魔法少女リリカルなのは~魔法使いな蒼い死神~   作:ヤトガミ・レイナ・マリー・エクセリア

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一気に進めたため、時間がかかってしまった


ファイナル・リミット

 

 

 

 戦い始めすぐ数撃であることがわかった

聖王の力だろうが莫大な魔力だろうが、あくまで扱っているのがヴィヴィオだと言う事、扱うだけの体力と戦闘経験が圧倒的に足りなさ過ぎる

 

「はああぁぁっ!!」

「視野が狭いぞ!!」

 

 無策に突撃してきたヴィヴィオ、目掛けて三条の魔法の射手を放つ

ヴィヴィオは魔力を放出させて魔法の射手を無理矢理に突破してきた

 

「効くもんか!」

「たが、一瞬見えていない!」

 

 魔力弾を放つヴィヴィオにバインドと風の矢をかけて…

 

「ディバインバスター!!!」

 

 なのちゃん直伝の砲撃を放つ。砲撃はヴィヴィオに直撃し煙で視界が悪くなるが、お返しとばかりにヴィヴィオから魔力弾が飛んくる

 

「そんな適当に撃っても当たらないぞ!」

 

 魔力弾で一気に晴れた視界の中、間合いを詰める。

ヴィヴィオの懐に接したボクは左手を広げ、近接用魔法の射手を叩き込む

 

 

 

 

 

 

 目の前でソウ君と見た目は同い年ぐらいなヴィヴィオが魔法戦を繰り広げている中、私はソウ君に言われた通り見ているしかなかった

 

「ねぇ、ボクとお話ししない?」

「ッ!」

 

 気がついたら私の隣に紫髪の女性……ソウ君の想い人の紺野木綿季さんが立っていた

私は咄嗟にレイジングハートを構えると……

 

「ちょ、ちょっと待って!ソウ以外とは戦うつもりは無いから!!」

 

 あわてふためくユウキさんはどこにでも居る女の子のように見えました

 

「……お話って何でしょうか?」

「君はソウの事、何処まで本気で好きなのかな?」

 

 私が何処まで本気でソウ君の事が好きなのかって……

 

「知っているかは分からないけどソウはどす黒く汚れている。何百も人を殺してるんだよ?そんな人を本当に好きなのかって話」

「知ってます。私だけじゃ無くて、フェイトちゃんもはやてちゃんも……確かにソウ君は沢山の人を殺したんだと思います………でも、それは私の、私達の知らない人です。私は目の前で戦って、助けてくれて、時に泣き虫なソウ君が大好きなんです!」

「動じないんだね」

「私はソウ君を愛してますから!4番目になろうと構いません!」

 

 ユウキさんに面と向かって言ったけど恥ずかしくなってきた…

 

「……知ってるんだ、ボク以外のソウに好意を持っている女の子のこと」

「ソウ君から聞きました。自分に好意を持っている二人の女の子のことは、それに、暗殺者の相棒で、好意を持っていても影に徹しようとしている女の子の事も」

 

 知らない人が聞いたら確実にソウ君は変態扱いされるよね、なんだかんだで5人も囲っているんだから

 

「ソウの事、本気で想っている子がいて良かった。これで思い残すことは無いかな」

 

 そう言ったユウキさんはゆっくりと歩きだして、玉座の間の一角の壁の前で動きを止めた

 

「あの子を操ってるスカリエッティの戦闘機人はここから斜め下にいるよ」

「……どうして教えてくれるんですか?」

「あんな幼い子を利用するのはボクは嫌だったんだよ。でも、ソウのことやなのはの事が気になったから最低限手を貸してあげただけ。この世界でソウが好きになった君はどんなソウでも受け入れる覚悟ができてるなら、もうスカリエッティに手を貸す必要は無いからね。あの子を助けさせてからソウと戦うだけ」

「どうしてソウ君と……」

 

 ユウキさんが優しいのはソウ君から聞いてた……けど、どうしてソウ君と戦う事に固執してるの?

 

「ボクとソウが戦うのは世界の意志なんだ」

「世界の意志……」

「そ、世界の意志ではソウが邪魔になる。だから、ボクとソウを戦わせて()()()()()しようとしてる」

「ッ!!」

 

 ソウ君を抹殺!?そんなこと絶対にさせない!

