魔法少女リリカルなのは~魔法使いな蒼い死神~   作:ヤトガミ・レイナ・マリー・エクセリア

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束の間の休み 後編

 

 

 

「なのちゃん、今良いかな?」

「ソウ君?」

 

 覚悟を決めたその日の夕食後、食堂から出て行くなのちゃんに声をかけた

 

「この後、2人で話したいことあるからボクの部屋に来てくれない?」

「……わかった」

 

 少し間が空いたが、なのちゃんはそう言うと食堂から出て行ってしまった

 

 

 

 

『ソウ君、なのはだけど…』

「開いてるから入ってきて」

 

 夕食から大体30分ほどして部屋で待っているとなのちゃんが約束通り来てくれた

 

「お、お邪魔します」

「いらっしゃいかな?立って話すのもなんだし、ベッドの上で良いから座って?」

「……うん」

 

 なのちゃんは普段の元気良さが感じられなかった

ボクとヴィヴィオの2つのことがそうさせているのかもしれないな

 

「はい、ミルクココア」

「ありがとうソウ君」

 

 事前に暖めておいたミルクココアをマグカップに注ぎなのちゃんに手渡す

 

「……暖かい」

「そうだね。なのちゃんは覚えてる?士朗さんが入院していたときにボクの家で夕飯の後にこうやってミルクココア飲んだよね」

「…うん。それで良く、ソウ君が歌を歌ってくれたり、本を読んでくれたよね」

「たまに途中でなのちゃんが寝ちゃって、そのたんびにボクがお姫様抱っこでベッドに連れて行ったり、袖を掴んで離してくれなくて一緒に寝ることになったり……」

「ソ、ソウ君はな、何を言ってるのかな!?」

 

 ボクしか知らないことを話すと顔を真っ赤にして慌てふためく

 

「それで、なのちゃんが魔法に出会って……」

「フェイトちゃんやはやてちゃん、ヴィータちゃん達、クロノくん、リンディさん、ユイちゃん達やイリヤちゃん達に出会って、時には戦って友達になって……」

「うん、たくさんの想い出とたくさんの【大切】が出来た。これも、なのちゃんと一緒にいたからかな」

 

 ボクは「でも……」と続けた

 

「それでも、ユウキ……ゆうちゃんのような【特別】は出来なかった……いや、【特別】を作ることを無意識に避けていた…」

「……ソウ君?」

 

 みんなのことを仲間だと、キリトやアスナ達のような【大切】だと思っているのは確かだ……だが、それでも、ゆうちゃんや美乃理ちゃん、ソウキ達のような【特別】とは考えられなかった

 

「でも、最近……うんん、ずっと前からなのちゃんがボクのことを好きなのは分かっていた。だけど、あと1歩を踏み出しきれなかった」

 

 何がきっかけだったのかわからないが。ずっと昔から、お互いにお互いが好きだった、でも、ボクは【特別】を作るのを拒み、なのちゃんはそれに気が付いていた

 

「けど、ボクは1人の男としてその1歩を踏み出す……」

 

 ボクはそこで、言葉を切り深呼吸をする

 

「ボクは……ソウ・S・スプリングフィールドは高町なのはのことを愛している。この世界で1番好きだ。ボクの【特別】になってくれないだろうか?」

 

 なのちゃんの答えは…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なのはさん、ソウさん!ご結婚おめでとうございます!!」

「おめでとうございます」

 

 翌日、アースラの食堂は装飾され、テーブルが撤去され、椅子が真ん中を開けるように左右に20人分並べられ、真ん中には赤いカーペット、正装に身を包んだ出席者の前には 白のウエディングドレスを着て化粧をしたなのちゃんとホテルアグスタの時に着た、黒のタキシード姿のボクが並び立っていた

 

「ありがとうスバル、ティアナ」

「ありがとう、2人とも」

 

 式は本当に簡易的に行われて、直ぐに食事会が始まり、なのちゃんとボクに次々とお祝いの言葉を出席者のみんなが言いに来てくれる

 

「お兄ちゃん、お姉ちゃん。おめでとう」

「ありがとうイリヤちゃん」

「ありがとうイリヤ」

 

 バリアジャケットのようなドレスを着たイリヤが大人姿のユイちゃんと一緒に挨拶に来てくれた

 

「本当ならミユにも出て欲しかったけど……仕方ないよね」

「まあ、仕方ないさ。ボクが無理やりに強行したんだからさ」

「にぃにぃはいつも突然でしたよね。私達が思いもしないときにいろんな計画をして、パパやママやねぇねぇにいつも怒られていました」

「クス……そう言うこともあったね」

 

 2人とそんなことを話していると地球組の雪姫さんとアリサにすずか、刹奈さんが、それぞれドレスを着て歩いてきた

 

「結婚おめでとう、ソウ君、なのはちゃん」

「結婚するならもっと早く言いなさいよ!!」

「ありがとうすずか。悪いな、アリサ。俺にはどうしても時間が無かったんだ」

 

 赤いドレスを着て、少し怒っているアリサと青紫のドレスを着たすずか…昔の面影はあるが、美少女から美女に成長していた

 

「坊や。」

師匠(マスター)…お久しぶりです」

「ああ、こうやって会うのは数年ぶりだな。高町なのはもこうして話すのはあの日以来だな」

「はい、お久しぶりです。雪姫さん。ちゃんとお礼が言えてませんでした。あの時はソウ君を助けてくださってありがとうございました」

「なに、アレはボウヤと木乃香がやったこと、私はボウヤの言葉を伝えに来たにすぎない」

「分かってます。それでも、あの日、雪姫さんとネギさん、木乃香さんがソウ君を助けてくださったからこうして結婚式を挙げることが出来たんです。」

 

 そう話すなのちゃんとそれを聞いた師匠(マスター)は笑みを浮かべた

 

「そうか……坊や。私からはこれだけは言っておく〝死んでも人ならざる者にはなるな〟私やハルカはそうなって欲しくないから魔法を教えたんだ」

「分かってます。自分にはその資格は元々ありませんよ、師匠(マスター)

「…そうだったな。邪魔したな」

 

 師匠(マスター)はそう言うと人混みに消えていった

 

「ソウ君、なのはさん、お久しぶりです。」

「ご無沙汰してます、近衛師範」

 

 師匠(マスター)の次に声かけてきたのはボクの剣の師範でもある近衛刹奈さん

 

「本日はご出席ありがとうございます」

「いえ、私の方こそ、お招きありがとうございました。姉として、師範として弟であり、弟子の貴方の成長を確認でき良かったです」

「そう言ってくださるとありがたいです」

「貴方は良き縁を結んでおります。この縁を大切にして下さい」

「はい、お言葉ありがとうございます」

「それから、なのはさん」

「は、はい」

 

 近衛師範がボクと話してかはなのちゃんに話をふった 

 

「彼は悲痛な運命の持ち主です。誰よりも大変だとは思いますが最後まで彼を支えてあげてください」

「はい、義姉の刹奈さんの思いに応えられるように頑張らせていただきます」

「ふふ、余計な心配だったかも知れませんね。では、私はこれで」

 

 近衛師範はそう言うと他の人達の中に消えていった

 

 

 

 

 

 

続く




ここから先は最終回へ一直線!
遅くても今年度中にりりなの蒼い死神は終わりを迎えます
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