XYサトシinアローラ物語   作:トマト嫌い8マン

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放送がお休みなんで、時間合わせて見ました

ついに、カロスリーグ編終了〜

先に言っておきますが、結末は変わりません!
また、なぜカロスリーグだけ見るのか、そのことについても理由がありますが、それについてはまたいずれ

あと、活動報告でアイディア募集中です
詳しくはそちらを
では、どうぞ


激闘!カロスリーグ 最終章 サトシとアラン、頂上決戦!

カロスリーグ、決勝戦。観客の緊張が、彼らにも伝わってくる。これまで圧倒的な力で他者をまるで寄せ付けなかったアラン。そして謎のゲッコウガとともに観客を魅了するバトルを見せるサトシ。この二人のうち、どちらかが優勝となるのだ。

 

結果を知っているはずの二人でさえ、この緊張感に気持ちが高ぶるのを感じた。

 

「いよいよだね、サトシとアランのバトル」

「実はね、アランとは旅の途中で何回かバトルしたことがあるのよ。でも、サトシは一度も勝てなかった」

「えっ、一度も!?」

「おいおい……」

 

あのサトシが一度も勝てなかった相手。それだけでもどれほど驚異的なのかがわかる。今のサトシも強いがカロスリーグに挑んでいるときのサトシは、ポケモンたちの成長も関係しているかもしれないが、それ以上の実力を出している。

 

そのサトシでも勝てなかった相手。その相手に挑むサトシの表情は、強者に挑む時の、あの好戦的な笑顔になっている。ゴクリと、誰かが喉を鳴らした。

 

『ピカチュウ、君に決めた!』

『行け、バンギラス!』

 

お互いの一体目が登場する。サトシは初っ端からピカチュウを、アランはここで初登場のバンギラスだ。特性により、砂嵐が巻き起こる。これによって、フィールドは一気にアラン側に有利となる。視界の悪い中、最初のバトルが始まった。

 

『バンギラス、あくのはどう!』

『かわせ、ピカチュウ!』

 

バンギラスの先制攻撃をかわすピカチュウ。その際、フィールドの一部が崩れ、水に落ちる。その水しぶきを見たサトシはすかさず指示を出す。

 

『あれだ!ピカチュウ、水に向かってアイアンテール!』

 

飛び上がり、尻尾を水辺に叩きつけるピカチュウ。その衝撃で、フィールドの水が雨のように降り注いだ。その影響でバンギラスはずぶ濡れになり、砂嵐も晴れてしまった。

 

「早っ!?」

「あの一瞬でこの判断をするか、普通?」

 

『10まんボルト!』

 

水を浴びたバンギラスの背後から、全力の10まんボルトを決めるピカチュウ。かつてのニビジムのイワークのように、水に濡れた故に、バンギラスは大ダメージを受けた。

 

「流石の連続攻撃だね」

「うんうん、そのまま行っちゃえ!」

 

『まだまだ行くぜ!エレキボール!』

『ストーンエッジ!』

 

畳み掛けるピカチュウの攻撃に対し、バンギラスはストーンエッジを盾に攻撃を防ぐ。すぐさま攻撃に転ずるバンギラス。尻尾でストーンエッジの岩をピカチュウ目掛けて打ち出す。それに対しピカチュウはアイアンテールで、自身に迫るものを全て弾き返してみせた。

 

『着地を狙え、かみくだく!』

『アイアンテール!』

 

ぶつかり合う二つの技。ピカチュウの尻尾を咥えたバンギラスは、ピカチュウを振り回し、宙に投げる。

 

『今だ!エレキボール!』

 

投げられ、回転しながらもエレキボールを作り出すピカチュウ。見事な体幹で態勢を整え、バンギラス目掛けて撃ち出した。バンギラスは反応できず、エレキボールが直撃し、爆発が起きる。バンギラスは目を回してしまっていた。

 

「流石ピカチュウです。あのバランスの良さは、圧倒的ですね」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

