これはそんな世界の1つ、人間の電子機器から生まれし世界、デジタルワールドで過ごす少年とデジタルモンスター、デジモンの物語である。
この小説はディーアークver.15thが出ることを記念して、カードスラッシュなどを交えた1話完結と言うか1話しかない小説です。
楽しんで頂けたら幸いです。
では、どうぞ!
その世界では、体がデータで構成された
そんな世界の辺境に、ある少年と相棒はいた。
その少年の名は
「そんじゃ、やりますか!」
勇輝は気合を入れなおすと目の前にある大きな扉に手を掛けて
「御食事処デジタルへようこそ!」
今日も今日とて少年は
勇輝の一日は、今日もここから始まる。
〜〜〜~~~Side勇輝~~~~〜〜
「フゥ〜」
昼の忙しい時間が終わり、店がひと段落した俺は今までロクに吐き出せなかった息を思いっきり吐き出す。
すると、腰に付けている
『今日もお疲れさん!・・・たださぁー、お前のやりたい事ってあいつらの誘いを断ってまでやることかね〜』
「良いんだよ、俺は自分のやりたい事しかしないし、何よりもあいつらのビシッとした感じは苦手なんだよ」
デジヴァイスと呼ばれる携帯端末に向かって返すと少し早いが明日の仕込みを始める。
俺が明日の準備を始める事数分、
「邪魔するぜー」
「「「へっへっへっへー」」」
「いらっしゃいませー!御食事処デジタルへようこそ!」
「おう!中々良い店じゃないか!あんたが店長か?」
「はい、そうですが?」
「「「「ぶっあぁはぁはぁはぁ!」」」」
俺が答えるといきなりオーガモン達が笑い出す。
「えっと、如何なさいましたでしょうか?」
「イヤイヤ、こんな所に用心棒もつけずに店を開くなんて・・・あんた相当この世界について知らないな」
「「「知らないな!」」」
「はぁ〜」
実を言うと俺はこの世界で約二年過ごしているので割とこの世界については知っているが表情に出す事はなく、お客様の話を聞く。
「そんな訳で俺様がここの用心棒になってやるよ!」
「「「なってやるよ」」」
俺は相当弱く見えるのかな?と、いけないいけない人間はこの世界では弱いと思われてるんだったな。
などと、心の中で考えている事はもちろん言わずに前に一歩踏み出す。
オーガモンの横に着くと最大限の営業スマイルを浮かべて、
「えぇーと、お客様?」
「アァーん、なんだ?とりあえず俺様が今日から用心棒なんで飯を食わせろ!」
「「「食わせろ!」」」
油断しているオーガモンに体を当てて、投げる。
当て身投げは見事に決まり、オーガモンは床に叩きつけられる。
「「「こんの〜!よくも親分を!」」」
オーガモンが倒された事により、手下のゴブリモン達が襲って来る。
俺は特に取り乱す事もせずに冷静に1発ずつ己の持つ技を当てていく。
手前にいたゴブリモンには顔面に蹴りを入れ、飛び掛かって来たゴブリモンは勢いを殺さず、1本背負いを喰らわす。
最後に残った一体は自分の不利を悟ったのか近くにいたゴブリモンを両手に担いで逃げて行く。
この場には、気絶したオーガモンと俺達だけが残された。
『こいつ見事に子分において行かれたね』
「言うなよ相棒」
デジヴァイスの中にいる相棒に返すと改めて気絶しているオーガモンを見る。
『どうすんの?』
「はぁ~、営業妨害の分働いて貰う?」
『いや、なんで疑問形!』
「だってあんまり戦力になりそうに無いし・・・」
デジヴァイスに返した後、もう一度オーガモンを見直す。
ゴツイ体、鋭い牙、不衛生な白髪に、不衛生な恰好(大体のデジモンはそうだが)。
どう考えても厨房無理そうだし・・・第一料理できそうには見えない・・・。
と、考え込んでいる内にオーガモンが目を覚ます。
「うっ!・・・ここは?」
「目覚ましたようだな」
「あっ!てめぇ~!さっきはよくも!・・・?!」
目を覚まして早々うるさいな~と思っていると、自分が一人だけ取り残されているのをやっと理解したのか急に静かになる。
「はぁ~、もういいか?」
「・・・なっ、なんだよ?」
さっきよりも大人しくなったオーガモンは要件を言えと先を促す。
「単刀直入に言う!ここで働け!」
「はぁ?・・・
・・・はああああぁぁぁぁぁ!!」
「うるさい!」
「いてぇ!何すんだ!」
一瞬気の抜けた声を出したと思ったら人の耳元で発叫したオーガモンに蹴りを入れる。たく、耳がバカになっちまった。
「で?どうすんの働くの?」
拒否権は無いけどw
「へっ!お断りだぜ!俺は
はぁ~、そうなんだ。へぇ~、・・・無理だろ。
レオモンって確かアレだろ?百獣の王とか言われている正義のデジモンだろ?それに対してこいつは馬鹿にしていた人間に一発でやられる位の実力と、・・・絶対に勝てないな。
こいつもこいつで、なんでそんな
「なぁ~、なんでお前はレオモンを倒したいんだ?あっ、いや、まぁ~種族としての本能なんだろうけどなんでそこまで多寡が1種族に拘るんだ?」
「・・・そっ!そんなこたぁ~関係ねぇ!俺はあいつを倒さなきゃなんねぇ~んだ!」
「ふ~ん」
なんか深い訳がありそうだな・・・まぁ、関係無いか。
「まっ、取り敢えず働いて貰うぜ!」
「は?なんでそうなるんだよ!俺h「働いてもらう代償として俺の知っている強い奴にお前を鍛えて貰える様に頼んでやるよ?」・・・人間なんかにそんな知り合い、・・・いんのかよ?」
おっ、食い付いた。
