マジキチが問題児たちと異世界から来るそうですよ?   作:鎌鼬

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マジキチが蛇神と戦うそうですよ?

 

 

「ヤハハッ!!凄えなあんた!!俺について来れるなんて思わなかったぜ!!」

 

「色々と小細工してるからな。にしても速すぎるだろうが逆廻」

 

「十六夜で良いぜ!!その代わりに時雨って呼ぶけどな!!」

 

「了解、それと了承だ」

 

 

ついて来られる事が嬉しいのか笑う十六夜と共に森の中を走破する。

 

 

本当ならば黒ウサギの案内で箱庭の街へと向かうはずだったが十六夜が世界の果てを見に行くと言い出したのだ。黒ウサギの言葉が本当ならここは人外魔境、そこに十六夜を1人で行かせる事に気が引けて……そして世界の果てに興味を引いたので十六夜について行く事にした。

 

 

久遠と春日部には一応ついて行くと伝えたが黒ウサギには言ってないと思う。聞かれなかったからと悪びれずに言う2人の姿が目に浮かぶ。

 

 

それにしても十六夜は速い。十六夜はついて来られる事に驚いていたがこちらは十六夜がこの速度を維持したままで数十分走り続けられている事に驚いている。

 

 

こちらは母から習った魔導による自己強化で走っているが十六夜は()()()()()()使()()()()()()。素の身体能力だけで走っている。それなのに疲労した様子を一切見せていない。これはあの手紙や黒ウサギが言っていた恩恵(ギフト)によるものか?

 

 

そうやってしばらく走り続けていたら森を抜けて、拓けた水辺に出てきた。休憩のつもりなのか十六夜が足を止めたのでそれに従い、カバンの中から紙巻煙草(シガレット)を一本取り出して火を点ける。

 

 

「へぇ、喫煙者だったのか?」

 

「あぁ、母親が吸ってて真似して吸ったらど嵌りしてな……箱庭にタバコってあるのか?無いなら自作せにゃならんか……」

 

「辞めるって選択肢は?」

 

「無い、アルコールとタバコの無い世界など滅びれば良い!!」

 

 

アルコールとタバコがあれば一月くらいは不眠不休でいける。逆に無かったら半日も持たない。

 

 

十六夜が周囲の観察をしているのをボケェと一服しながら見ていると、大河から強烈な気配を感じた。十六夜にそれを告げようとするよりも早くに大河から水柱が上がり、二匹の巨大な蛇が現れる。

 

 

『おい、人間ども』

 

『一体何用でここに来た?』

 

「おぉデケェな。〝世界の果て〟にはこんなでっかい蛇もいるのかよ」

 

「蛇、蛇か……人語喋ってるけど食えるよな?」

 

『……不快な小僧め』

 

『……おい待て、そんな目で、まるで家畜を見るような目で我を見るな!!』

 

「蛇って美味いのか?」

 

「鶏肉みたいな味がするな。好みは分かれるだろうが、まぁ不味くはない」

 

『ふん、まぁ良いだろう。そこの人間共、ギフトゲームに付き合え。我々は退屈しているのだ。戯れついでに貴様らの力を試してやろう』

 

『待てよ白雪!!完全に1人捕食者の目になっているぞ!!このままでは我らは喰われてしまう!!』

 

「ハッ!!安い挑発ありがとよ!!だから、()()()()()()()()()()()

 

「頭を通して皮剥いで、骨を抜き取って……」

 

『ほざいたな、小僧ォーーー!!』

 

『こっちを見るなァーーー!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

十六夜が蛇の一匹に殴りかかりに行ったの残っていたもう一匹の相手をする事にする。十六夜は躊躇いなしに殴りかかりに行ったが、こちらはそうひ行かない。何せ感じ取れる強さだけでも元の世界でもトップ10に入りかねない程のものだから。

 

 

『ーーー喰われてたまるかぁ……!!我が名は蒼星姫(そうせいき)、水神が眷属の一柱を担う蛇神!!人の子よ、かかってくるが良い!!』

 

 

蒼星姫が吠える。それだけで小規模の天変地異が起きた。大河の水が暴風の影響でも受けたように荒れ狂い、豪雨と共に水柱と竜巻が発生する。

 

 

蒼星姫の言葉を受けて成る程と納得した。何せ蛇や龍は古来より神や神の使いとして奉られ、その上水に関わりがあるとされている。この天変地異はその辺りから持って来たものだろう。

 

 

蒼星姫の強さを理解した。

 

蒼星姫の力に納得した。

 

 

故に、()()()()()()()()。どれだけ強くても、どんな力を持っていようとも、()()()()()()()()()()()()。人間賛歌を謳う魔王に勝った責務として、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「ーーーよし、()るか」

 

 

彼我の戦力差は把握済み。結果、蒼星姫の方が圧倒的強者である。あいつが操る水の一撃でも、あの巨体の一撃でも、受けてしまえばこちらが致命傷を負うことは避けられない。

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。相手の方が強者であるが故に勝つという矛盾をいつも通りに成立させる。

 

 

一歩、大河へと足を踏み入れる。それを開始の合図にしたのか四方八方から水と竜巻が襲いかかってくる。どれもこれもが一撃必殺、()()()()()()。左右から、頭上から、足元から背後から眼前から迫り来る一撃必殺(しにがみ)に追いつかれないようにと。

 

 

全ての攻撃は驚異的であるが脅威では無い。恐れるのは威力だけ、蒼星姫はその力故か、力の行使が荒い。いくら一撃必殺の大技だろうが隙の多いテレフォンパンチなど当たる訳がない。

 

 

左右から、頭上から、足元から背後から眼前から迫り来る怒涛を飛沫すら見切って完全に躱し、蒼星姫の眼前に飛び出す。蛇だから表情は変わっていないがきっと人間と同じ顔だったら驚愕しているに違いないと内心で嘲笑いながらーーー鞘に納められた状態の焔華で蒼星姫の額を渾身の力で殴り抜く。

 

 

『おーーーごーーー』

 

 

巨体に対して意味をなさないだろう一撃を受けて蒼星姫は崩れ落ちた。いくら巨大で、水が操れて知性があるといえども所詮は蛇である事には変わりはない。だから、通し勁の応用で今の打撃を全て蒼星姫の脳に()()()()()()。今頃蒼星姫の視界はグニャグニャに歪んで上下左右の判断もつかなくなってるだろう。

 

 

崩れ落ちた蒼星姫の頭部に着地して、首に焔華を突きつける。

 

 

「オーソドックスに蒲焼きか?タレがあるか分からんが一応候補にしておいて……焼き蛇、カツレツ、ツミレ、あぁ非常食用の分も確保せにゃならんな……」

 

『お願いしますね。なんでもしますから食用だけは勘弁してください……!!』

 

「ん?今、なんでもって言ったよね?」

 

『言いました、言いましたから食用だけは……!!』

 

 

なんでもと聞いて1つ思い付いた事がある。蒼星姫にそれを聞けば食べないのならばという条件で即答された。

 

 

だから、それを蒼星姫に求めた。

 

 

 





自分よりも強くても甘粕よりも弱いのなら絶対に勝つとかいうマジキチがいるらしい。

てか、甘粕なら下手な神格持ちよりも強そうなんだよな……

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