インフィニット・ストラトス 慟哭の白銀少女 作:アブソリュート
アンチものは初めてですのでコメントを頂けると嬉しいです(*´∀`)
それでは楽しんで下さい!!(* ̄∇ ̄)ノ
ここ日本のとある家族が一家団欒を過ごしていた。
「お父さん、お母さん、それにお兄ちゃん。お誕生日おめでとう!」
向日葵のような眩しい笑顔をする少女、六条エリス。今年から小学一年生なったばかりの少女である。髪は肩より少し長く下ろしている。身長はクラスの中では平均より少し大きいぐらいである。大きいとは言っても列で言うと中間より上にいくかいかないか程の差だ。
そして、特徴的だと言えるのはなんと言っても髪の毛の色だ。白銀とも言える髪色。幼いながらか髪質が柔らかく、さらさらとした髪は風が吹けばそれは綺麗に見えるだろう。肌は雪のように白く傷一つ付いてない。親からすれば自慢の娘だろう。
「あら、ありがとね」
「うぅ……父さん、嬉しすぎて涙が出そう」
「いや父さん。すでに涙出してんじゃん」
兄の祐樹が父、正樹に指摘する。その光景を母、静香はあらあらと言いながら微笑んでいた。そんな暖かい雰囲気がエリスにとって幸せの時間だった。
「私、ちょっと出かけてくるね!」
「あら、どこに行くの?」
首を傾げる静香にエリスは内緒と言って玄関に向かう。
「時間には戻って来てね~」
「なにっ!?出かけるだと!こうしてはいられん!私もこれから出かけ――――」
「そう言ってこの前、警察の人に不審者扱いでお世話になっただろうが!」
祐樹が正樹に叱咤するとがっかりした様子をしながらうな垂れる。そうなのだ、一ヶ月前にエリスが心配だからという理由で後をつけていたのだが、周りから不審者に間違われ警察の人に連行されたのだ。
服装はいかにも怪しい格好、顔はお決まりのマスクに黒いサングラスを付け電信柱に隠れながらハァハァとしていたのだ。そんなことをすれば誰だって不審に思うのは仕方がないと思う。
父を引き取りに行くと祐樹は呆れており、静香に関してはあらまあと驚いた表情をして終わった。エリスに関してはお父さんが警察に連れて行かれたことが理解できていなかったのか、お父さんカッコいいね!と言い出したのだ。
そんな一言に正樹はお父さんはカッコいいに決まっているだろ!と言い出した。祐樹はそんな父に制裁を加えて事が終わったのだ。
「全く、エリスが可愛いからってそんなことばっかりして恥ずかしいったらありゃしない」
「でも、そんなお父さんもカッコいいわよ」
呆れている祐樹とは違って静香はうっとりした表情で言う。その言葉を聞いた瞬間、正樹は先程と同じように元気を見せる。
「当たり前だ!俺を誰だと思ってる!」
「あほでどうしようもない馬鹿親父」
「がーん!?お父さんショッキング!!」
「うふふ。本当、お父さんったら」
喜怒哀楽が激しい正樹を見ておかしそうに微笑む静香。
「……ん?なんか聞こえない?」
そんな幸せな空間だったが外から聞こえる音に不思議に思う祐樹。何だろうと思いながら玄関から外を見上げると何かがこちらに近づいている。
「お、なんだ?何かイベントでもやってんのか?」
「あらあら、私も見てみたいわ」
正樹と静香も外に出て祐樹と一緒に空を見上げると黒い点の『モノ』が空を裂く音を辺りに響き渡らせる。
「――――え?」
「――――ッ!マズイ!しずk」
「あな―――」
空から降ってくるものが確認できた時にはもうすでに遅かったのである。そして、それぞれが何かを言い終わる前に――――大きな爆風に襲われるのであった。
「えへへ……」
エリスの手には卵が入っているビニール袋を落とさないようにしながらスキップをしている。先程出かけると言ったのは今日、母、父、兄にオムレツをご馳走するためであった。エリスは小学生にしては家の手伝いをする方である。そのためか家事がある程度できる。料理に関しては母と一緒にしていたため簡単なものなら一人で作れるのだ。
だが、母は一人ではまだ駄目だと言うので一緒にいる時以外は作れないのである。本当は家族には内緒で作り驚かせたいのが本音だが火事になったりしたら元も子もないのでそこは母に見てもらいながら作ることにするのであった。
(喜んでもらえたら嬉しいな……)
実はうちの家族は私以外みんな同じ誕生日なのだ。なんで同じなのかは全くわからないらしい。ちょっとだけ羨ましかったりする。なんだか自分だけ除け者にされているみたいだからだ。それをみんなに言ったら困ったような表情をしながら頭を撫でくれた。
実のところおつかいに一人で行くのは初めてだった。いつもは母と一緒に電車に乗って隣町まで行って買いに行くのだ。近くにもあるにはあるのだが隣町の方がなにかと便利なものが多いということで行くらしい。お金に関してはいつもお手伝いで貰っていたのから出しているから大丈夫であった。
母と毎回の様に買い物について行くせいか、お店の人に顔を覚えられている。事前に買い物リストを作っていたので、それをお店の人に渡してどれを選んだらいいのかを聞きながら買ってきたのだ。