 

「確かにボクを止めればソウが死なないかもしれない……だけどね、君には無理だよ」

「ッ!」

 

 そう言うユウキさんの手には剣が握られていていつの間にか喉元に剣先が突きつけられていた

 

「分かったでしょ?だからさ、早く助けてあげなよ」

 

 実力差がありすぎた……もしかしたらフェイトちゃんならユウキさんの速度についていけるかもしれないけど…従うしか無い圧倒的な実力差…

 

「うん、それでいいんだよ」

 

 ユウキさんが、教えてくれた壁にレイジングハートを向けて構える

 

「レイジングハート、1、2を飛ばしてブラスター3!」

≪はい、マスター!ブラスター3!≫

 

 ブラスター…私の最大の切り札レイジングハート・エクセリオンの「エクシードモード」の限界突破

遠隔操作のビットを追加しての限界を超えた自己ブースト…

 

「ワールドエリアサーチでの捕捉も完了……いくよ、レイジングハート!」

≪はい、マスター≫

 

 更にカートリッジを5発装填して十分な魔力を溜め込み……

 

「ディバイン………バスター!!!!」

 

 空港火災で行った事もある壁抜き砲撃で最深部にいる戦闘機人をノックアウト!悲鳴が聞こえたけど気にしない!

 

 

 

 

「レイジングハート、大丈夫?」

≪問題ないです、マスター≫

「うぅ………」

「ヴィヴィオ!!」

 

 

 ブラスター3とカートリッジを5本でかなりの負荷だけどレイジングハートも大丈夫みたい

ソウ君が戦っていたヴィヴィオが頭を抱えて苦しみだして私は急いで駆け寄ろうとすると……

 

「ダメ!来ないで!!」

「え?っ!」

 

 ヴィヴィオは拳を振りかぶって振りぬたけど、ソウ君が間に入って止めてくれた

 

「ダメなの…ヴィヴィオ、もう帰れないの」

 

 サイレント共に玉座の間から色が失われていった

 

『駆動炉破損、管理者不在、聖王陛下、戦意喪失。』

「これは……」

 

 ソウ君が呟く

 

「ッ!」

 

 あっけにとられているとソウ君が先に動いてヴィヴィオの攻撃を受け止めてくれた

 

「なのちゃん!」

「う、うん!」

 

 防いでくれているソウ君が私を呼ぶ

ソウ君の意図を読んだ私はヴィヴィオの隙をついて砲撃を放った

 

「分かったの、ヴィヴィオ……ずっと昔の人のコピーで、なのはマ……なのはさんもソウさんも本当のママとパパじゃないんだよね」

 

 なのはさんという呼び方に胸が痛むのを感じた、きっとソウ君も……

 

「私は…このゆりかごを動かす為の生きた鍵で、ただの兵器…守ってくれてデータ蒐集させてくれる人を探してただけの」

「違うよ!」

「違わないよ!!」

 

 ヴィヴィオが言っていることを否定した私にヴィヴィオは「違わない」と言ってきた

 

「全部作り物の偽者の命、生きたフリをした道具。何処を探してもママやパパなんていない、この世界にいちゃいけない子なんだよ!」

「「馬鹿!!!」」

 

 泣きながら叫ぶヴィヴィオのあんまりな言葉の連続に、同時にボクとなのちゃんは本気で怒鳴っていた

 

「違う…違うぞヴィヴィオ…いちゃいけない子なんて言わないでくれ。ボクもなのちゃんもお前のことを大事にしてるんだよ…本当の親子じゃないけどさ。お前には元気づけられたんだよ」

「そうだよ、ヴィヴィオ。今泣いてるヴィヴィオは偽物じゃないよ。甘えん坊ですぐ泣くのも、転んでも1人で起き上がれないのも、ピーマン嫌いなのも、私の…私達の大事なヴィヴィオなんだよ?」

 

 私はゆっくりと前に出るとヴィヴィオは構えながら後ろに下がっていく 

 

