XYサトシinアローラ物語   作:トマト嫌い8マン

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UDcast対応、28とかそこらなんですって
あぁ、まだ見に行けないよ〜

まぁ、それはさておき

今回から修学旅行の場所を暫し変えます
え、ここで!?と言う感じのゲストもいますね

あと、せっかく答えてくれた衣装なんですが、舞踏会向けではなかったので、今回ではなく、また別の機会に着せてあげられたらいいと思います、すみません

では、どうぞ〜


お城にご招待?

翌日、サトシたちが研究所に集まると、オーキド博士がサトシに電話がかかって来たことを伝えた。

 

「俺に?」

「そうじゃよ。繋いであるから、行って来なさい」

「はい」

 

誰からの電話だろうか。首を傾げながら、サトシは電話に出てみる。画面が切り替わり、一人の女性が映し出される。長く美しい髪に、上品な衣装。腕の中にはマネネを抱いていて、そばには眼鏡をかけたメイドが控えている。

 

『サトシ、ピカチュウ、久しぶりですね』

「アイリーン様!?」

 

電話の相手は、カントーにある湖に囲まれた町、ロータ。そこにある城、オルドラン城の城主にして女王、アイリーンだった。

 

かつてバトルフロンティアを巡る途中、その年の波導の勇者を決めるバトル大会に、サトシは参加した。見事優勝したサトシは、波導の勇者として勇者の杖を手渡されたのだった。しかし、それは更なる冒険の始まりで、サトシにとっても衝撃の連続だった。

 

「お久しぶりです」

「ピカチュウ!」

『元気そうですね。今も旅を続けているのですか?』

「はい!アイリーン様、急に電話なんて、何かあったんですか?」

『実は、今日の午後から、波導の勇者たちを讃えるためのお祭りを行う予定なのです。昨年は色々あり開催できなかったので、今年の開催にあたって、前回の波導の勇者でもある、サトシを招待したいと考えています』

「俺を、招待ですか?」

『ええ。それに、ポケモンバトルも開催されます。波導の勇者、サトシ。あなたの勇姿、今一度私に見せて頂けますか?』

 

まさか女王直々に招待がかかるとは、思ってもいなかった。それに、丁度カントーに戻って来ているこの時。まるで行くしかないと誰かが言っているようにも思える。が、今は修学旅行という学校行事の最中。単独行動は控えるのがマナーだろう。

 

「アイリーン様、ちょっと待っててもらってもいいですか?ちょっと博士たちにこのことについて相談しないといけないので」

『ええ。わかりました』

 

急いで博士たちの元へ向かったサトシ。軽い説明をし、今度はオーキド博士にククイ博士、そしてクラスメートたち(+1)を連れて、電話機の前に戻る。

 

「改めてご挨拶を。ポケモン研究家のオーキド・ユキナリです。サトシが一度そちらでお世話になったようで、ありがとうございます」

『こちらこそ。サトシがいなければ、救えなかったものがたくさんありました。お礼を言うべきは、私たちの方です』

「初めまして、女王アイリーン様。私はククイと言います。私たちはサトシと一緒に、アローラ地方からこのカントーに来ました」

『まぁ、そうでしたか。では、皆さんもご一緒にどうですか?バトルの後には、舞踏会もありますので、是非ご参加ください』

「我々まで、いいんですか?」

『ええ。サトシの友人であるなら、断る理由がありません。すぐに迎えを向かわせますね。サトシ、楽しみにしていますよ』

「はい!ありがとうございます!」

 

と、いうわけで……

 

しばらくしてやって来たヘリに乗って、サトシ、ククイ博士、クラスメートたちにセレナは、サトシにとって懐かしい街、ロータへと向かうのだった。

 

手を振りながら見送るオーキド博士に、何か既視感あるのは気のせいだろうか……

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ほわぁ〜」

「何か、すごい」

「とても歴史を感じます」

 

ヘリから降りた彼らの前には、大きな湖に囲まれた城が立っている。石造りの橋は多くの人で賑わっている。

 

「ありがとうございます、キッドさん」

「気にしないで。私も久しぶりに君に会えて良かったわ。あの時の借り、返したいとも思ってたしね」

 

ヘリの運転手をしてくれた女性と話すサトシ。キッド・サマーズ、かつてサトシがこのロータに訪れた時、一緒に行動することになった有名な冒険家でもある。波導の勇者を決めるバトル大会では、サトシに次いで準優勝しており、バトルの実力も確かだ。彼女もアイリーン様に招待されたらしく、サトシの迎えを買って出たらしい。

