魔法少女リリカルなのは~魔法使いな蒼い死神~ 作:ヤトガミ・レイナ・マリー・エクセリア
「せぇいッ!!」
ヴィータの声とともに振るわれたグラーフアイゼンによって、一機のガジェットが空中で叩き潰され、爆散する
ヴィータは返そのままの勢いで背後から接近していたガジェットⅠ型を、吹き飛ばし粉砕する
「中に入る突入口を探せ!突入部隊、位置報告!!」
ヴィータはガジェットが密集する場所に向かって飛翔し、突入部隊への指示を出す
そこから少し離れたところでは、なのはが密集したガジェットに向かって砲撃を放ち、その存在をこの世から消し去っていた
「第七密集点突破、次ッ!!」
『は、はい!』
機械音とともに、レイジングハートから噴き出す蒸気を払いのけながらなのはは次の密集点に向けてその矛先を向ける
通信部隊の局員はあっけにとられていた
今、彼女の手に握られているのは杖というよりも、槍と評した方がいい代物、レイジングハート・エクセリオン、その全力稼動を示す形態『エクシードモード』……普段のレイジングハートに比べて、攻撃的なデザインのそれは、彼女の本気そのものだった
「防御陣形!隊列崩したらあかんよ!!」
「は、はい!」
ゆりかごからの攻撃でゆりかご正面の戦闘に参加していた局員が数人やられたのを確認するとはやては、周囲の航空魔導師に指示をだした
「外からやと魔導師が何人居ても……。やっぱり、中から止めるしかないか…ッ!」
はやては目の前のゆりかごを苦々しい顔で見上げその規格外の巨体には、外からではどうしようも無いと感じられる
ゆりかごを止めるためには、内部に侵入するしかなかった
『(24番射出口より、小型機多数!)』
『(南側の射出口からも機影100!!)』
「!」
はやての思考に割り込む形で、この戦域にいる魔導師からの念話が繋げられた
その内容は彼女にとってかなり苦しいものであったが、はやてはそれを顔には一瞬出すが直ぐに切り替え周囲で彼女の撃ち漏らしを撃ち落していた魔導師に指示を出す
「皆、落ち着いて!拡散されたら手が回れへん!叩ける小型機は空で叩く、潰せる砲門は今のうちに潰す!ミッド地上の航空魔導師隊、勇気と力の見せ所やで!」
『はい!!』
はやての激励に、魔導師たちは得物を構え、己が敵に狙いを定めた
戦いはまだ始まったばかりだった
「このままだと、不味いな」
「はい、このままだと押し切られます」
アースラの管制室で、グリフィスが指揮をとり、ゆりかごでの戦闘をリアルタイムで見ていたがこのまま行けば押し切られるのも時間の問題だった
「仕方ない……ボクが出るしか無いか」
「待ってください、スプリングフィールド隊長。隊長は八神部隊長に戦場に出ないように言われているはずです」
「そうだな。だが、ここにいてもできることはボクにはある。シャーリー!」
「は、はい!」
「はやてに連絡をとれ、それからゆりかごで戦闘している管理局の局員のデータをボクにくれ」
「…わ、わかりました!」
ボクはそう言うと、イドラノックスを起動させ白主体の水色ラインの服に白のズボンの姿に変わり、その上からスプリングフィールドのコートを羽織る
「八神部隊長との連絡繋がりました!」
『ソウ君どないしたん!?ソウ君が出てくるのは……』
シャーリーがはやてとの連絡を繋いでくれるとはやてがすごい剣幕で怒鳴ってきた
「ああ、安心してくれ。ボクが出る程じゃないのは分かっている。だけど、このままだと押し負けるのは明らかだ」
『そ、そやけど……だから』
「だからこそ、指揮権をボクに回せ」
『!?』
はやてや六課ロングアーチメンバーが驚いたような顔をしていた
