決してふりじゃないですよ!
コンコン
「一夏さん、いらっしゃいますか?」
「いるけどどうしたんだい?」
「まだ夕食をとっていらっしゃらないみたいなので、体調でも崩されたのかと思いまして」
「シャルルが少し体調が悪くてね。部屋で食事をとるか、食堂に行くか悩んでいたんだよ。」
「そうですか。食材等はありますか?」
「ああ、問題ないよ。」
「・・・わかりましたわ。皆さんにも伝えておきます。後、シャルルさんにお気をつけてと伝えておいてくださいな。」
「ありがとう、助かるよ。しっかり伝えておくよ。」
そういうとセシリアの気配が遠ざかっていく。
騙してしまった心苦しいがシャルロットの存在がばれるよりましかな。
僕はシャルロットの方を振り向きながら
「何か食べたいもの、あるかい?」
「一夏が作るモノなら何でもいいよ。」
「じゃあおいしいものを作るよ。」
そういってから料理を作り始める。
僕はさっき何かすごい事を口走ったような気がするんだけどなんだっけな?
―――――僕は前世の記憶があるんだ。
・・・状況が状況だから何も言われなかったけど、引かれてるよね。
「一夏」
「なんだい?」
「頼って良いんだよね?」
「ああ、もちろん。」
「ふふっ、ありがとう、一夏。(ボクハイチカノモノデ、イチカハボクノモノ)」
引かれてないみたいでよかったよ。
ただ、なんでだろうね。
シャルロットに名前を呼ばれた時に少し背筋に悪寒が奔ったんだけど。
・・・風邪かな?まぁ気を付けよう、体は資本だからね。
とこんな事を考えているうちにおかずの鯖が焼きあがったみたいだ。
ご飯はレトルトごはん、みそ汁もレトルト。
・・・おかずをもう一品ぐらい作ろうかな?
焼き魚以外レトルトは少し悲しい。
「シャルロット。」
「なにかな?」
「おかず以外レトルトなんだけどいいかな?」
「大丈夫だよ。」
「作ると言っておきながらレトルトばっかりで申し訳ない。」
「でも、おかずは一夏が作ってくれたんだよね?」
「簡単なものだけどだけどね。」
「次は期待してるよ?」
「その期待に応えられるようにするよ。」
次はしっかりとしたものを作らないとね。
それはそれとしてしっかり盛り付けないと。
シャルロットの事だから、お箸だけで問題ないよね。
「はい、焼き魚とご飯とみそ汁。さっきも言ったけどほとんどレトルトだけどね。」
「ありがとう、一夏。」
「どういたしまして、次はしっかりしたものを振舞うよ。」
「次楽しみにしてるよ。」
「ああ」
そう会話を交わしてから食事を開始する。
自画自賛になっちゃうけど、なかなかこの焼き魚の塩加減は絶妙だと思う。
レシピを見て作ってるわけじゃないから次は同じように作れるかどうかわからないけどね。
「シャルロット」
「なにかな?」
「食事が進んで無いようだけど。」
「えっと、お箸に慣れてなくて。」
「すまない、スプーンを出すよ。」
「い、いいよ。一夏。」
「シャルロットから言ってきたことだけど頼って良いんだよ?」
「じゃ、じゃあね。た、食べさせてほしいな、なんて。」
「それくらいなら問題ないよ。」
「じゃあ、焼き魚からお願いできるかな?」
「わかったよ。」
「あ、あーん」
「あーん」
「・・・ん、おいしいよ、一夏。(関節キス♪)」
「それはよかった。」
これぐらいホント問題ないよ。
前に姉さんに食べさせてくれって言われた時はもっとひどかった。
箸で食べさせようとしたら手刀で箸を弾かれて『箸が落ちてしまったな』なんて棒読みで言われて『箸がないなら口移しでも仕方ないな、これは。』なんて言われた時はどうしようか必死で考えたよ。
姉さんの箸があったのがあれほど感謝したことはないよ。
「どうかしたの?一夏?」
「いや少し考え事をね。」
「・・・じゃあ次はご飯で(他の女の人の事を考えているみたいだけどいいか。イチカニアイシテモラエレバソレデイイシネ。)」
ゾクゾク
「わかったよ。」
これは本格的に風邪をひいてしまったかな?
ひいたらひいたでうつさないようにしないと。
時々背中に悪寒が奔ることがあったけどシャルロットに食べきらせることが出来た。
お読みいただきありがとうございます。
賢くなったセシリアは食堂に誘うなんて事はしませんでした。
ドⅯですが他人の事を思いやれるいい子です。
シャルロットはヤンデレにジョブチェンジしました。
箒と違う所は《一夏の一番でなくても良い》という所でしょうか
ただ、一夏の障害になる存在には一番過激になりそうな感じですが。