「ねぇヴィヴィオ…私もママってまだ分からないから困らせちゃうかもしれないけど、ママでいられるように努力する。だから、本当の気持ちを聞かせて?」

 

 私の問いかけに俯いたヴィヴィオが何かを呟く。そのあと、涙でぐしゃぐしゃになった顔を上げて…

 

「私は…なのはママがパパが大好きいいっ!一緒に居たいっ!!居たいよぉ…助けて…」

 

 本当の気持ちを訴えてくれた

聞きたい事が聞けたから、後は……

 

「あとは、任せたよ、なのちゃん」

「うん!助けるよ…いつだって!どんな時だって!!」

「!!」

「っ!?」

 

 この時を待っていた私がレイジングハートを構えるとヴィヴィオ…が突撃してきた、けどソウ君がそれを防いでから後ろに回り込みヴィヴィオを押さえ込む

 

「ヴィヴィオ!ちょっとだけ、痛いの我慢できる?」

「大丈夫だ。ボクも一緒にだから」

「パパ、うん…」

 

 これから放つのは必要な魔力が大きすぎてブラスターを使って無いと使用もままなら無い、私の最大最強の一撃…

 

「全力全開…スターライトブレイカー!!!」

 

 放ったビット含めて総勢五本の極大魔力砲撃は、ヴィヴィオとソウ君を瞬く間に飲み込んで、ヴィヴィオの体内からレリックを弾き出して粉々に砕いた

砲撃を終え、魔力爆発が収まった所で体を抱えつつ下降する。

やっぱり…ブラスター3での砲撃は負担が大きい

 

「っく…レイジングハート…大丈夫?」

≪損傷はありますが、軽微で済んでいます。≫

 

 どうやらレイジングハートも無事で済んでいるらしい。なら後は…

 

 

「ヴィヴィオ、ソウ君!!!!」

 

 ブレイカーであけた、粉塵に包まれた巨大なクレーターの中心に向かってヴィヴィオの名を呼び駆け出す

 

「来ないで…」

「っ!?」

 

 小さく聞こえた拒絶の声。理由が分からなくて不安に襲われた私が、粉塵が晴れた穴の中心に見たのは…

 

「一人で…立てるよ…」

 

 瓦礫に手をつきながらよろよろと立ち上がって見せたヴィヴィオの姿だった

そんなヴィヴィオの様子に大慌てで飛び出して、抱きしめた

 

「ヴィヴィオ…ごめん…」

「…何で…あやまるの?」

 

 ヴィヴィオが私のお願いを覚えててがんばってくれたのが嬉しくて、こんな時まで無理するのが当たり前だと、そんな事を思わせてしまったことが少し悲しくて、強く強く抱きしめる

 

「ホントはね…無理に強くだけならなくてもいいの。優しい女の子になってくれてもいいんだ。だけど…私にはコレだけで…」

 

 自分で選んだとは言っても、気がついたら魔法で戦うのが日常で当たり前になってて、普通の母親になれない自分に悩んで…そんな私と同じ道に進んで欲しい訳じゃない

本当なら刹奈さんや木乃葉さんのような優しいお姉さんみたいな温かいものを目指してくれたほうがいい

だけど、それを伝えるには色々置いて来てしまった

皆が塾や部活、ちょっとお茶目な事だと帰り道の買い食いとか友達連れ立って遊んで回ったりとかしてる時間

そんな事の殆どを放置して魔法と修行と戦いに明け暮れて、私は今ここにいる

私に後悔は無いけれど、こうあるのが『当たり前』であるようにヴィヴィオに見せてしまっていることが悲しくて…

 

「ボクもなのちゃんもいろいろな物を捨ててしまったから、自分の背中をみせるしかできないんだ」

「っ!ぅ…」

 

 ソウ君が起き上がってそう言ってきた

ソウ君の言うとおり、私もソウ君もいろんな物を捨ててしまった

そう考えていると唐突に、優しく背中を撫でる感触

ヴィヴィオが、精一杯手を伸ばしてゆっくりと背中に回した手を動かしていた

大丈夫って伝えるようなその感触に、私は少しの間声にならない声と共に涙を流していた

 

 

 

続く

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