Fate/Grand Order If   作:風鳴 蒼

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プロローグⅡ

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は比企谷 八幡。日本で学生をしていたのだがなんの因果かある日、この世界では自殺をしてしまった比企谷 八幡の中に入り込んでしまった転生者だ

 

 

突然学校に呼び出された俺を待っていたのはこの世界に存在しない筈の女性

オルガマリー・アニムスフィアとの出会いとカルデアへのマスターとしての召集

 

そしてその召集に応じカルデアに辿り着いた俺を待っていたのは特殊な施設故の厳密なチェック

もうひとつは入館手続きの為の時間を利用したサーヴァントを使役しての模擬戦闘というこれから担うことになるカルデアのマスターとしての訓練だった

 

俺は苦戦することもなく戦闘を有利に進めセイバーの宝具による止めで勝利を確信した

 

その時………何かが起こり何か凄い光景を見た後に誰かに会い何かを言われた気がするのだが

 

何故か、はっきりとしない。まるで眠りから覚めて直前までの夢を忘れてしまった感覚が俺にはあった

 

ただ、それでもたった一つだけ分かることがある

 

 

何か、とつてもない巨大な運命の輪の中に俺は入り込もうとしているのだろう

 

その運命の輪が円となり終焉を迎えるのか螺旋の渦となり何処か未知の先へと向かうのか

 

 

その時は俺はまだ何も知るよしもなかった

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー世界消滅の危機までの時計の針が進み始めていたことすらも

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ……ここは…カルデアの中、か?……どうなってんだ、これ」

 

 

 

俺は確か………此処、カルデアへの入館手続きが行われるまでの間にサーヴァントを使役し仮想空間内で模擬戦闘を行ってて……勝利した、のか?

 

セイバーの宝具解放により俺は敵を倒した。

 

それは間違いないのだが……なんだろう、何かが抜けている?いや、忘れてしまった?

 

取り敢えず何かを思い出せない様だが今は現状の把握が優先だ

 

どうやら背中に固い感触を感じることから何故か俺は廊下に仰向けに寝転がっているらしいと目を開けてみるのだが………目の前にあるのは白一色の何かだった

 

妙に暖かいことや何やらモゾモゾと動いていることから何か生物が顔の上に乗っかっているようだ

 

起き上がり手で顔に引っ付いている犬か猫あたりの何かだろうと思い引き剥がして見てみるとそこには

 

 

 

「フォウ」

 

 

「……………………なにこれ」

 

 

いや、流石にこれは予想外だわ

 

目の前に現れたのは何故か小さなポーチを首から下げた全身が白い毛に覆われた始めてみるなにかだった

 

犬か猫かと思ったら見たこともない謎の生物がこれまた聞いたことのない鳴き声を発した

 

取り敢えずどうすればいいのか分からないので白い謎生物を床に下ろし立ち上がるのだがその謎生物が今度は俺の体を駆け上がり俺の頭のアホ毛に興味津々のようで前髪の辺りをペシペシと叩きながら頭上の重さが動くことから左右に揺れる俺のアホ毛を追っているようだ

 

 

「あ、フォウさーん」

 

 

ん?誰かの呼び声らしきものが聞こえ更に聞こえてきた方向から小走りで誰かが近づいてくる足音が響いてきたのでそちらを見ると眼鏡をかけた紫色の髪と目を持つ俺と同じくらいの女の子が………ん?

 

 

 

「あ………」

 

 

「ん………」

 

 

フォウ、というのは今も俺の頭上にいる謎生物の名前だろうか?

 

いや、そんなことよりも小走りで近づいてきた彼女は俺の目の前まで来て止まる

 

俺も彼女を見たまま動きを止めてしまう

 

彼女とは、初対面、だよな?

 

そのはずだ。俺は彼女に会ったことはおろか見たことすらないし彼女に似た知り合いがいるわけでもないのだから故に彼女の名前すら俺は知らない

 

だけど、俺も彼女の方もそうらしいがまるで映画のワンシーンの様に互いを見つめあったまま動けないでいた

 

 

 

「八幡」

 

 

その沈黙を破るように発した俺の一言に目の前の彼女はほぇ?と首を傾げる

 

 

「比企谷 八幡……それが、俺の名前…君は…?」

 

 

「あっ…マシュ・キリエライトです。宜しくお願いします八幡先輩」

 

俺の自己紹介に目の前の彼女……マシュは微笑みながら返してくれた後に思い出したように俺に着いてきて下さいと言い先導を始めた

 

しかし、何故初対面の俺を先輩と呼ぶのか聞いてみたところ迷惑でしたか?と申し訳なさそうに聞いてくるマシュの表情に俺は別にいいと返すしかなかった

 

 

そのまま前を歩くマシュが話してくれた説明によると本来なら先ずは所長であるオルガマリーからのカルデアにおける説明を行う予定だったのだが最後のマスターである俺の到着が遅れた事が切っ掛けで先にカルデアの施設を使ってみたいや魔術に触れてみたいと俺より先に到着した一般人から選ばれたマスター達が言い出したらしい

