もう一人のジャンヌたちから逃走した海月たち一行。ラ・シャリテ近郊の森へ逃げ込んでいた。
「では、あらためまして。マリー・アントワネット・ジョセフ・ジャンヌ・ド・アブスブール・ロレーヌ・ドートリシュ。クラスはライダー。貴方方が言いやすい呼び方でいいわ」
「ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト」
「では、マリーさん」
「マリーさん?」
「あ、し、失礼しました!?」
「いいえ、とてもいい響きだわ!マリーさんって何だかメリーさんみたいで可愛らしいわ。では、私のことをマリーさんと呼んでくださるかしら」
「わかりました。私はマシュ・キリエライト。こちらにいるのは嶺上立香先輩とマスターの藤丸海月先輩です。その後ろにいる方々は我々の味方をしてくださるサーヴァントの方々です。そして、そこにいる方は……」
「ジャンヌ・ダルクね。このフランスを救うために立ち上がった救国の聖女。生前からお会いしたかった方のひとりです」
可愛らしい顔を見せるマリーに対して暗い顔を見せるジャンヌ。
「……私は聖女ではありません」
口を重たく開いた。
「ええ。貴方が思っていることは皆わかっていますよ。でも、少なくとも貴女の生き方は事実です。その結果をわたしたちは知っています。みなが貴女を讃え、憧れ、忘れないのです。ジャンヌ・ダルク。オルレアンの奇跡の名を」
マリーはジャンヌの言っていることを肯定した。しかし、それでも自分はそんな彼女へその生き方は間違っていなかったと、誇りを持ってっと励ましていると同時に貴女ともう一人の貴女は違うと言っているような気がした。
「ま、その 結果が火刑であり、竜の魔女なのだろう。マリアの悪い癖がまた出た。完璧聖人と呼ばれて傷つくのはジャンヌ・ダルク本人だ。いかに、憧れた人であっても叱ることはした方がいいんじゃないか?」
「そ、そんなことわかっています!こ、こうすればよいのでしょう?音楽バカ!人間のクズ!音階にしか欲情しなくなった一次元!音階が好きなら音階と結婚すればいいじゃない!このドM音楽家!」
「……何故か君に罵倒されるとゾクゾクするよ」
その時、現代出身達は中世のフランスの事情はそう変わらないんだな、と思ってしまった。
『そろそろ本題いいかい?では今起きていること、そして今後のことを話し合おう』
切り出したロマン。
ロマンはカルデアのこと、人類史で起きている異変のこと、そして聖杯のことを話した。
「わかりました。私は協力するけどアマデウスは?」
「僕もマリーがするなら」
「お願いしますわ。えっと……」
「俺のことは海月で」
「私は立香で」
「よろしくミヅキ、リッカ」
落ち着いたところで小次郎が、話しを切り出してきた。
先ほど倒したサーヴァントマルタから聞かされたリオンにいる竜殺しのことを話した。
『リオンか。ここからだと早くても二日ぐらいだね』
「なら、ここで野営がいいだろ」
「エミヤの言う通りそれがいい」
『物資を送るよ。だけど、敵性反応を感知!』
茂みから狼型獣人が集団が現れた。だが、ここにいるサーヴァントは一部を除き一線を越すサーヴァント達が揃っている。
戦闘は数分足らずで終わった。