幻想戦記クロス・スクエア   作:蒼空の魔導書

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二日遅れですが、明けましておめでとうございます!蒼空の魔導書、2019年最初の更新です!!

読者の皆さん、どうか今年も蒼空の魔導書の投稿作品をよろしくお願いします!!




邂逅去ってまた天災?走れ一輝!

【疾風刃雷】刀藤綺凜は昨年の四月にこの青竜学園の中等部に鮮烈な出来事と共に入学を果たした高位の星脈世代である。初日からいきなり《血盟の忠司(ブラッド・サイクス)》という二つ名持ちで当時青学中等部生最強の実力者とされていた伐刀者《ルベド・レッドストーン》に無謀にも決闘を挑んだ末に見事に勝利してみせた事で、電光石火の如き異例の速さでもって青学中等部生最強の学生戦士の名を欲しいままにしてみせた天才美少女剣士である。その衝撃デビューをもって文字通り彗星の如く新入生期待の新星(ニューヒロイン)として青学内で一躍注目の的となった彼女はその後も破竹の勢いで連勝を重ね続け、その年(去年)の秋に開催された【王竜四武祭(リンドブルス)】まで入学してから全戦無敗を貫いた輝かしい実績は高位の星脈世代とはいえ当時中等部一年生という彼女の幼さを鑑みれば、彼女はその華奢な身体にとても尋常とは言えない潜在能力を秘めているようで途轍もない末怖ろしさを感じれる。残念ながらその王竜四武祭予選リーグの準決勝でナイツニクス学園の【閃光】に惜しくも敗れてしまった事で彼女の連勝記録はそこで止まってしまったのだが、その可憐な容姿で小動物のように可愛らしい雰囲気とは裏腹に疾風のように疾く鋭い剣速と雷を連想させる程に異常な反射速度の連撃で相手を圧倒する彼女の剣技はまさに【疾風刃雷】の二つ名を持つに相応しく、彼女の試合を観戦していた人間の眼の多くをその容姿の愛くるしさも相俟ってセンセーショナルに惹きつけた。

 

「あ・・・あのぅ、すいません。ぶつかりそうなところを助けていただいて大変感謝していますが、失礼ながらいつまでもこの体勢でいるのはちょっと・・・・・恥ずかしい・・・はぅぅ・・・」

 

今現在一輝に横抱き・・・所謂【お姫様抱っこ】の体勢で彼の腕に抱きかかえられ、乙女的羞恥心を感じるあまりに体温を急上昇させながら顔全体を朱に染めて恥ずかしさのあまりに全身を弱々しく縮こまらせて硬直しているこの銀髪の美少女はそんな青学のアイドル的存在の有名人で、これでも歴とした実力者なのだ。

 

「えっ?・・・はっ!?ごごご、ごめん!今すぐに下ろすよ」

 

だから幾ら学園内に名を連ねる程の学生とこうして出会ってしまった事が物珍しく感じたからとしても、そんな年頃の美少女を横抱きにした体勢のまま自分の腕の中にスッポリと収まって羞恥に悶えている彼女の愛らしい顔を上から覗き込むという無神経過ぎる行為をしてしまうのは些か紳士さに欠けるだろう。自分が今彼女にやっている行いがそんな第三者に目撃されたなら即豚箱行き案件となってしまうであろう通報的事項だという事に今更ながらようやく気付く事のできた一輝は慌てふためきながらも相手への気遣いを忘れずに優しく綺凜の足を床に降ろす。そして深々と頭を下げて謝罪を敢行した。

 

「本当にごめんっ!何分急を用していたものだから、不注意が過ぎてしまったね。それに幾ら衝突しそうになったからって、今みたいな行為は君のような女の子に対して物凄く軽率で失礼だった!加えて謝るよ」

 

「い、いえ、わたしの方こそごめんなさいです。音を立てずに歩く癖が抜けなくて、いつも伯父様に注意されるんですけど・・・」

 

パンッと両手を前で合わせて軽率に恥ずかしめてしまった相手に必死に弁明する一輝。事故だったとは言え思春期真っ盛りの少女になんて事をしてしまったんだという罪悪感でいっぱいな声音だ、偶々この時この辺りに他人が通り掛らなかったから、そして迷惑を掛けた相手がうっかり気配を断って歩いていた自分の方にこそ非があったと逆に謝罪を返してくるような、相手を思い遣れる心優しい人格をしていたから事無きを得る事ができたが、一つ間違えれば社会的に抹殺されていた事だろう。そう思うと冷や汗ものだ。