「あぁ、いるぜ!例えばこの店の中で言えば厨房のブイモンは成長期だけどお前よりかは確実に強い」
厨房にいる青い小竜型デジモンのブイモンを指さす。
成長期とは、オーガモンのワンランク下の位を表しており、デジモンの成長段階を表している。
オーガモンはと言えばーー
「ふっざけんなよ!俺様が成長期のデジモンなんかより弱い訳ないだろ!」
ーー馬鹿にされていると感じたのか怒鳴り散らす。
「まぁー、まぁー、落ち着け。いいか?この店で働くだけでお前は強い奴に鍛えてもらえるんだぞ?こんなに良い条件ないと思うぞ?もちろん給料も払うし。・・・どうだ?」
「・・・だから!俺はここで働く気はねぇーんだって!」
「うるさい!いいからはたr「邪魔するぜ!」・・・いらっしゃいませお客様、失礼ですがお客様は何名様でございましょうか?」
俺の言葉を遮って赤いオーガモンーーフーガモンが店に入ってきたので素早く営業スマイルを浮かべる。
フーガモンは「一人だ」と言うと、奥の席に座った。
一応の説明とフォークや箸、スプーン等を席に持っていくとオーガモンを連れて奥に引っ込む。
「働く気になったか?」
「へっ!誰が働くか!」
「・・・まぁー、今日だけでもいいからちゃんとさっき言った報酬もあげるから。取り敢えず今日だけ!な!」
「ふざけn「働かない場合営業妨害としてデジコアが擦り切れるまで働いてもらう。・・・逃げられると思うなよ?」!?・・・今日だけだぞ?」
オーガモンの言葉にほくそ笑むと、接客の仕方を教える。
教えていると、メニューの取り方がよく解らんと言われたので、「手本見せるから」と言って丁度手を上げているパンダの様なデジモンーーパンダモンの元に行く。
「ご注文はお決まりになられましたでしょうか?」
「あぁ、この焼きデジマス定食と
「・・・ご注文を繰り返します。焼きデジマス定食、幻甘露熟燗、食後にトロピカルパフェをそれぞれお1つずつでよろしかったでしょうか?」
「はい」
「かしこまりました、料理が出来上がりますまで少々お待ち下さい。」
丁寧なお辞儀をして厨房に向かう。その途中でオーガモンの横を通り過ぎる時に「わかったか?」と耳打ちする。
その後直ぐにフーガモンが「注文いいか!」と叫んだのでオーガモンはフーガモンの元に走って向かった。
「ご注文は決まっt・・・お決まりになられましたでしょうか?」
「あぁ、この・・・しゃぶしゃぶ?定食ってのを頼む」
「・・・ご注文を繰り返します。しゃぶしゃぶ定食1つでよろしかったでしょうか?」
「あぁ」
「かしこまりました、料理が出来上がるまで少々お待ち下さい。」
そう言って不格好なお辞儀をするとオーガモンは厨房に入ってくる。
そして、厨房の冷蔵庫に伝票を張り付ける。
そこには、汚いデジ文字ーーデジモン達の使う文字ーーで『しゃぶしゃぶ定食1つ!』と書いてあった。
「ブイよろしく!」
「あいよ!」
厨房にいるブイモンのブイに伝票を渡して代わりに出来上がった料理を運んで行く。
「お待たせ致しました。こちら焼きデジマス定食と幻甘露熟燗でございます。・・・ごゆっくりお楽しみください。」
丁寧なお辞儀をして素早くその場を立ち去る。
横目でオーガモンの方を見ると別のお客の注文を取り終えたらしく、丁寧なお辞儀をして立ち去るとこだった。
・・・なんだ、結構吞み込み速いんだな。
それから数時間、何事もなく時間が経ち店を閉めようかと言う時にボロボロの黄色いスカーフを腕に巻いたゴブリモンが現れた。
ゴブリモンは店の中に入ると倒れる。
そのゴブリモンにオーガモンは近づくと抱き上げる。
「っ!おい!大丈夫かゴー助!」
「親分・・・さっきはすいやせん・・・」
「そんなこと気にすんじゃねぇ!この怪我どうしたんだ!一体誰にやられたんだ!」
「・・・スカル山の黒き盗賊団・・・ワーウルフ・・・」
「おい!ゴー助!ゴー助!ゴー助ぇぇぇぇ!」
オーガモンに抱きしめられながらゴブリモンはその身を光の粒子に変えた。
スカル山の黒き盗賊団に
暫く泣いたオーガモンは急に立ちあがると店の外に飛び出す。
俺は呼び止めるがオーガモンは止まらずそのまま走り去って行く。
『どうすんの勇輝?』
「・・・どうする?」
『ボクに聞くなよ・・・』
そんなことを話していると厨房からブイが出てくる。
「行かなくていいのか?」
「う~ん、どうしよう?」
「追いかければいいじゃん、まだ働いて貰った分の報酬支払って無いんでしょ?」
「あー、確かにそうだな。仕方ない、追いかけますか!」
「うん、店の片付けは任せて!」
「ありがとうブイ!」
ブイにお礼を言ってデジヴァイスから粒子データ化している自転車を取り出し、オーガモンの消えた方へと向かう。
~~~~~~~~~~~~~~~~
「ヤレヤレ、理由がなけりゃ追いかけないなんて素直じゃないね~」
勇輝が去った後、一人っきりの厨房からそんなブイモンの声がしたとかしないとか。
~~~~~~SideChange~~~~~~~~~~
勇気が店から飛び出して数十分後、オーガモンは目的地スカル山の洞窟、黒き盗賊団と名乗る者達のアジトに着いた。
「オイ!お前ら!よくも子分達を傷つけやがったな!」
「アぁン!誰だテメェー!」
黒き盗賊団の首領ワーガルルモン(黒)は突然の侵入者に脅しをかけるが、オーガモンは怯まずにワーガルルモンの元まで歩いて行く。
「オメェが親分か?」
「だったらどうすんだ!」
