幻想戦記クロス・スクエア   作:蒼空の魔導書

14 / 27
いよいよ異界に突入! 果たして出雲那達は明日香を見つけ出し、異界化を収束させる事ができるのか? そして異界化に巻き込まれたクレア達は無事なのだろうか!?




朱き摩天楼。 襲い来る怪異(グリード)達!

扉を抜けた先に現れた景色は朱く染まった空と幾重もの連絡橋が繋ぐ無数の摩天楼の空中回廊であった。

 

「ここが……異界……」

 

一つの超高層ビルの屋上にある空中庭園に降り立った出雲那は昨晩も目にした“朱”に感慨し、確認するように呟いた。

 

息が詰まるような禍々しい空気、奈落の底に広がる灼熱地獄を思わせる紅蓮の業火、朱い空が照らす摩天楼は大量の血をブチ撒けたように緋色に染まっており、この場はまさに滅びの日を迎えた世界を連想させる。

 

「そう、ここが“異界”……人の負の感情によって引き起こされる《異界化(イクリプス)》の影響で現世を侵食し顕れる世界の裏側。 人に害を成す“怪異”──【グリード】達が支配する迷宮よ」

 

出雲那の隣に降り立ったサクヤが周囲を警戒しながら簡単に説明をする。 この場に来る前の女神の様に優しい雰囲気とは違い、今の彼女の顔は凛々しくも勇ましく気が引き締まった表情をしていて、まるで戦い赴く戦乙女(ヴァルキリー)の様な雰囲気を感じさせていた。

 

「グリード? 何だよそれ」

 

サクヤが口にした聞き覚えの無い単語に疑問を抱いた出雲那はサクヤに説明を求める。 するとサクヤは周囲の警戒を解かずに何故か右手に持つ霊装らしき黒い刀──《霊鍵砕破(れいけんさいは)》を構えた。

 

「……君も感じるでしょう。 この世界に満ちる禍々しい霊圧を──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──私達を取り囲んでいる、“怪異”達の悍ましい霊力を!」

 

サクヤがそう言い放った瞬間、“奴等”は顕れた!

 

「なっ!? コイツ等は!!」

 

中央に立つ出雲那達を包囲するように空中庭園全域の床に妖しく光る()が無数に出現し、その点に孔が開くとその孔から黒い悪魔のような形状の霊体が無数に顕れた。 その数は百にも及びそうな程多く、空中庭園を黒で埋め尽くして中央に立つ二人の逃げ道を完全に塞いでしまった。

 

──見間違いじゃねぇ……コイツ等は昨晩オレが襲われた、あの霊体の化物共だ!

 

出雲那は顕れた化物達を見て確信する。 やはり昨晩の出来事は夢などでは無く、紛れも無い現実であったのだと。

 

──そうだ……思い……出した!!

 

それを確信した瞬間に“出雲那に掛けられていた記憶の封印”が解き放たれる。 昨晩の出来事を鮮明に思い出したのだ。

 

『これは……夢……なのか……?』

 

『……ええ、その通りよ。 ……ただの一夜の“悪い夢”……少なくとも貴方にとっては』

 

『……アンタは……一体……』

 

『でも、安心して……悪夢も、いつかは覚めるもの……今、日常に帰してあげるわ』

 

『……ぁ──』

 

『おやすみなさい……』

 

出雲那の脳裏には今、とある場面が思い浮かんでいた。 綺麗に整った亜麻色の長髪で水晶の様な碧眼をした自分と同年齢ぐらいの少女が重傷を負って意識を失いそうになっている自分に向けて何らかの術式を掛け、その後自分は糸の切れた人形の様に眠りに就いてしまっている……そう、これは昨晩、謎の霊体の化物達から死にかけの自分(とついでにシグナム)を救ってくれた少女が化物共を一掃した直後の記憶である。

 

──そうか……やっぱりあの時オレを助けてくれたのは、お前だったんだな……柊。

 

出雲那の記憶はこの時に封印されていたのだ。 その亜麻色の長髪の伐刀者の少女──柊明日香の記憶封印術式によって……。

 

──化物共にやられた傷を治してくれたのも、寮の前まで運んでくれたのも、全部柊だったってわけか……ははっ! 格好悪りーなぁ、オレ。 バカやった挙句に下手打って助けられて、命を救ってくれた恩人の事を疑って、刀華さんや一輝達に心配かけて……何から何まで情けねぇ。

 

自分の情けなさに気が滅入る思いを感じながらも、出雲那はにじり寄って来ている周囲の化物共に睨みを利かせている……それでもって──

 

「ふふ……ははっ!」

 

「アホかっ!」と言うかのように笑った。

 

──柊の奴、オレの記憶を封印して、オレをこの異界から遠ざけるようにしたつもりだったんだろうよ! 危険な事に巻き込むまいと……それが奴の優しさによるモンか、あるいは責任感によるモンなのかは判らねぇ……けど、残念だったな!