 

———それにしても驚いたな。幾ら気を焦って走っていたからといって、この距離で曲がり角から人が来る気配を僕が感じ取れなかったなんて・・・。

 

黒鉄一輝の気配察知能力は一流のそれ以上に研ぎ澄まされている。生まれ持った戦士としての才能の低さ故にその他の要素を過剰なまでに鍛えて遊撃士となる事を志している一輝は己惚れではないが少なからずそれに自信があった故に接触する直前までその存在を自分に把握する事をさせず、しかも無意識に接近を許した程の綺凜の気配操作技術には感嘆する他ない。

 

———流石は昨年の入学日当日から青学中等部生最強の名を初めての決闘で勝ち取ってみせるという異例の衝撃的デビューを果たし、二年生となった現在も青学中等部には敵無しとされている天才少女剣士、【疾風刃雷】の刀藤綺凜さんだと言ったところか。こうして会ってみるまで僕も噂程度でしか彼女の事を知らなかったけれど、実際に会ってみれば彼女の実力は剣を合わせる事なく本物だという事が理解できるね。恐らく今ぶつかりそうになったのも、お互いに身を躱そうとして同じ方向へ動いてしまったからか・・・だけど速度の出ていたあのタイミングで進行方向を変えようとするだなんて通常の人間はもちろん、並の星脈世代や魔導士、伐刀者にだって難しい筈だ。僕だって通常3%程度しか使っていない脳の制御(リミッター)を一瞬だけとはいえ、外して無理矢理身を捻った事でやっとあの緊急回避が実現できたんだ。それをもし今目の前に居る可愛らしい女の子は素の反射神経のみで成してみせたのだとしたら・・・。

 

「あ、あのぉ、なにか・・・」

 

急に顎に片手を添えて黙り何かを考えだした一輝を不思議に思った綺凜が小首を傾げて訊ねてくる。いつも人に気を遣えるよう配慮を忘れない性の一輝だが、ルームメイトの親友が一晩も帰って来ない事態を受けていれば流石に調子を狂わして、このようにうっかり人に失礼を働いてしまうのも仕方がないのか・・・とにかく訊かれたからには応えてやらなければ相手に対して失礼が過ぎる。

 

「あ、ごめんね。ちょっと考え事をしていたんだ。それにしてもさっきの君の身躱し、陳腐な言い回しだけど凄かったよ」

 

「え?・・・え、え~と、そうなのでしょうか?」

 

「うん。高速で向かって来る相手を視界に入れてからの対応も冷静だったし、身躱しのタイミングを計った丁寧な足捌きを使った曲り(カット)も迅速で、無駄のない身の捻りはしなやかで非の打ちどころが見当たらない鮮やかな体捌きだと思ったよ。できればもう一度やって見せて参考にさせてほしい程にね。うん、さすがは青学中等部期待の星で、将来的に近年王竜四武祭において二連覇を成し遂げたナイツニクス学園中等部の【狂犬】に勝てる可能性のある四大学園中等部生の筆頭候補にも名前が挙げられている【疾風刃雷】の刀藤綺凜さんだ、此処で知り合えた事を光栄に思うよ」

 

澄ました表情で一輝が差し出した右手を綺凜が「あわ、あっ、いえ!こちらこそよろしくおねがい致します!」と咄嗟に恥ずかしく慌てふためいた様子ながらも礼を忘れずに右手で取って初対面の握手を交わした。初対面の相手が自分の名前を口にした事を疑問に思う素振りを見せていないのは自分の名声が学園内に知れ渡っている事を自覚しているからだろう。それでも一輝のような爽やかイケメン男子な上級生に面と向かって褒められるのは嬉しくも少し恥ずかしく思ったのだろう、彼女の柔らかそうな頬に仄かな朱色が浮かび上がっている。

 

「そ、それで大変失礼ですが、身に着けている制服から察するに此処の高等部の先輩・・・ですよね?」

 

「え?あ、そうだね。僕は青竜学園高等部二年A組の黒鉄一輝。よろしくね、刀藤さん」

 

