XYサトシinアローラ物語   作:トマト嫌い8マン

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よしっ!ようやくカントー地方のアニメの話に繋げられそうだ!

ちょっと短いのは許してつかぁさい
これでも必死にない頭絞ってるんで
ちゅーか今日はちょっと頑張りすぎたかな?笑

あっ、ルカリオ強すぎかもしれませんが、あくまで同じルカリオ同士ならこんくらい強いって感じでお願いします笑


さらばロータ!懐かしき仲間たち!

朝、全員で大きなダイニングで食事をとった後、サトシたちは波導の勇者を決める大会でも使われたバトルフィールドに来ていた。

 

「全力で行くよ、サトシ!」

「もちろんだ!」

 

コルニとサトシが気合いを入れる。観客席から二人を見守るセレナたち。勇者に仕えたというルカリオの実力が見られることに、マノンは特にワクワクしている。

 

「両者、ポケモンを!」

 

「行くよ、ルカリオ!」

「ルカリオ、君に決めた!」

 

「ブルァオ!」

『……』

 

大きく吠えるコルニのルカリオに対し、サトシのルカリオは静かに閉じていた目を開く。鋭い眼光は歴戦の勇者のそれを思わせ、コルニと相棒は思わず武者震いする。

 

「行くよ、ルカリオ!はどうだん!」

「ブルァオ!」

 

先手必勝とばかりに、コルニのルカリオが仕掛ける。波動のエネルギーを集めた一撃は、サトシのルカリオめがけて真っ直ぐ放たれる。ところがサトシのルカリオは一切避ける様子がない。

 

「受け止めろ!」

 

サトシの指示にルカリオがスッと片手を上げて、はどうだんに向けて突き出す。

 

『ブルォ!』

 

軽く息を吐き、腕に僅かに力を込める。たったそれだけのことだというのに、ルカリオの元にたどり着いたはどうだんが雲散霧消した。効果抜群のはずの攻撃が効かないどころか打ち消されたことに、コルニたちだけでなく、誰もが目を見張る。

 

「えっ、なんで!?」

『攻撃に込められている波導を散らした。波導を使う者同士の戦いでは、より波導を極めたものに軍配があがる。修行を続けることで、自分のだけではなく、あらゆる物の波導に干渉できるようになる』

 

冷静に説明するルカリオ。相手のその言葉に、コルニは改めて目の前の相手の圧倒的な力を感じ取った。祖父コンコンブルのパートナーのルカリオも、相当波動を使いこなしていたものの、こんな使い方をしたことはなかった。

 

「やっぱり強いね……ボーンラッシュ!」

「かわせ!」

 

長いホネをエネルギーで形成し、コルニのルカリオが飛びかかる。連続に振るわれる攻撃を、しかしサトシのルカリオは必要最低限の動きのみでかわす。大振りの一撃をかわしたその隙に、サトシのルカリオの手が、コルニのルカリオの腹部に添えられる。

 

「そこだ!」

『ブルァ!』

 

先ほどと同じように軽く力を込めるルカリオ。ほんの僅かにしか力を込めていないように見えるのに、コルニのルカリオが大きく弾き飛ばされ、壁に激突する。

 

「これって、ポケモンの技……じゃない!?」

『はどうだんの要領で、波導を指先に集中させた。波導を圧縮させることで、開放した時に爆発的な攻撃力になる』

 

息一つ乱さず、コルニのルカリオの攻撃をさばき、カウンターを決めるルカリオ。同じルカリオでも、ここまで圧倒的な差があるとは……

 

 

「こうなったら、やっぱり全開で行かないとね!」

「ブルァウ!」

 

コルニが手袋のキーストーンに触れる。あふれ出した光がルカリオの体を包み込み、変化させる。

 

「メガ進化!」

「ブルァオォ!」

 

『その姿はっ』

 

さらに雄々しく、どこか禍々しくもある姿に変わった同族の姿に、流石のサトシのルカリオも驚いている。

 