続く2体目には、サトシがピカチュウと交代にオンバーン、アランはマニューラを出してきた。素早い動きでオンバーンを翻弄するマニューラ。オンバーンも相手のかげぶんしんを超音波を使って見破るなど、相性の悪い相手に対し善戦するものの、れいとうビームからのつじぎりをくらい、戦闘不能となってしまった。

 

サトシが次のポケモンを決める前に、一体のポケモンがボールから飛び出した。ルチャブルだ。倒れたオンバーンに後は任せろ、と言っているようだ。その意気込みをかったのか、サトシはルチャブルでマニューラに挑む。

 

『行くぞ、ルチャブル!からてチョップ!』

『かわせ!』

 

連続でチョップを繰り出すルチャブル。マニューラ相手には、効果抜群。だが、マニューラはルチャブルに勝るとも劣らぬ素早さで、攻撃を的確にかわしている。後退しながら、マニューラはルチャブルを水辺に誘い込む。

 

『今だ!ルチャブルの足元にれいとうビーム!』

 

距離を取り、れいとうビームで攻撃するマニューラ。ルチャブルは攻撃をかわすものの、その足元の川が凍りつく。滑るフィールドの上、連続でれいとうビームとつじぎりがルチャブルに炸裂する。

 

「このままじゃ、ルチャブルもやられちゃうよ」

「いや待て、ルチャブルをよく見ろ」

 

ダメージを受けたものの、倒れる様子のないルチャブル。それどころか、軽快なステップを踏み、身体からは蒸気のようなものが出ている。

 

つじぎりを繰り出そうと飛び上がるマニューラ。それに対し、遅れて飛び上がるルチャブル。しかしそのはスピードは、先程よりも圧倒的に速くなっている。驚き、動きの止まるマニューラを空中で拘束し投げると、すかさずフライングプレスを決めた。

 

「なんか、ショータと戦った時よりもルチャブルの動き、良くなってない?メガアブソルの時よりも良さそうだし」

「あれが本来のルチャブルのバトルスタイルなの」

「相手の攻撃を受けて、自分を高める。相手が強ければ強いほど、ルチャブルの闘志も燃え上がるんだ!」

 

目を回したマニューラを戻すアラン。その顔は、今までのバトルで見せたものとは、明らかに異なる表情をしている。

 

「なんだか今のアラン、すごく楽しそう」

「今まではずっと真剣そうな顔ばかりでしたが、今は、心からバトルを楽しんでいる、そう、普段のサトシになんだか似ています」

 

なおも二人のバトルは続く。続いてアランの出したキリキザンは、ルチャブルをでんじはで麻痺させ、とびひざげりをかわされ、動けなくなっていたところに、ハサミギロチンを決め、勝利を収めた。これで二対ニ。

 

続いてアランはケンホロウ、サトシはファイアローを選んだ。同じ鳥ポケモン同士、フィールドの上空を縦横無尽、客席のすぐ近くまでにも及ぶ、激しい空中戦が展開される。はがねのつばさ同士の激突から、ニトロチャージとゴッドバードでのぶつかり合い。ケンホロウがエアスラッシュでダメージを与えたかと思うと、ファイアローがニトロチャージで反撃する。最後はゴッドバードとブレイブバード、共にひこうタイプ最高レベルの技同士のぶつかり合いの末、両者ダブルノックアウトで終わった。

 

「凄いバトルだね」

「だが、流石はサトシだな。今までの全てのバトルを合わせて、一体しか倒されたことのないアランのポケモンを三体は戦闘不能にしている」

「でも、サトシも三体倒されてる」

「後半戦、少しのミスが、命取りですね」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

共に三体倒されたことで、岩と水のステージから、変わり始める。次に選ばれたのは、障害物が何もない、草原のフィールド。特徴がほとんどないため、真っ向勝負となりそうだ。

 

『頼んだぜ、ピカチュウ!』

『行け、メタグロス!』

 

再びピカチュウを選んだサトシ。対するアランが選ぶのはメタグロス。かなりの体格差のある相手に、ピカチュウはどう挑むのか。

 