 

「それじゃあ、城に行きましょう。中に昔の衣装がたくさんあるから、好きなのを借りられるわよ」

「ドレスとかもあるんですか?」

「もちろん」

 

ガールズが色めき立つ。ドレスを着て舞踏会で踊る。女の子ならば誰もが一度は憧れるものだ。一方、カキはバトル、マーマネはどんな豪華な料理が出るのかと、楽しみにしているようだ。

 

城に近づくサトシたち。彼ら以外にも、様々な衣装を着た人たちが、色鮮やかに飾り付けられた橋を渡っている。豪華な衣装を着ている女性を見て、ガールズ陣は更に盛り上がっている様だ。

 

ふと、サトシがどこからか視線を感じる。ちらりと城の上の方を見ると、一体のスバメが彼のことをじっと見ている。サトシと目が合うと、スバメは彼の下まで降りて来て、肩に止まった。

 

「?」

「ピカ?」

「ズバッ」

 

不思議そうにするサトシとピカチュウをよそに、スバメは何だか嬉しそうだ。取り敢えず離れる気はなさそうだが、サトシとしてもポケモンに好かれるのは嬉しいのでそのまま連れて行くことにした。

 

キッドに連れられ、城門を潜るサトシたち。城の扉の前に、二つの人影が見える。先程の電話でも映っていた二人だ。

 

「サトシ、皆さんも。ようこそ、オルドラン城へサトシ、少し大きくなりましたね」

「あ、アイリーン様、えーと、ご招待、ありがとうございます」

 

出迎え早々、サトシを抱きしめるアイリーンに驚きつつ、やや緊張した風にサトシも応える。正式な招待状をもらっているのは、たまたま訪れるのとはわけが違うと意識しているのか、やや動きも硬い。そんなサトシの緊張を察したのか、アイリーンはくすりと笑う。

 

「本物の女王様、綺麗〜」

「こんな城に住んでるなんて、すごいなぁ」

 

「さぁ、皆さん。お部屋に案内します。城には多くの衣装を用意してありますから、好きなものを着てくださいね」

 

メイドに案内され、サトシたちはそれぞれの荷物を部屋に置き、衣装部屋に向かった。色とりどりのドレスやアクセサリーに、女子は目をキラキラさせながら、選び始めた。

 

「女の子は流石、でんこうせっかだな。俺たちも、着替えるとしよう」

「「「はい」」」

「サトシ様。サトシ様には是非とも着てもらいたい衣装が用意してありますので、こちらへ」

「えっ。それって、もしかして……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

数分後……

 

みんなそれぞれ、気に入った衣装を見つけたらしく、着替え終わっている。マオ、リーリエ、スイレンは、以前ライチさんからもらったアクセサリーを身につけている。どういう時につけるべきか考えもしたが、まさかこんなところで丁度いい機会を得るとは思ってもいなかった。

 

カキは鎧姿。なんだかカロス地方の四天王の一人に似ている気がする。アローラでは基本上裸のカキがきっちりとした服を着ているのは、違和感ある。本人も普段と違う衣装に戸惑っているのか、しきりに袖や襟元を気にしている。

 

マーマネ が着ているのは、前にマサトが来ていたやつ……のサイズ違いだ。子供っぽい服装ではあるが、マーマネ自身が他と比べて背がやや低いためか、驚くほどよく似合っている。まぁ、やや動きにくそうではあるが。

 

ククイ博士が選んだのは、偶然か必然か、以前タケシがきていた衣装そのままだ。髪型とヒゲの有無を除けば、だいたい同じである。というよりも、サングラスをかけていないククイ博士は、なんというか、新鮮である。

 

さて、ここからは女性陣だが、そこは流石である。舞踏会という、そうそう参加する機会のないイベントに向けて、沢山用意されていたドレスやアクセサリーの中から、自分たちに似合うものを見つけ、着飾る。力の入れようが男性陣とは比べられるはずもない。

 

魅力の全てを語ろうにも語れないだろうが、ここまで来たら語るしかあるまい。

 

マオはロゼリアをモチーフカラーにしたデザインのドレス。ふわりと広がるスカートには二色の緑、明るいものとやや濃いめのもの。そのグラデーションが特に気に入ったそうだ。普段は二つに纏めている髪も、今日はキレイハナの頭についているものを参考にした髪飾りで片側に垂らされ、いつもの活発な姉御肌的な雰囲気と変わり、少しおとなし目の印象を与える。両耳にはライチに貰ったピアスがキラリと輝いた。