「ここからが本番だよ!グロウパンチ!」

 

拳を光らせ、メガルカリオが駆け出して行く。先ほどよりも素早く接近し、拳を振るう。先ほどよりも大きく威力も上昇した素早い攻撃をも、しかしルカリオは冷静に受け止める。

 

強力な波導のぶつかり合いで、周囲に波紋状に波導が伝わる。

 

『なるほど。波導の力も増しているようだ。だがあくまでそれは量の話。大きな力を持ったとしても、』

 

もう片方の手で繰り出されるメガルカリオの拳に対し、ルカリオは体を逸らすようにしてかわしてしまう。ただ拳を振るっただけではなく、波動による攻撃も織り交ぜていたのに、それさえもあっさりと。距離を取るルカリオが両の掌を合わせるように構える。

 

『制御出来なければ、意味がない』

「ルカリオ、ボーンラッシュ!」

 

すぐさま放たれるはどうだんを、メガルカリオは両手に持ったエネルギーで形成した骨で防ごうとする。しばしその場で踏ん張りながらも、防御が弾かれ、メガルカリオが大きく吹き飛ばされ、地面に背をつけて倒れる。

 

「ここまで違うなんて……」

 

コルニが思わず拳を強く握る。メガ進化ができるようになってから、自分と相棒はかなり鍛えきた。相棒は波動を極めんと、祖父のルカリオからも学んでいた。けれども、このルカリオの波動への理解は、彼らとは比べ物にならないほど深い。

 

「でも、最後まで諦めるつもりはないよ!あたしも、ルカリオも!」

「ブルァオ!」

 

衝撃による痛みを振り払うように、頭を振りながらもメガルカリオが立ち上がる。その姿に、ルカリオの口元に笑みが浮かぶ。

 

『そうか。断言できる。そのルカリオは間違いなく強くなる』

「ありがとう。でも、バトルはまだ終わってないよ!はどうだん!」

 

メガルカリオの放ったはどうだんが、ルカリオめがけて一直線に進む。ルカリオが左腕を上げ、再び受け止める態勢に入る。

 

「ルカリオ、払いのけろ!」

『!』

 

と、突然の指示に、ルカリオが上げていた腕を横薙ぎに払う。周囲の波導を巻き込むことにより、はどうだんがかき消される。が、その後ろから、拳を輝かせたメガルカリオがもう目の前にまで迫っていた。

 

はどうだんを目くらましがわりに使用した追撃。ルカリオがはどうだんに意識を向けたその隙を、コルニたちは逃さなかった。

 

「行っけぇ、ルカリオ!」

「ブルァウォオ!」

 

勢いよくふり抜かれた拳がルカリオを捉えたように見えた。が、

 

「カウンター!」

『ブルァ!』

 

気がつくと、メガルカリオの胴体に、ルカリオの拳が炸裂していた。先ほどの一撃を、ルカリオは防ぐことに成功していたのだ。その場で膝から崩れ落ちるメガルカリオ。地面に倒れると同時に、メガ進化が解ける。

 

「コルニのルカリオ、戦闘不能!サトシのルカリオの勝ち!」

 

コールでバトルの終了が告げられる。

 

圧倒的なまでの力を見せた波導の勇者の姿に、誰もが驚き、改めてその名を背負うルカリオとアーロンの大きさを実感するのだった。

 

 

「あ〜、負けちゃった。悔しいけど、全然歯が立たなかったよ」

『そんなことはない。最後の奇襲、私一人ならまともに攻撃を食らっていた。サトシの指示がなければ、やられていたのは私かもしれない』

「はどうだんはルカリオ自身の波導を込める技だからなぁ。波導の形までちゃんと意識しないと、見極めるのは難しいのか?」

『そうだな。単純に位置や数だけを見るのとは、違う。波導を読む相手に対して、なかなかの対処法だった』

「まぁ、これでも特訓してるから。次は絶対勝って見せるからね!」

『楽しみにしてる』

 