「これは子分達を傷つけたお返しだ!」
「っ!」
叫ぶとオーガモンは自分の得物である骨棍棒で殴りかかる。
ワーガルルモンは一瞬対応が遅れ、顔面に思いっきり骨棍棒を受ける。
「ガッ!テメェー!」
「これはゴ-太郎の分!」
再度得物を叩き突けるが今度は両腕でガードされる。
骨棍棒をガードしたワーガルルモンは、そのままオーガモンの腕を掴みーー
「円月蹴り!」
左足を軸足にして回転し、勢いのある強烈な蹴りを放つ。
腕を掴まれていた為避けれず、腕を掴まれていた為避けれず、まともに喰らったオーガモンは真横に吹き飛ばされ、壁にめり込んだ。が、直ぐに距離を詰め直す。
ワーガルルモンは、目のに来たオーガモンの顔面に右ストレートを放つ。
オーガモンは避けずに顔で拳を受けると。
「こいつは、ゴー吉の・・・分!」
そのままワーガルルモンの腕を掴み、体を相手の体に当て、地面に投げ下ろす。
それは、今日勇輝にやられた当身投げだった。
「グウゥ!この!」
しかし、受け身を取られ勢いを殺されてしまう。
そして、そのまま距離をとり、タイミングを計り一気に加速、距離を詰める。
ワーガルルモンとオーガモンの距離がほぼ零になりーー
「これは!ゴー助の分だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!覇王拳!」
「カイザーーーー!ネイル!」
ーー同時にお互いの必殺技を放つ。
オーガモンの巨大な腕が紫色の波動を纏い、ワーガルルモンの爪が更に鋭さを増す。
そして、お互い必殺技がぶつかり合う。
オーガモンの拳が僅かにだが押しており、行けると確信したその時、突如背後から迫ってくる攻撃を喰らう。
その瞬間、ワーガルルモンは笑い、オーガモンの懐に入り込むと、その鋭い爪でオーガモンの腹部を抉り取った。
「ぐああぁぁぁ!」
「あははっははあっははははは!」
オーガモンが、オーガモンの体が、自分がとてつもないダメージを負っていると認識すると同時に半端じゃない激痛が襲って来る。
それを見て背後から襲ったデジモン、黒き悪魔ーーデビモンは狂った笑いを上げる。
「よぉー、遅かったじゃねーかデビモン」
「すまない、予想以上にウィルスバスターズの奴らが手強くてな」
「ほぉー、お前をてこずらせる奴がいたのか・・・それでそいつは?」
「あぁ、そいつは人間だった。・・・それよりもこいつはどうするのだ?」
「ほっとけ、どうせこの怪我だ、もうじき朽ち果てるだろうよ。それよりもその人間について奥で聞かせろ」
そう言うと、ワーガルルモンとデビモンは奥に消えて行った。
(あーあ、なっさけねぇー、結局子分の敵も取れずに死ぬ・・のか?・・・オ・・・レがもっと・・・強ければ・・・)「もっと生きたかったな・・チクショウ!」
霞んでゆく思考の中でオーガモンは後悔の念でいっぱいだった。
そしてオーガモンがもっと生きたいと願った瞬間にーー
「だったら生きろ!」
ーー勢いよく洞窟の天井を突き破って
~~~~~~~SideChange勇輝~~~~~~~~~~~
オーガモンの状況は酷いものだった背中は貫かれ、腹部は抉られている。こんな状態でよく叫べたなと感心する。
「・・・なんで、お前がここに?」
「あ?そんなの大事な
「はは・・・なんだそれ・・・」
「それより、お前の傷を治すほうが先だ」
「そんなんいいから、あいつらが戻って来る前に逃げろ!」
傷を治そうと近づいた俺をオーガモンは振り払う。
・・・ったく、そんな状態でも周りの心配かよ・・・
まぁー、気にいった!
さてと、回復させますか・・・
俺は右腰のホルスターからデジヴァイスと、左腰につけている、弟からの貰いもんのカードケースから1枚カードを取り出すと、デジヴァイス上部にある凹みにーー
「カードスラッシュ!超再生フロッピー!」
ーーカードを勢いよく通す。
そして見る見るオーガモンの体が復活して行く。
「お前一体・・・」
それが復活したオーガモンの一言めだった。
でもな、お前も知ってる通りーー
「ーーただの御食事処の店長だ!」
俺の言葉に暫く思考が追い付かなかったのか呆然とした後、耳元で。
・・・あっ、この先の展開読めたわ。取り敢えず、耳塞いで・・・
『嘘つけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ』
俺の抵抗も虚しく耳がバカになるのだが今回は置いておこう。
それから数分後、ワーガルルモン(黒)とデビモンがオーガモンの声を聴いて戻って来た。
・・・大勢の仲間を引き連れて。
いやいや、ざっと数えて20は軽く超えているんだけど!でも・・・
「へっ!数は多いがこいつら殆どが成長期だ!」
そう、オーガモンの言う通り、成熟期は見る限りデビモン含めて5体。完全体はワーガルルモン(黒)のみ、一対一だったらこのままでも勝気はあったんだけど・・・
「やっぱり戦力差が十倍なのはキツイな~」
「・・・なぁ?無理を承知でお願いするが、ワーガルルモンとはサシでやらせてもらえねぇ~か?」
「・・・わかった。行ってこい!」
「!? いいのか?」
「なに、店員の我儘を汲み取るのも店長の仕事だからな!」
「ありがとう店長!」
言い終わるとオーガモンは、ワーガルルモンに向かって駆ける。
オーガモンの行く手を阻みに大勢のデジモンが一か所に集まりだす。
なら!