 

出雲那は自身の持つ第三の刀……《十拳》の柄に左手を添えて腰をおとし、抜刀の構えをして戦闘態勢に移行。 その脚にはもう、畏れによる震えは無い。

 

「オレの剣はな! 誰かに助けられっぱなしで借りを作ったまま引くような鈍らじゃねぇっ!! テメェが何を思おうと何と言おうと、絶対に助けてこの借りを返しに行くぜ、柊っ!!」

 

出雲那はこの地獄のような光景が広がる世界に宣言するかのように決意を言い放つ。 意志は固まった。 後は行くだけだ!

 

「出雲那……」

 

「分かってるよ! コイツ等がグリードなんだろ?」

 

「……ええ、そうよ。 異界に跋扈する怪異。 人の負の感情に引き寄せられ、人に害を齎す悪霊とも言うべき存在……」

 

「つまりオレ達の敵って事だろ!? ならやるべき事は一つしかねぇっ!!」

 

サクヤから説明を聞いた出雲那はそう言い放つのを合図として床を蹴り、グリード達の包囲網に向けて勢いよく躍り出て行った。

 

右腰に携えし十拳の柄に左手を添えたまま真っ直ぐ向かって来る出雲那を迎え撃つは黒い子悪魔を思わせるような姿をしたグリード──《ゴブリン》の群れだ。 出雲那が切り込む先の最前列に位置取っているゴブリン数十体が、群れの一番槍だと言わんばかりに鋭く尖った爪をもって接近して来た出雲那に飛び掛かって行く。

 

「化物共! この前はよくもやってくれたなぁ、オイッ!!」

 

出雲那は正面180°から一斉に飛び掛かって来るゴブリン達に怒声をぶつけて十拳の柄を握り、走りながら抜刀の体勢に入る。 その気迫は鬼気迫るものであり、並の者ならばその気当たりに気圧されて怯んでしまうだろう。

 

出雲那は昨晩、このゴブリン達に後れを取ってしまい、深手を負った。 ……実際にやられたのはコイツ等よりも大型の【エルダーグリード】だったが、あの時にコイツ等の爪に傷を負わされた右肩が疼いて仕方がないのだ、受けた屈辱は百倍にして返せと。

 

「ハアァッ!」

 

全方向から敵の凶爪が迫ると同時に出雲那は十拳の刃を鞘から引き抜き横一閃! 霊装の霊力によって霊的な干渉を受けた子悪魔の先陣達は一体残らず上半身と下半身に両断され、霧散するように一斉に消滅して行く……そこへ、抜刀後の大きな隙を狙って敵群の第二陣が飛び掛かる。 敵ながら完璧なタイミングだ。 刀身を抜き放って振り抜いた直後は自らの得物に引っ張られて大きな隙を生んでしまうのが抜刀術の欠点なのだから、これで無防備状態の出雲那は数十に及ぶ凶爪によって身体を引き裂かれる事であろう……しかし、それは彼が《葵柳流》の剣士では無ければの話だ。

 

「もう一丁っ!!」

 

出雲那はなんと抜き放った一振りの勢いを殺さず、左脚を軸にその遠心力を利用して一回転──そのまま十拳をもう一度横一閃に振るって、敵の第二陣を一掃したのだった。

 

葵柳流抜刀術の基本の型、《双円閃(そうえんせん)》──居合いを放った後、片足を軸に素早く一回転して、そのまま二撃目を放つ、二段構えの抜刀術だ。 初見の場合、相手は普通の居合いと勘違いをし、得物を振り切った隙を狙って来る事が多い為に二撃目でそこを狙い打ちする。 葵柳流の門を潜った者はまず、この技の動きを修得する事が必修項目とされているのである。

 

「テメェ等の弱点が判っている以上、この前のようには行かねぇぜ! どっからでも掛かって来やがれ、この黒アリンコ共がっ!!」

 

刃を鞘に帯刀した出雲那が威勢よく咆えると、それを合図にゴブリンの群れが一斉に彼に襲い掛かった。

 

