転生したらビアンカの一人娘でした   作:マーテル

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拙い作品ですが楽しんでもらえたら幸いです。



船旅と大失敗

やあ、皆大好きソフィアだよ・・・・・・。今私はベッドに寝かされており、隣には大泣きした母さんがいる。

 

 

 

 私達の旅は順調だった。あの時までは・・・・・・。

 

 

 

-- 回想 --

 

 ルドマンに用意してもらったネッド行きの船がポートセルミという町にある港へ手配してくれたと教えて貰い、まずはサラボナから出ている定期船でルラフェンという町の傍の岸まで届けてもらい徒歩でルラフェンを超えて無事ポートセルミへ到着した。

 

 生憎の悪天候で数日船が出せないと船乗りさんに言われたのでポートセルミに留まる事にした。

 

 数日後、天候が回復して問題なく出航したのだが、船旅が始まって数日が経った頃予期しないトラブルに巻き込まれた・・・・・・。海賊である

 

 「おい!そこの商船停まりやがれ!!」

 

 ゲームで海賊なんて出てこなかったのでモンスターに襲われる心配はしていたが海賊が出てくるなんて予想もしなかった。船長さんは船員と乗客の安全の為停船せざるを得なかった。

 

 「へっへっへっ・・・・・・俺達はついてるぜ。こんなにたんまりお宝を載せた船に出くわすなんてなぁ」

 

 「くっ!船員と乗客の安全は保証してもらう!」

 

 「いいぜぇ?頭には伝えておいてやるよ・・・・・・おい!野郎共お宝を船に運びな!」

 

 「「「「「「おう!!」」」」」」

 

 そう言って私達乗客を船上の端に固めて作業を始めた。私のすぐ傍には私より小さい女の子が今にも泣きそうになっていたので励ましてあげた。

 

 「大丈夫だよ、お姉ちゃんがついてるからね」

 

 そう言って頭を撫でてあげると安心したのか「うん」と小さく返事をしてくれた。

 

 そうこうしてる間に積荷の移動が終わったのか海賊の乗組員が次々と元居た船に戻っていった。私はその光景を他の乗客と共にじっと睨んでいた。しかし、それがまずかったのか最初に現れた若頭のような男がこちらの視線に気づいて近寄ってきた。

 

 「お前等に恨みはねえが運が悪かったと諦めるんだな・・・・・・おっ?偉く高価そうな格好してるじゃねえかそっちのガキ」

 

 まずい!咄嗟に私は抱きしめていた女の子から距離を取った。若頭はそれを逃亡すると勘違いしたのか一気に距離を詰めてきた。

 

 「おいおい、そう逃げんなよ。・・・・・・ん?よく見たらお前中々イケてるじゃねえか」

 

 舐め回すような視線に背筋が寒くなり睨めつけつつ反論した

 

 「・・・・・・6歳の女の子を捕まえてイケてるとかロリコンですか?」

 

 「ガッハッハッ!中々見所があるじゃねえか、こんな状況で毒を吐くなんぞ普通じゃ出来ないぜ?気に入った、お前は人質として連れて行く」

 

 「なっ!」

 

 そう言い放った若頭以外の者達は驚愕で言葉が出なかった。

 

 「ソフィア!」

 

 私の名前を呼んで母さんが駆けてくる。

 

 「なんだぁテメェは?」

 

 「私はこの子の母親よ!連れて行くなら私にしなさい!」

 

 若頭と私を遮るように前に立ち両手を広げてそう宣言した。嬉しくもあり心配でもあった。カタカタと震えているのがわかったからだ。

 

 「ほ~う、泣かせる親子愛じゃねえか・・・・・・だがな、そう震えていちゃあ折角の台詞も締まらねえぜ」

 

 ニヤニヤ笑いがら母さんを見ている。そして・・・・・・

 

 「だからよ?てめぇは引っ込んでな!」

 

 そう叫んだ後、母さんは思い切り殴られて壁にぶつかって気を失った。そして私はこの世界で初めてキレた。

 

 「さぁてお嬢ちゃん。お迎えの時間だぜぇ?」

 

 ニタニタ笑いながらこちらに近寄ってくる。

 

 「ん~?今になって怖くなったのか?だが心配いらねえぜ。たーっぷりアジトに戻ったら可愛がってやるからよぉ」

 

 

 ブチッ

 

 

 「お前・・・・・・母さんを殴ったな?」

 

 「はぁ?なんだってぇ?」

 

 「よくも私の母さんを殴ったなと言ったんだ!!」

 

 そう叫んだ瞬間私の体から大量の魔力が吹き荒れる。そしてそれに応えるように今まで傍でじっとしていたラーミアが鳴いた。

 

 「クワアァァアアアーーーー!!」

 

 急な変化に驚いた若頭が慌てて仲間を呼び戻した。

 

 「な、なんだってんだ!?おい!手前ら戻ってこい!このガキ只のガキじゃねえぞ!」

 

 

 

 ・・・・・・その後の事は覚えていない。

 

 

-- 回想終了 --

 

 目を覚ました後、大泣きしながら母さんが教えてくれた。

 

 母さんの話では、ブチキレた私が右手に炎を集めて巨大な不死鳥のようなものを作り出し海賊に投げつけたりラーミアが私の魔力に呼応して巨大化し雷雲を呼んで雷を落としたりと滅茶苦茶に暴れまわったらしい。

 

 不死鳥ってどこのバ○ン様だよ。私大魔王になる程潜在能力あるの?ちなみに私はまだ自分の意思でメラゾーマを使えない・・・・・・はず。リミッターが外れて天元突破しちゃったみたいだから正直絶対使えないと言い切る自信がない。

