魔法少女リリカルなのは~魔法使いな蒼い死神~   作:ヤトガミ・レイナ・マリー・エクセリア

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束の間の休み 中編

 

 

 

「なぁ、フェイト……」

「どうかした、ソウ?」

「いや、気のせいだったら良かったんだけど、あの日以降、なのちゃんがボクを遠ざけてる」

 

 あの日……公開意見陳述会、その後の地上本部と六課の襲撃、あれから5日、はやてが頑張った結果、解体目前だった〝アースラ〟を機動六課の臨時本部として使うことが出来た……のだが、最初はお互いにバタバタしていてその所為だと思っていたのだが、少し落ち着いてきてからもなのちゃんはボクを避けていた

 

「それは……っ」

「まあ、概ねの理由は分かってる。ボクの預言が当たることがほぼ確定。好きな奴が死ぬのが確定した未来がなのちゃんがボクを遠ざけている理由……」

「分かってるのに……ソウは何もしないの?」

「……」

「なのは、待っていると思う」

 

 フェイトはそう言うと先に行ってしまった

 

「(何もしないかか……拒絶されるのを怖がってるのかもな…)」

 

 ボクは内心そう思いつつ、トレーニングルームに歩き出した

 

 

 

 

 

「ねぇ、フェイトちゃん…」

「なのは?」

 

 ソウとフェイトが話してから大体1時間後、アースラの食堂でなのはとフェイトが昼食を取っていた

 

「公開陳述会からずっと、ソウ君に冷たくしちゃってて……」

 

 フェイトは内心溜息を吐きそうになっていた。お互いにお互いを思っていて、お互いに同じことを思っているのだが、直接相手に言えずに煮詰まっていて絡まっていた

 

「ソウにも同じことを相談された…」

「え……」

「ソウはなのはの気持ちを……好きな人が居なくなる未来を否定したくて遠ざけてるって…」

「…………やっぱり、ソウ君は凄いよ…私の考えてること全部分かってる…」

「なのは…?」

 

 なのはの異変に気が付き、フェイトが声を掛けようとしたとき、なのはの料理に水滴が落ちた

 

「ソウ君が死んじゃうなんて嫌だよ……嫌だよ……」

「なのは……」

 

 フェイトはなのはになんて声をかけていいか分からなくなり、抱きしめるしか無かった

 

「(ソウ、なのはの心はずっと、前から限界みたいだ、このままだと、なのは壊れちゃう。ソウが何とかするしかない)」

 

 

 

 

 

 

「イリヤちゃん、大丈夫?」

「うん、もう大丈夫だよ」

 

 聖王教会が持つ病院の一室に、美遊を除いたフォワードとギンガが集まって、フォワードで一番の重傷だった、イリヤのお見舞いに来ていた

 

「ごめんね、イリヤちゃん……私…」

「謝らないでください、美遊が残ったのも連れて行かれたのも美遊が決めたことです。ギンガさんは悪くありません」

「でも……」

「それでも、と思ってくれるなら、美遊とあの子との戦うときに手伝ってくれませんか?【フルドライヴ】で戦いますが、それでも勝てるかは分かりません……」

 

 美遊が連れて行かれたのは自分の所為だと責任を感じていたギンガにイリヤはそう言った

 

「イリヤちゃん……フルドライヴは…」

「大丈夫だよ、キャロ。お兄ちゃんには元々フルドライヴで、漏れ出す魔力の対策はあったみたいだから」

「それで勝てるのかしら?」

「勝つよ、勝って、美遊を引っ叩く」

 

 ティアナへのそう答えたイリヤの瞳には自信に溢れ、覚悟が出来ていた

 

「なんだ、みんなお揃いか」

 

 病室のドアが開き、イリヤの兄であり、隊長のソウが立っていた

 

 

 

 

「「「「ソウさん!!」」」」 

「スプリングフィールド隊長!!」

「お兄ちゃん!!」

 

 ボクがイリヤの病室に入ると美遊を除いたフォワードとギンガが室内に居た

 

「元気そうだな、イリヤ。お前達もへこたれてないか心配していたが、良かった」

「あ、いえ……その、私達みんな、ユイさんに聞いて、へこたれてる場合じゃないって思ったんです」

「そうか…」

 

