起きたら比企谷 八幡になっていた。
しかも、あるゲームとクロスオーバーしているらしい世界で
取り敢えず、俺に起こったことを簡潔に纏めるならばこの二文になる
最近流行りの二次小説なんかでは転生に関しては説明をしなくても分かるだろう。
それがテンプレート的な朝起きたらという状況だったと言えば分かる人は分かる
というより実際こんなことになるまでは俺自身もそうだったからだ
というわけで俺のこの心の声を聞いている方々、初めまして比企谷 八幡になった転生者だ
興味を持っていたとあるゲームを始めようとアプリのインストールを待ちながら小説を読んでいたのだが、どうやら夜中の遅い時間と疲れによりインストール完了を確認する前に寝てしまったらしい
そして、スマホの目覚ましアラームの音により意識を覚醒させ始めた俺は寝ぼけたまま音源であるスマホを手探りで探すが何故か置いていたはずの場所にスマホは無くそれどころかバランスを崩しベッドから転がり落ちてしまった事により目が一気に覚めた
転がり落ちた方は確か壁になっていた筈なのだがと思いながら周囲を見渡して俺は驚いた。
理由は簡単で自分が全く知らない部屋にいたからである
壁に掛けられた制服はどこか見覚えがあるものの自分が使っている物とは全くの別物になっているし机の上からは愛用のデッサン道具が無くなり代わりに外国語で書かれた本が積まれている
そしてまさかと思いカメラを使い自分の顔を見ようと落としたスマホを拾おうとして足元に視線を落とすとそこには白い錠薬が入っている薬瓶が転がり中身も床に散乱していた
その薬瓶のラベルを見てある予想を感じながらスマホを拾い上げカメラを起動し自身の顔を写し出す
そこには俺の顔ではなく寝る前まで読んでいた小説の主人公である比企谷 八幡の顔であった
足元の薬と今の俺の現状から頭の中にあった予想を確認する手掛かりがないかとスマホのデータを確認していくとつい最近からつけられるようになったらしい日記を見つけたのでそれを読んでいった
その内容は思い出したくもないので触れないが負の感情を溜まりに溜まりこんだものであったとだけ言っておくが、どうやら日記の最後である昨日の文面を読む限りこの世界の彼は現状に耐えられなくなり自殺を図り死んでしまったようでその死んだ肉体に何故かは分からないが俺は入り込んでしまったらしい
とにかく、現状を把握した俺が一番に決意したことは原作メンバーとの関係を断とうということだった
何故なら『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』って作品は簡単に言っちゃえば主人公が損をする事が前提というか主人公が貧乏クジを引くことで王道主人公みたいに誰かが喝采を浴びることになる物語なのだからそう思う俺は間違ってない
何より作中で彼が言われる言葉は基本的にブーメランで相手にそのまま返っていく事ばかりだしな
そう思い顔でも洗って気を引き締めようとするとスマホにメールが届いた中身は今関わりたくないと思った人物の一人である平塚 静からであった
その文面は今から奉仕部の部室に来いというものであったのだがそれ以外になんの説明もないことから俺はあきれた。仮にも大人が人を呼びつけるのなら理由や用件を書くのは常識だろう
無視すると彼女の性格からして家に押し掛けてきそうなので仕方なく壁に掛けられた制服へと着替えると最低限の必要な物を持ち部屋を出て身だしなみを整え家を出るとアプリを頼りに学校へと来ると原作を思い出しながらある目的地である部屋へと辿り着いたのだがその部屋の前に一人の外国人らしき女性がやっと来たかといった感じの顔をして溜め息を吐くと部屋を指差し入るように促すと彼女は隣の部屋へと入っていくそれを見送り俺は部屋の扉を開けた