カードケースから2枚のカードを取り出しデジヴァイスに読み込ませる。
「カードスラッシュ!高速プラグインB&攻撃プラグインA!」
1枚目のカードの効果でオーガモンの速度が上がり、デジモン達がバリケードを築くよりも速くにワーガルルモンの元に辿り着く。2枚目のカードの効果でオーガモンの攻撃力が上がる。
「チィ!ならば先に人間からやるぞ!ヤレ!」
デビモンの声を合図に様々なデジモン達が襲い掛かってくるが、後ろに下がって躱す。
詰めて来た成熟期デジモンの一体、ダークティラノモンが腕を振り上げて、一気に殺しに来る。
それをバックステップで避けると、オーガモンの方を見る。
オーガモンは、ワーガルルモンと共に更に奥へと行っていた。
と、俺がオーガモンの方に気が向いてる内に正面の成熟期デジモン達を基準に囲まれていた。
再度発された号令により、一斉に飛び掛かってくる。
それをーー
「来いハック!リアライズ!ハックモン!」
『おうよ!』
ーーデジヴァイスから出てきた赤いマントとゴーグルをつけた白い小竜、ハックが両手の爪を駆使して蹴散らす。
デジモンたちは急に現れたハックの不意打ちに一瞬怯むが直ぐに攻撃を再開してくる。
「一気に決めるぞ!殺すなよ!」
「わかってる!」
ハックの返事を聞くと、カードケースからカードを取り出す。
「カードスラッシュ!超進化プラグインS!」
『ハックモン進化!ーーバオハックモン!』
カードの能力でハックがその姿をより強靭で大きく
「馬鹿な進化だと!ふざけるな!私がこの姿になるまでどれ程の時間を費やしたと思っているのだ!」
デビモンが何か喚いているがーー
「知るか!」
ーー知るか!これは俺とハックの友情の力なんだ!誰にも否定させるか!
「行け!ハック!」
「オウ!フィフクロス!」
バオハックモンに進化したハックは爪に炎を纏うと、正面にいたダークティラノモンの目の前をエックス字に切り裂いた。
「ハッ!何処狙ってやがる!」
デビモンはこちらを馬鹿にしている様だが!
「やれ!ダークティラノモン!」
デビモンがそう命令した瞬間ーー
「グオオォォォォ!」
「何っ!?」
ーー遥か後方までダークティラノモンの巨体が吹き飛んだ。
ハックが発生させた風圧で。
「くッ!成熟期のデジモンは私と共にあのデジモンを囲め!成長期のデジモンはあの厄介な人間を始末しろ!」
混乱しだした成熟期と成長期デジモンをデビモンが素早く指揮を取って立て直す。
俺は成長期デジモン達の攻撃を避けてる内にハックと放され敵に囲まれてしまう。
「一斉にかかれ!」
『おおおぉぉ!!』
成長期デジモンの隊長らしき忍者の様な黒い体毛の鳥型デジモンのファルコモンが指示を飛ばし、一斉に成長期デジモン達が飛び掛かってくる。
「はぁー、めんどくせぇー。」
一言呟くと腰のカードケースからカードを取り出しーー
「カードスラッシュ!設置固定型範囲指定!ブレイブシールド!」
ーーデジヴァイスに読み込ませる。
すると、目の前に
デジモン達は、行く手を阻んでいるブレイブシールドに攻撃を仕掛けているようだが、金属同士がぶつかり合う様な甲高い音しか鳴らず壊れる様子は無い。
それもそのはず、ブレイブシールドは元を辿れば、ある究極体の竜人型デジモンの装備だ。いくらカードの能力で出現させた劣化品とはいえ、多寡が成長期に破れる程脆くは無い。それに加え、ある程度こちらでカードの能力のステ振りが指定できるため、言うほど劣化品と言う訳では無い。
ただ、このステ振りにも弱点が存在する。例えば、範囲を広くすればその分脆くなり、頑丈にすればする程出現する
また、設置固定型や設置攻撃型、移動撹乱型、移動砲撃型等のバリェーションがある。
例えば、設置固定型の場合は耐久性、頑丈さが少し上昇する代わりに耐久力が無くなるか、任意で消すかしない限りその場から永遠に離れないといったデメリットも存在する。まぁー、正直言ってデメリットになっているかは微妙だが。
ちなみにもう1つデメリットが存在する。武器の重量はステ振りでは変えれないということだ。例えば、あまりにも重すぎる重量級デジモンの武器等は持つことができない。が、どんなに頑丈さや範囲を広くしても元の重量からは変わらない為、小型の武器しか使わない俺にとってはこちらもあまりデメリットとは言えない。(このデメリットはあくまで使う対象が人間等の場合なのでデジモン達にはあまり関係無い。)
と、今は戦闘に集中しなきゃな。
「ふぅー、カードスラッシュ!装備型鋭さ
一度息を吐き出すと、カードを2枚取り出し同じカードを3回デジヴァイスに読み込ませる。
読み込ませると、青銅で出来た剣が1本だけ手元に現れる。
(ちなみに、+や、++、-、--等は、ステ振りの更に細かい指定で、++の場合は極振りを表し、--は全捨てを表している。)
手に取った剣を2、3回素振りをして手に馴染ませると、ブレイブシールドを消し、デジモンの群れに突入する。
