Fate/GhostOrder   作:葵・Rain

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 投稿遅れてすいませんm(__)m
 やっと第2特異点に話に入ります!
 ではどうぞ!


第二特異点 永続狂気帝国セプテム
EPISODE.1 日常/ EVERYDAY


 Sideライカ

 わっちの朝は早い。五時には自然と目が覚め、顔を洗ったり、歯を磨くなどの身支度を整えてから寝間着を脱ぎ、普段着に着替える。

 部屋の鍵は閉め、向かう先は食堂。

 理由としては趣味の一環が特技に変わり、仕事を任せられるようになった。レイシフトや訓練がない時はいい息抜きになる。

 食堂に着くと先客がいた。赤い外套を脱ぎ黒のインナーに赤色のエプロンを着けているエミヤが野菜を切っていた。

 

「おはようエミヤさん」

「おはよう地鎮」

 

 挨拶をし終えるとエプロンを着けて手を洗いと消毒済まし、冷蔵庫からマスの切り身を取り出した。それを一人行きわたるように切っていく。切った切り身をコンロにセットし焼いていく。

 その間に鍋に入っている食べ物を温めておく。

 

「おはようございますエミヤさん、ライカ先輩!」

「おはようマシュ」

「おはよう」

 

 食堂にマシュが入ってきた。マシュはこちらに来て、茶わんやお椀、お皿などを出していく。

 そう言えば驚いていたね。わっちが意外とフランクな話し方をしていることに。確かに依頼を受けている時はまじめにやるせいだろう。これが一日、一日が緊張感を迎える戦いがあると心が休まらないから、カルデアの中では普段通りに過ごすことにした。

 

「おはようございます」

「おはようございます先輩」

 

 次に藤丸が入ってきた。あくびをしながらこちらに来た。

 あと来ていないのは嶺上だけか。

 

「私が行ってきます!」

「いいよ、俺が行ってくるよ」

 

 藤丸がマシュを止めて食堂を出て嶺上の部屋に行った。

 食堂を出て数分経った時、放送がかかった。

 

『マスター三名至急オペレーター室へ集合。新たな特異点が発見された』

 

 アーキマンの第二特異点の発見の知らせと立香の叫び、何かを叩く音が廊下に響いた。

 

 オペレーター室に集合したわっちたち。隣には顔を赤くしながらイラついている嶺上と右頬を赤く腫らしている藤丸の二人。

 アーキマンが全員が集まったのを見て話始めた。

 

「それじゃ、今回発見された特異点について話そうか。

 時代は西暦60年のローマ帝国。ローマ帝国第五代ネロ・クラウディウスが統治している。

 さて、今回も異変があるだけでその内容はわからない。行き当たりばったりになってしまう。なので今回はマスターは二人だけでレイシフトしてもらうことになった」

「二人だけ?」

「まあね、理由はあるから聞いて。

 一つは特異点とカルデアとの通信が悪くなるってこと。特に別行動するときだね。

 もう一つはもしも急に見つかった特異点に対してすぐに行けるようにするため。

 納得いかないかもしれないけど、みんなの負担を減らすためだと思ってもらいたい。

 そのため今回はライカちゃんと藤丸くんの二人に行ってもらうよ」

「はい!」

「了解」

「出発は二時間後。解散!」

 

 SideOut

 

 太陽が照らす大地に二つの軍団が相対していた。一方は赤い旗を掲げ、もう一方は緑の旗を掲げていた。

 

「ウォオオオォォォ!」

 

 金の鎧を身に纏い赤いマントをはためきながら、赤い旗の軍団を吹き飛ばす。

 その中に赤いドレスを着て芸術性のある赤い剣を振るう可憐なる少女が切っ先を向けて叫んだ。

 

「なぜだ、なぜ生きている叔父上!?」

「ウォオオオォォォ、ネロォォォォォ!」

「くっ!?」

 

 叔父上と呼んだ人物に吹き飛ばされるネロと呼ばれる少女。

 うまく剣身でガードし、後ろに吹き飛ぶことでダメージを軽減した。

 そこへ追撃してきた叔父上。ネロは逆袈裟に構えて迎え撃とうとした。

 ドンッと、轟音と砂煙が舞う。

 

「ハァァァァァ!」

「ぐぉオオオオオっ!?」

 

 叔父上の拳を紙一重でかわし、胴へ一閃、背中にもう一閃。

 普通の人間ならばこれで死んでいる。だが、叔父上はまだ生きていた。

 叔父上はネロの腹へ蹴りを一発打ち込んだ。ネロは五メートルぐらい飛ばされ、大きな岩にぶつかり止まった。

 

「かはっ!?」

 

 岩にぶつかったネロは口から血を吐いた。剣を杖代わりに立とうとしたが、腹に稲妻が走った。どうやら骨折しているみたいだ。さらに持病の偏頭痛に顔をしかめ、血で視界は霞んでいた。

 自分の前へ歩み寄る叔父上の前にネロの兵たちは為す術がなかった。

 

「すま、ない。我が姪、よ」

 

 叔父上の目には涙が出ていたが、その構えた拳を解くことがなかった。

 絶対絶命のピンチ。もうダメかと思われた。

 激しい轟音がネロのいるところから聞こえた。ネロの兵たちは絶望した。我々を鼓舞し共に戦ってくれた皇帝を救うことができなかったと。

 

「あぶねぇな。あんた大丈夫か?」

 

 一人の男の声が聞こえた。砂煙が舞うなかでシルエットしか判別できなかったが、誰かが立っていたのだ。

 晴れるとネロを抱えている一人の青年がいた。変わった服装をしていたため異国の者だと思われた。

 

「少し休んでいな。あのおっさん俺が倒すから」

 青年はポーチから小さめのガラス瓶を取り出し、ネロへ飲ませた。苦しそうな顔から安らいだ顔になった。

 

「ネロ、我が姪よ」

「選手交代だ」

 

 叔父上の正面に立った青年は拳を構えた。

 次の瞬間、青年に大きく振りかぶった拳に対し腕を手で支え体に入り投げ飛ばした。地面に叩き落とされた

叔父上は一瞬呆然した。

 青年はどこからか大型の片刃剣を持ち出し叔父上に

振り落とした。振り落とされた剣を受け止められず、真っ二つに別れた。

 西に傾く太陽を見ながら青年は思いを馳せた。

 

「俺たち本当にタイムスリップしちゃったよ」

 


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