悔しがりながらも満足気なコルニ。彼女と相棒の成長をどこか期待しながら、ルカリオは笑みをこぼした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「さてみんな、準備はいいか?」

 

集合したサトシたちに確認を取るククイ博士。そろそろロータともお別れの時が来た。

 

「気をつけてくださいね」

「ありがとうございました、アイリーン様。とても貴重な経験をさせていただき、私も学ぶことが多かったです」

「それは良かったです。是非皆様も、またいらしてくださいね」

 

「「「「「「はい!」」」」」」

 

「ルカリオ。サトシを、あなたの主人を、しっかりと守り導いて上げてくださいね」

『もちろんです』

 

「サトシ、俺たちはこれからカロスに帰る。思っていたよりも大きな経験をしたしな」

「そっか。プラターヌ博士やシトロンによろしく伝えてくれないか?」

「任せろ」

 

「セレナ、またね!」

「うん。コルニとマノンも、元気でね」

「もっちろん!」

「今度はセレナともバトルしてみたいかな」

「そうね。今度会った時は、お願いしようかな」

 

挨拶を交わすサトシたち。ここでアラン、マノン、コルニとはお別れとなる。キッドさんも自分たちを送った後は、また何処かに冒険しに行くらしい。

 

「サトシ。これを」

「えっ、でもこれって……」

 

アイリーンがサトシに手渡したのは、アーロンの身につけた波導のグローブ。レプリカや衣装などではなく、正真正銘の本物だ。

 

「波導の導きが、あなたの上にありますよう、祈っています。きっとそれはあなたの役にたつでしょう」

「……ありがとうございます、アイリーン様。きっとまた来ますね!」

「ええ。待っています」

 

ヘリコプターに乗り込んで行くサトシたち。と、サトシの肩にスバメがとまる。こっちに来た時に最初に見たのと同じスバメだろうか。スバメがサトシに軽く頬ずりをして、頭を差し出す。

 

一瞬キョトンとしたサトシだったが、意味を察して優しくその頭を撫でる。満足そうな笑顔になったスバメが飛び立って行く。その行く先は遠くに見える世界の始まりの樹。あれ?っと、首をかしげるピカチュウに、訳知り顔のルカリオ。ただ、サトシたちの中に、そのことに気づいたものは、いなかった。

 

 

 

ヘリコプターが飛び立ち、城がどんどん小さくなって行く。最後まで見送ってくれているアイリーンたち。手を振りながらサトシは新しい仲間の入ったボールをそっと撫でる。

 

「行こうぜ、新しい冒険へ」

 

 

 

さて、サトシたちがロータを出る数時間前。カントー地方のとある町。二人の男女がオーキド研究所に来ていた。

 

「どうやらサトシたちは直接そちらに向かうようじゃ。準備の方、よろしく頼むぞ」

「わかりました」

「しっかりと準備して待ってますね」

 

 

「いよいよね」

「ああ。俺も久しぶりだからな。楽しみだ」

「にしても、あのサトシが学校ねぇ。ちょっと想像つかないかな」

「まっ、あいつがどれだけ成長しているのか、しっかりと見てやらないとな」

「そうね。なんてったって、最初のサトシを知ってるんだもの」

 

オレンジの髪に片側で結ばれた髪の少女が、なんだか呆れたような、それでいて嬉しそうな表情を浮かべる。側に立つ糸目で濃い肌の色の男性が優し気に笑い頷く。

 

ポケモンスクール修学旅行もいよいよ大詰め。最後に待っているのは、果たしてどんなイベントなのか。

 

 

…………… To be continued




ヘリコプターで連れていかれた先。

そこはオーキド研究所でも、マサラタウンでもなくて……

へ、ジム戦の体験?ってことは誰かとバトルするのか?

あれ、あの二人ってもしかして!?

次回
『最初の仲間!激突本気のジムバトル!』
みんなもポケモン、ゲットだぜ!

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