無理も無い、いきなり指揮権を渡せと指揮経験が無いやつが行ったのだから
『……今よりも状況はよくなるんやな?』
「ああ、もちろんだ。約束してやる」
『……わかった、ソウ君に指揮権を譲渡するよ。これで負けたら許されないかんな?』
「そん時ははやての好きにしてくれ。シャーリー!」
「ああ、もう!分かりましたよ!全部隊に通信を繋げます、それから局員のデータを全てそちらに送ります!」
シャーリーがやけくそになりながらも対応してくれる、流石はシャーリー、しっかりとした仕事だ
「ふぅ………聞け!ゆりかご周辺の戦場にいる地上の航空魔道師部隊!ボクは機動六課《プリンス》01のソウ・S・スプリングフィールド一等空尉だ!これから機動六課課長、八神部隊長からの指揮権譲渡によりボクが指揮を執ることになる。戦闘しながらでいい、聞いて欲しい!」
「これから6人編隊を作らせてもらう!編成はこれから送り、戦闘しつつ編隊で集まって欲しい!」
ボクはそう言いつつ、データから最適な編隊を次々に組み上げていき、其れを順々にシャーリーが送っていた
「次!高町一等空尉、ヴィータ三等空尉、八神二等陸佐、ユイはゆりかご左翼を担当!他、航空魔道師部隊は右翼を担当!細かい指示は追って伝える!」
『『『『『『『『了解!』』』』』』』』
ボクは1度深呼吸をしてから、戦況を見渡す
「グリフィス、今のうちに水を用意しておいてくれ」
「わかりました」
グリフィスは特に何も聞いてこずに一言だけそう言うと、バックヤード陣に連絡を取ってくれた
「第1から第10部隊は6人で行動!なるべく離れないように!2人でバリア張り、4人での攻撃を維持!」
「第2、1人が出遅れている呼吸を合わせろ」
「第1、第3、第5、第7は引き気味に戦い、第2、第4、第6、第8から10はもう少し前に出ろ!」
「第4は1度下がり、ヒーリング持ちが回復!回復できるまで4人で防げ!第4の開いた穴は第3、第5でカバー!」
「大型のⅢ型が来るぞ!第1、第3は一点集中!AMFを突破しろ!」
「第2、第5はその位置から右斜め下と左斜め下から円を描くように魔力弾!敵に当てようと思うな、ただ、撃てばいい!」
指揮を交代して体感数分、ガジェットは減り始め、第2、第5の魔力弾はゆりかごの砲門となっているⅢ型と多数のⅠ、Ⅱ型を撃墜していった
「流石としか言い様がありません。スプリングフィールド隊長はどこかで指揮をとっていた経験がおわりで?」
「まあな、秘密にしていたが、何度か指揮をとったことがあってな」
一呼吸をとるため水を一気飲みするとグリフィスが絶賛してくる
何度か指揮をとったことがと、言っても前世の話でここに来てからはほぼやってないから知らなくても当然だが、本当のことは言えないので秘密にしていたと話を濁す
「ガジェットドローンⅣ型の射出を確認!」
「っ、Ⅳ型は他よりも耐久性、攻撃能力が高い!なのは、ヴィータ、はやて!」
『『了解』』
『了解や!』
「ユイ!白夜の魔導書起動!」
『はい!白夜の魔導書を起動させます!』
「白夜の魔導書、133ページ、魔法ロード!
拡散
『白夜の魔導書、133ページ、魔法ロード!
拡散
ユイちゃんが白夜の魔導書を起動させ、スプリングフィールドが得意な雷魔法の一つ、
本来、スプリングフィールドが使っていた【
ある程度、狙って放たれる上、ユイちゃんが使用すれば命中率100%のバケモン魔法になってしまうのだ
「航空魔導師部隊!今のでかなりの数を減らすことができた!今のうちに残りを殲滅せよ!」
【了解!!】
これで、ゆりかご周辺の戦闘は一段落したと思うが……フォワード達は大丈夫だろうか……
続く