Side嶺上
私たちの目の前に立つ黒い鎧を着て、中世的な顔をした人がいた。金色の髪がくすんで銀色と言われてもわからない色をしている。そして手に持っているのは黒い剣。ここからでもわかるくらい禍々しいオーラをしている。これがクー・フーリンが言っていた鬼のようになったセイバー、アーサー王。黒いアーサー王、アーサー・オルタと付けておくか。
「待っていたぞ」
声は女性……女性の声?
「お主、女で御座るか?」
「ああ、女が王だと務まらないからな。男装していた」
ここで真実が、アーサー王は女でした!歴史が⁉物語が⁉ひっくり返ったよ⁉
「さて、話はここまでだ」
「マスター、敵性サーヴァント来ます!」
「頼むマシュ!」
「はい!」
「小次郎さん!」
「では行くとするか」
前衛しかいないけど、それは相手も同じ。しかも、小次郎さんは日本有数の剣士、剣への対処はすごいはず。守りに徹すればマシュでもいける。けど、マシュは実戦は数回、サーヴァント戦なんてこれで二回目。やられる可能性が高い。ならどうするればいいのか?それは……。
「マシュ、攻撃は小次郎さんに任せてサポートに回って」
「は、はい」
私たち、正確には藤丸くんが出すから。私は小次郎さんに指示を出す。
背中に背負っている太刀、物干し竿を抜きアーサー・オルタに斬りにかかった。アーサー・オルタは簡単に受け止めて、細い腕から出るとは思えない力で押し返した。その力を利用して後ろに下がった小次郎さんは物干し竿を下げていた。
次の瞬間、衝撃が来た。砂煙で見えなかったが晴れたら、さっきいた場所にアーサー・オルタがいなく小次郎さんの数メートル先にいた。
アーサー・オルタが飛んで斬りにかかってきた。それを受け流した小次郎さん。右、左、上、下、斜めの連続斬撃を繰り出してきて、それを受け流す。すごい徒しか言えない。これがサーヴァント同士の戦いなの……。
「何ボケッとしているのよ。それと藤丸海月、あなたは見極めなさい。マシュの役割はあの子自身わかっていないわ。だから、あなたがそのタイミングで言いなさい」
あのチキンの所長が的確なアドバイスをしている。なら私がすべきことは。
「小次郎さん、宝具発動はまかせます!」
「了解!」
サーヴァント同士の戦いは勿論、剣士同士の戦いはわからない。なら、マスターはマスターらしく指揮に徹する。
「小次郎さん、前に走って!」
「了解!」
「待て!」
とにかく避けて、あるタイミングで起こせば小次郎さんの宝具決まる。避けきれず受け流そうとしている。ここ!
「今だ!」
「やあぁぁぁぁあ!」
藤丸くんの声でマシュがアーサー・オルタの前に盾を突き出してきた。
「ふん、貴様が出ても意味がないぞ!」
アーサー・オルタがマシュを試そうとエクスカリバーで盾に唐竹割りしてきた。
「マシュ、受け止めないで、受け流せ!」
「はい!んっ!やあぁぁぁぁあ!」
絶妙な角度で盾を傾けさせて、受け流したと同時に盾で殴打した。
「くっ!?」
「ナイス攻撃!」
「調子に乗るな!」
「そのまま返させてもらう。秘剣燕返し!」
一瞬だった。高速の三連撃が連続じゃなく同時に三方向からアーサー・オルタに向かってきた。決まった!曹思っていた。
「ふっ!」
アーサー・オルタは無理矢理体を捩ってエクスカリバーに纏わせた魔力放失で右に避けた。
小次郎さんの宝具が外れ、地面が大きく抉れた。
「悪あがきもこれまでだ」
エクスカリバーに魔力が集まって、エクスカリバーに黒い魔力が纏まり始め、大きな剣になっていく。
「『卑王鉄槌』、極光は反転する。光を呑め…!」
「ぜ、全員逃げろ!?」
「
アーサー・オルタの宝具が炸裂し、私たちの目の前が黒に塗り潰された。
Side地鎮
エミヤさんの突然の攻撃をガンガンセイバー二刀流モードで防いだ自分。一気に距離をとり、ブレードモードに戻し、紅血丸を抜いた。
「クー・フーリン援護お願い」
「はいよ」
身体強化魔術を掛けて、エミヤさんに突っ込んだ。ガンガンセイバーからの袈裟斬り、紅血丸からの左横凪ぎ、そこからの左右の横凪ぎをしていくが、簡単にかわされる。自分に対して本気なんて勿体ないと言われているみたいだ。たしかに人対サーヴァントだから本気なんて出さないだろう。だけど、これは二対一の戦い。白兵戦も遠、中距離ができるからって甘いよ。
「そーら、燃え尽きろ!」
クー・フーリンからの三発の炎攻撃はことごとくかわされるが、自分が遠距離を使えること忘れている。
「当たれー!」
ガンガンセイバーをガンモードにして連射していく。
一発一発は弱いけど、連射すれば多少ダメージはある。
「ふん、こんなものか?」
「まだまだだよ!」
さらに身体強化魔術を掛け、さらに体に負担を掛ける。骨が軋む音がする。肺が苦しくなる。筋肉が割ける。頭が割れる。心臓が破裂する。
ヤバイ、ヤバイ!?これはヤバイ。気抜いたら死ぬ。
「何焦っている。今の貴様は見苦しいぞ」
「しっかりしろマスター!」
わかっている。でも苦しいんだ。だけど、エミヤさんには聞かないといけないことがある。
「あ、あなたは…ハアハア、どうし、て、そん、ハアハア…悲しい顔をしている」
「何を言い出すのかと思えば」
「大勢の…ハアアア…人が死んだから?それとも、最愛の人が…死んだから?」
「……言いたいことはそれだけか?」
「あなたの気持ちはわからない。けど、そんな顔をした人は大勢見た。だから、どうして悲しい?」
「それを言ったどころでどうにかなるのかこの状況が?」
「これは、自分自身のわがまま。昔助けてくれた人への恩返し。だから教えてほしい。どうして悲しい?」
「ちっとも響かんな。まあいい、これで終わりだ!」
殺られる!?と思っているわけない!
「
自分の起源、模写にはない自分自身が考えたものがある。紅血丸で読み取った相手の性格、能力、起源などはランダムで使えたりする。なぜ、ランダムなのかは自分の体に合ったものを使わないと体がダメになるから。戦闘中は特に選んでいる暇がない。だから、自分の十二肋骨で作った起源弾は使いやすい。当たったら、自動で模写をして、発動するから自分には被害がない。しかし、いちいち、十二肋骨を削っているとなくなるから、自分の魔術回路を五本と自分の血で作った紅血丸は
さて、今回自分がトプソン・コンテンダーに詰めているのは血の弾丸。これでも一応反応はするが、勝手が悪い。理由は自分のもう一つの起源、起動がない場合。確率では30%しか反応しない。模写しかできないし、たまに起動しかしかしない。両方同時はまずない。
ならどうやって使うのか?答えは簡単紅血丸で模写した起源を、コンテンダーの弾に写す。するとどうだろう?
「あなたの起源読み取った」
MONOHOSIZAOと紅血丸は折られ、なんとか振り向き射った。丁度よく、左腕に当たり、左腕から無数の刀剣類が出てきた。
「ぐああああ!?」
「今!」
「やっとか!焼き尽くせ木々の巨人、
最後に見えたのはクー・フーリンの宝具で焼かれるエミヤさんだった。