 

 そんな事を考えつつ一人唸っているとやっと泣き止んだ母さんがとんでもない爆弾発言をしてきた。

 

 「本当に心配したのよ!・・・・・・あの戦いがあった後あなた2年半も眠りっぱなしだったんだから」

 

 ・・・は?二年半?ニネンハン?ちょっと待って!?って事はもうすぐ弟達旅に出ちゃうじゃない!ってかここは何処!?OK、落ち着くんだ私。ビークール、ビークール・・・・・・。

 

 「その、御免なさい。でも母さんが無事でよかったわ。ところでここってどこなのかしら?見たところ宿屋っぽいけど」

 

 「ここは元々の船での目的地、ネッドの宿屋の一室よ。海賊をやっつけた後なんとか物資を取り返せたお礼と言って船長さんが宿屋のご主人に交渉してくれたのよ」

 

 なるほど。無事グランバニア大陸に着いたのなら後は山越が待っているだけか・・・・・・それならギリギリ間に合うかもしれない。

 

 「母さん、数日して私の体調に問題なければ旅を再開しよう?まさかこんなに迷惑かけちゃうなんて思わなかったけど」

 

 溜息をつきつつ真剣な眼差しを送ってくる。

 

 「全くこの子は・・・・・・変なとこがアベルに似てるわね・・・・・・ソコガイインダケド」

 

 最後の方なんて言ったのか聞こえなかったがどうやら納得はしてくれたようだ。

 

 「ところでさっきからラーミアがいないんだけど何処に行ったのかしら?」

 

 いつも頭の上で寝ているか傍に擦り寄るように傍にいたので不思議に思う。

 

 あー・・・・・・と呆れつつ開いている窓に人差し指を向ける母さん。ゆっくりとベッドから出てノソノソと歩き窓の外を見る。

 

 

 ビュウーーーン!!

 

 「クワァーーーー!!」

 

 ドーーーーン!! バリバリバリ!!

 

 ・・・なんぞあれ?なんかメッチャでかくなってるんだけど?

 

 そこには雀サイズだったはずのラーミアが私一人なら楽に乗せる事が出来るぐらい大きくなっており、宿屋に近づいてくる魔物を黒焦げにしている光景が広がっていた。

 

 「なんかあの一件で急に大きく成長してね。多分あなたを守る為に戦ってるんだと思うわ。お陰で船旅も先行して船の周囲を警戒してくれたり宿のご主人からもこんな護衛が居てくれるなら部屋一つ貸す価値がある だなんて言い出すし」

 

 「アハハハハ・・・・・・」

 

 私は苦笑いしか出来ないでいた。するとラーミアがこちらに気付き飛んできた。

 

 『お母様!やっとお目覚めになられたのですね本当に心配したんですよ!!』

 

 「あはは、ゴメンねラーミア。ありがとう、私が寝ている間ずっと守ってくれていて」

 

 『いいえそれが私の使命であり、お母様と共にある事が私自身の願いですから』

 

 「そっか。これからもよろしくねラーミア」

 

 ニコニコと笑いながら会話をする私達を見て母さんの口が開きっぱなしになっていた。

 

 「どしたの母さん」

 

 はっ!と気づいた母さんが聞いてきた

 

 「ソフィア?あの、なんでラーミアから声が聞こえるのかしら?それにお母様って・・・・・・」

 

 「『あっ』」

 

 なんとなくラーミアが私を母親だと思っている事には気づいていたがこうして直接会話をしたのは初めてだ。ごく自然に話しかけて来られたので普通に答えていた。

 

 「えーっと成長期だったんじゃない?それに船が襲われた時ラーミアも私の魔力に呼応していたからその何かしらの影響でテレパシーができるようになったとか?私を母親って呼ぶのは鳥の図鑑でみたような卵から孵った時最初にみた相手を親だと思う習性じゃないかな」

 

 うーん・・・・・・と疑問に思っている母さんをスルーしてベッドに戻る

 

 「とりあえず、数日はここに留まってそれ次第で旅を再開するからラーミアもそのつもりでいてね」

 

 「わかったわ」『わかりました』

 

 そう言って私は再び眠りにつこうとする。あの、母さん?なんであなたも入ってくるんですか?えっ毎日こうしていた?匂いが落ち着く?クンカーは治らなかったんだね・・・・・・

 

 

 数日後、体調は問題なく宿屋のご主人にお礼を述べて旅を再開する事に決まった。無償で強力な護衛を二年半も続けてくれていたんだからお互い様だと笑いながら送り出してくれた。

 

 

 

 尚、もうその大きさだと私の頭の上で寝れないねとラーミアに伝えると背後に【ガーーン!!】と出ているようなわかり易い表情をして凹んでいた。今は巨大な魔力の影響で大きくなったんだから小さくもなれるはず!と自身の魔力調整を特訓しているらしい。

 

 内心頭の上が寂しいのは恥ずかしいので言わない。頑張ってねラーミア




次回、グランバニア入りします。誤字報告、感想、評価お気軽にぽちって下さい。お待ちしております。

人間は「」 ラーミアはテレパシーで『』で会話を表記しました。

今回はエロネタはない!・・・・・・はず。R-15タグくらいは付けたほうがいいのかな?

後デボラに関しての感想があったのですが、出したほうがいいのかな?DS版プレイしてないから独自解釈キャラになるかもだけど、試しに活動報告でアンケート取ってみます。

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