今回は初の女性主人公に挑戦です。
どこかおかしな所があれば指摘して下さい。
プロローグ
天使は子供を産むことはできない。
正確には、天使が堕天しないよう様々な儀式を施した後、一切の邪な感情を抱いくことなく行為に及ばなければならないという、非常に厳しい制限がつく故に、産むことが難しい。
一瞬でも快楽に身を任せてしまうと、それだけで堕天してしまう。行為に及んで邪な感情を抱かないなど不可能に近い。故に、子供を産むことができないと言っても過言では無い。
事実、何百、何千と生きている天使の中で子供を産んだ経験のある者はゼロだ。
今後も、天使が子供を産むことは無いだろう。そもそもそういった想像すらできないであろう天使たちでは、一生ありえない。
そう思われていた矢先のことだ。
一人の女性天使が人間の男と結婚した。女性天使は、天界でもトップの階級に立つ熾天使(セラフ)の一人。
それだけでも天界全土に驚きを与えたというのに、それを超える驚きが後に知らされた。
それは、人間と結ばれた熾天使のジブリールが堕天することなく妊娠したということだった。
☆☆☆☆☆
天界に産まれた天使と人間のハーフ。
名前を七星十香。結婚相手の男が日本人であったため、名前をそちらに寄せたいとジブリールがお願いしたようだった。
天界では十香のことを天使の出産など絶対にありえないとされていたため、「奇跡の子」とも呼ばれるようになっていた。
だが、十香が本当の意味で「奇跡の子」と認識される事実が発覚する。
亡くなった聖書の神が残した、天使の名を冠する武器。神々すら屠ることができる強力な力を秘めた《天使》。人間でなくては扱うことができず、素人の人間でも上級悪魔を倒すことが可能でり、記録では戦闘の素人が最上級悪魔すら追い詰めたとされている。
天界を除いた全勢力が警戒し怯えるほどの力を持った《天使》を、十香は産まれながらに宿していたのだ。
本来ならありえない天使の子供に、人間の血が混ざってたが故に、選ばれた《天使》。これを奇跡と言わずして何というのか。
十香の存在は、天界のトップである熾天使だけの秘密とすることとなる。「奇跡の子」が《天使》に選ばれたとなると、悪魔、堕天使はおろか神々すら手を出してくる可能性が非常に高い。
だが、完璧に隠蔽することは不可能だ。勘の鋭い者なら、個人を特定はできないだろうが誰かが《天使》に選ばれたと気づいているだろう。
とは言っても、それが十香だとは気付かれにくいはずだ。天使の子供が《天使》に選ばれた、なんて冗談みたいな存在がいるなんて想像もできない内容だ。もし想像した者がいたとしても妄想だと切り捨てられることが目に見えている。
ならば、一番警戒しなくてはならないのが「奇跡の子」たる十香の存在を知っている天界そのものだ。
その後すぐに天界全階層に、十香の存在は外へ絶対にバラさないようにと通達されたのだった。
聖書の神が残した言葉にこういう一節がある。
『真に相応しい《天使》の使い手が現れた時。世界を脅威から救うだろう』ーーーーと。
一人の女の子が《天使》に選ばれ、この世に生まれた瞬間から世界の歯車は動き出す。
この作品ではジブリールとガブリエルは別々の天使です。