急に盾が消えたことで前のめりになって体制を崩したデジモン達にブロンズブレードを当てて行く。鋭さの無くなった剣では斬ることができないが、代わりに頑丈さに極振りしている為、鈍器となっている。(最初から棍棒などの鈍器にしておけばいいんじゃね?と思うかもしれないが、俺にとってはこの
ブロンズブレードを当てられたデジモン達は次々と奇声を発しながら倒れて行き、最終的にはファルコモンのみが残った。
「くっ!お前ホントに人間か?!」
「そうだな。・・・ちょっと前にハックたちと世界を救った事がある
「ふざけんな!スクラッチスマッシュ!」
ファルコモンは、自らの翼についた爪を光らせて襲って来る。顔に向かって来る爪をギリギリのタイミングで剣の腹で受け止めるが、耐久力が切れてしまい、光の粒子となって消えてしまう。
「へっ!これで終わりだ!手裏裏剣!」
ファルコモンは俺の剣が砕け散った瞬間、距離を置き、硬質した自らの羽で出来た十字手裏剣を数十発投げてくる。
こちらには武器が無い為、対処できずに攻撃を喰らうーー
「ーー訳ないだろ!セットカードオープン!装備型鋭さ-- 頑丈さ+ 耐久性++!ブロンズブレード!」
「何っ!?っ!!」
カードスラッシュの弱点を補う俺のデジヴァイスーーデジヴァイス
セットしていたブロンズブレードを発動させ、十字手裏剣を打ち落とす。
これにファルコモンは驚いて手裏剣を投げる手が止まりかけるが、直ぐに持ち直し、再度手裏剣を投げ続ける。
数分ほど続いた攻防は、俺の剣が砕けるといった終わり方で終了する。
「っ!?決まれ!!」
チャンスとばかりにファルコモンは、今までで一番速い手裏剣を投げてくる。
「甘い!セットカードオープン!頑丈さ++!他はオール--!ブロンズブレード!」
2枚目のセットカードの3個目のブロンズブレードを発動させ、手裏剣を思いっきり打ち返す。打ち返した手裏剣はファルコモンの腕に当たり、ファルコモンが腕の痛みに小さな悲鳴を上げる。その間に接近していた俺は、エヴォルから取り出したある果物をファルコモンの口に無理矢理ねじ込む。
「っ!!・・・!??!!?!?!?!??!?!??!?!?!?」
異物を無理矢理入れられたファルコモンは、一瞬顔を顰めると異物を吞み込み、目を回す。
ちなみに、俺の入れた果物は、サクランチェリーと呼ばれており、その名の通りあまりの美味しさに錯乱するという無加工で使うにはあまりにも危険な果物である。
さてと、こっちは終わったが他はっと。
エヴォルを取り出し、ハックの視界と繋げる。
画面に映った光景は、ハックが築いたであろう成熟期デジモンのタワーだ。いくらなんでもやり過ぎだろ!
・・・まぁー、俺もあんまり言えないんだが・・・辺りを見渡すと、そこには目を回すファルコモンと気絶した成長期デジモン達がいる。
・・・まぁー、いいや!
やっぱり一番の問題はオーガモンだな、取り敢えずハックと合流するか!
俺は、奥に向かって早歩きで向かった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
勇輝がファルコモンと戦っているころ、オーガモンとワーガルルモン(黒)は洞窟を抜けたところにある谷間の端と端で激しく睨み合っていた。
「折角、お仲間さんが助けに来てくれたのに残念だったな~」
「・・・・」
「チィ!つまんねぇ~野郎だっ!?」
ワーガルルモンがオーガモンを煽るが、それに沈黙で返したオーガモンに舌打ちし、一瞬、そう、一瞬、目を逸らした瞬間にオーガモンは、ワーガルルモンに肉薄し、紫の波動を纏った拳をガラ空きの胴体に打ち付ける。ワーガルルモンは、壁までその体を吹き飛ばされる。
(すげぇ!今までに無い位、体が軽い!それに、攻撃力も上がっている!これが
「くそっ!がぁあぁぁぁぁぁぁぁぁあぁ!」
「っ!?」
咆哮するとワーガルルモンは、岩を蹴ってオーガモンに近付き、右足を振りかぶって勢いよく
「遅い!」
「何っ!」
オーガモンは、屈んで避けると、カウンターで骨棍棒を当てる。ワーガルルモンは、上空で受け身を取って岩の上に着地すると、体のバネ全てを使い一気に急降下する。
「カイザーネイル!」
ワーガルルモンの鋭い爪が迫ってくるが、オーガモンは間一髪、両手をクロスして防御することができた。
「(!!体がイメージ道理に動く!)」
「まだまだ!円月蹴り!」
「っ!!?」
爪が受け止められると、ワーガルルモンは、その足をすぐさま地面に着け、左足を軸にして強力な蹴りを放つ。先程まで考え事をしていたオーガモンは、一瞬反応が遅れかけるが、すぐさま慢心してはいけないと気持ちを入れ替え、骨棍棒を犠牲にしてワーガルルモンの蹴りを防ぐ。
「おらおらおらおらおらおらっ!おらぁ!」
「くっそっ!」
ワーガルルモンの激しいラッシュに防戦一方になるオーガモン、時折、ワーガルルモンに隙ができればすぐさま反撃を繰り出してはいるが、ワーガルルモンの方が攻撃数では、圧倒的に有利である。
「っ?!」
「へっ!足元がお留守だぜ!」
ワーガルルモンに隙ができ、反撃しようと体を前のめりにした瞬間、オーガモンは、足を掬われる。背中から、着地したオーガモンに追撃と、拳を放つワーガルルモンであったが、オーガモンは地面を転がって避ける。