「くっ!?黒鉄一輝って、昨年の鳳凰四武祭でベスト4まで勝ち上がった青学の黄金(ゴールデン)コンビの片割れで【無冠の剣王(アナザー・ワン)】の二つ名持ちで知られているあの黒鉄先輩なのですか!?確か王竜四武祭にも出場して、Fランクの霊力程度しか持たない最低級の伐刀者でありながらもその霊装の剣一本の類稀なる剣技の冴えのみを以って本戦まで勝ち抜いた青学のダークホースと囁かれている、あの!?」

 

名を聴かされた途端のこのテンパり具合からして、どうやら綺凜の方も一輝をある程度知っていたようだ。興奮と動揺を抑えきれない綺凜が大きく可愛らしい眼の熱視線を上目遣いで送って来る姿に圧されて一輝は逆に動揺させられてしまう。

 

「あ、うん。そうだよ・・・」

 

「やっぱり貴方様はあの黒鉄先輩なのですね!先程の緊急回避がお互いに重なってしまって危うく激突しそうになったあの極限体勢の中で再び動作変更を行える技術を体得しているだなんて無名の学生戦士ではないだろうとは思っていましたが・・・こ、こちらの方こそ知り合えて光栄に思います、黒鉄先輩!」

 

「い、いや。そのぅ・・・あははは・・・参ったな・・・」

 

随分と熱心さを孕ませた美少女の尊敬の眼差しを受けて、鋼の精神力を持つさすがの一輝も両掌を肩の上に翳す程にたじろぎを隠せないでいる。自分の在学する学園の二つ名持ちの上級生を前にした興奮に思わず盲目していた綺凜だったが、苦笑いを浮かべて額から冷や汗を垂れ流しながら困り果てている相手の様子にようやく気付いた綺凜は慌てて佇まいを正し、深々と頭を下げて謝罪を敢行した。

 

「はわわわっ!?ももも、申し訳ございません黒鉄先輩!何分上級生の二つ名持ちの方と知り合ったのは初めてだったものでして、そのぉ・・・」

 

謝って謝り返して、このままではキリがない。そろそろ生徒会室に呼び出した仲間達も集まって来る頃合いだろうし、そろそろ失礼して速急に目的の場所へと向かった方がいいかもという焦燥に駆られ気味な思いと相手のひたむきな厚意を前にこれ以上失礼な対応はできないという誠実な思いを天秤に掛けて、どうしようかと悩ましく思っていると——

 

「き、綺凜さぁぁん。そんなところで何をしているんですか?」

 

そこへ思いがけない助けが入った。不意に中等部校舎側の通路に通り掛かった綺凜と同級生らしき背丈をした金髪の癖毛が特徴的な少女がこちらの揉め事に気が付いて呼び掛けてきたのだ。彼女もまた綺凜と同様に歳相応の小柄な体格をしていながらも、なかなかスタイル抜群なロリ巨乳である。

 

「あ、レクティさん」

 

「き、綺凜さん。そ、そのぅ、おはようございます。そそ、そろそろ朝のホームルームの鐘が鳴ってしまいそうですし。それで、あのぅ、そのぅ・・・すぐに教室に向かわないと遅刻してしまうのでは?」

 

「え?・・・はわわわっ!?そ、そういえば教室に向かう途中でした!」

 

同級生の女子生徒からもじもじとした引っ込み思案な雰囲気の口調で言われた事にハッ!?となった綺凜はスカートから取り出した携帯端末のディスプレイに表示されていた時計数字を見た途端に表情を青ざめさせる。現在時刻は午前七時五十七分、朝のホームルームまで後三分しかない。

 

「こっ、こうしてはいられません!レクティさん、急いで教室へと参りましょう!黒鉄先輩、ご迷惑おかけして申し訳ありませんでした!そ、それじゃ・・・!」

 

「う、うん。急ぎ過ぎて転ばないようにね・・・」

 

「ああっ!?まっ、まま、待ってください綺凜さぁぁん!置いて行かないでぇぇぇええーーーーっ!!」

 

遅刻するかもしれない焦燥に駆られた綺凜は焦った口調で一輝に一礼すると星脈世代特有の超人的速力で中等部校舎方向へと駆け出して行き、貪臭く出遅れた綺凜の同級生の少女が慌ててその後を追い駆けて行く背中を見送った一輝は呼び出した仲間達が集まっている本校舎の生徒会室へと再び駆け出して直行するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昨日の放課後にその日クラスに編入してきた女子生徒にどうしても聞きたい事があると、ルームメイトで中等生時代からの親友である出雲那がその女子生徒を探しに自分と別れてからもう丸一晩が経っている。それなのに寮に帰って来ないどころか携帯端末に連絡一つ寄越さないでいる安否不明の不在状態が続いているとなると流石に親友の身に何かが遭ったのかと想定してしまい危機感を覚えるのは当然であり、そんな緊急事態に信頼できる仲間達を招集して対策を話し合う場を設けられる有難さは、本当に良き縁と絆に恵まれたなと一輝は心から思う。