──《剣姫》葵柳流美が創設したとされる【螺旋】の型を軸に置く剣術《葵柳流》の使い手であり、雷撃の一刀で瞬く間に相手を斬り倒す事から《瞬雷(ブリッツ)》という二つ名で呼ばれる青竜学園の実力者、武内出雲那……情報としては知っていたけれど、こうして彼の剣を目の当たりにしてみるとその凄まじさが理解できるわね……。

 

冷静に後方で敵の包囲を突破する隙を窺っているサクヤは目の前で黒色の大波の様に押し寄せるグリード達の波状攻撃を落雷が地に落ちるかの如き爆砕するかの様な帯刀術で蹴散らして行く出雲那に驚嘆を覚えていた。 【伊邪那岐の創り手】である出雲那を味方に引き入れる為に彼のプロフィールは調べ出してはいたものの、実際に彼の戦闘力を目にしてみて、自分の思っていた以上に彼の戦いが凄まじく苛烈であった事が予想外で少し驚いたからだ。

 

しかし……それでもサクヤは訝しく眉を顰めていた。

 

──このまま行けば彼一人でこの場に存在するグリード達を殲滅できるでしょうけど……この数が相手だと流石に時間が掛かり過ぎるわ。

 

この異界の何所かに居るであろう明日香が【伊邪那美の使徒】に接触する可能性がある以上、雑魚共の相手に時間を掛けている暇は無い。 サクヤは敵の包囲が最も薄い箇所を見定めると手に持つ霊装を振り上げた。

 

「下がりなさい、出雲那!」

 

「へっ?」

 

(やいば)よ、敵を貫け! 陰陽一刀流──《影動閃(えいどうせん)》!!」

 

前方で圧倒的無双を繰り広げる出雲那に大声で呼び掛けたサクヤが一回転すると、同時に床に振り下ろした霊装の刃から地を這う閃光が放たれた。

 

「ちょっ!? のわぁぁっ!!」

 

唐突にむかって来る閃光を避ける為に慌ててその場から跳び退く出雲那。 敵の包囲の薄い箇所を狙って放たれた閃光は海を割るかの様に直線上の敵を吹き飛ばし、この空中庭園に連結する連絡橋への抜け道が開かれた。

 

「ゴラァァーーーッ!? 仕掛けるなら先に言いやがれっ!!」

 

「突破口は開いたわ! 敵の包囲が崩れている間に急いで駆け抜けるわよ、出雲那!!」

 

「ちょっ!? オイッ……クソッ!!」

 

開かれた突破口に向けて二人は全速力で駆け出す。

 

逃がすまいとバラバラに跳び掛かって来るゴブリン達を霊装で斬り倒しながら崩れた包囲網を抜け、連絡橋を通って空中庭園を飛び出すと、先の道は幾つもの連絡橋と摩天楼が入り組んで迷路となっている空中回廊が地平線の彼方まで広がっていた。

 

「いったいどこまで続いていやがるんだ……」

 

道行く間に立ち塞がる蜂型や異形の砲台型のグリード達を斬り倒し、星脈世代の跳躍力を使いショートカットを繰り返して進み続ける出雲那は果てしなく続く空中迷路に苛立ちを覚えていた。 伐刀者でありながら星脈世代と同等の身体能力を持つサクヤもまた出雲那の隣を並走しながらその表情に若干の焦りの色を浮かべている。

 

「思ったより異界の規模が大きかったようね……この異界化を引き起こしたエルダーグリードは相当強力な個体だと考えた方がいいわ。 【伊邪那美の使徒】を有する“彼等”がもう明日香と接触しているかもしれないし、不安要素は多いわね……」

 

「くそっ! こんだけ広いと探す範囲が広すぎて、人一人見つけるのは難しいぜ! さっきみたいにコイツがその【伊邪那美の使徒】とかいう奴の居場所を教えてくれれば探す場所を絞れるんだけどよぉ、もうウンともスンともいってねぇしよ、コイツ!」

 

出雲那は腰に差す《創生の雷刀(イザ=ナギ)》を握ってカチャカチャと揺すりながら悪態を吐いている。 創生の雷刀はこの異界に入ってからというもの、神刀の共鳴(レゾナンス・ディバイド)の光を消したままであり、どうやっても再び光を発する気配がない。 異界の中だと発動しないのか、それとももう既に【伊邪那美の使徒】とその仲間はこの異界での目的を果たしてこの空間から去ってしまっているのかは判らないが、創生の雷刀が道を示さない以上は自力で明日香を探すしかない。

 

急がなければ明日香の身が危険かもしれないというのに、捜索に手間を掛けなければならないのかと嘆きたくなりそうになった、その時──

 

