機械戦争(仮題)(凍結)   作:朝ブレンドティー

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ケースその1 初陣


とある戦地

戦火が見える。

 

 

轟音が聴こえる。

 

 

死が見える。

 

 

 

 

 

地獄を生き残れ、兵共(つわもの)よ。

 

 

 

 

ここは第二次世界対戦後も戦争の絶えることのない荒野。

そこに居るのは国連軍、対するは数年前に無くなった亡国の亡霊たちの成れの果て。

 

国連軍は圧倒的な火力と数を以って討ち滅ぼさんとする暴力。

亡霊達は残存戦力と傭兵らによる徹底抗戦。

 

傭兵達が参戦する義理などない筈なのに、彼等は戦い続ける。

何故なら其処には、底知れぬ闘争欲や自らの武力を誇示するための格好の場であったからだ。

ただ、それ以上の何かもあるのかも知れないが。

 

 

 

傭兵達は狩り続ける。

相手が赤子だろうと旧友だろうと家族だろうと御構い無しに殺し続けていく。

 

 

其処に終わりは無く、それ以上に亡霊達の存在さえ怪しくなったその地を止める者など何処にもいない。

正に傭兵達の地獄(じごく)。正に傭兵達の地獄(せんじょう)。正に傭兵達の地獄(ふるさと)

さあ、生き延びろ。傭兵。

 

 

 

 

 

 

「リロードだ!援護頼む!」

銃声。

 

「弾切れ!?すまん、一時退却す…ガァァァァ!?!?」

爆発。

 

「遠距離砲だ!耳塞げ!」

轟音。

 

 

 

自分が最初に見た光景。

国連と此方側が互いに撃ち合う音、物資を担いで走り回る兵士、遠くに見えた爆発。

 

 

自分の目覚めには充分な光景だ。

電源を入れ、機体を稼働させる。

周りには自身と同じ初陣の傭兵ばかり。友人同士で鼓舞しあう者達もいれば、瞑想している者もいた。

後数分で戦地入りとなったかく言う私も、初めての戦場に緊張していた。恐怖もあったが、それ以上に高鳴る闘争心が自身を勇気づける。

 

 

「もうすぐで君たちの初陣だ。いいか、これは戦争だ。戦場で怖気付いてたら格好の獲物だぞ。そんな下らない死に方をしたくなければ奴等を潰せ。健闘を祈る。」

司令部からの通信だ。

浮かれていた気持ちを抑え込み、出撃態勢を取る。

 

 

「出撃30秒前、全員構えとけ。」

 

 

「10秒前。」

 

 

「5、4、3、2、1、0。さあ、いってこい!」

 

 

 

始まった。

 

それからは、正に狂気が入り混じる光景だった。

機械を操縦する新兵達は国連軍の歩兵達を蹂躙し、

負けじと機体に向けてSRHC(Short Range High power Canon)が縦横無尽から放たれ、

友が死に、復讐心に駆られ単騎で敵地に突っ込んだりと、

力と力が正にぶつかり合う瞬間だった。

彼も全神経を集中させ、マシンガンで歩兵を一掃し、背部の10cm多目的砲で戦車や迫撃砲を潰して行く様はまさに好調そのものだった。

 

 

 

突如、戦場の空気が変わった。

国連軍が撤退し始めた。

まるで、起死回生の一手を打ったかのように。

 

 

 

 

 

 

 

そう。死は突然やって来る(Death visit suddenly)

 

 

 

 

 

 

 

「総員退避せよ!AMEDTESだ!」

 

 

AMEDTES(アーメドテス)。

対機械専用投下型爆裂槍。

名前にあるように投下型の爆裂槍。

運用方法は大型の爆撃機による絨毯爆撃となっている。

槍の先端が何かに当たると起爆する。その際に機械の装甲を高威力で杭が打ち付けられる。それが戦国ドラマで大量の矢が飛んでくるように、空を埋め尽くすように降ってくるため回避はもとより生存さえ難しいとされている正に会心の一撃とも言える兵器。

 

 

彼等もその存在は知っていた。

だが、彼等の初陣まて来るとは考えもしなかった。

今まさに私も含め十数機が戦場にいるこの時、生存は絶望的だった。ならば死ぬまでに一矢報いようと高を括って敵地に向かい弾幕を張る者あれば、神に祈りを捧げ始める者、たどり着けるかも怪しい本部に逃走する者。

 

戦場の恐怖に飲まれた者しか其処にはいなかった。

そして彼自身もそれに飲まれ、ただ死を待つ立ち止まる鉄屑へと様変わりした。

 

 

 

 

 

 

 

戦地に火柱が上がり、十数機全ての機械は爆散した。

戦場に生存者おらず。彼含め、今回の初陣勢は全滅した。

 

彼等は運がなかったというべきか。

これが戦争というものだと実感するには充分の結果だが。




彼はその程度だったという事か。
では、次のケースを見せてくれ。
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