 

———とにかく、一刻も早く生徒会室に出向いて、集まった皆と一緒に出雲那君と柊さんの行方を捜す対策を練るしかない。事と次第によっては遊撃士協会や《戦島都市警備隊(ガルグイユ)》に捜索願を出す程の事態になってしまう事も想定しておいた方がいいだろうね。

 

「出雲那君・・・無事でいてくれ!」

 

行方不明の親友が今もどうか何事も無く壮健である事を願いつつ、眼前に見えてきた本校舎の通路口を目指して一輝は駆け抜ける。時刻は間もなく八時になろうとしているが、一輝達は事前に今日の朝のホームルームの出席を(生徒会権限で)免除してもらったので今日のところは遅刻のペナルティーを科せられる心配は無用だ。渡り廊下に行き交う青学の生徒達を巧みな足捌きを使って避けつつ走り、時計が八時を刻もうとすると同時に通路口に差し掛かったその時、明後日の空から流れ星がっ!

 

「キャ、キャアアァァーーーッ!!?」

 

「な、何だぁっ!?」

 

「きゅきゅ、急に空から何かが降って来て。こ、校舎の・・・三階か、あそこ?」

 

流れ星は本校舎三階の窓に直撃したようで、パラパラと昇降口前に降り注いで来ている無数に細かく砕けた硝子破片からパニック状態になりながらも逃げ散らして行く生徒達。一輝等本校舎付近の渡り廊下に居た生徒達もその突発的な騒動を前にして唖然と流れ星(?)が不幸にも直撃してしまった三階を見上げ、その無残な光景を目の当たりにして戸惑い、誰もが身を硬直させてしまっている。

 

「あの場所は確か・・・ッッ!!」

 

一輝は今流れ星らしき物体が大孔を空けて突き破った窓硝子が生徒会室のものであるという事に気が付き、危機的な焦燥に駆られて本校舎の中へと全速力で駆け出して行く。あそこにはもう仲間達が集まっている筈だ。

 

———伐刀者として出来損ないな僕と違って皆は優秀なチカラを持つ異能力者だから、そう簡単な事故で死にはしないとは思うけれど。それでも教室一つ分が破壊される程の被害に遭えば深刻な怪我を被っているかもしれない!くっ、ステラッ、皆も無事でいてくれっ!!

 

三階へと続く階段を五段飛ばしで跳ぶように駆け上がり、角(コーナー)をインコースギリギリに曲がり(カット)を切って最短コースを最速で駆け抜け、内側から黒い煙が漏れ出て来ている生徒会室の扉をバァァンッ!!とチカラいっぱいに叩き付けるようにスライドさせて室内へと駆け込んだ。

 

「皆ッ!!怪我は無い!?いったい何が・・・・・ん?」

 

そこで一輝は生徒会室内の様子を目の当たりにした途端にその双眸を丸くする事となった。

 

まるで投石器から放たれた岩か何かが突き破って来た痕のような巨大な孔が窓にぽっかりと空けられており、そこから冬の寒気が僅かに残る四月の朝風が室内に入ってきている。執務机や椅子は全てが無惨に転倒させられていて、生徒会の仕事に関する様々な資料や筆記用具、調度品などの色様々な小物がバラバラになって床に散乱し、テレビやパソコン(副会長の泡沫が無断で持ち込んでいたゲーム機やソフトも)などの機械の類に至っては黒い煙を上げて原形を留めない程に破壊されてしまっていて、全体的に見て爆心地のような空間へと成り果てた生徒会室内の惨たらしさを窓に空いた大孔から入って来る木枯らしの音が虚しく演出している。

 

だが一輝が立ち尽くして唖然となったのはそんな天災に遭った殺風景の中に居るというのに割と平然な顔をし、事によって妙な空気を作っている人物達を目の当たりにしたからであった。

 

「「「「あ”・・・あ”・・・??」」」」

 