オーガモンは、そのまま起き上がると、ワーガルルモンから距離を取る。
「チッ!中々にしぶといじゃねぇーか!・・・そんなお前にいいもん見せてやるよ!」
言い終わると、ワーガルルモンはオーガモンにある物を見せる。
「!?・・・テメェー!」
ワーガルルモンが見せたある物を見たオーガモンは、一瞬で冷静さを失くし、ワーガルルモンに飛び掛かる。しかし、冷静さを欠いた敵等、ただの的も同然、飛び掛かってくるオーガモンの腹部に強烈なパンチを叩き込むと、オーガモンは、地面に倒れ伏す。
「まさか、こんなボロ布1つでそんなに変わるなんてっ・・・な!」
「ゴ八っ!」
ワーガルルモンは、倒れ伏すオーガモンを足でひっくり返すと、その無防備な腹に何度も足を勢いよく振り下ろした。
最初は悲鳴を上げていたオーガモンも、何十発目からはただ呻くだけになった。
それにツマらそうに舌打ちすると、ワーガルルモンは止めをさす為にボロボロのオーガモンの頭を掴み、空に上った月へオーガモンの体を重ね合わせると、もう片方の手に持ったままになっていた2色のスカーフを捨てる。捨てられたスカーフは、風に乗って上空へと流されて行く。
流されたスカーフを追う様に左手を虚空へ向けるが、途中で力なく垂れ下がる。
「ツマンネ。最後は特別に月をバックにして止めを指してやるよ。贅沢だな~」
「・・・」
「チッ、死ね!カイザーネイル!」
ワーガルルモンは呟くと、オーガモンを中空に投げ、月と重なった瞬間飛び上がり、両の爪を尖らせ切り裂くーー
「オープン!ブレイブシールド!」
ーー間際、ワーガルルモンとオーガモンの間にブレイブシールドが現れ、ワーガルルモンの爪を弾いた。
爪を弾くと、役目を終えたブレイブシールドはデータの粒子となって消えた。
「誰だ!」
ワーガルルモンが声のした方へと顔を向けると、そこには赤いマントとフードが合わさった成長期時代から愛用のマントを深く被り、ゴーグルを頭の上にはめた
「お、お前達デビモンはどうした!」
「・・・ハック」
「オウ!」
勇輝は、ワーガルルモンの問いには答えずにスカーフを粒子化させてエヴォルに収納すると,ハックの名を呼ぶ。それだけで何か分かったハックは跳躍し、その背にボロボロのオーガモンを受け止め、岩を蹴ってまた勇輝の隣に戻ってくると、オーガモンをそっと地面に下ろした。
「す・・まない、店・・長」
ボロボロのオーガモンの言葉に勇輝は笑顔を返すと、カードでオーガモンを回復させ、ハックと共にオーガモンの前に出る。
「さーて、選手交代だ!こっからは俺達が!」「ボクたちが!」
『相手だ(よ)!』
勇輝達は声を揃えると、同時に跳躍する。
ワーガルルモンは高笑いを上げると、勇輝達を迎える為に拳を握る。
~~~~~~~~~~SideChange勇輝~~~~~~~~~~~~~
まず、ハックが突っ込んで行き、その後ろで俺はカードをセットし直す。1枚目、2枚目とカードをセットし直したところで、全身に鳥肌が立った。ほとんど直観に従いセットし直したブレイブシールドを背後に展開する。
展開してすぐにワーガルルモンの起こした2振りの衝撃波が盾に直撃する。
「ごめん!捌ききれなかった。」
「気にすんな。次行くぞ!」
「オウ!」
返事と共にハックは再度ワーガルルモンに向かって突撃していく。
しかし、やっぱり完全体と成熟期じゃキツイか?致命傷になりえる攻撃は弾けているとはそれ以外は押されている。ただでさえ今のハックは全力で戦えないというのにこれ以上のダメージは正直かなりまずい、どうにか隙をつくらないとな。
今のハックでギリギリ拮抗させる位しかできないってのに、オーガモンは俺達が来るまで耐えたとはね・・・。
しばらく様子を見ていると、ワーガルルモンは必殺技を放つのかハックから距離を取る為に跳躍した。
「ここ!オープン!対象指定『パルモン!ポイズンアイビー!』」
「なに!うぉ!?」
キーワードを口にすると、俺の目の前に半透明な頭に大きな花を咲かせたデジモン、パルモンが現れた。パルモンはツタでワーガルルモンの左足を絡み取る。態勢を崩したワーガルルモンは技を放つのを諦めて受け身を取ることに集中した様だ。勿論小さな隙を見逃すハックではなく、一瞬で距離を詰めると、両手に炎を纏わせる。
そのタイミングで俺はカードを1枚取り出してスキャンする。
「スラッシュ!『メラモン!バーニングフィスト!』」
「ウォォオッ!フィフスクラッシュ
カードの能力を上乗せして、ハックの纏う炎の勢いが増す。そして、見事にワーガルルモンの胴体にX字の傷跡をつけ、ワーガルルモンは近くの岩に突っ込んで行き崩れた岩の瓦礫に埋まってしまう。
攻撃し終わったハックは俺の隣に戻ってきた。労いの意味を込めて頭を撫でてやると、気持ち良いのか目を細めている。・・・なんか犬みたいだなwと思っていたら腕を噛まれた。やっぱり俺ら以心伝心だね!
あっ、ゴメンってそんなに怒んなよと言うか早く腕を開放して!痛みを通り越して感覚が希薄になってきたから!