そこには俺が知る原作のメンバーが驚く程に集まっていたので口を開けて固まってしまった
そこには奉仕部関係である雪ノ下や由比ヶ浜に平塚だけではなく葉山グループと呼ばれる一団に原作で八幡に対し好意的な関係である戸塚や材木座に川崎という原作における主要メンバーが勢揃いしていたからである
それに驚きつつも部室の中に入ると直ぐに雪ノ下が遅れてきた事に対して罵声を浴びせてきたが俺はそれを無視して部室の奥にある原作で八幡が座っていた椅子へと腰を下ろすとその反応が面白くなかったのか雪ノ下は更に罵声をあびせてくる
その内容から察するに俺以外は30分前から既に集まっていたらしく遅れたのだから謝るべきという事なら俺も謝ったが彼女はそこから更に俺に対する罵倒をつらつらと喋り続けるので無視を続けていると話疲れたのか罵声を止めた
そんな彼女を見て連絡が来たのがその30分前だったからなとだけ返すと再び雪ノ下から罵声が始まり掛けるがそれに平塚先生が待ったを掛け場を納めにかかると雪ノ下も渋々引き下がりその横にいた由比ヶ浜が彼女を宥めるように話しかける
その場はいい感じに収まった空気になるが原因は平塚先生であり、社会人としての常識であるホウ・レン・ソウくらいやるよとしか俺は思えない
既に集まっていた事から俺以外には事前に連絡をしており、俺にはサボらない様に時間ギリギリにメールを送りよびだしたのだろう。もし俺がどこかに遊びにいっていたり用事で近場に居なかったらどうする気だったんだこの人と思うと同時にちゃんと俺が遅れることを説明しておけよと思う
そんな平塚先生がわざとらしい咳払いをすると何やら大きな手身振り振りで何かの話を始めようとするのだが俺が入ってきた扉がバンッと大きな音をたて開かれた
そこには先程隣の部屋へと入っていった外人さんが苛立った様に眉間に筋を寄せ平塚先生へと視線を向けていた
その時は部屋にはいる前に見たときからどこかで見たことがあるような気がすると思っていただけだが彼女の話の中の一言により俺は完全に思い出し驚愕した
『私はオルガマリー・アニムスフィア。貴女達にカルデアのマスター候補となった事を伝えに来たわ』
え、この世界Fate/Grand Orderの世界なの?
その後色々あった話を纏めていくとどうやらあの学校は魔術師としての才能をもった者達を集めた学校であったらしくある計画の為の人員確保を行っていたらしく、その人員として選ばれたというのがあの部室に集められた者達である
まぁ、そんなこんなで俺は表向きは海外留学として
のカルデアへと足を踏み入れることになったのだ。実際此処に来るまで色々とあったりもしたのだが特に面白いことはなかったので省略させてもらう
「なんだ?」
到着したカルデアで俺を待っていたのは機械による合成音声によるアナウンスだった。それによると入館には少し時間が掛かるらしくその間にこれから俺たちカルデアのマスターが行うことになる戦闘の模擬訓練を開始するとのことだった
そのアナウンスに指示に従うと青い剣士の様な女性とそれぞれ槍と弓を持った男性が俺の前に現れ対する向こう側には岩で出来たゴーレムらしき敵が現れた
俺はアナウンスによるチュートリアルの説明を聞きながらサーヴァントというこれから俺が共に戦うパートナーとなるであろう存在達を模した仮想の3人と共に戦闘を有利に進めていき、サーヴァントの最大の特徴といってもいいらしいセイバーの宝具を解放し敵であるゴーレムにそれが炸裂し勝利を確信した
その時に、それは起こった
まるで一時停止のボタンを押された映像の様に世界が止まった俺を守るかのように近くにいた二人のサーヴァントは勿論、宝具を解放したセイバーも剣を降り下ろした状態のまま動かず敵であるゴーレムはセイバーの宝具から放たれた光により体を真っ二つにされた姿で止まってしまったのだ