『エリスちゃんは偉いね。特別に持っていきなさい』
卵と一緒に入っているもの。おまけに貰った林檎だった。家族全員が好きな食べ物だ。だから買ってきた日にはいつも無くなってしまう。オムレツと林檎を夕食に出したら喜んでもらえるだろうか。
そう思いながら来た道を帰っていると地面が大きく揺れるのであった。
「きゃっ!」
揺れた際に手に持っていたビニール袋を落としてしまう。中からグシャっと嫌な音をたて林檎は道に沿って転がっていく。
「ああ……せっかく買ってきたの、に」
落ちた卵が全滅していることを確認し落ち込みながら林檎を拾おうと前を向くと――――自分の家の方角に煙がたっていた。
「……え、うそ」
そんなはずはない。そう思いエリスはビニール袋を地面に置いたまま自分の家に向かって走り出す。まだ、6歳の少女が速く走れるわけがない。それでもエリスは一歩でも多く進もうと走る。息が上がり転んでしまいそうになるのを必死に耐えながらも走り続けた。
そして、自分の家だと思われる場所にたどり着く。
「………………」
もはや自分の家だと思われるものが何一つ無かった。ここで間違いはない。そう断言できる。何度も行き帰りしているのだ。忘れるはずが無い。
だが、自分の家だった場所は何かの爆発源だと思われるような跡があり近所の家などが吹き飛ばされていた。辺りから悲鳴と叫び声が響き渡る。
「俺の家がああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
「いやあああああああああああ!!?」
「おかーさん!どこー!?」
さまざまな感情が伝わってくる。怒り、悲しみ、苦しみ、嘆き、さまざまだ。そんな中エリスは感情のない表情で空を見上げていた。
「………………」
そんな無表情に空を見上げているエリスに一人の女性が近づいてくる。
「……ここは、お前の家だったのか?」
感情の篭ってない瞳で女を見る。女は黒い制服を身に纏っている。目元は鋭く、制服の色と同じ黒い髪、エリスとは反対に毛がくせっ毛が特徴的だった。声は低く男のような口調である。だが、顔はひどく悲しそうな顔をしている。
「………………」
「お前の家族はどうした?」
女がエリスに問いかけるが反応があまり良くない。反応に困っていた女にエリスは独り言のように語る。
「……今日、家族の誕生日だったんだ」
「………………」
「私の家族って面白いんだよ?私以外、同じ日に誕生日なんだよ」
「………………」
「だからね?今日、みんなにオムレツを作ってあげようと思ったの」
「…………………」
「お父さんが作ってくれて、言ったらみんなも食べたいって言ってたんだ」
そう、彼女が何故この日に家族にオムレツをご馳走しようとしたのかというと……父である正樹の一言がきっかけであった。
「……え?オムレツが食べたい?」
「そう、お父さんに作ってくれないか?」
エリスの父、正樹が自分の娘にオムレツを食べたいとせがんでいるのには理由があった。エリスが母のこと静香に内緒で一人だけで料理したのだ。静香と一緒に作ったオムレツをどうやって作ったのかを思い出しながらやっていたところを正樹に見つかってしまったのだ。
その時に正樹が自分に食べさせてくれるなら黙っといてあげるという言葉に釣られてしまったのだ。そして、調理したオムレツを正樹が口にすると……。
「……静香にそっくりだ」
正樹は驚愕の表情でエリスを見ていた。エリスは父の表情に自信を無くしていた。
「……おいしくなかった?」
「……いや、おいしかったんでびっくりしたよ」
正樹はエリスの髪を撫でながら自分が食べた感想を言う。するとエリスは嬉しそうな顔をしながら正樹に抱きつく。その後は結局のところ黙って料理していたことがばれてしまう。しかも、静香ではなく兄の祐樹に見つかってしまったのだ。特に怒られたのが正樹であった。
「親なんだからちゃんと注意しなきゃ駄目じゃんか!」
「はい、すいません……」
――――何故か自分よりも父が怒られるということになってしまったのだ。
そんなことがあって以来、父がたまに私に言って来るのだ。その度に作るのだが毎度毎度作っては面白みがかけてしまう。それを正樹に言うと手をポンッと叩き告げる。
「じゃあこうしよう。お父さんのお誕生日の日にオムレツを作ってくれないか?」
「えっ?お誕生日の日がいいの?」
いつもは外で食べた後に家でケーキを食べるといったのが我が家の決まったパターンだった。さすがにオムレツだけでは駄目だろうと思うと正樹は食べに行く前に食べたいと言った。
「でも、お腹が膨れちゃうよ?」
「お父さんはエリスのオムレツが食べた後に夕食を食べると幸せになれるんだ」
本当かなと思っていると静香と祐樹がこちらにやって来る。
「なにそんなこと言ってんだよ……」
「お前もそう思うだろ?」
「まあ……可愛い妹が作ってくれた料理をもらえばそりゃ思うけどさ」
頬をほんのり赤らめる祐樹に正樹はにやにやとした顔で言う。
「や~い。シスコンにロリコ~ン!」
「ふんっ!!」
ドコンッ!!