 

バトル開始と同時に、得意のスピードで撹乱しようとするピカチュウ。しかしこのメタグロス、こうそくいどうを覚えているため、見た目に似合わない超スピードで、ピカチュウを追い詰める。

 

『メタルクロー!』

『メッタァ!』

 

弾き飛ばされるピカチュウ。更に追い討ちをかけるようにいわなだれ、コメットパンチと、強力な技が次々に決まる。ピカチュウはもうボロボロだ。

 

トドメとばかりにコメットパンチを繰り出そうとするメタグロス。しかし、サトシの声援を受け、諦めないピカチュウは、渾身のエレキボールをメタグロスに叩き込んだ。一瞬動きが止まるメタグロス。

 

『メタグロスに飛び乗れ!』

 

意表を突き、メタグロスの頭に乗るピカチュウ。これでメタグロスは攻撃ができない。慌てて振りほどこうとするも、しっかりとつかまっているピカチュウは、落ちることなく、10まんボルトでメタグロスを攻撃する。

 

ピカチュウが先に落ちるか、メタグロスが先に倒れるか。根比べとなったこのバトル。

 

「すごい、ピカチュウ。全然落ちない」

 

スイレンのつぶやきに、みんなが頷く。最も、セレナも知らないことではあるが、ピカチュウは全速力で飛びまわるラティオスの背中にしがみついて、長時間攻撃を続けたこともあり、メガラティアスの背中に乗って戦ったこともあるのだ。それに比べれば、メタグロスの動きは、耐えられないものではない。

 

しかしそこは流石にアランのポケモン。高速回転することでピカチュウのバランスを崩し、宙に放り投げた。それでも、ピカチュウから受けたダメージは決して軽いものではなく、メタグロスが膝をつく。

 

『アイアンテール!』

 

落下しながらも、狙いを定めるピカチュウ。膝をつき、動けずにいたメタグロスの頭に、落下の勢いをそのまま上乗せした、渾身のアイアンテールを叩き込んだ。その衝撃で巻き上げられた土煙が晴れると、メタグロスは目を回していた。

 

「すごいじゃん、ピカチュウ!」

「バンギラスに続いて、メタグロスまで倒しちゃったよ!」

「まさにジャイアントキラーって感じだな……」

 

これでまたサトシが一歩リードする。ここでアランが選んだのは、

 

『行け、リザードン!』

 

なんと今大会負けなし、彼の絶対的エースのリザードンだった。既にボロボロとはいえ、サトシのパートナーのピカチュウに確実に勝つための選択をしたようだ。

 

『まだまだ上げていくぜ!でんこうせっか!』

 

しかしそこは流石のピカチュウ、リザードンに臆するどころか、真正面から迎え撃つ。リザードンの胴体にピカチュウが激突する。その反動で飛び上がると、今度はすかさず10まんボルトを浴びせる。

 

効果抜群のその技に、流石のリザードンも膝をつく。しかし倒れることはしない。

 

逆に着地したピカチュウは、先のバトルのダメージもあって、疲れが見える。そこへリザードンのかえんほうしゃが炸裂、ピカチュウは地面を跳ねて後退させられる。それでも立ち上がるその姿に、カキたちは驚きを隠せない。

 

今まで何度もピカチュウのバトルは見てきた。だが、このカロスリーグの映像で彼らが見たピカチュウの姿は、自分たちの知っているピカチュウとは違った。バトル時に感じる迫力と覚悟、そして追い詰められてなお見せるバトルへの熱意。それが段違いなのだ。

 

「これが、本気のピカチュウ……」

「あれだけバトルして、ダメージも少なくないはずなのに」

 

『かえんほうしゃ!』

『アイアンテールだ、砂を巻き上げろ!』

 

再び襲い来る炎を、ピカチュウは地面に尻尾を叩きつけ、砂を巻き上げることで防ぐ。続くドラゴンクローに対し、ピカチュウは地面を蹴り、アイアンテールで迎え撃った。

 

