ぶっちゃけ本文確認しないせいですね、ハイ。
所変わり、急ぎ帰って来た黒ウサギ達は箱庭内の噴水広場で合流していた。その場で黒ウサギがジン達に何か変わったことは無かったか聞いた時、それは説明された。
「な、なんであの短時間で"フォレスト・ガロ"のリーダー相手に喧嘩を売る状況になってるのですか!?
しかもゲームの日取りは明日!?しかも敵テリトリーの中で戦うなんて!一体どういうつもりですか三人とも!」
「「「ムシャクシャしてやった。反省はしてます。」」」
「黙らっしゃい!!」
三人の息を合わしたような返事に激怒する黒ウサギ。
それを見て何が面白いのか、ニヤニヤする十六夜と、我関せずの態度で見ているエミヤ。
「別に良いじゃないか。別に見境なく喧嘩売った訳じゃないんだし。」
「十六夜さんは面白そうだから良いかもしれませんけど
、この"契約書類"を読んでください!」
そこには、ゲームのチップと商品が書かれており、内容曰く。
参加者《プレイヤー》が勝利した場合、主催者《ホスト》は参加者側が言及した全ての罪を認め、箱庭の法の下、罰を受ける。
主催者が勝利した場合、参加者は罪を黙認する
と、書いてあった。
「確かに時間はかかりますけど、彼らの罪は必ず暴かれます。その…子供達はもう…」
そこまで黒ウサギが話すと、今まで話に参加していなかったエミヤが代弁した。
「その子供達は既に殺された後。そこを責めれば必ず此方が勝てる、か。
まあそうだな。此方に直接的なリスクが無かったとはいえ、わざわざこんな事をしなくても良かっただろう。
それに、だ。ジンくん。」
そう言ってエミヤはジンを呼び掛けた。
「は、はい。何でしょう?」
「今回は此方にリスクが無かったから良かった物の、君達が最初に景品を相手に提示させて喧嘩を吹っ掛けたんだ。
それはこの世界のルールだと、吹っ掛けられた相手が好きに此方のチップを決められるという事で良いはずだ。それを、リーダーである君は考えなかったのか?」
「そ、それは…」
エミヤはその美貌のまま眼を鋭くして、ジンを見る。
「十六夜曰く、マシな者が黒ウサギともう一人居ると聞いていたんだが…これは宛が外れたか?」
それに対して黒ウサギはエミヤに注意する。
「エ、エミヤさん!ジン坊っちゃんはまだ10を越えてそんなに経ってないのですからもっと優しく…」
「だけどね、黒ウサギ。このコミュニティのリーダーはジンでしょ?なら、甘やかしてはいけないんじゃないかと思うけど。
それに、普段"コレ"がコミュニティの方針を決めているんだろう?」
そう言ってジンに視線を向ける。
「…普段は黒ウサギが参謀役をしてその方針を僕が決めています。」
「しかし、今回は独断だ。これで相手が此方を"黙らせるために全員殺す"という負けた時の条件を出してきたらどうするのだ?」
そう鋭く言い放っつ。
「しかも、相手がルールを決められるという不利なこの状態でだ。確かに二人のお蔭で勝ち目があるとは言え、もしそのアドバンテージが無くなるようなゲームを出された場合。
私達は君の軽はずみな決定で死ぬのだが。」
そう言ってエミヤは生前、鷹の眼と呼ばれたその瞳でジンを射ぬく。その眼力に加え、あったかもしれない可能性を考え、顔を青くし怯んでしまうジン。
「あう…」
「エ、エミヤさん…その辺でもう…。そ、それに十六夜さんとエミヤさんがいれば"フォレスト・ガロ"相手なら楽勝でしょうし!」
そう言って黒ウサギは努めて明るく言い放った。
「あん?何言ってんだ黒ウサギ。俺は参加しねーぞ?」
「私もよ、黒ウサギ。今回はリスクが無いのだし、リーダーの成長を少しでも願って参加しない。」
「そうね。当たり前だわ。これは私達が売って、相手が買った喧嘩だもの。」
二人は黒ウサギの弁に否を唱え、飛鳥は微塵も負ける気がしないとでも言ってるように答えた。
「そ、そんな!エミヤさんはわかりますけど、でも、御二人は仲間なのだから。」
「さっきお嬢様が言ってたろ?コレはコイツらが売った喧嘩だ。横槍を出す無粋な真似は俺のポリシーに反するんでな。」
「私も、十六夜に同意するよ。それに…ここまで悪条件で勝つ気でいるんだから。喧嘩を売った本人の手腕を見ないとコレから先安心できないわ。」
「なら、二人に見せて上げるわ。勝利の白星ってやつをね♪」
そう言って二人に不適な笑みを向ける飛鳥。
「…もうお好きにどーぞです…。」
そう言って黒ウサギは肩を落とした。