そして、次の瞬間には周囲の全てがまるで板に填められていたパズルを板ごと逆さまにしたようにバラバラに崩れていったかと思えば目を開けていられないほどの強い光が突然発生した
次に俺が目を開けた時にそこにあったのは想像を絶する光景だった
先程までのサーヴァントの仮想戦闘などとは違う本物の戦場がそこには広がっていたのだ
靄に包まれた様にボヤけてしまい顔は分からないが多くの人々が悪魔の様な何かと戦っていた
そして、何より目を引くのはそんな彼等から遠く離れた場所で行われているたった一人の戦闘だった
しかし、そのたった一人の戦いは今、俺の回りで行われている戦いとはスケールが違った
彼の戦いはそれほどまでのものであると同時に俺は知っている。光の靄に覆われてその姿がよく分からないが俺はあの光を知っている
「う………ウルトラマンっ!?」
そう俺の視線の先で戦いを繰り広げている存在は巨大な人型の光の靄の様にしか見えないが胸に光るカラータイマーらしき存在が今も胸に鎧の様な物を纏い剣と柄に直接刃を着けた斧の様な剣を振るう存在が何者であるのかを示していた
俺の視線の先でそのウルトラマンらしき光の巨人は剣を天に掲げると身に纏っていた鎧が分離し盾の様な弓の様な形状となった鎧ともう1つの小型の剣が天に掲げられた剣へと重なりあう……というか、あれは!
「う、ウルティメイトイージス!?あの量産に成功しちゃったチートアイテム!?」
言葉はあれだが実際チートアイテムな筈なのに科学技術でコピーされ所有者にもツッコまれたウルトラマンシリーズのなかでも活動時間の無制限化や世界を越えたりと最上級のチートアイテムである………でも、量産化された
俺が驚いている間にウルトラマンは戦いに勝利したのかその姿は小さくなっていき、それに伴い俺の居場所も歪んでいく
そして、景色が再びはっきりし始めるとそこにはまた驚くべき光景があった
「かっ………仮面…いや、アーマードライダー…バロン!!?」
そこには俺が憧れた背中で語る男な仮面ライダーらしき存在が何者かと戦っていた
しかし、彼は一人ではなく何人か共に戦っているらしき仲間の姿があるがよく見えない
けど、多分女性ばっかじゃないか?
何処が、とは言わないが…………その………大きい、人ばかりだな………ハーレムかよっ!
俺が一瞬悔しさで目を閉じると目の前で光を感じ目を開けてみるとそこには…
『……………』
女神がいた。
いや、何を言っているんだ俺は……しかし、白銀色と薄い紫色によるグラデーションの様な色合いで肩に少し掛かる程度の長さの髪に紫と白の服に身を包み紫と銀のオッドアイの瞳でこちらを見つめる俺と同じくらいの女の子が目の前に現れていた
『マス……』
「ます?」
その彼女が何かを語り始めようとしていたので思わず復唱してしまたっが目の前の彼女は慌てて言い直すように再び口を開いた
『せんぱ…ぁ……………っっ~~』
言い直そうとしたのだが何やら再び失敗してしまったのか途中まで出掛かった言葉を慌てて飲み込み口許を押さえた彼女は頬を赤らめ両目は髪に隠れて見えなくなってしまっているが……
「ヤベェ、超可愛い………あ」
目の前の彼女を見て思った感想が口から出てしまった。
しかも、それを聞いた彼女は頬を更に赤らめつつも髪で目が見えないがそれでも嬉しそうな表情を暫くしていたがハッと何かに気づいたかのように慌てて俺に近付き話しかけてきた
『あっああ貴方はっ運命を選ぼうとしていますっ……それはっ……ってっ、あぁっ!時間が!?待って!まだ先輩に何も言えてません~~』
何か彼女はあわわと慌てていたが景色はいつの間にかあの時が止まっていた世界へと戻りセイバーの宝具により俺の勝利で戦闘は終わり俺の意識は徐々に薄れていった