空中で交わる二体のポケモン。片方が弾かれ、地面に叩きつけられた。

 

『ピカチュウ戦闘不能、リザードンの勝ち!』

 

遂にここで、リザードンによってピカチュウが倒された。再び残りポケモンは同数になる。

 

「いよいよだね、このバトルの終わりも」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

決勝戦も終盤、サトシはヌメルゴン、アランはリザードンを戻し、キリキザンを出した。

 

でんじは対策も兼ね、ヌメルゴンの好きなフィールドに変えるため、あまごいを指示するサトシ。フィールド上空を、黒い雲が覆う。

 

『ヌメルゴン、れいとうビーム!』

『かわしてアイアンヘッド!』

 

先制攻撃をとるヌメルゴンだが、キリキザンは持ち前のスピードでそれをかわし、接近する。アイアンヘッドが決まるかと思いきや、ヌメルゴンは頭の触角部分を使ってキリキザンを受け止めた。

 

そのまま投げられるキリキザンめがけ、りゅうのはどうが襲いかかるも、咄嗟にきあいだまで相殺してみせる。

 

連続で攻撃して来るキリキザンに対し、ヌメルゴンはがまんで対抗。攻撃を耐えきり、強力な一撃を決める。キリキザンが膝をつくが、まだ倒れない。反撃とばかりにアイアンヘッドがヌメルゴンの喉に決まった。

 

『ハサミギロチン!』

『りゅうのはどう!』

 

駆け出したキリキザンに対し、りゅうのはどうを放つヌメルゴン。しかし先程の喉への攻撃のために、力を十全に発揮することができなかった。攻撃はあっさりと切り裂かれ、ヌメルゴンの側をキリキザンが通り抜けた。キリキザンが技をしまうと、ヌメルゴンの巨体が倒れこむ。一撃必殺、戦闘不能だった。

 

「ヌメルゴン、負けちゃった!」

「これでサトシはあと一体、逆転されました」

 

これまでなんとかリードを保っていたサトシだったが、最終局面に来て、アランがリードをもぎ取った。サトシは残り一体。その一体は当然、

 

『ゲッコウガ、君に決めた!』

 

雨が降る中、登場するゲッコウガ。最後の一体、それも決勝戦。大きなプレッシャーを感じていてもおかしくないというのに、腕を組み冷静に相手を見据えている。レポーターの女性が、もしゲッコウガが倒されれば、サトシの敗北が決まると言っている。

 

「まだ負けたわけじゃないのに、もう負ける空気になってるのかな?」

「まぁ、実際アランの実力を嫌という程見て来たんだ。そう思っても仕方ないだろうな」

「でも、まだわからない」

「そうだよ!ゲッコウガの力だって、間近で見て来たじゃん!」

「そうですね。最後まで諦めないのが、サトシたちですもの」

 

「サトシのこと、みんなよく分かってるわね」

「まぁ、セレナ達ほどじゃないけど、結構一緒にいろんなことをしたからなぁ」

 

『キリキザン、全精力をかたむけろ!』

『やるぞ、ゲッコウガ!』

 

キリキザンがアイアンヘッドでゲッコウガ目掛けて走る。対するゲッコウガはかげぶんしんで撹乱する。そしてキリキザンが見せた僅かな隙に、みずしゅりけんを命中させる。大きく吹き飛ばされたキリキザンは、アランの目の前で止まるが、目を回している。

 

「?なんか、みずしゅりけんの威力が、いつもより上がってないか?」

「あ、そうだ!これ、雨のおかげ!」

「確か、雨の時、みずタイプの技の威力は上がります。先程のヌメルゴンのあまごいが、ゲッコウガに力を貸してるんです!」

 

狙っていたのかはわからない、いや、実際狙ってはいなかったのだろう。だが、ヌメルゴンからゲッコウガへと、タスキがしっかりと繋がれていた。未だ雨の続く中、遂にアランも最後の一体、リザードンを繰り出した。

 

