魔法少女リリカルなのは~魔法使いな蒼い死神~ 作:ヤトガミ・レイナ・マリー・エクセリア
ホテル・アグスタの警備任務を終えたボクたち機動六課メンバーは隊舎に帰還、フォワード陣達は既に休ませてあった
「あのさ?三人共、ちょっといいか?…」
隊舎を歩いているとそうヴィータに呼び止められた
それで、話をするため、シグナムとシャーリーを含めてロビーに集まった
「強くなりたいっていうのは若い魔導師なら当然の思いだし、無茶も多少はするもんだ。だが、ティアナは…時々度を超えてる。
アイツ、ここに来る前になにかあったのか?ソウもティアナのこと過剰に気にしてるみたいだしよ……」
「うん…ソウ君……」
「ボクが話すよ……」
なのちゃんが心配そうにボクを見てきたことに気がついてボクはなのちゃんの手を優しく包んでから話し出した
「ティナには、執務官志望の兄が、いたんだ…」
それでフェイトがモニターを開き、そこにはティナの兄の姿が映された
「ティナの兄、ティーダ・ランスター。当時の階級は一等空尉。所属は首都航空隊。享年二十一歳…」
「かなりのエリートだったんだな…」
「そう。エリートだったから…なんだよね」
フェイトが声のトーンを落としてそう呟く
「ティーダはとある亡くなった時の任務中、逃走していた違法魔導師に手傷を負わせたんだけど取り逃がしてな」
「犯人は二手に分かれていたもう一人の魔導師が捕まえたそうなんだ。だけど、その任務のことで心無い上司がひどいコメントをして問題になっちゃったんだ」
「コメントって、なんて…?」
「犯人を追い詰めたくせに取り逃がすなんて首都航空隊の魔導師としてあるまじき失態だとか
たとえ死んでも取り押さえるべきだったとか
任務を失敗するような役立たずは云々…とかな」
「ティアナはその時、まだ十歳で、たった一人の肉親をなくして、そしてその最後の仕事が無意味で役に立たなかったと言われて、きっとものすごく傷つき苦しみ、悲しんで…」
「ティナはそれで躍起になっているんだ。そして証明したいんだ……兄の教えてくれた魔法は役立たずじゃないって事を…」
「そうなのか…ソウはティアナのこと……」
「ティーダの最後の任務に一緒にいた魔導師はボクなんだ……」
ボクはティーダとの出会いを話した
「最初にティーダと会ったのは武装隊の任務を受け持っていた時にたまたま、ティーダと一緒の任務に就いてな。任務後に妹が居るって話から意気投合したんだ……」
「ティナと会ったのはその、少し後だったがもう一人の兄として慕ってくれてたんだけどな……」
「あの日……ティーダの最後の任務、犯人は二人…途中で二手に分かれて逃亡し出して、ボクとティーダは別々に追いかけたんだ」
「ボクは犯人を捕まえることが出来てティーダの応援に行ったら……ティーダは死に体、犯人が逃げていくのを確認できたから再起不能レベルで叩き潰したけど、ティーダは……」
「でも、ソウは頑張ったんじゃねーのか?相手はソウが苦戦する程の相手……」
ボクはヴィータの言葉に首を横にふった
「いや、古代魔法は一切使っていない……使っていればティーダが死ぬことなんて無かった…」
「ソウ君はそんな後悔もあってティアナのことを見守ることに決めてたんだよ……それと同時に六課に推薦したのもソウ君なの」
「ティナにこの部隊は良い経験になると思ってな……でも、まだティナには早かったかもしれないな……そうだ、なのちゃん」
ボクは少し前になのちゃんが言っていたことを思いだした
「なに?」
「もう少ししたら分隊ごとに模擬戦するって言ってただろ?その模擬戦のスターズだけで良いからボクにやらせてくれないか?」
「……分かった、いいよ。少し残念だけど……」
「ごめんな、時間があるうちになのちゃんの好きな物作ってあげるから…勿論、二人のやはやて達にもな」
ボクの言葉になのちゃんは勿論だったがフェイトやヴィータも目を輝かせていたのは言うまでも無い
そして、数日後……
「さーて。じゃあ午前中のまとめ……2on1で模擬戦やるよ。まずはスターズからやろうか……バリアジャケット、準備して」
「「はい!」」
「ライトニングとプリンスは、アタシとザフィーラと見学だ」
「「「「はい」」」」
予定通りに午前の訓練を終えたところで、なのちゃんの従ってスバルとティナはバリアジャケットを身に纏い、エリオ達はヴィータとザフィーラと共に模擬戦が見えるように近くのビルの屋上へと上がった
「行くわよ、スバル」
「おう!」
「あ、それとスターズだけ模擬戦の相手はソウ君になるよ」
「「え?」」
なのちゃんのいきなりの発言にティナやスバルは呆気にとられていた
「そう言うことだ、《一切手加減するつもりはないから》今までの成果を出さなければ…………《叩き潰すからな?》」
「「ッ!!」」
ボクは戦闘のスイッチを入れてスバルとティナに忠告する
「それじゃあ、用意はいいね?始めるよ……レディーGO!」
「白夜の魔導書起動!!