 ユイちゃんはちゃんと役目を果たしてくれているんだな

 

「話し中で悪いが、イリヤ。聞きたいことがあるんだが、いいか?」

「え?あ、うん。大丈夫だよ、お兄ちゃん」

「それじゃあ、私達は……」

 

 家族の話だと思ったのか、5人は帰ろうとする

 

「いや、お前達も頼むことがあると思うからここに居てくれ」

「……分かりました」

 

 フォワードの中で他のよりも付き合いの会ったティナが返事をし、5人は隅に置いてあった椅子に腰をかけた

 

「こういうときに聞くのは可笑しいと思うが……イリヤ、母親は欲しくないか?」

「母親?」

 

 いきなり聞かれたイリヤは戸惑いを隠せていなかった

 

「いきなり……どうしたの?」

「前々から考えてはいたんだ、ボク1人じゃ、お前と美遊を育てきるのは難しい。だけど、お前達を見捨てるなんて出来やしない。だから、そろそろ誰かと一緒になるのも良いかなって思ってな。」

「そ、それって!!」

「け、結婚するってことですか!?」

 

 スバルとティナがボクの話に反応した

 

「平たく言えばそうなるな。もちろん、イリヤが今はまだ、いいならボク1人でお前達を護るつもりだ」

「……美遊には?」

「もちろん、言えてない。だけど、勝手にどっか行ってるんだ、後で説教かな?」

 

 イリヤは美遊にも聞いているのか?と聞いてきたが、勿論、聞けていない

 

「あ、あの……美遊ちゃんは…」

「そう言えば知らなかったな。美遊はイリヤ似の女の子を助けたくて向こうに行ったんだ」

「「「「ええ!!??」」」」

 

 美遊が連れて行かれた真実を知った4人は驚いて声を上げてしまった

 

「それで、どうだ?」

「うん、欲しいかな……(そうしないと、お兄ちゃん)(最後の闘いに迎えないと思うから)

「ッ……」

 

 イリヤ達にはこの事を話していなかったが……気づいたか?イリヤは凄く感が鋭い子だ、もしかしたら気が付いたのかもな

 

「その返事が聞けて良かったよ。4人にも聞いて貰って良かった」

 

 ボクはそう言うとスバル達フォワードの方を向く

 

「お前達にちょっとした頼みがある…お前達に簡易結婚式の準備を手伝って貰いたい」

 

 

 

 

 

 

 

 

「そっか、決めたんだね、ソウ」

「彼奴に残せる最後の物だからな。こんな時にダメなのは分かっているが……」

「普通なら「ダメに決まってとるやないか!!」って言うところやけど、ソウ君の預言を考えるならOKしかないんよ」

「……すまないな」

 

 病院を後にしてアースラに戻って直ぐに、はやてとフェイトに話を通すと、思いの外、簡単に話が通った

 

「でも、良いのか?地球からアースラに人を呼ぶなんて……」

「勿論、クロノくんやリンディさん以外には極秘や。だから、結婚式後は直ぐに帰ってもらうことになってる」

「えっと、すずかにアリサ。刹奈さんに雪姫さんで、良かったよね?」

「ああ、桃子さんや士朗さんには悪いけど、娘と結婚して直ぐに未亡人みたいにさせるんだ。親にとっちゃあボクは最低な奴だからな。それに、大人数で押し寄せるのは不味いだろ?」

「まあ、そうやな。4人が限度やな」

 

 ここまで話したが、やっぱり、ボクは最低な奴だ。結婚するにあたってなのちゃんの両親に挨拶すらせずに結婚して直ぐに亡くなるのがほぼ、決まっているんだから

 

「それじゃあ、明日は頼んだ」

「まかせて」

「その前にソウ君がしっかりしないとあかんよ?ソウ君がうまくいかなかったら何の意味も無くなるんよ?」

「大丈夫だ、ボクは思いをまっすぐ伝えるだけだ。偽りなくな。」

 

 ボクはそれだけ言うとこの世界での一世一代の大勝負のために動き出した

 

 

続く

 

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