The music of mind for twintail .   作:紅鮭

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メイド服の起源は、教会の修道女(シスター)が作業の為に修道服の上からエプロンを着用したのが始まりとされている。長丈長袖のメイド服からエプロンを外し、厚手のケープ被せたのを想像すりゃあ納得できるよな?
基本的にロングドレスを用い装飾を抑えたシンプルな『ヴィクトリアンメイド』とミニスカートを用い装飾過多なフランス風の『フレンチメイド』の2種に大別されるが、日本で発達したメイド文化が混ざった物を海外では『ジャパニーズメイド』と呼ぶ趣もある。
やっぱメイドはいいねぇ〜!!!



今回はテナーサイドです。
ついにあの二人がキャッスルドランに。


ストレッタ/来訪者

「全く、今日も調子の狂う敵だったな……」

「お疲れ様」

 

 キャッスルドランの廊下。

 テイルファングは変身を解除し、テナーへと戻るとぶつくさ文句をボヤいていた。

 隣りでは実体化した響輔がテナーの心労をねぎらう。

 

 

「特にあのスルメは許せん。私に向かって胸デブというあの暴言、最早ヤツには死あるのみだ」

「テナーはスタイルいいと思うよ」

「だろう?」

 

 冷静になって思い出し、再び怒るテナーを響輔はなだめる。

 

「帰ったぞ。ヴェディ、そんな所で何をしている」

 

 居間へのドアの前に立ち、きき耳を立てているヴェディがいた。

 

「テナー、アンタにお客さんよ」

「誰だ?」

「『幼馴染』って言えばわかる?」

「ッ!!」

「テナーの幼馴染?」

 

 響輔はテナーの幼馴染だと聞いて不思議そうにしているのに対し、テナーの顔が一気に強張った。

 エレメリアンと対峙する時でさえ冷静なテナーからは想像がつかないくらいに。

 

 

「──っ!?(何だ!?この音楽は……)」

 

 

 そして響輔はすぐに察知した。

 禍々しさはないものの、部屋の中からさっきのエレメリアン以上に強い音楽を感じる。

 

「テナッ……!」

「しっ!分かっている。響輔、お前は私の内に隠れていろ」

 

 心配する響輔を自分の内へ避難させ、ゆっくりとドアを開いた。

そこには──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あーそこそこ。リキ君って言ったかい?君、マッサージ上手ではないか~」

「んっ、あり…が…とう」

「はい、お茶です」

「おう!ラモン君と言ったかい?気が利くではないか。ありがとう」

 

 そこには二人の見知らぬ少女がいた。

 ひとりは──服装は袖口の広い黒コートに同色のフード付きケープ、インナーは藤色。髪は真ん中分けの菫色、短めのショートボブを側頭部でツインテールにした少女は(リキ)に肩もみされ、ラモンから出された茶を飲んでいた。

 そしてもうひとりは──教会のシスターみたいな黒い修道服に白いケープ。髪の色は灰色、右目を前髪で隠し、後頭部に存在する薔薇のデザインをあしらったヘッドドレスの様な大きい赤銅の髪留め、左右の穴から二つの髪房を流した様なツインテール、丸いレンズのメガネがいかにも知的な雰囲気を醸し出し、少女は高そうなワインボトルを何本か空けて、グラスを仰いでいた。

 次狼とマルシルはその二人と距離を置いて控えていた。

 

「はぁ~い、テナー。久しぶりね。来ちゃた」

「おぉっ!テナちゃーん!おかえりーっ会いたかったよーっ!!」

「ぐえっ、やめろ鬱陶しい!」

 

 入室してきたテナーに灰色ツインテールの少女は不敵に笑いながら挨拶をし、(リキ)に肩揉みされている菫色ツインテールの少女は立ち上がって、テナーに抱きついてきた。

 抱きつかれたテナーはうんざりしたような、諦めたような表情を隠すことなく、その少女を引き剥がそうとする。

 

「ひと月ぶりね、テナー。お元気そうで何より。ヘリオスの視察の方は順調そうかしら?」

「はっはっはっ!すまない、テナちゃん。勝手に上がり込んじゃって」

「でも、いいわよね。このキャッスルドランはアタシ達、チェックメイトファイブの共有財産なのだから」

 

 ソファーにどっかり座り込んだ灰色ツインテールの少女はグラスに入ったワインを揺らしながら、流し目で挨拶をし、菫色ツインテールの少女は気さくにテナーに語り掛ける。

 いきなりの来訪に戸惑いはしたものの、テナーは心を落ち着かせ、

 

「これはまた急な来訪だなデュレット、メゾンヌ──来るなら来ると連絡の一つでも寄越してくれればそれなりにもてなしたものを」

『あれがテナーの幼馴染なのか?』

 

