3年分全部詰め込もうとして容量とか、文量とかアレなことになるのでここまでにしておきました。

もっと振り返りたいというあなた、ニコ動でトマト嫌い8マンと検索!
二人の動画があるよん→宣伝乙


ではでは皆様、また5月にお会いしましょう


二人の……

「セレナは、サトシのどんな所が好きなの?」

 

「サトシは、どう思ってるのですか?セレナのこと」

 

 

「サトシはね、ずっと私の憧れだったんだ」

「憧れ?」

 

 

「セレナは、俺の支え、かな」

「支え、ですか?」

 

 

「ずっと昔にね、一緒にオーキド博士のサマースクールに参加したことがあったんだ。その時にサトシと出会ったの」

 

 

「俺はその時のこと覚えてなかったんだけど、セレナは覚えててくれたみたいでさ」

 

 

「怪我をした私の手を取ってくれて、『最後まで諦めちゃダメだ』って、すごく励まされた」

 

 

「その時のハンカチを、ずっと持っててくれたんだ。それでカロス地方に初めて来た日に、研究所のガブリアスがロケット団に、」

 

 

「その時に身体を張ってガブリアスを助けたのがサトシだって気づいたの。それで、ハンカチを返したくて、フォッコと一緒に旅に出ることにしたの」

 

 

「それで初めてのジム戦、実は見に来てくれてたんだってさ。その時は負けちゃって、セレナに気付けなかったんだけど、」

 

 

「サトシのポケモンと一緒に頑張る姿、とってもかっこよかった。体を張って、ポケモンたちと一生懸命特訓してて、」

 

 

「全然突破口が見つからなくて、すごく悩んでた。頭の中ごちゃごちゃしちゃってさ、そんな時」

 

 

「あの時みたいに、最後まで諦めない姿に、あぁ、サトシは変わってないんだなって思ったの」

 

 

「昔俺が言ったことをずっと覚えててくれたらしくてさ。その言葉に思い出したんだ。俺のバトルを」

 

 

「そしてジムで再戦した時、サトシとポケモンたちがお互いにすごく信頼し合ってて、リベンジを果たせたの」

 

 

「ピンチになった時、セレナの声が聞こえたんだ。そのおかげで、俺は最初のバッジをゲットできたんだ。だからかな、一緒に旅して欲しいって誘ったんだ」

 

 

「それから一緒に旅をするようになったんだけど、サトシには旅の途中でたくさんのことを教えてもらったの」

 

 

「セレナのおかげで楽しめたこともいっぱいあったなぁ。サイホーンレースとか、ポケビジョン作りとか。そういえば、水族館に行ったり、釣りをしたりもしたっけな」

 

 

「サトシはポケモンマスターっていう大きな夢があった。でも私、最初旅してた時、夢なんか何もなかったの。なんだか焦っちゃった。そんな時にポケモンパフォーマーについて知ったの」

 

 

「夢を見つけた後、カロスクイーンになりたいって、セレナ、すっげぇ頑張ってたんだ。セレナのママはサイホーンレーサーで、セレナにもそうなって欲しいと思ってたんだけど、セレナは夢への想いをしっかりと伝えて、応援してもらえた」

 

 

「私、初めて参加したトライポカロンで、失敗しちゃったんだ。フォッコのこと、ちゃんと考えてなくて、その時は一回戦で負けちゃったの。すごく悔しくて、一人で泣いちゃったんだよね」

 

 

「自分の夢への第一歩だったから、きっとセレナも落ち込んでたとは思う。俺も最初の旅でのジム戦で、負けた時、すっごい悔しかったから。でも、なんでか、セレナなら大丈夫って信じられた」

 

 

「私は、その時に夢に向かって全力で頑張る覚悟を決めたの。それで、今までずっと長かった髪を切ったの。自分の覚悟を形にしたくって。その時に、旅の服装も今のものに変えたの。それから、この青いリボンなんだけど、」

 

 

「セレナはちゃんと前を向いて走り出せた。丁度その時のトライポカロンの前に、ポケモンたちへの感謝祭があってさ、プレゼントを決めるのを手伝ってくれたお礼に、リボンをあげてたんだ。それを着けててくれて、なんか、嬉しかった」

 

 

「その後も、何回かトライポカロンに挑戦して来たんだけど、いつもサトシが助けてくれた。どうすればいいのかわからなくなった時は、サトシが私を導いてくれた。いいライバルにも出会うことができた。一緒に笑い合って、競い合って、励ましあって。そんな出会いも、サトシと旅してたおかげ」

 

 

「一回、俺風邪ひいちゃってさ、セレナが看病しててくれたんだ。そんな時に最強のピカチュウ使いを目指してたやつがやってきて、バトルしたいって言ったんだ。動けない俺の代わりに、セレナが俺のフリをしてバトルしてくれたんだ。ピカチュウとのコンビネーションもバッチリでさ、俺もびっくりしたな」

 

 

「みんなもゲッコウガのことは知ってるのよね?サトシとゲッコウガは、未来を予知できるジムリーダーのゴジカさんから、誰も知らない高みへ登るって言われたの。そのために、俺はゲッコウガになる!って言ったのよ。ゲッコウガと同じメニューでトレーニングもしてて。でも、その力のことでも、すごく悩んでた」

 

 