「へぶしっ!?」
祐樹は渾身の一撃を正樹の腹に叩き込む。正樹は訳の分からない叫び声を上げてから床に倒れこむ。
「ふ、普通、父の腹を、殴ったりしないと思うのですが……」
「実の息子にロリコンだのシスコンだの言わないと思うが?」
冷たい視線で父を見下ろす兄。その光景を見ていた静香は楽しそうな表情をする。
「いつも楽しいわね」
「そうだね!」
エリスが静香にそう答えると静香はそうだと言いながら父と同じように手を叩いて言う。
「今度の誕生日は家で食べましょう!そうすればオムレツと夕御飯が一緒に食べられるでしょ?」
「―――っ!うん!」
「だからね、今日は作ってあげようと思ったんだ」
「………………」
理由を聞いた女はエリスに対して何も答えない。ただ、ひたすら顔を俯かせ拳を震わせていた。
「でも、もうみんなに作ってあげられないんだね」
エリスは目に涙を溜め頬に流す。そのことに気づいていないのかエリスは拭おうともしない。
「―――もう、お父さんとお話ができないんだね」
『エ~リ~ス!』
あの陽気な声がもう聞くことができない。
「―――もう、お母さんと料理ができないんだね」
『あらあら。上手にできたわね、エリス』
あの優しい手で撫でてもらう事ができない。
「―――もう、お兄ちゃんと遊んでもらうことがないんだね」
『エリス、今日はお兄ちゃんがどっか連れてってやる』
もう、あの背中を見ることができない。
―――ああ、もう、あの温もりは戻ってこないのか。
「―――アア」
抑えきれない。
「―――アア、アアア」
もう、止まらない。
そして彼女は――――慟哭する。
「アア、アアアアアアアア、アアアアアアアアアッッッッッ!!!!!」
「………………」
エリスは獣のように叫び、喉が枯れるまでやった後、女はエリスに問いかける。
「……お前はこんなことをした奴がいたらどうする」
「……殺してやる。もし、そんなのがいたら」
小学生とは思えない言動振りである。そのことに女は一瞬驚いた顔をしたがすぐに先程と同じ表情に戻す。
「だが、どうやって?何か方法はあるのか?」
「………………」
女の問いかけにエリスは答えられないでいた。それはそうだ。彼女はまだ小学校に上がったばかりの子だ。そんな子が答えられる筈がない。すると、女はエリスの目の前に行き膝を付いて目線を合せる。そして、女はエリスに一つ提案を持ちかける。
「……なら、私と共に暮らさないか?」
「……え?」
エリスは何故そんなことを言ってくるのか理解できないでいた。だが、そんなことはお構いなしに女は話を進める。
「家も無く、お金も無く、食べるものも無いだろ?なら、私の家に来い。……なに、弟がいるが悪い奴ではない。それに、私がお前の復讐の手伝いをしてやろう」
「どうして、そんなことしてくれるの?」
女は何故だろうなと呟く。しばらく女は考えた後、口を開く。
「……償い、だろうな」
エリスは何に対しての償いかは分からない。だが、このままではいけない。知らなくてはいけないのだ。どうしてこんなことが起きたのかを。そのために必要なことを彼女が用意してくれるというのだ。なら、利用させてもらおう。
「……わかった。あなたと一緒に行く」
「……そうか。名前は何て言うんだ?」
「……エリス。六条エリス」
「……そうか」
「あなたの名前は……?」
「私か?私の名前は――――」
――――織斑千冬だ。
これが彼女との出会いである。
そして、私の復讐の始まりの日でもあった。
設定はなるべく本編で語りたいとおもいます(*´∀`)
その方が面白いと思いますので( ´△`)
それでは、また!!Σ(゜Д゜)