私達の提督は黒くて固くて角張っている   作:霜月 龍幻

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5話

翌日 0900時

 

執務室には私、その右隣に高雄、机を挟んだ正面には龍驤と潮が立っている。

 

『龍驤、潮。これから君達には出撃してもらう、目的としては練度上げだ。本来であれば他鎮守府との演習の方が効率は良いのだが、今は大淀が交渉に行っているのでもうしばらく先になる。

で、今回は龍驤を旗艦として艦隊を編成した』

 

「え、ウチが旗艦!?」

 

『そうだ、キミには旗艦をつとめてもらいたいメンバーは・・・・』

 

「ウチが旗艦」

 

龍驤は嬉しすぎて先の話を聞かず、ふらふらと執務室を出ていってしまった。

 

 

「行ってしまいましたね」

 

『うむ』

 

「艦隊名言わなくて良かったんですか?たぶん激怒しますけど」

 

『言う前に出ていってしまったんだ、仕方ないでしょ。弄って突っ込まれてって言うのを期待したんだが』

 

「あ、あの。もう行ってもいいでしょうか・・・・・」

 

『すまない。高雄、一緒に行ってあげて』

 

「わかりました、では行って参ります」

 

 

 

こうして艦隊は練度上げに出撃したのだが、龍驤が子機に向かって叫ぶ声が聞こえてきたので、そちらに視覚と聴覚を向けてみる。

 

 

「提督、聞こえてるか?」

 

『うむ、なにか問題でもあった?』

 

「あったもなにもない、これはウチへの嫌がらせか?」

 

龍驤は子機を両手で握り絞め、目をつり上げて怒っている。

 

『なんのことだ?』

 

「・・・・・・鎮守府に艦娘が少なくて編成を変えられないのはわかる、ウチが旗艦なのも新入りやからと言う理由もわかるけどな?この艦隊名は何や!格差艦隊ってなんや!胸か、胸の事か!胸囲格差か!」

 

ちなみに龍驤率いる格差艦隊の編成は龍驤、高雄、愛宕、摩耶、潮、金剛。それを輪形陣で固定している。

 

『執務室でちゃんと最後まで話を聞いていれば変えるチャンスがあったんだが、話を最後まで聞かずに出撃したのは何処の誰かな?』

 

「・・・・・なぁ、キミ。攻略予定の海域は何処や」

 

『ん、2ー3と2ー4だが』

 

「今からそこに行ってクリアしたる、帰ったらシバキ回したるから覚悟しとき!」

 

龍驤はそう言うと子機を愛宕に放り投げてしまった。

 

 

 

「提督、女の子が気にしているところはあまりいじらない方が良いですよ」

 

『弄りがいがありそうでつい』

 

「まぁ、その気持ちはわかります。で、子機はどうします?このまま私が持っていましょうか?」

 

『頼む、今龍驤に渡しても突き返されそうだしな』

 

「では失礼します」

 

愛宕はそう言うと服の胸元を開き、そこに子機を突っ込んだ。

 

愛宕の胸は柔らかく、張り艶があり、いい匂いがする。

 

『うむ、素晴らしい感触だ』

 

「アタゴー‼それはワタシの役目デース‼早くチェンジするネー‼」

 

「うふふ、早い者勝ちですよー」

 

「・・・・・・キミ等ウチをいじめて楽しいか!巨乳なぞもげ爆ぜてしまえ‼」

 

龍驤は号泣しながら海上を走り去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

執務室

 

『少しやり過ぎたか』

 

まぁ、あれくらい元気があれば大丈夫だろう。

それに高雄と愛宕には大破したら即撤退と指示してある。

 

『それにしても暇だな』

 

今日の仕事は朝早くから済ませてあるのでやることはなく。間宮さんは買い出しで昼頃まで帰らない。明石の所はできれば避けたい。

 

そうだ、大淀に新しく艦娘が入ったことを報告しないと。

 

 

そう思いだし、意識を大淀と一緒にいるヒトガタへと移す。

 

 

 

 

 

 

 

意識を移すと、耳にゴトゴトと一定の周期で音が聞こえてくる、おそらくは電車で移動しているのだろう。

 

目を開くと予想通りだった。大淀とヒトガタは向い合わせの座席に座り、大淀はみかんを食べながら窓の外を眺めている。

 

ちなみにヒトガタは真っ白な提督用の軍服を着ている。

 

 

 

『大淀、少しいいか?』

 

「あ、提督。お久しぶりです」

 

『うむ。大淀、すまないな、こんな遠出をさせてしまって』

 

「仕方ないですよ。海沿いにある鎮守府は深海棲艦の影響で普通の通信機器は使えないんですから。それでどうしたのですか」

 

『そうだ、艦娘を建造したんだ。建造したのは天龍、龍田、潮、龍驤の四人、天龍と龍田は暁達と遠征、残りのメンバーは2ー3に出撃している。

それで、そちらの方はどうだった?』

 

「海域攻略でよそに回す戦力が少いと断られた所もありますが、三人ほど演習を受けてくれる提督がいました。しかも演習に出す予定の艦娘は全員指輪持ちだそうです」

 

『おお、それはすごいな』

 

「ええ。提督に期待をしている人達からリストアップしましたから。ちなみに参加してくれるのは元帥と大将、大佐です」

 

『はい?今元帥って・・・・・・』

 

「はい、元帥です。海軍の最高位の一人、神代元帥です」

 

『あー、あの人か』

 

神代元帥、体格のよい老人で御歳120歳になるらしく、好々爺的な所があり様々な武勇伝を持つお人だ。水の上をその身一つで移動してみたり、素手で深海棲艦を沈めたり。

 

「他のお二方は平山大将と元帥の孫娘さんです」

 

名前を聞いて納得した。

 

平山梅大将、梅おばぁと呼ばれ親しまれており、なにかと世話をやいてくれる人物で、

元帥の孫娘である神代真愛姫大佐は戦闘狂の気があり、自分と自分の艦隊を倒しうる者を育て上げる事が趣味という人物。

 

三人に共通する点は人を育てるのが好きと言うことだ。

 

『頼んでしまったのは仕方ないか。にしても艦娘って怖いもの知らずだよね』

 

「そうですか?一応今日の3時頃には帰れると思うので、帰ったら歓迎会の準備をしましょう」

 

『その準備は進めている最中だ、間宮さんにはそのための買い出しにいかせている、ついでに海域突発の祝いもしなくてはいけないかも知れないからその準備も手伝ってくれ』

 

「承りました」

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