 

因みにそんなマスター達を纏めて意見を言っていたのはあの葉山らしい……どうでもいいが

 

それにより事前の説明によってカルデアでは何をするのか自体は説明されているしそれに関する書類も何度も確認をした上で書いたので所長が仕方なく折れて先にサーヴァントの召喚を行うことになったそうだ

 

 

 

 

「すでに先輩以外の人は召喚を行っていまして先輩も直ぐにレイシフトルームへお連れするように言われまして入館を確認したら私が案内する様に言われていたのですが……」

 

 

説明してくれていたマシュが話を切ると俺の頭上へと視線を向けるが、そこにいるのは

 

 

「フォウッ!」

 

 

「突然、フォウさんが私から預かったポーチを持ったまま走り出して……あっ。フォウさん返してもらいますね」

 

 

俺の頭上に相変わらず居座っているフォウが一鳴きするとマシュが俺の頭上へと手を伸ばしたので思わず身を屈めてしまう

 

 

 

うん。マシュがフォウに手を伸ばしやすくするための自然な行為だ

 

だから、俺のこの行動は善意100パーセントであり邪な考えなどない

 

目の前に広がる光景に思わず魅入ってしまってもだ

 

 

 

ホントダヨ?ヤクトクトカ、トシニニアワズリッパナモノヲオモチダナンテオモッテナイヨ?

 

 

「先輩?」

 

 

「あ、お……おぉう」

 

 

はっ!マシュが目の前でこちらを心配そうに見てきたので慌てて咳払いをして誤魔化しつつ何でもないと言いながらマシュがフォウから回収したポーチについて訊ねる

 

 

「あぁ、これはサーヴァント召喚に必要な物で先輩に渡すようにと本当なら聖晶石という特別な石を使用するのですがその……先に召喚する人達が欲張って持っていかれて先輩の分がこれだけしか無くなってしまったのでこちらの呼符を渡すようにと」

 

 

マシュは申し訳なさそうに言いながらポーチの中から聖晶石というらしい石を4つと若干古びた札を数枚俺に差し出してきた

なんか、ピカピカの聖晶石に比べて呼符の方はなんか古びてるというか…はっきりいって引っ張り出してきた感が半端ないんだけど

 

 

「すみません……お察しの通りそちらの呼符はこのカルデアが造られた頃に造られた中古品になるそうです…それに…………何故か、当時の魔術師達は使えなかった物だそうです」

 

 

「つまり……払い下げの在庫整理ってやつか?」

 

 

俺の言葉に彼女が悪いという訳ではないのだがマシュは再びすみませんと言ってくる

そんな姿を見てしまうとなんとも言えなくなるので気にするなと俺は彼女に言おうとした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー突然、カルデア全体が揺れたのではないかと思えるほどの揺れに襲われなければ

 

 

 

 

 

「なっ!!?なんだ!?」

 

 

「分かりません!でもこれは……非常事態警報!?いったい何が!?」

 

 

「今、他のマスター達は召喚中って言ってたよな……なら何か問題が起きるとすれば」

 

 

「!召喚が行われているレイシフトルーム!!」

 

 

俺の推測にマシュは慌てて走り出したので俺もマシュを追って走り出すが目的地は直ぐ側だったらしく慌てて部屋の中へと入っていったマシュを追いそこへ飛び込もうとするがその瞬間に部屋の中で爆発が起きたらしくそれにより起きた衝撃波で俺は壁に頭を打ち付けてしまったらしく意識が薄れていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐっ……」

 

 

 

 

 

何が、どうなった?

 

 

確かカルデア全体が震えたような揺れが突然起きて

 

 

サイレンが鳴り響き警報灯が眩く光り合成音声のアナウンスによる警告が非常事態を俺に告げ

 

それに反応して走り出したマシュを追って……そうだ!マシュは!?

 

 

頭を振りながら状況を整理しつつ考えていたのだが彼女、マシュの事を思い出し識を覚醒させた

 

 

そして、部屋の中に飛び込んだ俺を待っていたのは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

多くの、人であったらしい物体であった

 

 

 

 

部屋の中のあちこちには人の体の一部だったであろう肉片があちこちに散乱しており床や壁には血であろう赤い液体がベッタリと張り付いていた

 

 

 

それを見た俺はあまりの衝撃故に込み上げたもの押さえ込もうとに手で口を押さえようとした

 

だが、こんな事に耐性がない俺が耐えられるわけもなくその場で俺を蹲ってしまう

 

そんな俺の耳に小さな声が聞こえてきた

 

俺はその声を聞いた瞬間、必死に立ち上がり声が聞こえてきた場所に向かってフラフラと覚束ない歩き方だがなんとか近づいていく

 

そこで見つけたのは先程聞いた声の予想通りの持ち主であるマシュであった

 

 