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コホンと咳払いをした黒ウサギは、全員に切り出した。
「そろそろ行きましょう。本来なら色々と歓迎する予定でいたのですが…今日はお流れになってしまいました…」
それを聞いて、全く悪びれもせずにいる十六夜と、本気で焦るエミヤの対称的な図が出来上がった。
「ああ、すまない黒ウサギ!そんな事があるとは露知らずに…」
「別に良いのよエミヤさん。黒ウサギに無理をしてまで
歓迎されるとわかったら素直に喜べないわ。」
それを聞いた黒ウサギは頭を下げた。
「申し訳ございません。皆さんを騙すのは気が引けたのですが……」
「もう気にしてないから良いわ。」
「私も気にしてないよ。黒ウサギ。」
飛鳥と、耀は黒ウサギにそう言って慰めた。
「ありがとうございます御二方様!」
それを聞いていたジンは、黒ウサギに今後の行動をどうするか提案を求めた。
「それじゃあ今日はどうするの?」
「あ、ジン坊っちゃんは先にお帰りください。
ギフトゲームが明日あるので皆さんの鑑定をしに"サウザンドアイズ"に行こうかと。」
それを聞いたエミヤ達四人は首を傾げる。
「どこだ、そこ?コミュニティなのか?」
「YES。サウザンドアイズは特殊な"瞳"をもつ者達の群体コミュニティ。箱庭東西南北・上層下層のすべてに精通する超巨大コミュニティです。
皆さんの力の正しい形を把握した方が、引き出す力の大小も変わってきますし。皆さんも自信の力の正体は気になるでしょう?」
そう言って黒ウサギはサウザンドアイズが在るであろう道に向けて歩き始めた。
四人は思うところもあるだろうが、特に反論する材料もなく、黒ウサギに付いていく。
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彼らは、現代でいう少し昔のヨーロッパの文化が根付いたような建物で囲まれた道を歩く。脇には、桜が満開に咲いた時に似た花を咲かせる木が綺麗に植えられていた。
「これは…桜の木?でも今って真夏よね?」
「いや、まだ初夏になったばかりだぞ?気合の入った桜があってもおかしくないだろ。」
「……?今は秋だと思うけど?」
「すまない耀。此方に同意を求められても、私は季節がわかる状況では無かったから困ってしまうのだけど…」
「そうなの?でもコレはどういう事なんだろ?」
3人が噛み合わない現状に首を傾げていると、黒ウサギが説明した。
「皆さんはそれぞれ違う世界から呼ばれたのデスよ。
多分、時間軸以外にも歴史や文化や生態系など、色々違う所があると思いますよ?」
「パラレルワールドってやつか?」
「近いですが違いますね。正しくは立体交差平行世界論というものです。」
二日ほどは説明が必要なのでそれはまた今度、ということでお願いします。
そう付け加えた後に、
「皆さん見えましたよ。あの旗の店が"サウザンドアイズ"デス。」
旗には蒼い生地、絵は向かい合う二人の女神が写されている。
その店の前で看板を降ろそうとしている割烹着の女性に、待ったをかけようとする黒ウサギ。
「ま」「内は既に営業時間外です、お客様。」
間髪入れずに宣言する店員。
「そんな!まだ閉店五分前デスよ!?
飛鳥、十六夜はそんな店員の態度に少し苛立ち、耀は我慢せずを貫く。エミヤは、それは客として微妙ではないか、と思いが過り、会話を観察していた。
そんな耀とエミヤを除き、黒ウサギは抗議し、店員は侮蔑を込めた眼で対応する。
「なるほど、"箱庭の貴族"を蔑ろにするのも気が引けますね。中で許可を取りますのでコミュニティの名を言ってください。」
「うっ。」
黒ウサギは焦る。
(確か"サウザンドアイズ"はノーネームはお断りだったはず…不味いです。)
そんな黒ウサギにかわって十六夜は何のためらいもなく言った。
「俺達はノーネームってコミュニティ何だが。」
「そうですか。どこの"ノーネーム"様でしょうか?宜しければ旗をお見せしてもらえないでしょうか」
(…なるほど。コレが名と旗を奪われた"ノーネーム"の末路か)
そうエミヤが考えていると。
「いいいぃぃぃぃぃやっほぉぉぉぉい黒ウサギィィィィィィ!!」
そんな声が聞こえた思ったらまた遠ざかっていた。
同時に白い髪をした幼女が黒ウサギを拉致ると共に川に突っ込んでいった。
やっと白夜叉登場ですね。
道のりが長かった。