のほほんさんに じゃあ、また と言って別れてウィンディー先生についていく。
「織斑ここが今日お前が寝泊りする部屋だ」
言わずもがな、案内されたのは教職員・ウィン・D・ファンションと書かれた紙が貼られた部屋の前に来た。
「どうした入らないのか?」
「教師と生徒とはいえ、よく許可が下りたなと思いまして」
「はじめは個室にすると言う話も出たんだがな、それだと就寝時間を無視した女子がお前の部屋に来るだろうと言った奴がいてな」
「なるほど」
「後、やたらとお前の面倒を見ると言った教師もいたぞ」
「はぁ」
にやけながらそう言ってくるウィンディー先生。
その面倒を見ると言った先生が誰なのかすぐ分かる。
「姉がお騒がせしました」
「なに、あの堅物のブリュンヒルデにもああいう一面があったんだと楽しませてもらったよ。会議が長引いたのはいただけなかったがな」
「申し訳ない」
「謝罪はいいさ。もう謝罪は本人からもらったしな」
「そうですか」
会話の後、僕の横を通り抜けて部屋のドアを開けて手招きされる。
「とりあえず部屋に入ったらどうだ?お前には色々説明しないといけない事もあるしな」
「では、失礼します」
部屋の中に入る。
間取りは二人で過ごすには申し分ない、むしろまだ一人二人いけそうな大きさだ。
窓からは海が見える。
「なかなかいい部屋ですね」
「だろう?ああ、織斑。大浴場は使えるが時間交代だ。元々はここも旅館故に男女別々だが一年生全員となるとそういう訳にいかないからな。お前一人の為に使わせやっても良かったんだが、お前の周りにはお前と一緒に入りたがる奴が多いからな。問題が起きないようにするためだと思ってくれ。もし早朝や深夜に入りたい場合は部屋の風呂を使ってくれ」
「わかりました」
一緒に入りたがる人か、姉さんの顔が一番に浮かんでくる。
入ってきて問題が起きたら一大スキャンダルだろうな、こういう問題が起きないようにするって事は監視がついてくれるんだろうしその監視に姉さんが選ばれない事だけを祈るしかないか。
「さて、説明は以上だ。今日一日は自由だ、好きにしてきていいぞ」
「ウィンディー先生はどうするんですか?」
「お前が選んでくれた水着もあるし千冬と一緒にお前に着ている所を見せてやるさ」
「そんなに意気込まなくても」
「千冬もそうだろうが、男に水着を選んでもらったことなどないだろうしな。真剣に選んでくれた礼とでも思ってくれ」
「はぁ、わかりました」
「ため息をつくと幸せが逃げるぞ」
ニヒルな笑顔を浮かべる先生。
その時、コンコンっと扉をノックする音が聞こえた。
「ウィンディーいるか?」
「ああ」
「失礼するぞ」
「どうぞ」
短いやり取りの後、部屋に入ってくる姉さん。
…このやり取りが熟年夫婦みたいだなって思った僕は悪くないはずだ。
「織斑まだ外に出てなかったのか」
「今諸々の説明を終わらした所だ」
「そうか……一夏もし何かされそうならお姉ちゃんの部屋は隣だから来て構わないぞ」ボソッ
「……」
小声で言ったつもりかもしれないけどウィンディー先生にも聞こえてるからね。
「ふっ、大丈夫だよ千冬。織斑には手を出さんさ」
「なに?私の弟には手を出すほど魅力がないと?」
何いきなり凄んでるのさ姉さん。
「魅力は十分あるさ。何ならすぐに貰いたいくらいだよ」
ウィンディー先生もやり返さないでほしいな。
「……ウィンディー少し話がある。外に行こうか」
「ほお、面白い」
そう言って出て行こうとする二人。
「「ああ、そうだ。羽目を外して問題を起こさないよう気をつけろよ織斑(一夏)」」
振り返って名前以外ユニゾンして言ってくる。
「わかりました」
この一言聞いて出ていく二人。
その背中を見送ってから
「僕が何かしたかい?」
とつぶやいて少しぼーっとしながら海に行く用意をした僕は何も悪くないはずだ。
お読みいただきありがとうございます