「俺、ゲッコウガのトレーナーとして、もっと強くならないといけないって、焦ってた。ライバルに追い抜かれて、ゲッコウガの力も引き出せなくて。それで、励まそうとしてくれたセレナにまで八つ当たりしちゃったんだ。俺の何がわかるんだ!ってさ。今思うと、セレナは本当にわかっててくれたのかもしれないな」

 

 

「その時、初めてサトシと喧嘩しちゃった。今のサトシは全然サトシじゃないって、酷いこと言っちゃった。でも、サトシとゲッコウガは二人でちゃんと乗り越えて帰って来た。その時に、私のおかげだって言ってくれたの」

 

 

「セレナに言われて思い出したんだ、いつも諦めないのが俺らしさだって。だから悩むのをやめて、ゲッコウガと一緒に、またゼロから出発することにしたんだ。そのおかげで、俺たちは本当の意味で強くなれた。セレナにも負けてられないって思ったしな」

 

 

「カロスリーグでのサトシは、ポケモンたちと一体だった。みんながサトシを信じて、サトシがみんなを信じて。本当にすごいバトルばかりだった。結果は準優勝だったけど、サトシ、すごく楽しそうだった。全てを出し切ることができて、お互いに納得のいくバトルをして、そんなサトシを見てたら、私も嬉しくなった」

 

 

「カロスクイーンになれるかどうかの、マスターズクラスの大会で、セレナはライバルたちと戦って、最後に憧れのカロスクイーン、エルさんとの勝負になったんだ。その時のセレナとポケモンたちのパフォーマンス、本当に凄かったぜ。後一歩届かなかったけど、セレナはその大会で、自分のやりたいことをちゃんと見つけられたみたいだった」

 

 

「サトシの頑張ってる姿とか、諦めない姿勢とか。そういうところを近くで見てて、何度も勇気づけられたの。ポケモンたちを信じて、自分自身を信じて、みんなに笑顔を届けられるようなパフォーマーになりたい。そう思って、サトシたちと別れた後、一人で旅をし始めたの」

 

 

「特訓してる時も、バトルしてる時も、いつだって側で見ていてくれた。壁に当たって、落ちこんで、すっげぇ悩んだこともあった。でも、不思議とセレナの言葉がいつも俺を助けてくれた。セレナは与えられる人になりたいって言ってたけど、俺はずっと、たくさんのことをもらってたんだ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「なんだか、すごいんだね、セレナって」

「うん。サトシのこと、よくわかってる」

「でも、二人もサトシのこと、わかってきてるでしょ?一緒にいれば、もっともっとサトシのいろんなところが見えてくるはずよ」

 

自分たちよりも長くサトシを見ていたこともあるだろう。けれども、それだけではない。サトシを見て、サトシに影響された彼女は、とても強く、そして二人から見ても魅力的な女性だった。何よりも、自分たちの知らないサトシの部分を、深く理解しているのがわかる。

 

「きっとサトシの行動や言葉に、あなたたちも驚かされたり、何か気付かされたり、励まされたりしてるんでしょ?」

「そうだね。ポケモンに対する愛情の深さとか、バトルしないでゲットするところとか」

「バトルの時の発想、全然思いつかないことばっかり」

「でしょ?そんなサトシといるとね、きっとみんなも諦めなければなんだってできるって、そう思えるようになるから。私もそう。だから夢に向かって、走り続けられるの。だから二人も、夢があるなら、絶対に諦めないでね」

「「うん!」」

 

 

「なんだかセレナは、サトシに似ているのですね」

「えっ、そうかな?」

「ええ。夢への熱い気持ち、ポケモンたちへの深い愛情、そして確かな実力。ほら、似ていませんか?」

「そっか。そう言われたら、そうかもな」

 

少し照れくさそうに、それでいて嬉しそうに頬をかくサトシ。今まで見たことがないような表情に、セレナの存在の大きさが伺える。

 

「やはりサトシはセレナのことが、好きなのですか?」

「どうだろうな。まだそのあたりはよくわからないや。でも、あの時のセレナの気持ちは、まっすぐなものだったと思う。だから、答える時には俺もはっきりとさせたい、とは思ってるかな」

「そうですか」

「そろそろ戻ろうぜ。長すぎると変に思われるし」

「そうですね」

 

先に行こうとしたサトシの手を握るリーリエ。驚いた表情のサトシは、握られた手を見つめる。

 

「えっと、リーリエ?」

「わたくしも、もっとはっきりとして行こうと思いました!」

「へ?それって、どういう、っておわっ!?待ったリーリエ、引っ張るなって」

「ほら、早く行きましょう!」

 

キッチンに戻ってきたサトシとリーリエを見て、スイレンとマオがリーリエと話し込んだり、その間にサトシとセレナが会話しだしたのを見るとそこに加わろうとしたりと、サトシの周りは賑やかだった。

 




「大変そうだな、あいつも」
「うん。でも、サトシだからしょうがない気もするけどね」
「お前も大分影響されてるもんな」
「カキだって」
「…そうだな」


「なんだかサトシったら、モテモテなのね」
「良いことではないですか、ハナコさん。みんな、あるがままのサトシを受け入れてくれているのじゃから」
「サトシはポケモンにも人間にも優しいですから。モテるのも必然かと僕は思ってましたけどね」
「サトシは、本当にいい子ですから。この自然や、あなたたちのように、みんな包み込んでくれるような人達と一緒にいたことが、サトシの優しさの源なんですね」
「そうかしら。なんだか、大きくなっちゃって」

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