ボクは白夜の魔導書のページをめくり、光の矢を千条、スバル・ティナ目掛けて放出する……
「「はぁ!!??」」
スバルとティナは身構えていたがその足はす直ぐに後方へと掛けだしていく
「「無理無理無理!!!!!」」
「おら、スバル!!フォワードの守りの要でもあるお前が逃げ出して如何する!?ティナも逃げてるだけじゃ成長しないぞ!!」
「そうは言っても!!」
「いきなりこれは卑怯です!!」
「模擬戦だからと油断するな。ボクはお前達に見せていない手なんてたくさんあるからな!!」
ボクはそう言うと白夜の魔導書を閉じ、ユイちゃんの元に送還された
「さて、全力の一端を見せたところでお前達はどうする?」
「「……」」
ボクの言葉にスターズの二人は息を整えると構える
「さあ、ここからが模擬戦の開幕だ……」
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
「ファントムセット!!モードスバル!」
≪了解だよ!モードスバル!!セットアップ!!≫
模擬戦を始めてすぐ、スバルが突貫してきたことでボクは教導用デバイス〝ファントム〟を用いてスバルの突きを防いだ
〝ファントム〟は教導用デバイスとしてボクが最初に作ったデバイスで基本形態は杖と剣、他にはスバルのローラー、ティナのツインガン、エリオのランス、キャロの手袋など、教導相手が使っているデバイスを使えるようになっている
「え!?」
「嘘!?」
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「ッ!!う、うわぁ!!」
「相手の行動にいちいち動揺しない!!」
「は、はい!!」
力任せに押し切りスバルを吹き飛ばすとスバルは落ちそうになるが何とかウィングロードの上に着地する
「クロスファイアシュート!!」
「モードティアナ、セット!!クロスファイアシュート!!」
≪モードティアナセットアップ≫
「嘘!?」
「どうしたティナ!?いつもよりも全くキレが無かったぞ!?」
「ッ!!す、すみません」
いつもよりもキレが全くないティナの〝クロスファイアシュート〟に全く同じ軌道の〝クロスファイアシュート〟で相殺した
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「甘い!!」
再び接近してきたスバルの突きを今度は魔力を込めた糸を束ねた盾で防いだ
「糸!?でも!!うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「ッ!!(いま、一瞬…スバルの目の色が?)いいぞ、スバル!!」
スバルが魔力糸を束ねた盾を破ろうとした瞬間に目の入りが金色になったような気がした
その頃 イリヤSide
私とミユ、エリオくんにキャロ、なのはさんとフェイトさん、ザフィーラにヴィータさんスターズとお兄ちゃんのは2no1の模擬戦を見学してました
「ソウ君、教導するのうまいな……」
「そうなんですか?」
なのはお姉ちゃんの呟きをエリオくんが聞き返した
「うん。ソウ君はまだ、みんなに見せてない手札をあえて見せることでティアナとスバルの判断能力や危機管理能力を模擬戦中に鍛えようとしてるんだよ。私には真似できないな~」
「アタシもそうだな」
「うん、私も真似できない」
「え!?フェイトさんやなのはさんでも無理なんですか!?」
なのはお姉ちゃん達の言葉にキャロちゃんが驚いてました