 

スイレンが選んだのはマリンカラーのドレス。いつもはどこかボーイッシュにも見える服装を着ているスイレンだが、印象が大きく変わる。ヒールを履いて見たため、いつもよりも目線が少し高くなっている。胸元に光るのは以前ライチがプレゼントしてくれた青い鉱石、それにチェーンをつけたネックレスだ。同じくライチさん作のZリング、そこについているZクリスタルも、案外アクセサリーとしても今の服装で違和感があまりない。

 

リーリエはサーナイトがモチーフになっているドレス。他の子達と違って、スカートは広がらず、サーナイト同じ様に、スラリとしたシルエットになる。袖の部分もややふんわりし、髪も下に垂れない様に纏められ、リーリエの上品さをさらに際立たせる。ライチの作った、白と薄い水色の石を使ったネックレスが、涼しげな印象を持たせる。白が本当によく似合う彼女は、まさしく清純さと気品のあるお嬢様、といったところだろうか。

 

セレナは初めてのポケビジョン作りの時に着ていたものと良く似たピンクのドレス。少し長くなった髪を少し大きめのリボンで纏めているが、なんだかカロス地方の旅の最初の頃を思い出させそうだ。白い手袋に、左胸の辺りについているのは、いつも肌身離さず持ち歩く青いリボン。旅の経験から、他の3人よりも精神的に大人びていたが、今の彼女は見た目も大人っぽく見える。

 

 

「あたし、こういうのあんまり着たことないからわからないけど、どうかな?」

「素敵ですよ、マオ」

「そうかな?でも、リーリエは流石だね。すっごく似合ってるよ」

「ありがとうございます」

 

「セレナ、その青いリボンって、さっきも付けてたやつ?」

「うん。いつも付けてるの。だってこれは、大切な贈り物だもの。スイレンは、そのネックレスついてる青い石、どうしたの?」

「前にもらったの。海の中みたいで、すごく好き」

「確かに綺麗な色してるわね。スイレンのイメージカラーにピッタリ」

 

「マーマネ、それ動きにくくないか?」

「ま、まぁね。でも、僕踊り方とか知らないし、バトルを見て、ご馳走を食べられればいいかな」

「お前らしいな」

「カキもマーマネも、決まってるな」

「博士こそ。でも、サングラスがないのはなんか珍しいね」

「ははは、そりゃどうも。カキはバトル大会に参加するのか?」

「はい。一応エントリーは済ませてあります」

「そっか。あとは、サトシだけか」

 

 

少し遅れて、サトシが戻って来た。その姿にマオたちのみならず、他の女性客までもが色めき立つ。

 

「なんか……今だとこの衣装、すごく重みを感じるな。それにこの手袋も……」

 

全体的に青を基調とした服装。青いブーツに黄色い紋章が描かれている青い帽子。背中にはマント。そして両の手には以前のとは違い、手の甲部分に水晶のような鉱石が嵌め込まれている青い手袋。あの日、あの場所で、サトシたちが見つけたものと、全く同じ。

 

以前よりもサトシもやや大きくなっていたが、衣装はサトシにぴったりのサイズだった。更に言うと、サトシが衣装を着た状態で見せたやや大人な雰囲気が、どうしようもない色気(本人に自覚なし)を周りに振りまく。

 

「サトシかっこいい!」

「それは、何の衣装ですか?」

「波導の勇者、アーロンのだよ」

「波導の勇者?」

 

首をかしげるスイレンの前に、セレナが旅でいつも使っていた二つ折りのナビを開く。そこに映されていたのは、城の壁にあった絵。杖を頭上に掲げ、その先端の鉱石に手をかざすアーロンが写っている。

 

「この街に伝わる伝説みたい。この杖を持っている人がアーロン、波導の勇者と呼ばれた人よ。伝説では、戦争を止め、城を守ったと言われてるわ」

「波導の、勇者……」

 

「波導の、勇者たちだよ」

 

そう小さく呟いたサトシは、手の甲、鉱石部分をそっと撫でながら、懐かしむような表情をしている。

 

「そろそろ会場に向かおう。女王様がせっかく特等席を用意してくださったんだ。サトシ、カキ、頑張れよ」

「「はい」」

 