「っ!? 出雲那、あのビルの屋上で誰かが大型のグリードに襲われているわ!」

 

サクヤが指さした正方形の広場の中央では、頭部が大きな一つ眼だけの大型の機械巨人の姿をしているグリードが床に倒れ伏している二人の女子学生を襲っているのが視えたのだった。

 

「……おいおい、まさかあの二人って……」

 

「……もしかして、知り合い?」

 

「まあな……何でこんな場所に居るんだよ──風紀委員長の取り巻きの二人がよおぉぉっ!?」

 

グリードに襲われている二人は青学の風紀委員──リディとエリカであった……出雲那は二人が異界に居るという事実が訳が解らない為に戸惑いの叫びを上げて床を蹴り──

 

「──キェェェエエエイッ!!」

 

鮮烈な朱い空に鮮やかな放物線を描き、特撮仮面ヒーローの如き跳び蹴りを大型グリードの横っ腹に叩き込んでビルの端までフッ飛ばし、風紀委員の二人を救出した。 後二秒くらい遅れていたら丸太の様に太い腕が二人に振り下ろされていたところだったので、間一髪であった。

 

「おいリディ! 意識はあるか!?」

 

「……う″……う″ぅ……武内……出雲……那?」

 

出雲那は自分が着地した場所より近い位置に倒れていたリディを介抱して呼び掛ける。 すると、リディは朦朧としているが薄目を開けて出雲那の呼びかけに応えてきた、どうやら意識はあるようだ。

 

「あるようだな……テメェ等、何でこんな所に居るんだよ? こんな露出狂の変態と勘違いされそうな程ボロボロになって、いったい何が有ったってんだ!? クレア先輩は一緒じゃねぇのかよ!?」

 

出雲那の言う通り、リディとエリカは眼を逸らしたくなる程無惨な姿であった。 青学の女子の制服であるセーラー服は破れに破れて布が殆ど無くなっており、彼女達が内側に着ている百武装の性能を引き出す機能があるレオタード──《ヴァリアブルスーツ》が丸出しとなっていて、敵の攻撃によるモノかそのヴァリアブルスーツにも無数の穴が空いている(幸い女性の大事な部位を隠す部分は破けていない)。 彼女達の得物である百武装──《漆黒の天槍(ミドガルドシュランゲ)》と《絶対運命の鎖(エヴァー・ラスティング)》に至っては原型を留めていないくらいに大破していて、もう武装としての役割は期待できないであろう。 ……いったい彼女達の身に何があったのか、何故この異界に居るのかと、出雲那は疑問に思って今にも気を失いそうなリディに問いかけると、彼女は弱々しい声音で語り出した。

 

「……クレア様を……自宅に送り届けている最中……突然目の前に赤い罅が……。 私達は……それに車で追突して……気が付いたらこんな辺鄙な空間に……」

 

「それでグリードに襲われたんだな? ……クレア先輩も一緒だったみてぇだけど、クレア先輩の姿は何処にも見当たらねぇぞ! いったい何所に居るんだ!?」

 

「クレア……様……は──」

 

「──出雲那、危ないっ!!」

 

「チィッ!!」

 

行方不明となっているクレアの所在をリディが話そうとした時、先程出雲那が蹴り飛ばした大型のグリードが出雲那とリディに腹部の核を向けて、そこから霊力のレーザー光線を発射して来た。 経った今出雲那を追ってこのビルに降り立ったサクヤの必死の呼びかけによって敵の攻撃に気が付く事ができた出雲那であったが、今はその腕にリディを抱いてしゃがんでいる状態なので、咄嗟に動く事ができない為に彼は舌打ちをしてリディに覆い被さり、身を盾にして彼女を敵の攻撃から護ろうとする。

 

そこでサクヤが動いた。

 

──くっ!仕方がないわね!!