 ワインを仰っていた灰色ツインテールの少女──デュレット、肩もみをしてもらっていた菫色ツインテールの少女──メゾンヌに対して言い放つ。

 響輔はテナーに訊いてみたが、テナーは答えずに唇を指で撫でる。

「今は会話できない」という合図だ。

 

「それじゃあ、アタシ達が来た意味がないのだね。何事もいつもど~り、クイーンとして任務を全うしているかを見ておかなくっちゃ」

「わざわざご苦労な事だな。それで、私の秘蔵のワインを勝手に空けて待っていたのか?」

「んもう、堅いこと言わないの。百ある内の一つや二つでガタガタと……」

 

 テナーの事など意に介さず、空になったグラスに再びワインを注いで香りを楽しみながらグラスを仰ぐ。

 

「んん〜、本当に美味しい。蔵の中で寝かせておくには実に勿体ない」

 

 中でもより極上のワインを目ざとく引っ張り出して来たことに、顔をしかめずにはいられない。

 

「それで…本当の目的は何だ。只の監察ではないのだろう。セレーネからヘリオスまでわざわざ足を運んで来て…」

「まさか、アタシ達もそんなに暇じゃないのだね」

「では何の為に──」

 

 デュレットはパサッと新聞や雑誌をテーブルに放った。

その雑誌にはテイルレッドやテイルブルーがデカデカと載っている。

 

「報告書に記載されていたヘリオスの協力者がどんな人物か気になってね。ひと眼見ておこうと思って来たわけなのだよ」

 

 本当に腹の底が読めない女だとテナーはつくづく思う。

協力者云々は口実だ。一体この女は何が狙いだ?と思考を巡らせる。報告書には響輔の事を書いたつもりだったが、それをツインテイルズのことだと勘違いしているらしい。

 それならそれでありがたい。

 もし、自分の中に響輔(アントローポス)を生かしていること、そして響輔が音也の息子だということがわかった瞬間、この女は鬼の首でも獲ったかのようにテナーを責め立て、追求してく事は容易に想像できるからだ。

 

「にしても、なかなか可愛い仲間がいるではないか。特にこのテイルレッドちゃん!今度私にも紹介してくれないか?」

「メゾンヌ、テナーは遊びで戦っているんじゃないのよ」

「……」

 

 目をキラキラとさせてテイルレッドを指差すメゾンヌをデュレットがたしなめる。

 

「まさかまさかのひょっとして。そいつらにアタシ達ファンガイアや鎧について話してないでしょうね」

「それは絶対あり得ん。出来る限りの接触は控えている」

 

 そこはキッパリと否定しておく、キバの鎧はファンガイアの間でも存在自体が秘密事項である。

 とりあえず、響輔の事には気付かれてはいない。

 

「じゃあ彼女らとは利害一致の共闘関係にあるというの?」

「そうだ。ツインテイルズは大きな戦力となる」

「ふ~ん」

 

 デュレットはマジマジとテナーと瞬きはおろか、視線のひとつすら逸らさず交わし合い、両者は一歩も引かない。

 

「まあまあデュレット、テナちゃんにもさぁ。色々考えがあるのではないだろうか?」

 

 そんな緊迫な空気の中、メゾンヌが間に割り入って話を中断させた。

 

「もうちょい任せてみようではないか。これはチェックメイトファイブ・クィーンの仕事なのだし」

「それもそうね──そういう事ならそういう事にしといてあげようかしら。しばらくヘリオスに長期滞在するというならば、好きにすればいいわ。行くわよ、メゾンヌ」

 

 そう言って、デュレットは立ち上がるとメゾンヌを引き連れて出て行こうとする。

 

「ああそれともう一つ…」

 

 丁度テナーの横を通り過ぎようとした時、デュレットが思い出したような声を上げる。

 

 

 

「音也さんの遺族には会えた?あなたずっとヘリオスへ行きたがっていたのは任務がてら、気になっていたのよね?どうだった?」

「…任務の最中だ。余計な事にうつつを抜かしている暇はない」

 

 

 その言葉を聞いてデュレットの顔から笑みが消えた。

 

 

「────そぉ…」

 

 

 納得した様に言葉を返すと二人はそのまま扉を開けて出て行った。

 

 二人のコートの背中──デュレットには薔薇とチェスの駒のビショップの紋章が、メゾンヌには薔薇とチェスの駒のナイト(ユニコーン)の紋章がテナーの視界を通して響輔の視界に入ってきた。

 

『あの紋章って…!まさか…──』

「ああ、あの二人はチェックメイトファイブ、ビショップ・赤銅のキバの所有者──デュレット・オルゲン、ナイト・白銀キバの所有者──メゾンヌ・リチュカーレ。幼年時代、音也の下で同じ釜の飯を食った仲だ」

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