「イズくぅん?柊さぁん?これはいったいどういう事なのかな?・・・かなぁ?」

 

「ごめんなさい、マジでごめんなさい刀華さん・・・」

 

「何故私まで・・・」

 

「まったくどうしてくれるんだよ後輩君達?昨日刀華に消されたセーブデータのところまで徹夜で到達させたっていうのに、ボクのゲームをこんな見るも無惨な姿に変えてくれちゃって、あんまりじゃないかぁ・・・」

 

「あ~あ、テレビもプ◯ステ4も生徒会室に置いてあったゲームソフトもぜ~んぶ一瞬でスクラップになっちゃってんじゃん。でも一緒に書類や仕事道具も纏めておじゃんになったし、これで当分の間生徒会の仕事はできないんじゃない?アハハ、ウケる♪」

 

「いやいや、この惨状全然ウケる要素なんて見当たんねーよ。これだけの損害だと修繕と事後処理がどんだけ手間だか分かってんの?」

 

仲間として此処に招集をかけていた善吉、マイ、リィン、アリサの四人が隅に立って室内の惨状に訳が解らず白目を剥き開いた口が塞がらず全身を硬直させているのは理解できる。一輝の恋人であるステラの姿がないのは恐らく昨日編入したてで通学に慣れていない為に何処かで道に迷って来るのが遅れているのだろう。だが朝風と朝日が入って来ている損傷が酷い窓際で何故だか一晩行方不明になっていた筈の武内出雲那と柊明日香が生徒会長である刀華によって正座させられていて、その膝の上には大昔の帝国ヤマトにおいて拷問に使われていたとされる厚みのある石板が三枚程重痛しく乗せられ、死んだ魚のような眼をして背徳的に首(こうべ)を垂れている姿を晒しているのはいったいどういう事なのか?二人の眼前で大虎の幻影を背後に幻視してしまう程の威圧感を放っている刀華が周囲を凍り漬かせる程怖ろしい笑顔を浮かべながら有無を言わさず事の説明を脅迫的に求めてくる様はまるで死刑執行官が処刑前の罪人に死に際の遺言を聞いているかのような殺伐とした雰囲気で非常に近寄り難い空気を放っている。そんな重痛しい空気を気にも留めず室内の惨状を見回して嘆いている刀華以外の生徒会役員達の神経の図太さは呆れる程に大したものだとは思うが・・・。

 

「え~っと・・・どうなっているんだい、コレ?」

 

「俺に聞くんじゃねーよ・・・」

 

ルームメイトの親友と昨日クラスに編入したばかりの新しい仲間である少女が二人共無事な姿(?)で帰って来たのは素直に嬉しく思うが、いったい全体何がどうして目の前の状況になったのかは善吉に聞いてみたところで解決しない。

 

非常に理解し難いこの生徒会室内の風景と惨状はどういう経緯があってこうなったのか?待て、次回ッ!

 

 

 

 

 

 




・・・新年最初に更新した最新話がこのような面白味のない内容になってしまって、どうも申し訳ありませんでした。(土下座)

出雲那「散々、一輝と綺凜の絡みを仄めかせておいて自己紹介し合っただけって・・・せめて決闘ぐらいさせろよな。折角似たり寄ったりな展開でよく比較されていた【落第騎士の英雄譚】と【学戦都市アスタリスク】のキャラ同士の初対面シーンだっていうのによ」

すいません、この場面で二人をいきなり決闘させるのは不自然かなと思いまして。(汗)

明日香「まあ黒鉄君も綺凜ちゃんも人に眼が合って直ぐに『おい、決闘(デュエル)しろよ!』と言葉のドッジボールを交わそうとする程、戦意旺盛なタイプではないでしょうし、これは仕方がないわね」

ははは(苦笑)・・・まあでも近いうちに二人を戦らせる予定ではいます。その時には絡みも濃くなると思うので、楽しみにしていてくださいね!

善吉〔その時のヴァーミリオンの反応がデビル怖ぇ気もビンッビンッにするけどな・・・〕

マイ〔明日香に聞いたところ、ステラって意外と繊細(センチメンタル)らしいからね。恋人の一輝への溺愛っぷりからして相当だろうし・・・(苦笑)〕

次回は時間を少し遡って、因縁の出雲那VSシグナム(アギトユニゾン)!今章に突入して初のバトル回となります!お楽しみにっ!!



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