「全く、じゃあ最初から変なこと考えなきゃいいじゃん」
「いや、まず噛むなよ」
「ん?なんか言った?」
「いえ!なんでもありません」
怖ッ!とてもいい笑顔なのに滅茶苦茶怖いんだけど!笑顔なのに心は全然笑ってないよ!
まぁー、おふざけはここまでだな。
瓦礫の方に目を向けると、胴体にX字の火傷を残したワーガルルモンが起き上がっていた。
起き上がったワーガルルモンはズボンのポケットから禍々しい何かのデータの集合体を取り出した。
「テメェーらもう許さねぇー!」
そう言うと、ワーガルルモンはデータの集合体を飲み込んだ。
その数秒後、ワーガルルモンの身体に変化が起き、ワーガルルモンの身体が巨大化し、姿が大幅に変わった。
「進化・・・したのか!?」
「いや、こんな進化見たことない、何よりも・・・ワーガルルモンからムゲンドラモンなんて自然に進化する訳がない!」
オーガモンの漏らした言葉に返したハックはムゲンドラモンに進化(?)した元ワーガルルモンを睨みつける。
それにしても、カードを使ったとはいえ、オーガモンの回復力はすごいなもうマトモに話せるのか・・・なら!
「オーガモン!動けるなら援護頼む!」
「わかった!店長!」
「でも、どうするのさ勇輝?オーガモンが加わっても成熟期2体だよ?」
「仕方ない、俺も出るか・・・」
「え?店長も戦うのか?」
俺の発言にオーガモンは心底驚いたようで、大きな声をだした。
まぁー、普通に考えて人間が究極体(オーガモン、バオハックモンの2個上の成長段階)に挑むなんて自殺行為だよな~。
「安心しろ、前にでるったって何も俺がメインで攻撃するわけじゃないんだ。」
「そーか、なら安心だn「突撃だ!ハック!」「オウ!」全然安心できない!?」
オーガモンが何か言っていたが無視してハックと共に突撃する。
突撃しながらカードを1枚使った後、カードを
使ったカードの能力でハックの背中から白い羽が生えてくる。そのタイミングで俺にムゲンドラモンの左腕、完全体デジモンメタルグレイモンの機械腕、トライデントアームのクロー部分が射出される。
間一髪でハックが俺をその背に乗せ、空へと舞い上がる。
「今できる全力!全開で!あいつをぶっ飛ばすぞ!」
「オウ!」
ハックは返事と共に羽根を翻してムゲンドラモンの右腕、完全体デジモンメガドラモンのアームから放たれるミサイルを避ける。
俺は振り下ろされない様に力を籠めようとし、やめる。丁度、ムゲンドラモンの真上に来たみたいだからな。それにあいつもな。
「合わせて見ろ!オーガモンッ!オープン対象指定!『ガルゴモン!ダムダムアッパー!』&装備型!ゴールドブレード!」
「無茶言ってんじゃねーよ!クソッ!絶対に合わせてやるよ!覇王拳!」
「グオォ!?」
上から半透明の成熟期デジモンガルゴモンの必殺技が、下からオーガモンの紫の波動を纏った拳が打ち付けられた。どうやら効いたようでムゲンドラモンは呻き声を上げた。
更に!手の中にある黄金の剣を頭に振り下ろすも、ムゲンドラモンの強度の堅い金属装甲に弾かれる。
やっぱダメか・・・どうっすかな~。
「ウオッ!」
「なにやってんの!気をつけてよ!」
「ありがとうハック!」
打開策を考えている間に頭の上から振り落とされてしまった。それをハックが受け止めてくれたが、もう少し遅かったら地面とコンニチハする所だった。
「で、どうすんだ?流石に何も作戦がないんじゃキツイぞ?てか、完全体とかの技は使えないのか?」
「う~ん、そうだな。!?跳べ!」
「「!?」」
俺の言葉と同時に、俺とオーガモンは左に、ハックは右に跳ぶ。その数秒後先程まで俺らがいた場所をトライデントアームが通過する。
「まだ、話してる途中でしょうが!オープン!『ドリモゲモン!ドリルスピン!』」
半透明の成熟期デジモンドリモゲモンが巨大なドリルを使って、地中からムゲンドラモンの下の地面を掘り即席の落とし穴を作ってムゲンドラモンを落とし穴に嵌める。
これで少しは時間が稼げたかと思った瞬間、途轍もないほどのエネルギーが集中しだしたのがわかった。
「ムゲンキャノン!」
「くっ!オープン!ブレイブシールド!」
ムゲンドラモンの放ったムゲンキャノンは、地面を吹き飛ばした。
・・・って、危な!あいつ自分が崖下に落ちるかもしれないのにお構いなしでぶっ放してきやがった!?