サトシとカキは選手用の部屋へ、博士たちはメイドに案内され、特別観覧席へと向かった。

 

ちなみに、サトシの両肩には、ピカチュウとスバメが止まったままである。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

サトシとカキが選手たちの控え室に行くと、そこには既に何人ものトレーナーたちが揃っていた。鎧を着た騎士、大臣風の格好の男性、ドレスを着た女性もいる。

 

「来たわね、サトシくん」

「キッドさん!あれ、今回はドレスなんですか?」

「まぁ、今回は冒険家としてじゃなく、ゲストとして来たから。せっかくだからこういうのも楽しまないとね」

 

そう言ってウィンクするキッド。前は騎士の格好で参加していたから、サトシは少し驚いている。と、

 

「サトシ?」

「え?」

 

名前を呼ばれて振り返る。そこに居たのは長い髪を後ろに止め、女性用の甲冑を着た少女。左手の小手はなく、中央にキーストーンをはめ込んだ手袋のようなものをしていて、隣にはメガストーンを持ったルカリオ……って

 

「コルニ!?」

「やっぱりサトシだ!久し振りだね!」

 

カロス地方で出会い、暫く一緒に旅をして、激しいジム戦を繰り広げた相手。メガルカリオ使いのジムリーダー、コルニだった。

 

「久し振りだな、コルニ!ルカリオも」

「ピッカァ!」

「ルガゥ」

「サトシ、知り合いか?」

「ああ。こっちはコルニ。カロス地方のジムリーダーなんだ。こっちはカキ、アローラ地方でできた友達だ。それから前にここに来た時にあった冒険家のキッドさん」

「よろしくね」

「はい。よろしくお願いします、キッドさん。カキもよろしく」

「ああ」

 

サトシと同じで割と誰とでも打ち解けられるコルニ。ルカリオも相変わらず元気そうで、サトシもピカチュウも嬉しくなる。

 

「なんでここに?」

「ルカリオ特訓してた時に、もっと波動をコントロールできるようにしたいと思って。そしたら、お爺ちゃんが波導伝説について教えてくれたから、何か分かるかもって来てみたんだ」

「そうなのか」

「うん。あ、そうだ!実は調査も兼ねて来ているんだけど、二人ほど、同行者がいるんだ」

「二人?」

「うん。サトシも驚くと思うよ。一人は大会に参加してるし。確か一番手だったと思うよ」

「大会に?」

 

 

 

「これより、波導の勇者たちに捧げる、ポケモンバトルを開始します!」

 

と、丁度女王アイリーンによる開始の合図、第1のバトルが始まったようだ。控え室の窓からもフィールドが見えるため、サトシたちは覗いてみることにした。このバトルはポケモン一体だけで挑むもの。最初に出したポケモンを変えることができずに、最後まで戦い抜かなければならない。故に、自身のエースや、信頼できる相棒たちが選ばれる。

 

一人目は大臣風の男と、以前キッドが使っていたのと良く似ている黒い鎧にマント、目元を隠すマスクをした青年のバトルのようだ。男が繰り出したのはラグラージ、青年は、

 

「行け、リザードン!」

 

みずタイプ相手にほのおタイプのポケモンで挑むというのに、青年の口元には落ち着いた笑みが浮かんでいる。リザードンも気合いを入れるように吠える。その首元には、サトシたちに見覚えのある飾りと石が。

 

「あれって、カロスリーグの映像で見たメガストーン、だよね?」

「それにあのリザードン……」

「ねぇセレナ。もしかして、あれって……」

「うん。間違いない」

 

観覧席でマオたちが驚いてるのと同じくらい、カキも驚いていた。何故なら、あれは間違いなく、

 

「サトシ、あれは」

「ああ」

 

コルニとカキがサトシの表情を伺う。ギラギラとした瞳に、嬉しそうな笑み。この表情は、本当に強い相手、ライバルとの戦いで見せたものだ。

 

「来てたんだな……アラン!」




と、いうわけで、やって来ましたよオルドラン城!

女性陣の服装……自分で書いといてなんですけど、可愛くなってるのかなぁ。絵がないからわからない笑

そして登場ゲストはキッド、アラン、コルニ、マノンの四人でした〜
アランのメガストーンとかはちゃんと自分で見つけたものです、はい

あ、あとスバメ……うん、スバメだよ……

次回からバトル編ですね
今年の波導の勇者は、誰だ!

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