魔法科高校の劣等生~賢愚の従姉妹~   作:水戸 遥

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ささっとどうぞ!


「入学式」

「深冬、そろそろ起きなさい」

「(´・д・`)ヤダ」

「起きなさい」

「ヤダ」

「オ・キ・ナ・サ・イ・?」

――ビクッ、シュバッ

「さぁて、今日も頑張るぞっと」

 

 

今日は第一高校の入学式です。まぁ、出たくないですけどね。

なんせ、怒らせると怖い人が総代なので。

 

いろいろ割愛して今は講堂に居ます。

「達也、あたしは前に行くね」

「あぁ、まあ後でな」

「うん、じゃね」

 

――校長先生の式辞のあと深雪、あたしの従姉妹が答辞を述べた。

 

そして、「深冬待った?」あ、来た。最恐の従姉妹が。

「いま、何か失礼なこと考えたわね。ミ・フ・ユ?」

「ナンノコトダロナ~」(;´∀`)

さて、達也のとこに行きますか。

 

「お兄様、お待たせ致しました」

「よっ、達也、お待ちどう」

 

講堂の出口に近い隅で話をしていた達也の背後から声をかけた。

 

一応隣には、七草会長がいるのだが、深雪は気にも留めず。

「お兄様、その方たちは……?」

 

「あぁ、こちらが柴田美月さん。そしてその隣が千葉エリカさん。同じクラスだ」

「そうですか……早速、クラスメイトとデートですか?」

にこやかな笑顔で小首をかしげるが……その目は笑っていない。

「そんなわけないだろ、深雪。お前を待つ間、話をしてたんだ。大体そういう言い方は二人に失礼だろ?」

(それより、深雪。ご挨拶。)

「はじめまして、柴田さん、千葉さん。司波深雪です。横にいる深冬の従姉妹です」

「深冬です。柴田さん、千葉さん。よろしく」

 

四人のあいさつはフレンドリーなものになった。

 

「そういえば深雪、生徒会の方々の用はすんだのか?」

「大丈夫ですよ、今日はご挨拶をさせていただいただけですから。深雪さん、詳しいお話は、また後日」

真由美が答えた。

「あっ、はい」

「しかし会長、それでは予定が……」

「あらかじめ予定していたものがあるのなら、そちらを優先すべきでしょう?」

「それでは深雪さん、今日はこれで。司波君と……『深冬です』深冬さんもいずれまた、ゆっくりと」

その真由美さんの横に居た男子生徒が振り返り舌打ちしながら達也をにらんだ。

「……さて、帰ろうか」

それからは、五人で、途中カフェテリアによりお茶して帰った。

 

夜になり家のリビングでゆっくりしてると、お姉がやってきた。

「お兄様何かお飲み物は?」

「コーヒーを頼む」

「かしこまりました」

「深雪、あたしには~?」

「もちろんありません」

「えっ」

「当然でしょう?予定の時間に間に合ったからいいものの、間に合わなかったらどうするつもりだったの?寝坊魔さん?」

「ハイ、ゴメンナサイ」

そして深雪がキッチンから戻ってきた。

「お兄様、どうぞ。それと、仕方ないから。はい、深冬」

「深雪、ありがと~」

「うん、うまい」

その一言で、深雪がにっこりとほほ笑む。

そこからは普通にコーヒーを嗜む。

「――すぐにお夕食の支度をしますね。深冬」

「手伝えでしょ、はいはい」

「はいは一回」

兄妹(+従姉妹)の三人でのいつもどおりの、夜が更けていった。

 

高校生二日目の目覚めも、いつもと同じだった。

 

ダイニングに下りると、すでに二人でで朝食の準備を始めていた。

「おはようございます、お兄様……どうぞ」

「おはっす、達也」

「ありがとう」

 

再び調理台に戻る妹たちに「行ってくる」と声を掛けようとした時、二人は手を止め振り返った。

「お兄様、今朝は私たちもご一緒させていただこうかと思っているのですが……」

「それは構わないが……二人とも制服で行くのか?」

 

「先生にまだ、進学のご報告をしておりませんので」

「それにお兄の鍛錬に私たちはついていけないしね」

それが二人の答えだった。

「分かった。別に朝練で深雪が俺と同じことをする必要はないんだが、そういう事なら師匠も喜ぶだろう……喜びすぎて、たがが……大丈夫か」

「あたしが、深雪を守るからね」

 

    ◇◇◇

 

 

まだ少し肌寒い、清々しい早朝の空気に長い髪とスカートの裾をなびかせて、ローラーブレードで坂道を滑り上る少女たち。

「「少しペースを落としましょうか(落そうか)?」」

「いや、それではトレーニングにならない」

 

それから、三人は自宅から十分の距離――車と同じスピードでだが――にある、小高い丘の上の「寺」だ。

だがそこに集う者たちは「僧侶」や「和尚」、あるいは「(小)坊主」にさえ、到底見えない。

あえて相応しい存在を当てはめるとすれば、「修行僧」、いや、「僧兵」の方が適当だろうか。

女声には敷居が高い、特に若い女の子は怯えて近づけないような雰囲気の中に、達也以外の二人はローラーブレードのまま入っていった。

達也は先に寺の中に入っており手荒い出迎えを受けていた。

出迎え、というのは、要するに稽古の事だが。

「深雪くん!久しぶりだねぇ」

「先生……っ。気配を消して忍び寄らないでくださいと、何度も申し上げておりますのに……」

「忍び寄るな、とは、深雪くんも難しい注文を出してくれるんだねぇ。僕は『忍び』だからね。忍び寄るのは性みたいなものなんだけど」

 

「ところで、それが第一高校の制服かい?」

「はい、昨日が入学式でした」

「そうかそうか、う~ん、いいねぇ」

「……今日は、入学のご報告を、と存じまして……」

「真新しい制服が初々しくて、清楚な中にも隠しきれない色香があって」

「…………」

「そう……萌だ、これは萌だよ!ムッ?」

それからは言うまでもなく、あたしが攻撃した。あとから達也も加わったが。




お読みいただきありがとうございました。

ちなみに深冬のクラスはA組です。
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