俺らはブレイブシールドのおかげで無傷で済んだが、技を打った本人は、ボロボロになっている。
「!?チャンスじゃねーか!同じ方法で行けばムゲンドラモンにダメージが与えられんじゃねーか!」
「・・・」
確かにいい作戦だと思うが・・・。
俺とハックが急に静かになったのを不思議そうに見ているオーガモンに説明する。
「実は、ブレイブシールドは今日、後1回しか使えないんだ。」
「なんだって!?」
「それだけじゃない、さっき言われた完全体とかの技は使えない。」
「なんでだ?」
「俺のカードは、ブレイブシールドなどの特例を抜かしてパートナーのつまりはハックの成長段階今で言う成熟期以上の技を使えないんだ。」
オーガモンも説明を聞いて表情が暗くなる。
せめてハックが完全体に進化できればなぁ~。エヴォるの画面を見てみる。とある数値を表しているメーターが半分手前程で止まっている。
「グォォ!」
「来るぞ!」
オーガモンの声でムゲンドラモンの方を見てみると、ムゲンキャノンを向けていた。
言うの遅いよ!心の中で叫んでいると、ムゲンキャノンが放たれた。
「店長カーd駄目だ!間に合わない!」
「勇輝!ウオォーーーーー!!」
カードをスキャンしようとしたが、カードを取りだした所で目と鼻の先までムゲンキャノンが迫ってきていた。
オーガモンは眼をつぶっており、既に諦めている。でもな、結局のところ最後に勝つのは・・・絶対に諦めない奴なんだよ!背後を振り返ると、両手に炎を纏ったハックがムゲンキャノンを受け止めていた。
「!?店長!!」
「諦めんなよ!いいか!俺達は、1人では無理でも力を合わせれば・・・」
「「不可能なんてない!」」
「!?」
「行こう!勇輝!」「行くぞ!ハック!」
俺とハックの気持ちが1つになった瞬間、先程まで半分手前で止まっていたメーターが一気に最上部に到達し、エヴォルが光り輝く。
『
エヴォルの機械音声と共にエヴォルの光は1つに収縮すると、ハックに降り注ぎ、ハックは光に包まれた。
ハックを包んだ光とムゲンキャノンが接触した瞬間ムゲンキャノンは弾け、俺を守ろうと前に出たオーガモンが爆風によって後ろに吹き飛ばされた。其れと同時に、
「バオハックモン!進化!」
ハックを包んだ光が晴れると、人型になったハックの完全体。そうーー
「セイバーハックモン!」
ーーセイバーハックモンがいた。
セイバーハックモンとなったハックは、その両手の剣を使って爆風を掻き消した。
「どうだ、久しぶりの完全体は?」
「流石に前ほどの力を使える訳じゃないけど、やれるよ!」
「OK!行くぞ!」
「オウ!」
ハックは、さっきよりも早く移動し、ムゲンドラモンとの距離を詰める。
しかし、ムゲンドラモンもタダでは接近させないのか、ミサイルを放つ。
それをハックは、軽いフットワークで避ける。俺も微力ながらハックを援護する為に高速プラグインと、攻撃プラグイン、防御プラグインを使う。
それと同時にムゲンドラモンのミサイルを放つ速度が速まる。
それだけじゃなく、ハックの回避パターンを解析し終わったのか、少しずつだがハックに被弾し始めた。
「なら、撃ち落とす!『メテオフレイム』!」
ハックは、口からマシンガンの如く炎弾を放って相殺しだした。
一瞬ミサイルを放つのに時間が開いた瞬間、ハックはムゲンドラモンの懐に飛び込む。
だが、それを読んでいたかのごとく、いや、読んでいたムゲンドラモンのムゲンキャノンをほぼ至近距離で受ける。
「大丈夫か!?」
「なんとかね、でも、うかつに近づけないな・・・」
「ハック、1回で決めれるか?」
「?懐に入れれば・・・」
「よし、なら俺を信じて突っ込め!」
「!?わかった!」
ハックは、さっきと同じ方法でもう一度接近する。
だが、今回違ったのは、もう少しで懐に飛び込む瞬間にミサイルがハックの足下を狙って放たれたことだった。
足下に放たれたミサイルを上に跳躍して避ける。それを狙う様にメタルクローが射出される。
「信じる!『レッドストレイド』!」
「グゥオ!?」
跳躍した勢いのままに、跳び蹴りの体制になる。
ここで1つ解説しよう、セイバーハックモンは両足が剣となっており、レッドストレイドは跳び蹴りの姿勢から足の刃で敵を貫く技である。
てなわけで、メタルクローは真っ二つになり、ハックはムゲンドラモンの懐に入ることに成功する。
勿論、ムゲンドラモンはムゲンキャノンでハックを狙うが、こっちはそれが狙いなんだよ!
「カードスラッシュ!設置固定型!固定箇所設定!頑丈さ++ブレイブシールド!!」
「グワァァァァ!」
俺は、最後のブレイブシールドをムゲンキャノンの銃口に固定し、自滅させる。
そして、
「チェックメイトだ!『トライデント!セイバー!』」
ハックは、尻尾と両手の三つの剣で斬りかかった。
容赦なく斬りつけた後には、退化したワーガルルモンが気絶していた。
ふぅ~、これで一件落着かな?まっ、一応アイツらに連絡して後始末を任せよう。
えぇ~と、オーガモンは?
「おーい」
おっ、噂をすれば何とやら。丁度いいタイミングでオーガモンが戻ってきた。
「心配したぜ!って!うぉい!なんだこのカッコいいデジモン」
「あー、こいつはハックが進化した・・・」
「セイバーハックモンだ!」
「おーかっこいいな!ん?」
「「お(ん)?」」
ハックがカッコよくポーズを決めていると、身体が光に包まれ、ハックモンに退化した。
エヴォルを見てみると、『Time Over』と赤い文字で表示されていた。ふぅーん、完全体への進化は制限つきか・・・注意しないとな。
「で、どうすんだ?」
「なにがだ?」
「子分の敵討ちで殺すのか?」
俺の質問にオーガモンは数秒考え込むと、
「いや、ここでこいつを殺したら俺もこいつと一緒のレベルになっちまうし、それに、改めて考えるとあいつらもそんなことはして欲しくないだろうからな・・・やめとくよ。」
オーガモンは涙ながらにだが、清々しいほどの笑顔で返してきた。
「まったく・・・じゃ、帰るか!」
「「オウ!」」
オーガモンとハックの返事を聞くと、俺らはデジタルに向かって歩き出した。
~~~~fin~~~~