しかし、そこで横たわっていたマシュの体は血塗れで俺みたいな素人目でも……もう助からないだろうと理解してしまう程の状態だった

 

 

「マシュ……」

 

 

「あ……先、輩…無事、だったんですね…」

 

 

なんとか彼女のもとに辿りつき抱き起こそうとするもこれほどの重症では抱き起こそうとした瞬間に大出血を起こしてしまう可能性もあり横たわっている彼女の側で膝をつくしか出来なかった

 

 

「すみません、先輩…今回の事態は私達、カルデアに原因があったよう……です」

 

「え?」

 

 

「裏切り者が、居たんです……それを、マスターの一人が……サーヴァントを召喚した途端に指摘して…ここで、戦闘が起きたのが警報の原因だったようです…」

 

 

マシュが途切れ途切れになりつつも俺に此処で起きた状況を説明してくれる

 

どうやら、カルデアの中にいたらしい裏切り者との戦闘で起きた被害がこの現状らしい

 

そして、戦闘はこの部屋に散らかった惨状の通りに多大の犠牲が出たが流石に多勢に無勢ですでに召喚されていたサーヴァント達により何とか裏切り者を倒したと思えばその裏切り者の置き土産により何かが召喚されたらしい

 

 

その召喚された存在は人ではなくかといって裏切り者であった者とも違う緑色の化け物は空間にジッパーの様なものを出現させそこから白い怪物を引き連れてカルデア内で暴れ始めているらしい

 

それの対処にサーヴァントやマスター達は向かい自分達は此処に取り残されたとのことだった

 

 

 

「すみません……先輩…こんなことに、巻き込んでしまって…」

 

 

目の前で弱々しい声で謝ってくるマシュを見て俺は地面に拳を叩きつける

 

くそっ……俺は何も出来ないのか!?目の前で死にそうになってる女の子一人助けられないのか!?

 

 

何かっ……何かないのかっ………!!

 

そうだ!サーヴァント!説明ではサーヴァントの中のキャスターならなんとか出来る筈だ!

 

それを思い出した俺はマシュから渡されていた呼符を取り出す

 

それを真横にあったサーヴァントを呼び出すための召喚用のサークルへと全て叩きつけるように押し付けるとマシュから聞いた通りに召喚の為の手順を踏みサーヴァントを呼び出そうとする

 

 

しかし、眩い光の後に現れたのは全て本や剣等の道具ばかりであり、それらはマシュから渡されたポーチの中に入っていたデバイスの中へと一瞬光の粒子となり吸い込まれていった

 

 

俺は一瞬何が起こったのか訳が分からなかった俺は呆然としていたがサーヴァントの召喚についての説明を思い出した

 

 

サーヴァントの召喚といっても必ずサーヴァントが召喚されるとは限らない

 

 

礼装と呼ばれる装備品の様な物が出てくることもあると

 

 

それに絶望しているとマシュが俺を呼んで声をかけてきた

 

 

「先輩………これを…」

 

 

 

マシュが差し出してきたのは聖晶石であり、マシュが自身のサーヴァント召喚用に渡されていた物らしい

 

 

「私には…もう、必要がありませんから……これで、先輩を……守ってくれるサーヴァン…ト……を」

 

 

俺に聖晶石を渡したマシュの声からは力が抜けていく

 

 

「先、輩……一つだけ…お願いを…聞いてくれますか?」

 

 

マシュの言葉に頷くとどうして欲しいかと聞く

 

 

「手を……握って…くれますか?」

 

 

勿論と言い俺はマシュの手を強く握り締める

 

 

しかし、その握り締めた手からは体温が殆ど感じられない冷たい手だった

 

 

「あったかいです…先輩の手……きっと…先輩なら…カルデアが出した未来を…運命を…変え、て……」

 

 

弱々しいマシュの声が更に掠れていき俺が握り締めた手からも力が抜けていく

 

微かに空いていた目すらも閉じられてしまう

 

 

そして、そこから一筋の涙がこぼれ落ちる

 

 

 

「っーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」

 

 

それを見た俺は押さえていた感情を吐き出すように叫んだ

 

 

俺は、なんで……こんなにも無力なんだ…目の前で俺を先輩と呼んでくれた後輩一人すら助けられない

 

 

人類の絶滅を防ぐ?過去の改編を修復する?未来を取り戻す?

 

 

こんな無力な俺にそんなことが出来る訳がない!!

 

 

俺は、無力だ………

 

 

その時の俺は気づいていなかったマシュから貰った物と俺の聖晶石が召喚サークルへと零れ落ちたことを

 

 

何より俺自身もかなりの傷を負い重症の状態であったことを

 

 

俺とマシュの血に塗れた聖晶石が召喚サークルに吸い込まれるように消えていき同時に俺のデバイスに収納されていた礼装が共鳴するように飛び出し光っていたことを

 




シリアス風味が続いていますが………はっきりと言います。
基本的にギャグ風味になる予定です
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