 

「モードチェンジ──」

 

サクヤは胸元から(みどり)色のカードを取り出してそれを頭上に翳し、そのカードが硝子が砕けるかの様に消滅して、カードと同じ色の光がサクヤの身体を包み込む。

 

サクヤはその状態のまま駆け出し、レーザー光線が出雲那達に到達する前に敵グリードと出雲那達の間に割って入った。 そして──

 

「──Modeグリューネ!!」

 

サクヤの身体を包み込んでいた碧の光がパァッと消える。 そのときサクヤの姿は美しき漆黒の剣士ではなく、碧の騎士甲冑に身を包んだ勇ましい女騎士の姿に変わっていたのであった。

 

「守りの盾よ──《ガードアトラクタ》!」

 

サクヤは目前に迫ったレーザー光線に対して左手に持つ大盾を前に構え、碧色の盾状の結界を展開してレーザー光線を遮り、激しいスパークと共にレーザー光線を消滅させた。 敵の攻撃を防ぎきったのである。

 

「なっ、なん……だと? 霊装が……変化した……だとぉっ!?」

 

出雲那はサクヤの霊装が姿を変えた事に驚きを隠せなかった。 彼女は衣装だけでは無く、霊装まで変化させていたからだ。 サクヤは今、先程まで手に持っていた霊鍵砕破は持っておらず、代わりに碧色の大盾と彼女の身の丈よりも大きな剣槍──《森羅万槍(しんらばんそう)》をその手に携えている。

 

──ありえねぇ、霊装は“伐刀者の魂”を形として具現化した武装だぜ? 何らかの切っ掛けで霊装の形が変化する事は稀にはあるが、自分の意志で自由自在に霊装を変化させるだなんて魂律士の斬魄刀ぐらいなモンだ。 ……いや、()()()()()()()()()()だなんて、斬魄刀でもできねぇ。

 

いったいサクヤは何者なんだ? ……そう思った出雲那であったが、そんな事を考えている暇も無く敵グリードが続けてレーザー光線を撃ってきて、サクヤはもう一度大盾で攻撃を防御する。

 

「出雲那、貴方は倒れている二人を連れて下がりなさい! コイツとは私が戦るわ!!」

 

「なっ!? おいっ! 何勝手に決めt「う″……う″ぅ……」……チッ!」

 

出雲那はサクヤの指示に反論しようとするが、腕に抱いているリディが苦痛に喘いでいるのを見て舌打ちをし、仕方なく近くに倒れて気を失っているエリカを拾って後方に跳び退いた。 満身創痍の彼女達を放置しておく事は流石にできなかったのだろう。 サクヤは出雲那が下がったのを確認すると一瞬優しい微笑みを見せた。

 

「うん、素直でよろしい! ……さてと」

 

サクヤは森羅万槍を構え、のしのしとこちらに徐々に歩みを向けて来る敵グリードに向き合った。

 

「《レゾナンスゴーレム》──人形(ゴーレム)型の強力なグリードで、風の属性を持つ。 そのチカラは小規模の異界化を引き起こせる程の脅威度を誇っているけれど……この異界化の規模の大きさを考えると、さすがにコイツが元凶とは考えられないわ」

 

サクヤは敵の自己分析を済ませ、戦闘を開始する為に気を引き締める。 その姿は、まさに今より(いくさ)に出る戦乙女(ヴァルキュリア)の様に勇ましい。

 

「じっくりと相手をしてあげたいところだけど、生憎と今は貴方に構ってあげられる時間は無いの! 悪いわね、速攻で決着を着けさせてもらうわ!!」

 

そう凛々しく言い放つとサクヤは森羅万槍の矛先をレゾナンスゴーレムに向けて突騎兵の如く突撃(ランスチャージ)を仕掛けに行き、一対一の戦闘が開始されるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回、この作品の登場キャラの中でも上位クラスの実力を誇るサクヤが暴れまくりますっ!

出雲那「サクヤって上位クラスなのか? 確かに奴は相当強ぇと思ったけど、BLEACHの隊長格や十刃(エスパーダ)やら、落第騎士の魔人(デスペラード)共やら、軌跡シリーズの【(ことわり)】に至った達人クラスや理の外の人外クラスとかと比べても、劣っているような気が……」

まあ、確かにあの一億五千万度の総隊長とか鋼の聖女さんとかには敵わないよ。 あくまでも彼女は“上位クラス”であって“最強クラス”じゃありませんから……ですが、この作品のサクヤはかなり魔改造されていますので、原作ゲームよりも相当強かったりします。(爆) オリジナル技多数、他作品の技や戦闘技術も少々といった感じに。

出雲那「何だ、その依怙贔屓(えこひいき)!? 好きなキャラだからって、優遇し過ぎだろ!」

問題ない! 物語が進むにつれて一輝達も魔改造されていくから! 一輝なんて既に模倣剣技(ブレイドスティール)で──

出雲那「おいっ!? ここでネタバレは避けるべきだろ!」

まあ、近いうちに出すしな……それではまた次回で!!

出雲那「次回は、遂にオレと“アイツ”が接触──」

って、お前もネタバレしようとしてんじゃねぇかーーーーーっ!!




  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。