Sideライカ
マリーが殿をかって出たおかげで自分たちは避難民をつれて無事町を出ることができた。そして、近くの村により避難民を受け入れてもらい、合流地点のオルレアン近郊の森に着いた。先に来ていた藤丸たちがキャンプを張っていたため、見つけることができた。
自分はアマデウスのところに行き、マリーの事を話した。彼は悔しがる顔をせず、少し悲しそうな顔で笑っていた。彼自身マリーの性格を知っていたと言うことだろうか。
自分等は先に消えたマリーのため、そしてフランスを恐怖で埋め尽くそうとしているジャンヌ・オルタの支配から解放する作戦を練ることにした。
「作戦なんだけど、一転突破で行くのがいいと思う」
「それだと体力の消耗が激しい。三方向からの攻撃が一番いいと思うわ」
「なら、遠近に別れて多重攻撃の方がより多く倒せるし、隠密を出した方がいいと思うけど」
それぞれ、別々の答えが出てきた。そこに声をあげたのはダ・ヴィンチだった。
『では、こうしよう。全体宝具持ちを前後に挟め、殲滅する。あぶり出たのを各個撃破している間、別動隊が内部に侵入し、ジャンヌ・オルタと部下を倒す。魔力の方は任せておいてくれ。マスターたち全員には龍脈で補えることができるよう調整をして置いてやるさ』
「次は誰が入るのか。地鎮さんお願いできますか?」
「いいよ」
「じゃ、全体宝具持ちは誰いるかな?」
手を挙げたのはエミヤ、クー・フーリン、清姫、エリザベート、ヴラド三世、ジークフリートの六名。詳しく宝具の効果を聞いて三名ずつに分けた。そこに各自の割り当てもした。そして以下の通りになった。
エミヤ、清姫、ジークフリート。
クー・フーリン、エリザベート、ヴラド三世。
そして、自分と行くのはクー・フーリン、ジャンヌの三名。
「ではこれでいこうと思う。次なんだけど、地鎮さんファブニールが生き返ったって本当ですか?」
「ああ。現に自分とロマンは見ている。その為にどうやって倒すか、だけど改造されているから強さと危険度が高くなっているハズ。そこを抑えるのが重要になってくる。ジークフリートと聖ジョージの二人にはファブニールの相手をして貰いたいけど頼めますか?」
「ああ、構いませんよ」
「ああ、何度甦ろうが何度も倒して見せる」
「他は二人の援護と露払いを」
「ちょっと待った。ファブニールの戦い俺たちも参加する」
待ったをかけたのはクロだった。
「俺らも竜は倒しているし、もしかしたらその竜はあれかもしれない」
「あれ?あれとはなんですか?」
「俺たちのところで見つかった化け物だよ。聞いていると特徴が似ている。それに四人がかりで倒せばいい。それにシロはヘヴィボウガンを使うから、援護には最適だ」
「わかりました。異論はないですね?では、作戦は明日決行します」
会議は終わり、自分らはゆっくりと休むことにした。
SideOut
Sideマシュ
私はアマデウスさんとクロさんとシロさんといっしょに水を汲みにいっている時、敵と遭遇し戦闘を開始した。敵は難なく倒せたのですが、森の外に出てしまいました。
「森の外に出てしまいましたね」
「少し休憩してからみんなのもとに帰ることがいいね」
私はアマデウスさんに気になっていたことを聞いてみた。
「アマデウスさん少しお伺いことがあります」
「ん、なんだい?」
「あなたは先程、『人間は好きなものを自分で選べる』と仰っていました。言葉の意味はわかります。ですが、選べるとはどう言うことなんでしょうか?」
「そうだね、例えばさ、僕が好きであっち側につくことはどうだと思う?」
「敵だと思います」
「そうだね。普通はそうさ。マシュはもし、藤丸くんや嶺上ちゃん、地鎮くんが正しいことをしているのにマシュから見たら悪いことに見えたらどうだい?サーヴァント云々関係なくね」
「そ、それは」
わからない。そう断言できる。アマデウスさんがもう一人のジャンヌにいる場合は敵だと認識できる。だけど、そばにいる先輩方のことはどう判断すればいいのだろうか?だけど、サーヴァント云々関係なくと言われても私の考えて言えるのだから、悪いことだと判断できます。けど、本当に悪いことなのか?もしかしたら、本当に正しいことかもしれない。アマデウスさんがそちら側にいるのだって本当はそっち側は正しいのかもしれない。結局、どっちが正しいのだろうか?
「マシュ、悩んでいるとこ申し訳ないが、今君は選んでいる最中なんだ」
「選んでいる最中?」
「そう。悩んでいることが証拠よ。これは私たちの話なんだけど、私たちには娘がいるのよ。けど、本当の娘じゃないの。その事を話そうとしたとき、悲しむじゃないかなって。だけど、そうはならなかった。話して良かったと思ったわ」
クロさんとシロさん話してきて、自分たちの話をしていましたが、どういうことなんでしょう?
「つまりだ。難しく考えるなってことだ。ああ、考えなしで判断するって意味じゃない。己の直感で判断し、あとは考えると言うことだ。どういうことかと言うと一度疑うとなかなか決まらないんだ。自己嫌悪に陥るからだ」
「自己嫌悪に陥る?」
「そうだ。面倒だからな、だから自分はこうしたいと常に思え」
「この二人が色々言っちゃったから僕はこれを。マシュ君はまだ歩き始めたばかりの赤ん坊、もしくは雛鳥。君にはまだ何が好きで何が嫌いか、何が尊いと思い何が邪悪か。君はまだ知らないんだ。これから選んでいけばいい。確かに怖がり、恐れる、そして、躓くことがあるのだろう。だけど、それでも選ばないと進まないといけない。それが義務なのだから」
「義務?」
「そう、人間には考える知性がある。知性があるから考える、考えたから行動する。人間は多種多様。君自身の考えを持つんだ。そして、君だけの世界を持つんだ。そして、君がいた証を刻むんだ。僕は多くの曲を残した」
「俺は異名を残した」
「私は数々の結果を」
「だから、わからないなら色々学べばいい。君の周りには藤丸くんたちがいる。彼らを見て、自分を見いだせ」
自分の考え、自分だけの世界。私は見つけることができるのだろうか?いえ、見つけてみせます!この命が消える時まで!