「うん。私達はミッドやベルカ式のどちらかしか使えないからソウ君みたいにみんなや過去に見せたこと無い魔法は殆ど無いんだ……でも、」
「ソウはミッド式、ベルカ式に加えて仮想式と古代魔法を使えるから私達以上に使っていない魔法が多いの」
「それに、ソウの奴はユイとのユニゾン、ストレアとのユニゾンも使えるしな。魔法の引き出しなら局員一間違いねーな」
なのはお姉ちゃん達の話を聞いて改めてお兄ちゃんが凄いって思いました
≪(イリヤさん、改めてお兄さんに惚れ直しました?イリヤさんの初恋は……)≫
「(ちょっとルビー!?変なこと言わないでよ!?)」
もう!!お兄ちゃんが作ってくれたルビーは高性能だけど少し変なんだから!!
ソウSide
「ティナが収束砲?(違うな……アレはフェイクか)」
スバルとの攻防中、ティナが姿を眩まし次に姿を現したとき、ティナはビルの屋上から収束魔法の準備に取りかかっていた
「(この展開なら……)」
「やあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
ティナのもう一つのスキルとこの展開から導き出された、《最悪な展開》は収束砲を展開しようとしていたティナが消えたことで現実味を帯びた
次に姿を現したティナは上空のウィングロードから飛び降りた…ティナのクロスミラージュの銃身には短剣ほどの刃渡りの魔力刃が展開されていた
「(……やっぱりこういう形になったか…)ファントム…モードリリース」
≪はい…≫
ボクはファントムを待機状態のバングルに戻すと爆煙に巻き込まれた
「可笑しいな……ボクとなのちゃんはそんな危険なこと教えてないのにな……いったいどうしたんだ?」
「あ、あの…え、えっと……」
「……」
爆煙が張れると素手でティナの魔力刃を掴んでいるボクとボクが魔力刃を掴んでいることに動揺しているティナとスバル展
「練習で教えたこと……なにも身についてないじゃないか…何のための練習だったんだ?なぁ?」
「ッ!!」
ティナは魔力刃を解除して近くのウィングロードに降り立つ
「強くなりたいんです!!あたしはもう、誰も傷つけたくないから!!」
「そうか……だったらどうして俺達を頼らなかった!!??」
「「「「「「「!!!!!!!?????」」」」」」」
涙流しながら訴えてくるティナにボクはキレた
「確かに強くなりたい気持ちは分かる……それに、なのちゃんの訓練は地味だから実感が湧かないのも知ってる……だけどな!!!なのちゃんやボクはお前達がボクたちから巣立った時に大怪我をしないように……ティーダと同じことになって欲しくないからしっかり強くなれるように訓練してきたんだ!!」
「ッ!!……でも!!それでも!!」
「…馬鹿やろう…少し頭…冷やせ。クロスファイアシュート…」
「ソウさん!!」
ボクはスバルが止めようとしかともに気にせず〝クロスファイアシュート〟をティナに叩き込んだ
「ティア!!ティア!!……ッ!!ソウさん!」
ティナに駆け寄ろうとするスバルをバインドで動きを止めた
「黙って、よく見てろ……白夜の魔導書起動…【
!
スバルの動きを封じてからボクは白夜の魔導書を使い古代魔法の最大級魔法の一つ、〝千の雷〟をティナに放った
直撃を受けたティナは立っていたウィングロードから落ち、少ししたのウィングロードに落ちて倒れた
「ティア!!ティア!!」
「模擬戦はこれまで……二人とも撃墜されて終了」
ティナを心配し声をかけ続けるスバルにそう言い放ち、模擬戦を終えた
続く