ここまで圧倒的かつ、絶対的な強さで、他のポケモンをまるで寄せ付けなかったリザードン。対するは、今大会で最も注目を集めたと言っても過言ではない、ゲッコウガ。この二体の対決が始まろうとしている。

 

走り出したゲッコウガと、飛び上がるリザードン。かえんほうしゃでゲッコウガを狙ったリザードンだったが、ゲッコウガはその炎をかわしながらも、勢いを止めることなく接近する。光の刃を手に持つゲッコウガが、その刃を力の限り迫り来るリザードンの胴体に叩きつける。

 

大きく後退させられるリザードンは、膝をつく。とここであまごいの持続時間が切れる。雲が晴れ、フィールドが一気に明るくなる。これによって先程までゲッコウガの持っていた優位性がなくなった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『ゲッコウガ、フルパワーだ!』

『我が心に応えよ、キーストーン。進化を超えろ、メガ進化!』

 

ゲッコウガを激しい激流が包み込み、リザードンが眩い光に包まれる。両者の姿が変わる。共により強大な力を解放し、サトシとアランの頂上決戦が、今始まった。

 

『走れ、ゲッコウガ!かげぶんしん!』

『かえんほうしゃで薙ぎ払え!』

 

リザードンに向かって走りながら、分身を作り出すゲッコウガ。それを見ても焦ることなく、アランの指示により、リザードンはかえんほうしゃで次々に分身を消して行く。

 

『みずしゅりけん!』

 

爆煙の中、炎をかわし、ゲッコウガの本体が飛び出し、背中のみずしゅりけんをリザードンに投げつける。

 

『ドラゴンクロー!』

 

すかさずエネルギーを集約させた爪でそれを切り裂くリザードン。続けて高く飛び上がったゲッコウガのつばめがえしと、リザードンのドラゴンクローが激突する。連続でぶつかり合う中、ドラゴンクローがゲッコウガの胴体を捉え、弾き飛ばす。

 

背中から倒れたゲッコウガ目掛けて、空からリザードンがかえんほうしゃで狙い撃つ。立ち上がったゲッコウガは、水で作られたクナイを両手に、真正面からその炎を切り裂いて見せた。

 

『ブラストバーン!』

 

アランのリザードン最強の技、ブラストバーンがゲッコウガを襲う。大地を割り、灼熱の炎が溢れる。今まであらゆる敵を仕留めて見せたその技に対し、サトシは、

 

『みずしゅりけんを地面に突き刺せ!』

 

ゲッコウガが地面にみずしゅりけんを叩きつける。その衝撃で地面が割れ、水が噴き出した。ブラストバーンと衝突すると、爆発が起きる。急速に熱せられ、水は消えたが、ブラストバーンを防ぐことには成功した。

 

「嘘!」

「あんな防ぎかたがあるなんて……」

「なんつー力技だよ……」

 

『つばめがえし!』

 

蒸発した水蒸気が視界を覆う中、ゲッコウガは素早くリザードンに接近し、胴体に一撃入れ、かかと落としでリザードンを地面に叩きつける。

 

「やったぁ!」

「やっぱりゲッコウガ、強い」

「だが、あのリザードンも相当なものだ。このまま行けるといいんだが」

 

『サトシ、君とバトルすることができて、俺は今とても楽しいよ。ありがとう。だが、俺は最強でなければいけない。もう誰にも負けられない!リザードン、ドラゴンクロー!』

 

アランが吼える。それに応えるように、リザードンが今まで以上の迫力でゲッコウガに迫る。繰り出されたドラゴンクローは、ゲッコウガをフィールドの半分以上後ずさらせた。

 

『俺も、アランみたいな強いトレーナーと戦えて、とっても嬉しいぜ。でも、これで最後だ。どっちに転んでも恨みっこなしだ、アラン!受け止めろ、俺たち全員分のフルパワーだ!ゲッコウガ、いあいぎり!』

 

アランに負けじとサトシとゲッコウガが更に気合いを入れる。フィールドの中央で、ゲッコウガとリザードンがぶつかり合う。クナイと爪が激しくぶつかり合う。

 

『かみなりパンチ!』

『みずしゅりけん!』

 

電撃を纏った拳を繰り出すリザードン。対するゲッコウガは、みずしゅりけんを刀のように持ち、その攻撃を見事にさばいている。力を込めて振るわれたみずしゅりけんに、リザードンがかみなりパンチを解いてしまう。その一瞬に、大きくみずしゅりけんを振るうゲッコウガ。リザードンは胴体に攻撃を受け、後退した。

 

『行くぞ、アラン!みずしゅりけん!』

 

みずしゅりけんを掲げるゲッコウガ。再び、ゲッコウガ。激しい激流が包み込み、みずしゅりけんに吸収される。激流が弾け飛ぶと、ゲッコウガの頭上には、今までにないほど巨大になり、赤く燃えるように輝く手裏剣が浮かんでいた。

 

『ブラストバーン!』

 

みずしゅりけんが放たれるとほぼ同時に、リザードンも渾身の力を込めて地面を殴りつける。先程よりも更に力強い炎が、大地から溢れ出てくる。互いに迫る炎と水は、同時に命中した。激しい爆発がフィールド全体を包み込む。

 

黒煙と白煙が上がり、ゆっくりと晴れていく。フィールドには、立ったまま睨み合う二体がいる。ふらりと、一瞬よろめくリザードン。そして、ゆっくりと倒れこみながら、元の姿に戻ったのは、ゲッコウガだった。後ろには肩で大きく呼吸をするサトシ。

 

『ゲッコウガ、戦闘不能!リザードンの勝ち!よって勝者、アラン選手!』

 

決着はついた。会場も激闘に次ぐ激闘を繰り広げた彼らに惜しみない拍手を送っている。そしてマオたちも、映像だということやもう真夜中近いことを忘れ、目一杯拍手をしている。

 

「ああ〜、すっごく惜しかったのに」

「まさかゲッコウガが負けちゃうなんて」

「でも、凄いバトルだった」

「はい。わたくし、たくさんのことを学んだような気がします!」

「今まで俺が見た中で、間違いなく一番熱いバトルだったぜ」

 

「どうだった?自分のバトルを見てみて?」

「そうだな……あの時ああしてれば結果は変わったかな?みたいなことは思うよ。でも、一番はあの時の楽しさを思い出すかな。またアランと、バトルしたいぜ」

「ふふっ、流石サトシね。前向きで諦めない。また挑戦できるといいわね」

「ああ」

 

 

激闘続きのカロスリーグ、その振り返りもついに終わりを迎えた。画面の中では、握手を交わすサトシとアラン。敗れはしたものの、サトシは満足そうだ。全身全霊をかけたバトル、その事自体が嬉しいのだろう。

 

あんなサトシのバトルが、自分たちも見られるのだろうか。その地方でゲットしたポケモンたちだけであそこまでになったサトシ。では、モクローやルガルガンたちも、あれほどの力を持つようになるのだろうか。

 

島巡りの先に、サトシたちがどうなるのかが、楽しみになってきたアローラ組。しかし、修学旅行はまだまだ続く。

 




夏の映画ももうすぐですなぁ
作者はudcastに適応したやつが出るまでは行かないので、暫くネタバレや映画の話題は無しでお願いします笑
見たらきっとまた投稿しますので、その時にね

さてさて修学旅行、次からは更に特別編に入ります
修学旅行中のサトシ宛にかかって来た招待の電話。せっかく近くに来たのだからと、修学旅行の延長で、それにみんなで同行することに。迎えのヘリに乗った彼らが辿り着いた先は……

また、何名かゲストが登場する予定ですが、必ずしも期待通りのキャラとは限らないので、その辺りはご了承ください。
全部作者の気分次第ですので

詳細は続報を待て!ということで
あと、活動報告でアイディア募集中です
詳しくはそちらを
では、どうぞ

では最後にヒントを一つ









『波導ハ我ニアリ』

みんなもポケモン、ゲットだぜ!

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